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〜水のある生活〜
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月 2000 お魚日記
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ひみつ日記読む!

2000.3.1(Wed)

新番組
 夕食も終わり、みこりんも寝てくれたし、あとは寝るまでつかの間の自由時間。とりあえずコタツに入って、のんびり水槽でも眺めていよう・・・。ゆったりと進む空気を満喫していたところに、突然、忘れ物をしたのではないか!?という焦燥感に襲われた。何だったか咄嗟に思い出せないのが気色悪い。ん〜、なんだっけかな。必死に頭を絞っていると、今日が3月1日なことに気が付くのだった。「おぉっ、SkyPerfecTV!の番組表じゃ」
 先月末に、この番組表が届いたとき、ちらと気になってたものがあったはず。それをようやく思い出したのだ。たしか1日から始まるんだったような・・・。
 おぉ、あったあった。『ホームチャンネル』の新番組、その名も『峰竜太の いつでもアクア気分!』。“峰竜太の”ってところに、若干の不安を感じつつも、“アクア”と名が付けば一応チェックしなくてはなるまい。あぁしかし、今日は午前中の放送だったのだ。見逃してしまった・・・。幸いリピートがあるので、次回は忘れないようにしなくては。
 はたしてどんな内容になっているのだろうか。


2000.3.2(Thr)

デバのこと
 デバスズメは、私が初めて飼った海水魚である。丈夫で安価だから、テストフィッシュにも使いやすい。だから、しばらくするとチョウチョウウオとかヤッコとかに浮気してしまって、デバをかえりみることも、あまりなく・・・。再びデバを飼ったのが、この家で2m水槽を立ち上げた時だ。約1年ぶりの再会。その時は、30匹を投入した。
 ところが、デバの群は2〜3週間で一匹残らず姿を消してしまったのであった。いくら安価とはいえ、30匹買ったら9000円はする。安い買い物ではない。それでも魚がいなくなっては濾過システムが維持できない。というわけで、またもや30匹投入。だが、これまた2〜3週間の命。明らかに濾過システムに異常があると思われた。
 結局、このときはライブロックで立ち上げに成功したわけだが、以来、デバスズメは私の水槽で飼われることはなかったのである。

 あれから6年が過ぎた西暦2000年の今年、私はようやくデバをテストフィッシュ以外の目的で飼うことになった。R360“クラゲ水槽”。主であるクラゲを、不慮の事故で亡くしてしまったための、つじつま合わせ・・・ではあるのだが、飾りを一切排した白い敷き砂のみというR360に、エメラルドグリーンのデバスズメは、怖いくらいはまっている。南の海で浅瀬を水中メガネで覗いているような、そんな錯覚さえ覚えてしまうのである。派手ではないが、それゆえ見飽きることも少ないのかもしれない。夜、砂の上1cmほどでホバリングしながら3匹が並んでいる姿など、「おぉぉ、これぞ海水魚の真骨頂!」なのである。美しすぎる。この魚が、わずか数百円で手に入ることに感謝したい。

 そういえば、今月始めに、私の両親がはるばるみこりんに会いに来たとき、我が家の魚達の中で、一番「きれい」だと言っていたのも、このデバだ。緑色というのが、珍しかったのかもしれないが、こいつの魅力はアクアリストだけでなく、普遍的に通用するのかもしれないと思ったりもした。
 できるならば、デバは数十匹単位の群泳を再現したい。だが、2m水槽ではバランスを欠くだろう。ここはやはり・・・・・デバ専用生け簀を庭に!
 はー、そんな資金がいったいどこにあるのやら。夢、だなぁ。


2000.3.3(Fri)

危険なヤツ
 玄関の海水60水槽と淡水60水槽で、部分的にうっすらと苔が発生しつつあったので差し水ついでに、ティッシュでキレイに拭いておく。淡水のほうはどうってことのない作業だが、問題は海水60のほうである。ここには、そう、ヤツがいるのだ。
 背ビレ先端の棘が、いかにも痛そうなハオコゼ君。泳ぎが下手だと侮っていると、気が付いたときには手遅れになってしまうかもしれない。気取られずにそばまで接近してくる術は、なかなかのものなのだ。しかも悪いことに、ヤツは人間の手が大好きなのだ。
 気を許せば、平気で触れそうな距離まで接近してくるので、苔のついたそのコーナー付近には、なかなか手が出せない。ヤツの裏をかいて、反対側におびき寄せても、あっというまに戻ってきたりする。それでもなんとか触らずにやってこれたのは、奇跡だったのかもしれない。それも今日でおしまいだ。
 軽く“ざらっ”とも“ぬめっ”ともいう感触が、手の甲に触れたのは一瞬。びくっと手を見やると、ヤツがいた。さ、触ってしまった・・・。しかもそのちっこい頭に。
 あぁしかし、凶悪なまでにグロテスクなその棘は、ついに発動することはなかったのである。
 ヤツは、まるでなでられるのが気持ちいいとでもいうように、愛らしくちょんちょん手のあたりで泳いでいた。今回はたまたま大丈夫だったが、やはりこいつは油断できない存在だ。でも、そういう危険なところに、惹かれてしまうのかもしれない。


2000.3.4(Sat)

イメージチェンジ
 蛍光灯を消す作戦により、淡水60水槽の糸状藻は殲滅することができたが、水草のほうにも徐々に影響が出始めたようである。もともと明るい場所が好きなタイプが、軒並み根もとから水面付近まで、枯れこんできつつある。美観的にも問題があるので、今夜はこれらを新芽だけ残して刈ってしまうことにした。
 ついでに、キッチンのジャパンブルー水槽でジャングル状態になっているミクロソリウムを整理して、余剰株をこちらに持ってくる作戦である。まずジャパンブルー水槽からやってしまおう。

 プラケに2個分の余剰株が出た。それでもジャパンブルー水槽は、まだミクロソリウムのジャングルである。恐るべき繁殖力。ミクロソリウムの苗床に、ぴったりかもしれない。
 で、淡水60の水草をカッティング。アヌビアス・ナナの配置なども直していると、いつのまにやら大改修となってしまった。流木の位置も変更して、と。
 背の高い水草を一掃したので、新しい水景はまるで草原のようである。なんだか広々して、イメージ一新。魚の姿もよく見えるようになった。数えてみると、ブラックテトラはまだ10匹健在。意外に丈夫である。あとはコンゴーテトラのオス1匹に、ペンギンテトラが1匹。そしてグッピーがちらほらと。
 新しい魚を入れてくれと言わんばかりの状況である。う、うむぅ、来週はフロントーサにでも出撃してみようかな。


2000.3.5(Sun)

ぷれ吉君
 昨夜から、調子の悪かった淡水90水槽のセルフィンプレコが、今朝、とうとう落ちてしまった。ぷれ吉君、享年8歳(推定)。あんなに丈夫だったのに、信じられない思いである。

 ぷれ吉君は、もともと私が飼っていた魚ではなかった。1992年に、魚友達の一人が、幼魚の彼を買ってきたのが最初だ。その後順調に成長を続け、体長15cmになったあたりで、私が引き取ってきたのである。1995年の1月のことだ。以来、ずっと我が家の水槽にいた。
 カイヤン君、ブラックテトラ君とともに、我が家の古株3人衆だった彼は、体長25cm超にまで育っていた。カイヤン君の食べ残したプレコタブレットを、夜中にもぐもぐ食べる姿が、今も瞼の奥に焼き付いている。

 安らかに、ぷれ吉君。

 *

 淡水90の水換えを実行。そして苔掃除。エアホースの頑固な苔も、こそげておいた。今年の夏も、また長良川で魚釣りの予定。


2000.3.6(Mon)

やっやりやり君!
 夜、海水60水槽を見て、一瞬血の気が引いた。妖しい生物がいたからではない。愛すべき、やりやり君(サンゴヤドカリ)が、砂の上で横倒しとなったまま、微動だにしていなかったからだ。貝殻の中に引っ込められたハサミや脚は、心なしかだらりとしているような気さえする。まままままままままま、まさかっ!!
 「や、やりやり君・・・」コンコンと、水槽を軽くノックしたりして。でも、ぴくりとも動かない。おぉぉぉ、昨日はあんなに元気そうだったのに!
 胸の奥で、暗雲が急速に立ちこめる予感。息も荒くなってしまう。
 動け動けと、念じつつ、なおも横倒しのやりやり君を見つめていると・・・。

 かさっ

 そんな音が聞こえたような気がした。微妙にやりやり君の脚が、さっきと違う位置に移動したような??食い入るように見つめていると、おぉ、やりやり君は復活したのだった。
 冷静になって考えてみると、やりやり君が倒れていた真上には、ライブロックの頂があった。そう、つまり彼はそこから脚を滑らせ落ちたものと推測される。落ちたショックでびっくりした彼は、奥義“死んだふり”を演じていたに違いない。
 やりやり君の“死んだふり”に驚かされたのは、これで2回目。だんだん“死に方”に磨きがかかってきているような感じもするなぁ。


2000.3.7(Tue)

ぎゅるぎゅるぅ〜
 遠くでかすかに“ぎゅるぎゅる”が聞こえている。はやくも2m水槽に、差し水をしなくてはならないようだ。アングルパネルを外して、濾過槽内の水位を確認。きわどい領域に入りつつあった。
 バケツに3杯、真水を追加してパネルを閉じる。水槽のアクリル面には、はやくも茶苔が付着しつつあった。週末にでも掃除せねば・・・。
 それにしてもキンギョハナダイのメス、お腹がぱんぱんじゃないか。もしやそれ、卵なのかぃ?


2000.3.8(Wed)

脱皮
 やりやり君が脱皮してた。順調に大きくなってゆく、やりやり君。早晩、今のツメタガイでは窮屈になってしまうだろう。どうりで最近、おっきな方のツメタガイを物色してると思った。脱皮が近かったのだね。
 脱皮殻には、細い糸のようなものが貼り付いている。砂の中からだ。糸状の触手を伸ばす、ゴカイの仲間に違いない。こんなでかい抜け殻でも、食ってしまうんだろうか。この水槽の中が、一番生態系が複雑かもしれない。

狭いっ
 夜、カイヤン君が暴れていた。あっというまに水の中はパニック状態。あぁぁはやくカイヤン君を広い水槽に移してやりたい・・・。もっとも安く上げるには、ほとんどを手作りするしかあるまい。あまり悠長に構えてはいられなさそうである。
 カイヤン君、またもや傷々に。頭の傷が、かなり痛そう・・・。ストレーナの位置をもっと上げるか、コーナー加工して時間稼ぎしなければ。


2000.3.9(Thr)

濾過槽の上
 我が家でエアポンプを装着しているのは、廊下の金魚水槽、淡水90水槽、脱衣所のグッピー水槽の3つである。このうち、淡水90のエアポンプの振動が、最近異様に耳に付くようになってきた。上部濾過の蓋の上に乗せてあるのだが、どうも蓋の成形に問題があって、がたついているのが原因らしい。しょうがないので、蛍光灯の上に移動させてみたところ、今度はガラス蓋に振動が伝わって、やかましさ倍増となってしまった。やはり軍手を敷いたくらいじゃ、効果なしか。
 そもそもの原因である、濾過槽の蓋がうまく閉まらなくなったのは、別に最近になってわかったことではない。最初から少し噛み合わせが悪かったのだ。それでも、これまでは特に問題は出ていなかった。蓋の閉め方にコツがあって、それさえ守っていれば振動するほどの隙間が生じなかったからである。それがどうして最近、ずれるようになったのか。真犯人は別にいた!

 
にゃんちくんである。夜、ケージを開けて、家の中に放してやっているのだが、どういうわけか暖かなリビングにはなかなか入ってこない。寒がりのにゃんちくんは、それでどうしているかといえば、淡水90水槽の濾過槽の上で丸くなっているのだ。水槽の水は25度に保温されているため、濾過槽の上というのはかなり暖かい。実際、私が手を触れてみても、心地よいぬくもりが発散されているのがわかる。そんな場所なので、猫にとっては居心地のいい場所になっているのだろう。
 だがしかし、にゃんちくんの体重は約2kg。猫の軽業とはいえ、頻繁に飛び乗ったり飛び降りたりするものだから、濾過槽の蓋はそのたびにがたごと動く。きちんと閉めてある蓋が、こうも毎日ずれてしまうのは、こんな理由があったのだった。

 さて、にゃんちくんをリビングに居着かせるのが早いか、気候が春めいて濾過槽の上が特別居心地よいスペースではなくなるのが先か、それが問題だ。(エアポンプの下に軍手じゃなくてスポンジをかませるのが一番早道・・・だが、それではなんだか面白くない)

2000.3.10(Fri)

謎の物体
 昨夜録画しておいた『ケイゾク 最終話』を見ていると、TVの横の2m水槽で怪しげな光景が!
 ロングフィンスナッパーとカスミチョウが、なにやら絡んでいる。突然、スナッパーが素晴らしい瞬発力で反対側へと消えていった。水中には、なんだか茶色っぽい小さな物体が舞っている。一瞬「糞??」と思ったが、それをおいしそうにカスミチョウが食べてしまったのを見て、わからなくなった。
 魚の糞を、別の魚が餌と間違えて口に入れるのはよくあることだ。だが、口に入れるとはいってもそのまま食べてしまうことは、ほとんどない(というか、私は見たことがない)。たいてい、すぐに吐き出してしまう。だが、今夜のカスミチョウは吐き出した様子もなく、5〜6個の塊に別れていたソレを、腹の中に収めたもようである。おいしかったにちがいない。糞を食べる動物というのは意外に多いらしいのだが(ハムスターとか、ウサギとか)、はたして魚にも食糞の行動が見られるのだろうか。
 スナッパーの去ったあとに残ったソレが、糞でない可能性も、考えてみた。餌を吐き出したのだ。色的に、シュアーっぽい明るい茶色だったし。胃の中で、だいぶ溶けてしまったか形は崩れていたが、カスミチョウがおいしく食べられる物体として、吐き出された餌というのは説得力がある。問題は、夕方餌をやってからすでに6時間は経過しているということだ。いくらなんでもそんなに腹の中に入れてれば、すっかり消化しきってるような気がする。
 もしかすると、喉にひっかけていたのかもしれない。スナッパーの大口に対して、餌のシュアーはあまりに小さい。どこかにはまり込んでいたのかも?いや、それにしても時間が経ちすぎてるなぁ。
 はたしてカスミチョウが食べたのは、何だったのか。謎の瞬間であった。


2000.3.11(Sat)

輝きのアクリル水槽
 さて今週は、2m水槽の苔掃除である。直前まで部屋の片づけをやってたこともあり、今日の苔掃除は少し気合いが入っている。いつもは見て見ぬふりをする、水槽上部の切り返し部分の苔も、落としてしまうことにした。そこは水面にあと1cm〜2cmという近さのため、緑色の紙のような苔が貼り付いているのだ。
 苔を水中に落とさないように、ティッシュで丁寧に拭き掃除。ついでに落水パイプの消音装置も水洗いしておいた。セイタカイソギンチャクがびっしり付着していたので、熱湯での洗浄。丸まったやつを指でこそげ落とす感触が、なかなかに気色悪い。
 水槽上部を半分だけ覆っているガラス蓋にも苔がついていたので、これも雑巾で拭いておいた。いずれアクリルなどで、ちゃんとした蓋をしようと思いつつ、なかなか手が回らない。蓋を完備すれば、もう少し水音も小さくなるのだろうけど。

 掃除の終わった水槽は、なんだか輝きが増したように見える。光がより透過するようになったのだから、実際、輝いているのかもしれない。それになんだか水槽の圧迫感が減った気がする。透明アクリルの汚れが落ちると、輪郭が背景に溶け込みやすくなったからかもしれない。いつもこれだけキレイに維持できればいいんだけど、果たして今年は苔掃除をさぼらずに続けることができるだろうか。庭の雑草対策に匹敵する、我が家の2大テーマでもあるので、今年こそはいつも苔のない水槽にしたいものである。


2000.3.12(Sun)

復活
 なんということだ。またしても出現していた、淡水60水槽の糸状藻。
 水換えしてそれほど経ってないというのに、なんとしたことだろう。蛍光灯2灯照射しかも一日12時間というのがマズイに違いない。やはりタイマー制御にすべきなのだ。
 また明日から消灯作戦実行である。


2000.3.13(Mon)

海老
 「おっきぃぃ」とみこりんが見つめているのは、スカンクシュリンプである。2m水槽唯一のエビだ。魚の掃除屋さんとしても、よく働いてくれている。カスミチョウやブラックキャップバスレット、それにロングフィンスナッパーなどは、日に何度も体をこちょこちょされて気持ちよさそうにしている。ネッタイスズメが掃除されているのを見たことはないが、魚の種類によって掃除されるのが好きか嫌いか分かれるのだろうか。キンギョハナダイは、たまーにやってもらってるなぁ。
 ちょっと気が付かないうちに、スカンクシュリンプの体格は立派になった。順調に脱皮を重ねて、はや全長8cmほど。でも、一番目に付くのはその長大な白い触角である。長さにして、10cm強。描く円弧には雰囲気的に、伊勢エビか何かの風格さえ感じてしまうほどだ。
 これでセイタカイソギンチャクでも食べてくれたら申し分ないのだが・・・。
 エビも、もう少し種類を増やしてみてもいいかなと思う今日この頃である。


2000.3.14(Tue)

工業用排水処理システム
 『電中研が排水処理新システム 硝化と脱窒一槽で処理』(化学工業日報 2000.3.13)という記事が興味深い。1つのリアクターで硝化と脱窒をやってしまうと聞けば、連想するのはライブロック。表面に好気性バクテリア、内部に嫌気性バクテリアを有しているあたりも、そっくりである。自然がお手本という、よい見本だろうか。
 この研究、大規模な廃水処理や飲料水用として考えられているため、かなり大がかりなもののようだが、一立方メートルのリアクターで最大1.5キログラム/日の窒素を処理できるという。最小システムで一立方メートルの濾過槽となれば、水槽に適用させるにはかなり気合いが必要だ。しかし、脱窒も含めた濾過システムがこれ1つで構築できるのならば、検討に値するのではなかろうか。もちろんまだ研究段階なのだけれど、さらなる小型化が可能ならば、水槽への適用も十分ありうる。
 気になるコストのほうは、リアクター1つ10万程度に収まれば、既存濾材と大差ないレベルだし。ゲルに定着させてあるというバクテリアが、半永久的に増殖し続けてくれるものなら、さらによい。・・・・・・最大の問題は、趣味のアクアリウムへの使用なんかハナから想定されてないってことだなぁ。でも、メタルハライドランプだって、昔は水槽用なんてなかったのだ。想定外の利用法が、いずれ考慮される日も来るのではないかな、、、来ればいいなぁ・・・。


2000.3.15(Wed)

ミクロソリウム枯死の謎
 糸状藻に気を取られて気づくのが遅れたが、淡水60水槽に移植したミクロソリウムがことごとく枯れつつあった。元のグッピー水槽では、増えすぎてジャングル状態になるほど生命力溢れた株だったというのに、わずか2週間でこの有様とは、尋常ではない。
 グッピー水槽で増殖したとはいえ、さらにそのまえはこの淡水60から移植した株なのだ。しかもそのミクロソリウムは、この淡水60に当初から植わっていた個体でもある。水質が急激に変化したというのだろうか。去年あたりから、たしかにミクロソリウムだけが“枯れる”現象が発生していたが・・・。こうもねらい打ちされると、特定の病原菌という線も考えたくなってしまう。
 とりあえず週末は水換えしよう。その前後で水質チェックできればよいのだが、あいにく各種試薬は海水用のしか残っていない。また買い足しておかねば。


2000.3.17(Fri)

空腹な時間帯
 やはり朝のほうが食が進むのだろうか。カスミチョウの餌食いを見ていると、朝と夜とでは、明らかに違いがあるようだ。
 朝は、シュアーが落下し尽くすまえに、大部分を3匹のカスミチョウで食ってしまう。投入量は、付属の匙で、平均5〜6回。
 夜だとこれが、投入量にして平均3〜4回になってしまう。しかも落下してしまうシュアーの粒も、全体の2〜3割に増えてしまうのだ。
 人間でも、朝食を豪華に、夕食を質素にしたほうが健康的な生活になると言われるが、もともと朝はいい感じに空腹になるようにできているのかもしれない。問題は、魚への餌やりもそうだが、朝は時間との闘いでゆっくりしてられないってことだ。夜早く寝て、朝余裕で起きれば問題ないのだが、夜更かしは止められずいまだ実現できていない。
 冬はまだいい。夏ともなれば、朝の仕事に庭木への水やりが加わるのだ。さらに時間がなくなってしまう。早寝早起き、なんとか会得せねばなるまい。


2000.3.18(Sat)

怒濤のお掃除
 “苔のない美しい水槽強化月間”というわけで、今日はすべての水槽の苔掃除をするつもりで作業開始。
 まずは淡水90から。ほとんど苔はないものの、すみっこに茶苔と苔玉が少々。ブラシでこすってキレイにしておく。差し水15リットル。水の透明度は高い。ただ、カイヤン君がいまだ拒食なのが心配なところ。
 次は海水60。前面を茶苔が覆いつつある。シッタカ貝がいっしょうけんめい食べてくれているが、やや戦力不足。加勢してやろうと掃除を始めたとたん、シッタカ貝はあっというまに逃げていってしまった。貝とは思えぬ俊敏な機動である。というか、正確に反対方向に逃げていったのには驚いた。はっきりと見えているのだろうか?
 お次は金魚水槽。水温が低いので、苔はほとんどない。いちおうティッシュで拭いて、水を半分ほど交換。丸々太った金魚を見ていると、夏頃には水槽をグレードアップしなければならない予感。
 そして淡水60。枯れたミクロソリウムをすべて撤去する。前回のトリミングで、ただでさえ水草のボリュームが激減しているところに加えて、この状況ではあまりに広々としすぎである。なんとか良い手を考えねば。流木を流水で軽く洗っておく。アヌビアス・ナナの流木への活着具合が弱かったので、テグスで補強した。水換え45リットル。濾過槽のウールマット洗浄。
 時間の方が気になってきた。今日は天気がいいので、庭仕事もやっておきたい。
 急いでR360“デバ水槽”にとりかかる。
 うっすらと茶苔が付きつつあったので、ティッシュで拭いておいた。底面の砂表面に茶苔が蔓延していたので、苔った砂を取り出して洗う。白い砂復活!やりやり君の生存を確認。
 続いて台所のグッピー水槽。西日が当たるので、緑苔がすごい。ブラシでごしごし擦っておいた。それにしてもミクロソリウムのジャングル、また一段と大きくなったような気がする。たった1週間で、目に見える変化があるとは。恐るべき繁殖力。
 海水2m。先週、苔掃除したばかりだというのに、はやくも茶苔がついている。ブラシできれいにお掃除お掃除。ついでにガラス蓋も、雑巾で拭き掃除。差し水45リットル。
 今日の所は、とりあえずこれでおしまい。


2000.3.19(Sun)

変化あり
 消えた。糸状藻が。
 昨日、バケツで3杯、45リットル分の水換えをして、ウールマットを洗ったが、その成果だろうか。前回水換え15リットルではまったく変化がなかったが、さすがに45リットルだと効いてくるのか。ウールマットの汚れがなくなったっていうのも、かなり影響してそうな気もするが、とにかくこれで当面の悩み事が1つ消えたのだ。めでたいことである。
 さてこうなってくると、新しい魚をいよいよ追加したくなってくる。ブラックネオンの群れに、ペンギンテトラとコンゴーテトラという色彩なので、透明かシルバー系統が調和しそう・・・。選択肢はとても多い。初心に返ってアフリカン・ランプアの群泳っていうのも、悪くなさそう。昔に比べれば、劇的に値段も下がったことだし。


2000.3.20(Mon)

魚の睡眠
 “遅くまで部屋の明かりをつけていたら、魚は眠れなくて大丈夫か?”という問いに対して、“明るくても眠くなったら寝るので心配無用”という回答が、昔読んだ飼育書には載っていた。これはいまでも『定説』なのだろうか。それとも別な『定説』が主流になっているのだろうか。あまり聞いたこともないような気がするが。
 どうしてこんなことが改めて気になってきたかといえば、ここ最近、夜更かししているからだ。早くても真夜中3時、ひどいときには5時なんてのもけっこうある。その間、リビングの明かりは煌煌と灯り、海水2mの住人たちは私に付き合ってくれている。寝ると、カスミチョウにしろロングフィンスナッパーにしろ、動きが緩慢になったり、体色が黒ずむので一目でわかるものだが、私が起きている間に寝ていると感じたことはない。活発に泳いでいる。ブラックキャップバスレットなどは、岩穴に入り込んで出てこなくなるので、寝ているのだと思うが、カスミチョウ達はどうみても夜更かしすぎやしないか。
 昼間寝ているのかといえば、休日の様子を見ている限り、やはり寝ているとは思えないのだ。まぁずぅっと目を離さずに観察したわけじゃないので、私の目を盗んで寝ている可能性は否定できないが、どうも気になって仕方がない。だいたい、ニンゲンでも不眠症になれば体調は崩すし、最近では寿命も縮むなんて言われているのだ。明るいうちには眠れないタチの魚がいないとは限らない(不眠症のヤツとか、神経質なヤツとか)。そんな彼らにしてみれば、夜遅くまで明かりの付いた環境は、かなりやばいのではなかろうか。不規則な睡眠ではなく、自然な日照リズムに従った睡眠が必要な魚は、意外に多かったりして(時間が来たから眠るのではなく、暗くなったら眠るという性質の)。
 植物でも、日照条件というのは相当に重要な要素である。都会の街灯のそばでは、植物の状態が悪化するというので、遮光してやるのが米国などでは一般的らしいし。生物にとって、もっとも基本的な刺激要因である“光”と、それに関連した体内リズムと適切な睡眠。考えれば考えるほど、鑑賞魚にも不可欠に思えてくる。
 鳥かごをすっぽり布で覆ったりするのは、古くから小鳥飼育では一般的だ。水槽にも、そういったアイテムが必要なのかもしれない。


2000.3.22(Wed)

カスミチョウ再び
 先日、APNから新着魚のお知らせメールが届いていた。なんといっても気になるのは、“カスミチョウ2匹”のことだ。どんな状態のやつが入荷したのだろう。大きさはどうか。口は怪我していないだろうか。気になることだらけである。
 去年から売れ残っているはずのカスミチョウと合わせて、おそらく今、展示水槽には3匹いるはず。全部引いてきたとすれば、我が家の水槽は一気にカスミチョウ6匹に!カスミチョウ群泳を目指して、ぜひとも今回買っておきたいところである。
 3匹買ったら1万オーバーしてしまうのが、少々痛い・・・。おまけに今年のボーナスは、先頃の春闘で大幅減額が決定している。厳しい現実だ。こつこつ小金を貯めておかねばなぁ。


2000.3.23(Thr)

ぬるい季節
 水温む季節到来、というわけで、ヒーターを入れていない“金魚水槽”や“ざり水槽”の仲間達の動きが、活発になってきた。金ちゃん&銀ちゃん(いずれも赤い駄金)は、人の姿を見かけるたびに、水面へと殺到してきて激しく口パクをかましてくれる。ちゅぱちゅぱいう音を聞くと、つい餌をやってしまいたくなるのは、彼らの音波攻撃なのであろうか。長年、人とともにあった“金魚”のDNAに刻まれた、生き残りへの高等戦術なのかもしれない。
 ざり達は、岩穴から這い出していることが多くなってきた。そろそろ餌やりを復活しても、いい頃合いか。どうにか無事、越冬できたようで一安心。正しい冬眠のさせ方だったのかどうかは、今ひとつ自信はないのだが(ほとんど特別なことはやってない)、ざりの生命力に改めて驚かされたシーズンであった。
 ヒーターの入った水槽では、だんだんサーモの作動時間が短くなってきている感じ。電気代が年間通して、一番少なくなる春と秋、浮いたお金は“カイヤン君生け簀資金”に積み立てておくことにしよう。


2000.3.26(Sun)

運命の出会い
 買ってしまった。タツを。イバラタツ・イエロー、オス、全長10cm(尻尾をカールさせた状態で)。R360“デバ水槽”に入れたが、まだ落ち着きなく上下に激しく(タツにしては素早く)泳いでいる。
 つかまるところがいるだろうと(デバ水槽には岩など一切入っていない)、棒状のライブロックを300グラムほど入れてやっているのだが、まったく眼中にないかのように置き去り状態になっていた。明日には慣れてくれるだろうか。
 デバのほうも、さっきから隅っこに重なるように貼り付いたままだ。奇怪な形態の“魚”に怯えているのか。先住魚なのに。さっきまで敷き砂のみという、物理的に縄張りを作り得ない環境だったというのも影響していたりして。

 ところで、なぜタツが我が家の水槽にやって来ることになったかだ。生き餌くらいしか食べないというタツの食性から、ここ数年は飼育を控えていたというのに。
 今夜は、久しぶりにAPNに立ち寄ってみたのだ。先日の新着魚メールにあった“カスミチョウ2匹”というのを、確認するために。状態が良ければ、引いてこようという魂胆だった。ところが、そこで我々は“彼等”を見てしまったのである。
 展示水槽の足元にさりげなく、まるでホテイソウか何かを売ってるような感じの存在感のなさ。それが“イサザアミ”との衝撃的な再会であった。活きイサザアミ、20匹100円。床にはいつくばるようにして中身を確認すると、去年、水族館で見たのと同じく透明で細っこいボディで、ゆるゆると泳いでいる。水族館では、リーフィーシードラゴン水槽に、“餌”として入っていた。APNのコレも、もちろん餌用であろう。もっとも、ミジンコがペットになりうる時代だから、イサザアミを純粋に飼育目的で飼ってる人もいるとは思うのだが。

 最初、私よりも、Licがイサザアミに惹かれていた。どうも単独飼育したそうである。カブトエビの飼育キットを買ってたくらいだから、こういうタイプ(ちっちゃくて、ぱっと見にはなんだかよくわからないもの)に弱いに違いない。だが、ショップのベルリン式水槽の中に、イバラタツが入っているのを発見してからは、『タツの飼育』という以前からのLicの野望に火がついた気配である。もちろん私もタツは大好きな魚の1つだ。イサザアミがこれほど一般的になる以前は、活きブラインやら冷凍魚卵やら、ライブロックやらで、何どかトライしてみた。 けれども、ことごとく失敗し、なんとかイサザアミが手に入らないかと思っていたのだ。
 なじみのショップで、活きイサザアミがストックされているこの状況は、まさにタツを飼う絶好の機会といえる。タツとイサザアミを何度も覗き込む私とLicの全身からは、おそらく紫色の怪しげなオーラが放たれていたのだろう。店の兄ちゃんが、タツへの餌やりを実演してあげましょうと、言ってくれたのである。

 長大なガラス管でできたスポイトにイサザアミが吸い取られ、タツの目前で放たれた。投入角度と深さが、ベストとはいえない状況だったのだが、タツは明らかに目でイサザアミを追っていた。すさまじい探知能力。やつらはイサザアミのような形状に特化した視覚を有しているのではないか、とさえ思った。ハタやミノカサゴなどに生き餌をやったときを思い出す、鋭い視線であった。
 ところがである。このタツは巻き付けた尻尾を限界まで伸ばしたところで、イサザアミ追求を諦めてしまったのだ。な、なんという・・・この“ものぐさ太郎”め、と思ったが、泳ぎが下手なタツのこと、巻き付くのをやめると、即座に生死にかかわる事態も起こりうるという特殊事情が影響しているのかもしれない。
 何度目かのやり直し。ついにイサザアミが、タツの顔面すぐ近くにやってきた。思わず拳を握りしめる緊張の一瞬。みこりんも、固唾を飲んで凝視している。
 その瞬間は、あっというまの出来事だった。イサザアミは、コンマ一秒の高速で、タツの腹へと吸い込まれていったのである。TVなどではおなじみのシーンでも、こうして生で見ると、やはり迫力が違いすぎる。まさに“捕食”だった。以前、自分の水槽でもケシ粒のように細かな魚卵をついばんでくれたことはあったが、まったく次元の違う世界である。

 幸いといっていいのか、不幸にもというのか、今回入荷していたカスミチョウは、どれも調子が悪かった。サイズと色は申し分ないのだが、一匹は頭部に白い突起物が散見され、残りは口が砕けて、さらに頭部が病魔に冒されていたのである。カスミチョウ2匹で約5000円。タツとイサザアミ40匹、それに巻き付き用ライブロック300グラムのほうが安い。カスミチョウは、また入れてもらうことにした。
 他にはシュアー一缶、マリンアクアリウム最新刊を購入。気が付けば、すでに午後8時目前。家路を急ぐ。

 *

 イサザアミは、汽水で棲息する生き物である。温度はかけなくてもよい。濾過はあったほうがよいが、なくてもエアレーションだけで保たせることは可能らしい。
 というわけで、以前砂ネズミを飼っていたプラケを使うことにした。置き場所は脱衣所のグッピー水槽が並んだ場所の下。ここは60cm用2段ラックがあるので、設置には問題ない。しかもエアポンプからの分岐がとりやすい。
 海水を汽水濃度に調整して、20リットルほどプラケに入れた。水温はだいたい気温程度(今夜は冷えるのでだいたい8度くらいかな)。濾過はとりあえず水作くんを投入。いずれ底面濾過にする予定(自家繁殖を試みる)。
 ショップでも温度はかかってなかったので、温度差はそれほど気にしなくてもよさそうだが、問題は比重である。兄ちゃんは海水と淡水を半分ずつで割ったと言ってたが、手持ちの比重計ではそんな低い数値までは計測不能だ。同じような配合にしたとはいえ、実際小型のプラケに移して浮かべてみると、若干沈む。慎重に水合わせを行った。

 で、タツはR360へ。みこりんが激しく興味を惹かれている。その魚離れした姿が、好奇心を鷲掴みにするのであろう。水槽を覗き込みながら「ごぃ!」と口走っていた。
 「こーやって泳いどる!」。みこりんは、そう言って両手を“女狐コンコン”の構えをしてみせてくれた。見ようによっては、蟷螂拳のようでもある。「ごぃ!」何度も、そう言うので、「イバラタツって言うんだよ」と教えてみたのだが、「ははー」と英米人のような相づちを打ってくれるものの、結局「ごぃ!」で通してしまった。『ごぃ』って、なんだろう・・・。

 結局、この日は最後までライブロックに絡まってくれなかった。かなり繊細なヤツかもしれない。

脱皮
 ざり2号が脱皮していた。本格的に活動を開始した証だろうか。左右のハサミのバランスが、かなりいい感じにとれてきた。ますます1号とのパワーバランスが開く予感。
 餌を欲しがるかな?と思ってクリルをやってみたのだが、触覚に触れても興味を示さなかった。まだ食欲がわかないのだろうか。


2000.3.27(Mon)

黒い魚
 休暇を利用して、とある町へとやってきた。海辺に近い田舎町である。
 天気も良く、さっそく水に入ってみたところ、目の前をすごい大群がひしめいているのに気づいて、思わず息を吐き出してしまう。真っ黒い魚ばかりだ。しかもなんだかカタチが変わっている。サヤエンドウのサヤみたいなカタチ。どこに目があるのか、それもよくわからない。でも、ヒレらしきものが所定の位置についているので、それが魚だということはわかる。なんていう魚だろう?

 道路にも、家のすぐ側にも、水は来ていた。水上コテージのような感じ。泳ぎながら、別の家に入ってみると、中央のテーブルらしき場所の下がくぼんでいて、そこにもあの黒い魚が数匹固まっていた。プールらしきものもあり、やはりそこにも黒い魚が。試しに魚を捕まえてみると、簡単にすくえてしまった。まったく警戒心がないかのように、じっとしている。正面から顔を覗き込んだら、扁平した真っ黒な頭を、ぴちぴち左右に振った。
 表が騒がしい。大な黒いやつが出たって言ってる。捕まえなきゃ。みんなが危ない・・・

 目が覚めて、しばらく夢と現実の狭間で意識がぼやけていた。黒い魚が、ブラックゴーストそっくりだったことに気づいたのは、会社についてからのことであった。

タツ2日目
 午後11時ごろ、ようやくタツが枝状のライブロックに絡んでくれた。それまではずっと水槽前面でぼやぁっとしていたのだが、ようやく落ち着いてくれたのだろうか。しきりと、顔を下に向けて何かを探している感じ。お腹が空いているのかも。こんな夜中に餌をやっても大丈夫なのか気になるところだが、イサザアミを1匹やってみようと思う。

 1匹、イサザアミをプラケにすくってきたところだ。適当なスポイトがなかったので、直接R360に投入して様子を見る。
 イサザアミは、かなり活発に泳ぐ。中央に絡まっているタツのそばに寄せるのは至難の業だ。デバが何ごとかと興味を惹かれて、つっつきに来ようと構えているし・・・。しょうがないので、スポイトの先端を、太くなっている部分まで切って、吸引。タツの目前でリリースしてみた。さぁどうだ?
 ぴくっとヤツが反応した。逃げるイサザアミの姿を、しっかり目で追っている。やがて尾をライブロックから解き放し、すすすっと前に出た。そのまま接近。
 狙いを定めるように、口元が向けられ・・・・あっというまにイサザアミは腹の中へ。あいかわらず見事なハンティングである。昨夜から、泳ぎ続けみたいだったから、腹が減っていたのかも。明日から、本格的な給餌を始めよう。


2000.3.28(Tue)

タツ3日目
 今夜は職場の歓送会があったので、10時ごろの帰宅となった。R360は、まだライトが点いており、タツもライブロックに絡まり元気そう。しきりに目玉をぎゅるぎゅる動かしている。なんとなく空腹そうな感じ。さっそくイサザアミを3匹すくって持ってきた。
 先を切ったスポイトで吸い込み、タツの頭上あたりからそぉっと押し出して様子を見ると・・・。あっというまにハンターの顔つきになったタツが、電光石火の早業で、「ちゅぽん」。イサザアミを真横から吸い込んでしまったので、口の先に頭がひっかかってしまったようす。どうするのかと見守っていると、大きく口を一回上下させてから、もう一度「すぽん」。今度こそ、腹の中へ。あとの2匹も、ぺろんと平らげ、まだまだ欲しそうな表情である。
 イサザアミを3匹追加。次々と腹に収まってしまう。合計6匹。もっとないのかと、上空を振り仰ぐタツのために、今夜はさらに4匹追加だ。
 心持ち、餌への執着心が減ったような気がする。気がするだけで、実際は貪欲にちゅっぽんちゅっぽん立て続けに吸い込んでいるのだが。それでも、ちょこっと追いかける姿に余裕が出てきたような感じ。
 合計10匹のイサザアミを食べたタツは、傍目にもお腹がすこぉし膨らんだような。この分だと、40匹のイサザアミは1週間以内に食いきってしまうことになる。1ヶ月ならば、300匹だ。金額にして1500円。同じく1ヶ月で、シュアー一缶を食いきるカスミチョウ3匹分と同じか。生き餌にしては安い部類に入るが、やはり自家繁殖させたほうがお得だ。幸い、今夜の餌やりのあと、稚イサザアミを数匹確認できた。卵を抱えた親がけっこういたので、それが孵化したのだろう。イサザアミ水槽にも、餌をやっておこうと思う。


2000.3.29(Wed)

脱いだまま
 いつもなら脱皮殻はたちまち食われてしまうのに、今回はまだ原型のまま残っている。ざり1号2号とも、食欲不振なのだろうか。冬シーズン、一度も水換えしていないのがいけないのかも?週末、お掃除してやらねば。
 今週、寒の戻りとやらで、冷え込んでるのも一因かもしれない。花壇の花芽もぴたっと生長がとまったやつがあるし。本格的な春が待ち遠しい、今日この頃。

タツ4日目
 恐れていたことが起きてしまった。タツが、水槽のシャワーパイプを気に入ってしまったのだ。
 昔飼ってたタツも、飾りサンゴの枝より、ストレーナやらヒーターやらを好んでいたように思う。ヒーターに抱きつくと命に関わるので、ヒーターカバーは必需品であった。
 やはり水槽の中央付近よりも、端っこのほうが落ち着くからだろうか。ただでさえ動きが少ないやつなのに、そんな地味な位置に定着してしまうと、ますます存在感が希薄になってしまう。なので今回は枝状ライブロックも、かなり気を使って選んだつもりだったのに。
 無理に移動させたって無意味なので、このまま様子を見るしかない。とりあえず今夜はイサザアミを6匹やってみることにした。網でプラケにすくってみると、稚イサザアミが4〜5匹、まるでちょっと大きめのブラインシュリンプといった感じに混ざっているのが目にとまった。すくったときに親の腹から外れたものか、もともと水槽を浮遊していたのかはわからないが、このまま育ってくれると面白い。こうやってどんどんイサザアミに愛着がわいてしまうと、タツ餌用以外に、イサザアミだけで飼育してしまいそうな予感。
 なにしろ私には前科がある。中学生の時だ。そのころ爆発的に川や池を席巻しつつあったブラックバスを釣ってきて、水槽で飼っていた。最初、餌として鰹節やら煮干しなどをやっていたのだが(一応こんな餌でも食べてくれた)、あきらかに腹がへっこんでいくのがわかって、とうとう釣り餌用として売られていた川エビをやることにしたのである。
 餌として飼育することになった川エビ達は、透明で涼しげなボディと愛嬌のあるヒゲと仕草、ちっちゃなハサミなど、見れば見るほど愛らしい。エビの住居は、いつのまにやらバケツから、ちゃんとした水槽へと移り、餌用という当初の使命は薄れていったのだった。

 さて、今夜のタツだが、変わりなく元気にイサザアミを吸い込んでくれた。6匹など、あっというまである。吸い込む瞬間、『ぷち』とも『ちく』とも聞き取れる音が、発せられているのがわかる。タツの細い口に急速に吸い込まれる海水が出す音だろうか。それとも、イサザアミが“ぐしゃって”いる音だろうか。後者ならば、なかなかグロいことだが、上手に頭から吸い込んでも同様な音がしているところを見ると、これは海水の音なのだろう。
 ところでそうやって吸い込まれた海水は、どこから排水されているのかというのが気になってしまう。やはりエラからだろうか。口元ばかりに注目していたのでよく覚えていない。明日はエラを、よく観察しておこうと思う。


2000.3.30(Thr)

ハサミだけ
 昨日まで、“脱いだまま”になっていた、ざりの脱皮殻は、今夜帰宅してみれば、ものの見事にハサミ部分しか残っていなかった。急にお腹が空いてきたんだろうか。なんにしても食欲が出てきたことは、喜ばしいことである。

タツ5日目
 タツの高速吸引には、アゴの形状が重要な役割を担っているような気がする。長く伸びた口の根本あたりにある“ふいご”のように折り畳まれた部分。これを急速に伸び縮みさせることで、水流を一気に飲み込むことが可能になってるんじゃなかろうか。餌を吸い込むタイミングと、ここがシャッターのように高速移動するのとが、ほぼ同じというところに、関連性を感じるのである。
 今日のイサザアミも、昨日と同じく6匹にした。よく見れば、どれもこれも腹に卵を抱えていた。卵を持った個体を餌にするのは少々もったいないような気もしたが、卵を持ってないやつがどういうわけか見あたらない。しかたない。このまま餌にしよう。
 イサザアミには、さっきフレークを粉々にして与えていた。上手に食べてくれたようで、頭部に食べたばかりの餌が詰まっているのが見える。ちょこっと生々しい。
 タツは、昨日絡まっていたシャワーパイプから再びライブロックに移ってくれていた。よしよし。ではさっそくイサザアミ投入。
 うぉっ!デバが突進してきやがった。とうてい口に入りそうもないイサザアミを、3匹で突っつき突っつき。さすがのタツも出遅れてしまったようだ。スポイトでデバを散らしてやったら、タツがずずぃっと接近してきて、『ちゅっぽん』。今夜も食欲旺盛なようで、いいことである。6匹のイサザアミは、流れるようにタツの腹へと収まっていった。

 ところで、タツに名前をつけていなかった。これまでイバラタツの省略形である“タツ”と呼称してきたが、やはり固有名をつけてやらねば。
 タツノオトシゴ・・・イバラタツ・・・タツ・・・龍・・・竜・・・とくれば、やはりこれしかあるまい。命名『竜之介』。今日からおまえは『竜之介』だよ。


2000.3.31(Fri)

カイヤンの謎
 淡水90の水が、怖いくらいアクアブルーに輝いている。プレ吉くんが存命だったころには、すぐ水が黄色くなっていたのだが、この違いは何だろうか。
 カイヤン君が、いまだ拒食だというのがその理由だったりして。毎日プレコタブレットを10個食べていたカイヤン君が、まだ1個も食べてくれない。当然、出るモノも激減したことだろう。
 カイヤン君の体長は、今夜見たところ水槽の奥行き到達まで、あと2〜3cmという域まで来てしまった。つまり40cmオーバーだ。食べないのに育っている。。。定期的に拒食になるのは、大型化するカイヤンに特有な性質なんだろうか。
 今年中には、水槽で方向転換できなくなってしまう可能性濃厚だが、生け簀計画はいまだ五里霧中の状態だ。なんとか安上がりにできる方法を考えねば。

竜之介6日目
 竜之介は、今夜は泳いでいることが多い。イサザアミをやるときにも、ふーよふよ漂っていた。こうなると眼前でリリースしても、なかなか気づいてくれないことがわかった。意識の大半が、泳ぎのほうに振り向けられているからだったりして。
 なので8匹すべてのイサザアミを食べさせるのに、いつもの3倍〜5倍はかかってしまった。泳ぎが苦手なので、遊泳途中でイサザアミに気が付いても、ダッシュがきかないようなのだ。竜之介の狩りを逃れたイサザアミは、そのうちデバにつっつかれたり、水流に流されたりして彼方へと消えていってしまう。何度もスポイトで吸い込み直さねばならなかった。

 イサザアミの残りが、かなり少なくなってきた。明日、APNで調達してこなくては。稚イサザアミは20匹やそこらはいそうなのだが、いかんせん小さすぎる。餌にするには、まだまだかかりそう。


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