U's aquarium.
〜水のある生活〜
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月 2002 お魚日記
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ひみつ日記読む!

2002.4.1(Mon)

陸ヤドカリ達の近況
 いきなり春を飛び越して、初夏かと思うような蒸し暑い日が続いている。水温計も26度近辺まで上がったり下がったりと、油断ならぬ動きを見せる。水槽用クーラーが再び故障しないことを祈るしかない。

 そんな陽気に誘われたか、リビングの窓際に置いた陸ヤドカリのケージ内では、いろいろと動きが見られるようになった。冬の間、ずっと籠もっていた水入れの下から、もぞもぞと這い出してきたのが2つ3つ4つ5つ。すべての陸ヤドカリが、移動を開始したようである。でも、ちょっとでも気配を察知されると貝殻の中にすっこんでしまうので、まだ実際に動いているところは目撃してはいないのだが、毎回貝殻の配置が替わっているのでバレバレである。
 まれに完全に貝殻の中へと引っ込んでしまう前に、私の視線が彼等の上に注がれることもあるようで、そんな時には中途半端にはみ出した状態で固まってることもある。まるで“だるまさんがころんだ”をやってるようで、可愛らしいことこの上ない。そぉっと手のひらに乗っけてやると、もぞもぞと動き始めるのだが、この時には見られていても大丈夫らしいのが謎である。

 そろそろヒーターは切ってもよさそうだ。


2002.4.3(Wed)

活動開始の貝達
 ころんとでっかい石ころみたいなのが川魚水槽の中に転がっていたので、覗き込んでみた。いったい何やつ?
 どうやら貝のようである。タニシだった。去年、タナゴの赤ちゃんを用水路で採ってきたときに、みこりんが所望したので一緒に持ち帰ってきたやつだ。冬の間、ほとんど活動しているのを見かけなかったので、あやうく存在を忘れてしまうところだった。しかもよくよく見れば、カワニナも生存しているのが確認できた。彼等のおかげで、石に苔がつくこともなく、この水槽は比較的美しい外観を保っていたのだろう。

 ただ最近水温が上がるのと同時に、魚達の食欲も半端ではないほどの活気を見せている。ついつい餌も多くなってしまいがちだ。とうとうガラス面に茶色い苔が見られるようになってしまった。そろそろ水換えの季節である。


2002.4.5(Fri)

活動開始のエビ達
 庭でひとしきり草花と戯れたあと、みこりんと一緒に洗面所で手を洗う。その隣には洗濯機があり、さらにその横に淡水60cm水槽が置いてあるのだが、水草の上に見慣れないものを見かけた。いったい何やつ?と顔を近づけてみるまでもなく、正体はすぐにわかった。ヤマトヌマエビである。

 冬の間、さっぱり姿を見せてくれなかったので、もうすっかり消滅したものだとばかり思っていたが、しっかり生き残ってくれていたとは。ミクロソリウムの葉っぱの上で、もしゃもしゃと忙しげに何かをついばんでいる様子。しかもその腹には、たっぷりと卵を抱いているようだった。孵化してもこの水槽では飼えないのが残念だ。イサザアミ水槽が健在ならば同居させることも可能だったが、もはやそれも叶わず。

 水草の根っこに隠れるようにして、砂の上にもう1匹エビが動いているのを発見した。この調子だと、残る1匹も元気でいてくれるのかもしれない。ハゼ子達も、同様に生きながらえていてくれるといいのだが……

 みこりんにエビがいることを告げると、一生懸命探し始めた。葉っぱの上にいるやつはすぐに見つけてくれたが、もう1匹になかなか気付かない。まるで絵本の『14匹シリーズ』のような状況になってきた(この絵本では葉っぱの影などにさり気なく虫達が隠れているので、探し出すのがもう1つの楽しみになっている)。
 エビの前を視線が動いていったはずなのに気が付いてないようだったので、ヒントを1つ。「下のほうにいます」「えーー!」
 で、結局2匹目を発見できたのは、それからさらに3分後のことであった。隠れんぼ上手なエビである。


2002.4.7(Sun)

貝の具合
 昨日からタニシの位置がずぅぅぅっと変わっていないような気がしたので、川魚水槽の水換えをすることにした。己の風邪はまだ去ってはいないが、古来の言い伝えにもあるように、「自分の体調よりも魚の体調だ」。

 いきなりどばっと換えるのはまずい。今日の所は15リットルだけに抑えておく。とはいえ、60cmサイズの水槽なので、これでも1/4ほどにはなってしまうのだが。魚達は絶好調に元気そう。しかし、転がっている貝は……

 水換えを終えた水槽に、そろぉっと腕をつっこみタニシを掴み上げる。お、さっきまで半開きだった貝が、しっかりと戸締まり用心したらしい。死んではいないようだ。でも念のため、匂いを嗅いでみた。ん、合格。
 タニシを水流の少ない側に移動させて、石の上に乗っけてやった。

 *

 バケツを出したついでに、淡水90cm水槽の方も水換えすることにした。でもなんだか水流がいつもより少ないような?と思ったら、2基あるモーターのうち、1つが沈黙していることに気が付いたのだった。いったいいつからなんだ。そういや最近、ちょっと妙な音がしてたような気はしたが。とりあえず電源だけ抜いておく。

 こちらはバケツに2杯、30リットルの水換えで済ます。本格的な水換えはまた来週。

 川魚水槽の方で、ブルーギル幼魚とタナゴが、寄り添って泳いでいるのが少々気になりつつ、灯りを消した。


2002.4.8(Mon)

貝の具合その後
 その後、タニシがどうなったかと言うと……。やっぱり昨日の位置から動いていないように見えるのである。水流の弱い所へと移動させた効果は、今のところ現れてはいないらしい。

 何故に動かないのか。カワニナ達が、今日はせっせと石の上をいそがしげに這い回っているのとは、あまりに対照的なその姿。図体が大きすぎて、3日動いたら4日寝ることにでもしてるんだろうか。それならそれで理解できなくもないが。


2002.4.9(Tue)

寒日
 いきなり3月に逆戻りかと思うほど冷え込んだ一日だった。せっかく活動的になっていた陸ヤドカリ達も、今日ばかりはぎゅっと貝殻の中に縮こまり、ぴくりともしていない。よかった、ヒーターを外してなくて。

 R360水槽の中のヤドカリ達は、常時水温が25度付近とあって、いつもと変わらず岩の影で動いているところを見かけた。ガラス面の茶苔であんまり見通しがよくないのが難点だが、元気そうでなによりである。

 タニシは、今日もやっぱり昨日と同じ位置にいた。うむ〜


2002.4.11(Thr)

音の謎
 高速で流れる水音と、壁を伝って届いてくる低い振動音だけが支配する夜のリビングで、突然「かたり」と音がした。背後からだ。ゆるやかに振り返り、音の発生源を目で探す。何か硬質なモノが触れあったような、そんな音だったはず。
 洗い終わった食器に、箸立てに整然と並べられた尖ったもの、そしてシリアルの箱に至るまで、特にそれらしき気配が見あたらない。いったい何の音だったのか。ずずいと近寄り、さらに目線で変化を探る。

 歯ブラシに歯磨き粉、お玉に菜箸、ビン洗いスポンジ、そして海水R360水槽 etc... 何も変わっていない。あるべき場所に、それらは、あった。音の主は、結局わからぬままさらに夜は更けて…。

 歯磨きのために、再び水槽の前に立つ。あぁ今日も終わりかと思うと、なにやらしみじみと心が揺れる。「む?」R360の苔った中に、ついに変化を見つけた。小さな棒状の珊瑚岩が横倒しになっているのだ。「…これか」
 ヤドカリか、あるいはカニが戯れに触れたのだろう。それとも別の生き物か。……しかし、こんな小さな棒っきれみたいなので、あんなに「かたり」といった音がするものなんだろうか。ちょいとばかし心配になりつつも、深くは追及しないでおこうと思う。世の中には、知らない方が幸せということも、まれに起きるものだから。


2002.4.13(Sat)

砂の音
 そっと耳を澄ませば、かすかに「ちゃりちゃり」という音が聞こえてくる。ちょっとでも気配を動かせば、たちどころに消えてしまうその音の主は、陸ヤドカリである。ぽかぽかと暖かな昼間は、人間の目を盗んでお散歩に余念がないのだろう。

 ヤドカリの発する砂粒のこぼれる音を、目を閉じて聞き込めば、あぁ急速にイメージが拡がって、まさにここは南国のパラダイス。小豆でも転がしてもっと雰囲気出したいところだが、やっぱり実物がいいのでここじゃやらない。


2002.4.14(Sun)

用水路にて
 市民農園を流れる用水路で、みこりんがタモ網片手にじっと水面を見つめている。貝を捕るのだと言っていたが、果たして獲物はいただろうか。畑の雑草を抜きながら、ちらりとちらりと視線をみこりんに送ってみる。

 動きがない。どうも芳しくない様子である。
 この用水路は、去年タナゴの稚魚をすくってきた場所でもある。でも、田圃の用水路なので、冬場は遮断されたりいろいろと人工的に環境ががらっと変わるらしい。あの稚魚達も、いったいどこから来て、そしてどこに行ってしまったのか、結局謎のままだった。おそらくどこかで川と繋がってるのだとは思うのだが、魚達がすべて川に戻るのを待って遮断されるとも考えにくいし、もしかするとこの用水路にはまりこんだ魚達は、死滅回遊魚などと同じ運命にあったりして。稚魚の孵化育成場というのも兼ねてるのかもしれないけれど。

 今年はどんな稚魚が姿を見せてくれるのか、今から楽しみである。


2002.4.15(Mon)

川魚の近況
 最近頓に活発な動きを見せてくれるようになった川魚水槽には、フレーク以外にクリルの量も増やしている。ぐぐっと体格の良くなったオイカワやウグイ達は、クリル丸ごとはまだ無理にしても、半身くらいならば一口で食べてしまえるほどになったからだ。うっかり間違って真っ二つにしたクリルを落っことしてしまってそのことに気が付いたのだ。つい最近。

 逆にもともとクリルしか食べなかったブルーギル幼魚は、今ではフレークにも味をしめたようす。透けていた透明な体も、だいぶしっかりと厚みが増したような気がするが、まだまだ小さい。いや、小さいままのほうが都合はいいのだが、これからぐんぐん水温の上昇と共に成長してゆくのだろう。

 もっともブルーギルの獲物となりうる可能性の高かったタナゴ幼魚だが、こちらは着々と成長を続け、今では小鮒と同格にまでなった。逆に言えば、小鮒があんまり成長しなかったとも言えるのだが、フナとはこのようにゆっくりと大きくなって行くものなのか。

 そして大きなタニシは、相変わらず動きのないまま、そこに鎮座しているのだった。これが一番心配。


2002.4.17(Wed)

冷え込む日々
 春とは思えぬ肌寒い日々が続いている。今夜はホットカーペットのお世話にならねば耐え難い程に、足元が冷えて冷えてしょうがなかった。こんなに冷え込んでは陸ヤドカリ達も大変だろうとケージを覗き込むと、やはりぎゅっと縮こまった姿の貝殻が5つ、水入れの下に固まっている。
 でもニンジンの切れっ端は、ほどほどに無くなっているようだ。昼間こっそり食べているのだろう。

 そろそろケージの砂も含めて丸洗いせねばと思いつつ、来週末からはGW突入である。光陰矢のごとし…。


2002.4.19(Fri)

浮かぶブツ
 海水2m水槽の前に立つと、例によって食事の予感に驚喜乱舞するカスミチョウとケラマハナダイの姿がある。ここまで期待されると、なんだかちょっとじらしてみたくなったりもし。餌のシュアー缶を片手に、水面に手だけをかざしてみたり、ちょいと体をゆすってみたり。わらわらと目の前をよぎってゆく魚達。ん〜、毎度ながら食い気満々だ。

 あんまりじらしても「ち。」とか舌打ちされそうな気がしたので、さっそくスプーンに1杯、2杯とちょこっとずつシュアーをばらまく。沈下性のシュアーに、さっそく食いついてくるカスミチョウとケラマハナダイ。この時、毎回というわけでもないのだが、よく見かけるのがケラマハナダイの脱糞行為である。たちまち水面に“ぷかり”と浮かび上がってくる筒状の長〜ぃモノ。じつに立派なブツだ。

 食べ物が入ることでお腹が活性化するのだろうか。腹をすっきりさせて、新しい餌を腹一杯食べようという自然の智恵か。でもこの現象はカスミチョウにはあまり見られない(というか、ほとんど見たことはない)。
 まぁそれはそれで微笑ましくてよいのだが、ちょっと気になるのは彼等のブツが“浮く”ということである。ちょっと見栄えに難あり(長いときには丸一日くらいはぷかぷか浮かんでいるのだ)。

 ……あぁ、網ですくいだせばいいのか。


2002.4.21(Sun)

見つめ合う“目”
 あまり気温の上がらない日曜の昼下がり。「ちゃりちゃり、ちきちき」と儚げな音が耳に届く。活動しているのだ。陸ヤドカリ達が。
 そぉっと視線をケージに送ってみる。

 「あ」
 目があった。ケージの真ん中ヘンにいたヤツが1匹、そぉっと伏し目がちに触角をぴくつかせているのが見えた。なおも見つめつづけてみたが、今回は貝殻の奥にすっこむこともなく、ただひたすらそこに居続けてくれた。

 気付かれなかっただけかもしれない。だが私は、なんとなくそうではないような気がして仕方がないのである。
 この春、初めての最接近であった。


2002.4.22(Mon)

埋もれたキュウリ
 ハムスターと陸ヤドカリのために野菜を切っていると、みこりんが横からすっと手を伸ばして野菜をかっさらっていった。お手伝いしてくれるらしい。では、陸ヤドカリの方を任せるとしよう。

 私がハムスターの餌を準備している間に、みこりんはちゃきちゃきと陸ヤドカリのケージを開け、古くなった野菜屑を取り出し、そして新しい野菜を砂の上に並べてくれた。餌やり手順をよく覚えてくれている。
 ケージの扉を閉じようとしたとき、みこりんが何かを見つけて指差していた。「あ、キュウリがかくれてるよ!」みこりんは真剣だった。野菜屑が残っていると思ったのだ。

 みこりんがその“きゅうり”に手を触れる。なんだか怪訝そうな表情である。きっとその“きゅうり”は堅かったに違いあるまい。私は、ちょいちょいと砂を指でかいて、それの正体を明らかにしてやった。緑色の貝殻が、半ば砂に埋もれるようにしてそこにあったのだ。陸ヤドカリは、砂によく潜る。みこりんは、1つ1つ貝殻を数え始め、キュウリと間違ったやつも含めて全部そろっているのを確認すると、納得したようにケージの扉を閉じたのだった。


2002.4.23(Tue)

毛ガニ
 夕食後、流し台のライトをつけると海水R360水槽の中に、カニが出てきているのを発見した。甲羅長1cmほどの、可愛いサイズだ。色は薄いオレンジ。まばらだが全身に毛が生えている。
 しかしなんだか変だ。ふつう、カニは人の気配を察知するとあっという間に隠れてしまうのだが、このカニにはまったく動きがない。試しにガラス越しに指でこつこつと叩いてみたが、やはり反応なし。ま、まさか…

 水槽のライトをつけてもやっぱり動きがない。これでもかと、クリルを砕いてやってみる。さぁどうだ?……もぞもぞと動き始めたのは、カニではなく、トビムシ達。カニはやっぱり微動だにせず。だめなのか。
 諦めて水槽の前を離れる。

 でもやっぱり気になったので、しばらくして水槽へと戻ってくると…。かさかさかさかさっという音が聞こえてきそうなくらいに大急ぎで岩の下へと逃げ込んでゆくカニの姿があった。生きていたのだ。どうやら熟睡していたらしい(ほんまか?)。
 大きくなったら美味そうな毛ガニになってくれるにちがいあるまい。いや、食べないけど。


2002.4.27(Sat)

置いてあったプラケ
 高熱も下がり始めた土曜日の昼下がり、外の空気でも吸おうと玄関を出た私の目に留まったのがプラケだった。みこりんの小さなプラケが、玄関を出てすぐのところにぽつんと置いてあったのだ。もちろん空ではない。水が半ばまで、そしてなにやら黒っぽい石のようなものが、ごろごろと転がっていたのだ。な、なにやつ!

 ぐぐっと顔を近づけてみる。…カワニナだ。大小様々なカワニナが、プラケに貼りついたり転がったりして入っていた。
 みこりんが採ってきたのだろう。保育園のお散歩のついでにこうした生き物を持ち帰ることは、これまでもよくあった。でもカワニナというのは初めてかもしれない。去年あたりから貝に執着している様子はあったのだが、水温む春を迎えてようやくその望みを叶えることができたのだろう。

 私はプラケを持ち上げると、そっと奥まったところに移動させた。さっきの場所は西日の直射がばしばしと当たる。夏ならば30分ともたないところだ。しかしみこりん、捕まえるだけで満足してなければよいのだが。


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