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〜水のある生活〜
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新版 2003 お魚日記
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ひみつ日記読む!

2003.12.7(Sun)

Re:White Crayfish
 返事を出した翌日に、再び2通のメールが届いていた。いずれも先の白ザリガニを欲している人物からだった。
 質問が8割、残り2割で、自分がいかに白ザリガニを探しているかを訴えていたのだが、いかんせん英作文はそう簡単に風呂上がりにちょいとメール書きというわけにもいかないので、今日まで待ったというわけである。

 質問に1つ1つ答えてみたのだが、1点だけ強調しておいたことがある。それは日本から“いずこかの国”へ生物を輸出するのは個人では簡単ではないということだ。たぶん、彼はそのことを軽く考えているふしがある。というのも、別の人物から335ドルで白ザリガニを譲ると言われている、と書いてあったからだ。航空便で生物を輸送した場合、どの程度の送料がかかるのか正確なところはわからないが、300ドル程度で入手可能なのだったら、わざわざ日本から素人に輸出してもらうまでもないんじゃないか、と。

 これで納得してくれればよいが、さて…(結局、今回のメールでも彼の国はわからなかった)


2003.12.2(Tue)

White Crayfish
 “WHITE CRAYFISH”という題名のメールが届いているのに気付いたのが、今夜のことである。差出人の名前は、どう見ても日本人ではない。さっそく本文を読んでみると…

 英語である。しかも挨拶も、自己紹介もなにもなしで、いきなり本題に入っている。私のもっとも嫌いなパターンのメールだった。
 でもまぁ、とりあえず内容を読んでみることにする。すると、こんなことが書いてあった。

ここのページの白ザリガニはどうやって手に入れたのだ。可能な限りすぐにメールをよこしてくれ。珍しい白いザリガニのために、金は払う。』(意訳)

 どうも私のページで紹介している白ザリガニを、“売ってくれ”と言っているようだ。もしかして通販サイトを勘違いしている可能性もある。だいたい日本語のページを、メールの差出人が読めるとは思えない。ただ画像だけ見てメールを送ってきたに違いない。

 そこで、ここは通販サイトではなく個人の趣味のページであること。問題の白ザリガニは2年前に他界していること。そして、私は日本人であること(英語を母国語とはしていないこと)、日本では白ザリガニはさほど珍しいものではないこと(つまり、あなたも自国で探せば見つかるのではと言外に匂わせているつもり)、を書いて返信しておいた。果たして彼に、うまく伝わるとよいのだが。っていうか、彼がどこの国の人物なのかすらわかってないのに、いきなり『売ってくれ』って言われてもなぁ…


2003.9.10(Wed)

大きな魚
 保育園から借りてきた絵本を見ていたみこりんが、そこに描かれている“大きな魚”を指さして、「これなんのさかな?」と問うている。たぶんカジキの仲間だと思われるのだが、みこりんは当然そんなことは知らない。「なんだと思う?」と聞いてみると、「んー。いるか?」と言うので、「イルカは魚じゃないぞ〜」と訂正してやったが、みこりんはどこか釈然としない表情である。

 「ずかんでしらべてみる」と言うみこりんだったが、あいにく魚の図鑑が我が家にはなかった。虫と動物と星座の図鑑ならあるのだが、やはり魚や鳥といった方面の図鑑も揃えておくべきかもしれない。みこりんの知りたい欲求を妨げないようにしなければ。


2003.9.8(Mon)

ウグイの餌
 ところでウグイ達は、口を開ければ直径1cmほどにはなりそうなので、もはや小粒の“ランチュウの餌”ではぜんぜん物足りない状況だ。それでもフナがいるので、“ランチュウの餌”もやらねばならない。しかし、主食は完全にクリルへと移行してしまっている。一時期は鯉の餌を試してみようかと思ったが、もしも食べなかった時のダメージがでかいので(余った餌をどうしようとか)、とりあえずクリルに落ち着いている。

 毎朝、クリルを5匹ほど適度にちぎって水面に浮かべているのだが、帰宅する頃にはきれいになくなっている。つまり、やってすぐにはあまりがつがつとは食べてくれないのだ。このへん、“ランチュウの餌”の食べっぷりとはぜんぜん違う。やはり沈む餌と、浮く餌の違いなのかもしれない。

 あるいはクリルをあまり好きではないのかも。仕方なく食べているのだろうか。やはり鯉の餌を試してみるべきなのでは。と思い悩む今日この頃である。


2003.9.6(Sat)

またしても拒食
 昨日まで元気に餌を食べていたウグイが、1匹、またしても拒食になってしまっていた。なぜこうもぽつりぽつりと拒食になってしまうのだろう。去年釣ってきた魚ばかりだから、約2歳といったところだろうか。オイカワの寿命は2年とか見たような気はするが、ウグイはどうなのか。調べてみなくてはなるまい。もしもこれが寿命であるのならば、ただ受け入れるしかない。


2003.9.4(Thr)

ウグイ死亡
 拒食だったウグイが、今朝、浮いていた。体表に、なんだか白い膜のようなものがぺったりと張り付いていて、これが死んでから長時間経過しているからなのか、病気だったからなのかは不明だ。

 白い膜を水槽の中に散らさないように注意しつつ網ですくい、水槽から出した。死体は、例によって玄関脇のコニファーの足下に埋めてやる。ここのところ川魚水槽で魚が連続で死んでおり、そろそろ新規に埋める場所の確保も困難になってきた。残るはウグイ3匹とフナ1匹、無事にいてくれるとよいのだが。


2003.9.2(Tue)

アカヒレのその後
 朝晩は、はやくも秋の気配である。タナゴ水槽で産卵ケースに隔離してあるアカヒレは、このまま水温低下するにまかせていても大丈夫なんだろうか。熱帯魚として売ってるような気がするので、ヒーターなしではまずいのでは…。“コッピー”とか称して瓶詰めで売られてる姿も目撃するが、あれはあれで本当に大丈夫なのか、いまいち不安。

 産卵ケースに隔離してるのだから、このまま金魚達のいる熱帯魚水槽に移動させても問題ないだろう。水温変化があまり激しくならないうちに、お引っ越しさせてやらねば。


2003.8.30(Sat)

成長
 苔まみれの海水2m水槽なので、中の様子があんまり見えないのだけれど、よぉく目を凝らしていると、徐々に魚たちの姿が浮かび上がってくる。カスミチョウ達は、すいぶんと大きくなったように感じる。去年までは個体ごとに大小関係がかなりはっきりとわかったものだが、今ではどれがどの個体やらもはや判別不能なほどに、似通ってしまっているのだ。ということは、カスミチョウのこの水槽におけるサイズというのは、ここで打ち止めということなんだろうか。

 ケラマハナダイの方も、いつのまにやらずいぶんと大きくなっていた。一番大きいので10cm近くはあるだろうか。お腹もでっぷり丸々と太っていて、貫禄十分。反面、色彩の方がやや薄れて来つつあるような気はする。もっとも、水槽が苔っているので、正確な色はわからないんだけれど。

 水換え用のホースは、いまだ入手できていない。ともかく、苔だけでもどうにかしないとなぁ…。なんとなく、このまま年を越えそうな予感もあり。


2003.8.28(Thr)

復活の兆し
 水流が復活した海水R360水槽は、その後、順調に推移しているように見える。とはいえ動いている生物といえば2匹の巻き貝くらいなのだが、彼等の足取りはじつに軽快で、健康そうだ。いったい何を食べているのか不明だが、よく動き回っている。
 その他にも、ライブロックの裏側に張り付いている謎の貝も、まだ健在であることがわかる。時折、貝殻を開いているのを目撃するのだが、中の生体は乳白色の体で元気そうに思える。
 ライブロック表面にも、なんだかわからない触手がもぞもぞと動き回っていて、その他の生物も完全に死滅してしまったわけではないことが見て取れる。このまま徐々に生物相が豊かになっていけばと思う今日この頃。


2003.8.26(Tue)

その後のウグイ
 どうやら拒食になったウグイは、病気らしい。いや、拒食なんだからどこか体調が悪いのは間違いないのだが、今回は明らかに体表に異変が起きているのだった。
 ウグイの体表に、白い傷のようなものが、ところどころに浮かんでいる。なにかで擦ったあと、膿んだような状態に近い。それが物理的に生じた傷かどうかはともかく、そんなものができたということが問題だった。薬剤を使うべきかもしれない。


2003.8.24(Sun)

原因判明
 海水R360のモーターを新調した。ところが、新しいモーターに換えても、水流はあいかわらずちょろちょろ〜っとしか出てこない。まさか2台続けて不調なんてことはあるまい。試しにパイプに接続せずに作動させてみると、パワフルにぶわっと水流が巻き起こる。な、なるほど。悪いのはモーターだったのではなく、パイプの方かっ。

 そういえば思い当たることが1つ。この水槽では底面濾過を採用しているのだが、パイプの根元に、以前(3年か4年ほど昔のこと)ウールマットを少々挟み込んだことがある。底面濾過の内部に砂がはまりこんで、それをモーターが吸ってしまうことがあったので、それを防ぐ意味でのことだった。もしかすると、そのウールマットが目詰まりを起こしているのかもしれない。

 さっそく、パイプが埋まっている根元付近の砂を慎重にどかし、接合部をあらわにしてみた。底面濾過がずれないように、ゆっくりとパイプを取り外す。穴は直径2cmにも未たず、中は暗い。覗き込んでも、何も見えなかった。仕方がないので、そぉっと指を差し込んでみる。……「むっ」なにもなかった。おかしい。そんなはずはない。何もないのに、これほどモーターの威力が低下するはずがないのだ。
 さらに指を奥へと潜り込ませてみる。何か得体の知れない生物が潜んでいそうで、ちょっとどきどき。

 やがて、指先に“ぶよん”と触れるものがある。こいつだ。直感的にそう思った。つまみ出そうとしたがうまくいかず。そのまま奥へと押しやることにする。
 パイプを取り付け、再度モーターをセットした。こ、今度こそ…
 濡れたままの手で、モーターのプラグをコンセントに差し込むと、これまでの水流が冗談であったかのような、素晴らしい勢いで流れが発生した。成功だ。たちまち水槽の中にゴミが舞う。死んだうねうね虫とか、海藻の破片とかも一緒くただ。もう一度水換えすべきだろう。

 数時間後。水槽の中は、見違えるほど透明になっていた。軽やかな水流に、巻き貝達も心地よさそうに歩んでいる。ライブロック表面には、ところどころ生き残ったケヤリ達が花を咲かせ、徐々に水槽は息を吹き返しつつあった。危機は去ったのだ。

 今回は甚大な被害を出してしまったが、壊滅的な打撃ではなかったのがせめてもの救いである。これから徐々に、もとのような多様な生物の暮らす水槽にしていきたいと思う。


2003.8.22(Fri)

連鎖の恐怖
 気掛かりなことが、さらに1つ出来てしまった。川魚水槽のウグイが1匹、水槽の隅でじっとしている。餌をやっても食べに来ない。残りのウグイ3匹とフナ1匹が、あいかわらずすごい勢いで餌をがっついているのとは、あまりにも対照的な光景である。
 なんとしたことだろう。もしやオイカワの謎の死の連鎖が、ウグイにも…。


2003.8.20(Wed)

廃墟の水景
 唐突に休暇が舞い込んできたので、なにげに水槽を見て回っていると、海水R360水槽で異変を発見。モーターからの水流が極端に悪化してしまっていたのである。
 このモーターは以前からへろへろではあったが、さらにその10分の1ほどになってしまっていた。もはや水の流れなどほとんどないも同然である。砂の中からは各種うねうね虫が這い上がり、瀕死状態。ヤドカリ、カニの類もすべて死亡。巻き貝達だけが、唯一生き残っているといった感じ。ライブロックに逆さに貼り付いていた海藻も落下していて、赤紫色の色素が抜け、徐々に黄緑色になりつつあった。

 いったいいつからこうなっていたのだろう。水槽が苔まみれなので、うっかり見落としていたのだろうか。とにかくまずやらねばならないのは、水換えである。この状況を、これ以上悪化させてはとりかえしがつかなくなるにちがいない。

 水換えを終えたところで、モーターをばらしてみた。すると、軸に黒っぽい錆のようなものが付着していてカバーと接触している。たしかにこれでは回転も上がらないだろう。がりがりとこそげ落として、再度、水槽にセットし直した。電源ON。水流も、やや持ち直したようだ。このままだましだまし使って週末になるのを待とう。そうしたら、即モーター交換だ。

 ライブロックに永らく住み着いていたカニ達が、全滅してしまったことはとても残念に思う。普段ほとんど姿をみかけないにもかかわらず、たぶんその岩の下あたりに潜んでいるかと思えただけで、なんだか安心できたものだ。それがもう、どこにもいない。水槽の中はしんと静まりかえった廃墟のよう。巻き貝だけが、ゆるゆると歩いている。しかし意外だ。巻き貝の方がカニより水質悪化に強いとは。
 いずれこの水槽には、新たなライブロックを投入せねばなるまい。


2003.8.15(Fri)

シュアー切れ
 カスミチョウの餌として使ってきたシュアーがなくなってしまった。早めに買っておかねば、と思いつつ、途中で帰省してたりしたので、買いに行く間もなくショップがお盆休みに突入してしまい、困ったことになってしまった。
 とはいえ、このままではカスミチョウ達が飢えてしまう。そこで、沈下性の餌ということで、ウグイ達にやっているランチュウの餌を試してみることした。粒の大きさでいうと、ランチュウの餌の方が1.5倍くらいあるので、ちょっと不安はあったのだが、実際にやってみたところ、カスミチョウ達は特に気にする風もなく、ばくばくと食いついてきている。いやむしろ、シュアーの時よりも食いつきがいいかもしれない。粒がちょっと大きい分、食い応えもあるんだろうか。

 ただ、粒がちょいと大きくなったことで、困ったことも1つ。同居しているケラマハナダイの一番ちっちゃいヤツが、どうも食べるのに苦労しているようなのだ。もごもごと口の中で転がして転がして、どうにかごっくんと飲み込める感じ。やっぱりシュアーでなきゃダメっぽい。


2003.8.13(Wed)

逆さの海藻
 貝は無事に復活を果たしていた。この水槽には、当初から同じような巻き貝が1匹いたのだが、それと並んでなにやらもしゃもしゃとやっている。これならば大丈夫そうだ。

 では海藻(海草と言うべきか)の方はどうだろう。昨日投入したあたりを探してみたが、姿が見えず。もしや溶けてしまったのでは…、と思い始めた頃、意外な場所で発見した。水槽が苔まみれだったので、わかりにくかったのだが、なんと海草はブリッジ型にわたしたライブロックの、ちょうど中間あたりに逆さに貼り付いていたのだった。たしか昨夜は水底に沈んでいたはずなのに。この海藻って、じつは、動く?海藻みたいなフリして、もしや動物?
 そんなことをLicに話してみたところ、こともなげに彼女は言った。「水流で動いたんじゃないの」
 そ、そうかな。水流といっても、この水槽、モーターがへろへろなので、亀の歩みがごときのろさなんだが…。それに逆さになってることの説明は…。ま、まぁいいか。生きてるんなら、それでよし。


2003.8.12(Tue)

誤算
 帰還。荷物をクルマから次々と運び出し、最後に昨日、海から持ち帰ってきたペットボトルをシートの足下から取り出した。薄暗い街路灯の光で透かして見ても、なにやら濁りがひどくなってきているような…。イヤな予感がわき起こる。

 荷物の整理もそこそこに、まずペットボトルを開封した。「むぅ」っと来る、刺激臭。まずい、何かが腐ったに違いない。
 ペットボトルをハサミで切って、中の生物達をプラケに出してみた。ヤドカリ……死亡。海藻……1コほぼダメ。もう1コは大丈夫そう。巻き貝は…、なんとか大丈夫そう。腐った海水はとっとと捨てて、生き残った生物を、海水R360水槽に移してやった。
 できれば天然海水を水槽に追加したいという野望は、こうしてもろくも崩れ去ったのであった。


2003.8.11(Mon)

海にて
 実家に帰省したついでに、海水浴へと繰り出してきている。遠浅の浜辺なので、みこりんにも安心だ。私が子供の頃には、この砂浜はカニやらヤドカリやら貝やらといった生物達の楽園だったのだが、海水浴場の整備とやらで、砂を大量に入れて人工の浜辺にしてしまった結果、貝類はほぼ死滅してしまったらしい。掘っても何も出てこない。カニも滅多に姿を見かけなくなった。ヤドカリも、十メートル四方にようやく1匹というレベルである。元の姿に戻るのに、どれほどの歳月が必要なのか想像もつかないが、もったいないことだ。

 みこりんは保育園でのプール練習のおかげで、すっかり海にも慣れ、浮き輪なしで潜ったりもできるようになっていた。潜ったまま海中で、何かを探しているらしい。やがて、右手を高々と上げ、私の方へとやってくる。
 小さな手に握られていたのは1匹のヤドカリだった。飼うというので、持ち帰ることにする。例によってジュースのペットボトルを空にして、その中に海水を満たし、ヤドカリを入れた。昨年はこれで家まで持ち帰ることに成功したが、今年は台風の影響で海水がかなり濁っている。ちょっと不安。

 水中メガネで水底を覗いていると、ところどころに一塊りになった赤紫色した海藻のようなものを見かけた。触れた感じは、キクラゲのよう。生きているらしい。何かに活着しているわけではないが、砂地の上にちょこんと座っている様子が何やら可愛らしい。中心付近は密集していて、いかにも小さな生物の卵とか幼生の宝庫っぽい雰囲気だったので、2つほど持ち帰ることにする。これを海水R360水槽に入れれば、また新たな生物の発生につながるかもしれない。
 ペットボトルに入れるのはちょっと窮屈そうだったけれど、一日だけ我慢してもらおう。明日には水槽へ投入だ。

 最後に足裏にひょいと触れた小さな巻き貝を1匹、同じくペットボトルへと入れた。1cmほどの大きさの白い貝殻が、なかなかおしゃれである。

 お昼過ぎ、撤収。夕方から、雨。雨雨雨の夏休み。


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