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〜水のある生活〜
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12月 1999 お魚日記
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1999.12.1(Wed)

未亡人いや未亡魚
 2m水槽のプテラポゴン・カウデルニィがメスだけになって、はや7ヶ月と半。よく産卵していた個体なので、ぜひもう一度オスを入れてやりたいものである。今日は待望のボーナス日、ちょっとだけ暖かくなった懐で、週末プテラポゴンでも探しにショップ巡りしてみようか。相性のいいやつが見つかればいいのだが。意外にプテラポゴンは、選り好みをするらしいから。

 APNからメールが届いていた。注文していた殺菌灯の換えランプが来たらしい。取りに行かねば。


1999.12.2(Thr)

蛍光灯の寿命
 先日、2灯式に復活させた淡水60水槽の蛍光灯だが、今日見たら、またもや1本が消えていた。調べてみると、14000Kの蛍光管のほうが消えているのがわかった。こっちはこれまで故障したことがなかったのに、と思いつつ管を外してチェックする。
 片側の電極が錆と酸化被膜でぼろぼろであった。ヤスリで磨いて、接点復活剤をスプレーし、再装着。だが、これだけでは充分ではなかったらしい。グロー管の接点も、洗浄してようやく復活してくれた。
 けれども14000Kの色温度とは、とても思えない青さになってしまっていた。いきなり性能が落ちるようだ。ブルーランプの代わりに使えるなぁ。これを海水60で使って、淡水60には、また新しい蛍光管を買ってこなくては。蛍光管の種類も、今では驚くほど増えた。ホームセンターなどでは、ずらっと点灯デモしてくれてたりするので、違いが一目でわかって面白い。育成ランプというより、演色用ランプなので色がぜんぜん違っているし。でもやっぱり好みは晴天の白昼色だなぁ。次もやっぱり17000Kとか買ってしまうような予感。


1999.12.3(Fri)

分類
 思うところあって、海水魚のデータ分類などをやっているのだが、基本的な部分の科名・属名等が系統だてて記述された図鑑の類はないものだろうか。学名が記載されている図鑑は多いのだが、その読みがいまひとつわからなかったりして、困っている。他には、亜属の記載がない、とか。
 その昔、『フィッシュガーデン』(私が最初に海水魚を始めたときの、なじみのショップ)の店長が、海水魚関係の雑誌を丁寧にスクラップブックにしていたのを思い出す。ああいうのが手元にあれば、ずいぶん役に立つことだろう・・・。海外の文献も店の本棚にたくさん並んでいたし、今も健在ならば速攻で借りに行くのだが。
 ところで、マルチカラーエンゼルの模様を、あなたはだったらなんと表現するだろう?私は迷った末に、幾何学模様としたのだが、どうもまだしっくりこない。一目で模様が想像できるような、素晴らしい模様の分類名を思いついた方は、ぜひ連絡を請う。


1999.12.5(Sun)

交換球購入
 APNへ、殺菌灯の交換球と石英管を取りに行く。店内では、前回準備中だったベルリンシステムの水槽が稼働していた。ライトも強化されていて、6年前、初めてメタルハライドランプの灯りを見た時のことを思い出した。あのときも、まるで天窓から太陽光が差し込んでいるかのような、不思議な感覚に襲われたものだ。
 ライブロックの量が、まだ少ない感じ。売れてしまったのかも。砂の上をちょこちょこ動く物を発見。ヤドカリだ。貝殻の大きさはわずか1cmほどで、とても可愛らしいサイズだった。我が家のやりやり君は、すでに4cmくらいのツメタガイで暮らしているため、こういった動きのコミカルさはないのだ。小さなヤドカリを飼ってみたい衝動にかられる。
 そのベルリン水槽の隣に、通常濾過のインバテ水槽が置いてあったのだが、45cm四方のサイコロ型で、箱庭のようだった。Licが「綺麗!」と言っている。そうそう、やはりインバテ水槽、我が家でも立ち上げようじゃないか。そう提案してみると、なんと「置いてもいいよ」とのこと。おお、これは夢ではあるまいな!?ほんとにいいの?
 「ただし」と続く。今、玄関に置いてある60水槽2本を、1本に減らせば、残った1本をインバテにしてもいいよ、ということらしい。うーむ、そうきたか。玄関の2本は、淡水と海水なので、統合するのは不可能。淡水90のほうには巨大化途上のカイヤン君がいるので、そちらに淡水を一本化するのも難しいし。ようは電気代を食うヒーターを一本化できればOKということなのだから、グッピー繁殖水槽をなんとか工夫して、淡水60を併合できないものだろうか。ショップの展示水槽みたいな感じに・・・。
 さて、カスミチョウはどうなっているだろう。ずっと気になっていたのだが、いまだ健在のようである。体側の突起物は、だいぶ治ってきていたが、今度は鱗がかなりとれているのがわかった。んー、たぶん大丈夫とは思うけれど、この状態ではディスカウント可能でなければなぁ。
 淡水60用に、蛍光管を1本買った。いわゆる水草用と称されるタイプだが、昔ながらの赤っぽいやつではないようだ。
 結局、殺菌灯の交換球&石英管は2割引にしてくれたので、あわせて2万5千円の買い物となった。生体は、今回なし。ボーナス直後なのに、生体なしとは珍しい!将来のインバテ水槽用に資金を温存しておかねば、というささやかな思いからだった。
 帰宅後、淡水60のライトを水草用蛍光管に交換してみた。やはり、かなり青が強い。冬には、やや涼しすぎるので、もとのPG−2に戻し、海水のほうにつけてみることにした。ダムセルのメタリックブルーが、いっそう妖しげな輝きになってしまったが、ブルー系のライトはやはり海水のほうが似合うようだ。


1999.12.6(Mon)

紫外線殺菌灯復活
 まだ夕日が残っているうちに帰宅できたので、さっそく2m水槽の紫外線殺菌灯の復活作業にとりかかる。幸い今日はそれほど寒気が厳しくなかったので、屋外の作業も苦にならなかった。
 古い管を抜くときに、なんだかいやな匂いがするのに気がついた。まるで水が腐ったような・・・。
 管が切れたときに、殺菌灯への流水は止めておいたのだった。そのあと、殺菌灯にたまった海水も抜かなくてはと思いつつ、すっかり忘れてしまってた。そら腐って当然。
 ホースを引っ張ってきて、洗浄洗浄。匂いが消えても、念には念を入れる。
 そろそろ夕闇が迫ろうというころ、ようやく石英管装着終了。新しい蛍光管を差し込み、殺菌灯は復活した。弱々しいブルーの灯りが、作動状態を示している。さて部屋に戻ろう。
 それから15分後のこと。大慌てで玄関を飛び出す自分がいた。コックを開けてなかった。殺菌灯は、がんがん空だき状態である。暗がりの中、手探りでコックをつかみ、記憶通りの位置まで捻る。こぽこぽいう音が聞こえてきた。これでよしと。
 この水槽で、あと死んでいる器具といえばプロテインスキマー。塩ビ管を直づけされてしまっているので、洗浄ができないのだ。おそらくどこかが詰まってしまっているのはわかっているのだが。なんとか直さないとなぁ。


1999.12.7(Tue)

セイタカイソギンチャク
 あいかわらず2m水槽では、セイタカイソギンチャクが大繁殖している。奥の窓から雨戸を取り払ったことで、直射日光を受ける部分も出てきて、いっそう元気に触手を開いているのだが、中には触手を除いた直径だけでも2cmにおよぶのがいたりする。こんなでかいやつが、ほんとうにセイタカイソギンチャク(もしくはカーリー)なのか、疑念もある。
 心配なのは、落水パイプ部のスリット部分にまでびっしり貼り付いていることだ。下手すれば水の流れが遮られてモーターが焼け付く可能性さえある。原発の冷却水が、クラゲで堰き止められるのに状況は似ているかも。取っても取っても、おそるべき生命力で復活するし、それ以上に旺盛な繁殖力でどんどん増えていっているし、まさに為す術なし。駆除方法は知っているが、これほど増えてしまっていては、焼け石に水である。悩ましい。悩ましすぎる。濾過槽&濾材さえなければ、淡水洗浄も有効なのだが・・・。この魚水槽を今からナチュラルシステムに改造するのは、リスクが大きすぎるしなぁ。
 ずっとこの悩みをもったまま、老いてゆくのだろうか(大げさ)。


1999.12.8(Wed)

にょきにょき
水中で根を伸ばす朝顔の種 みこりんが庭でとってきてくれてた“朝顔の種”が、なにかの拍子に水槽の中に“ぽちゃん”。いつのまにか、こんなことになっていたのだった。
 ものすごい生命力である。発芽の時には、空気中でなくても平気らしい。このままどんどん伸びてゆくと、いまに水面から顔を出し、双葉を展開するのかも。ちょうど水温は25度をキープしているので、生育適温というのもよかったみたい。
 水中にある間は、双葉を開かないっていう仕組みになってるのも初めて知った。たしか朝顔の種は好日性とかで、光に反応して発芽するんだったような。水槽の中では、常に光は当たっているので、いつでも双葉を広げてもよさそうなのだが、不思議なものである。
 種だけの栄養で、ここまで育つのは無理っぽい。すでに水中から栄養素を得ているのだろうか。いつのまにやらナチュラルシステムになってたりすると、面白いんだけど。



1999.12.10(Fri)

水の底には
 少し遅い帰宅である。すでにタイマーが切れて、2m水槽のハイラックスランプは消灯中だ。でも、Licが迎えにきてくれる間、部屋の灯りをつけたままにしておいてくれたので、魚達はまだ起きていた。さっそく餌をやっておく。
 ふと、水槽の真ん中付近の水底に、なにやら白いものがパラパラと散らばっているのに気が付いた。かなり小さいもののようだ。白くなければ、見逃していただろう。
 いったい何があるのか。じっと顔を近づけて観察する。
 ははぁ、これはどうやらカニの甲羅のようである。ハサミの一部や、とんがった甲羅などが混じっていた。おそらく体長にして1cmほどのカニであると推測できた。
 ライブロックには、よくカニがくっついてくることはあるのだが、この水槽のライブロックはすでに5年が経過しており、生き残っているカニがいたとは驚きである。ただ、最初から住み着いていたカニならば、もっと大きくなっているはず。もしやこいつは幼生のカタチで、ショップの水槽に混じっていたヤツかもしれない。魚を追加したときに、入ってしまったのかも。
 カニだけじゃなくて、クラゲとか貝とか、ヒトデとかウニとか、魚なんかの子供も交じっていたりすると、なかなか面白いのだが。他にどんな生き物が紛れ込んでいるのか、夜中、暗くしたあとじっくり観察してみるのも、いいかもしれない。


1999.12.12(Sun)

週末恒例の
 水槽掃除&水換え:淡水60、淡水90、金魚水槽
 コケ掃除のみ:海水2m、海水60

 淡水60では、2灯にした威力でトリミング後も水草の伸びが著しい。ついでにコケもかなりガラス面についていたので、綺麗に掃除しておいた。水換えはバケツに2杯、約30リットルほど。新型灯油ポンプで吸い出したが、乱舞するグッピーがいまにも吸い込まれそうでスリリング。密生していた水草があったので、若干レイアウト変更してみたが、驚いて飛び出してきたグッピー稚魚のその後が、やや気がかりである。
 淡水90の水換え量はバケツに4杯、約60リットル。プレコ&カイヤン大食漢コンビがいるせいで、水底の汚れもかなりのもの。水と一緒に吸い出しておいた。最近、アブラハヤの餌食いが落ちているような感じなのが、若干気がかり。
 海水2m水槽のコケは、それほどでもなかったが、脚立を出したついでなのでやっておく。そろそろコケ掃除用のブラシが、ダメになりそう。
 金魚は、手が切れるほど冷たい水の中にもかかわらず、たいへん元気なようす。さすがである。


1999.12.13(Mon)

いやな泳ぎ方
 2m水槽のすみっこで、プテラポゴン・カウデルニィが斜め泳ぎをしているのが見えた。体を左に30度ほど傾けて、水底近くを浮遊している。じっとのぞき込んでみると、急に体勢を立て直して、奥に引っ込んでいったのだが、ちらと見えた右目の様子がなんだかおかしい。ライブロックの影に潜むプテラポゴンを、さらに観察してみると、巨大な眼球表面に、なにやら白い影が見えるではないか。下半分ほどが、半透明に白濁しかかっているらしい。かすり傷のように見える白い筋もあったので、何かで目を怪我したのかもと思ったが、さきほどの妖しげな泳ぎのことも考えると、どこか体調を崩している可能性もある。
 土曜日は、餌を丸飲みしていたのを覚えている。その時には異常はなかったはず。この水槽で一番長生きとはいえ、たかだか2年ほど。寿命というわけでもあるまい。よく産卵していたメスなので、そろそろ新しいオスを買ってきてやろうと思っていたのだが・・・。
 無事快復してくれることを祈る。


1999.12.14(Tue)

復活?
 昨日あぶなげな感じだったプテラポゴン・カウデルニィは、どうなっただろうか。ぱっと見には、泳ぎは正常。目の白濁も、だいぶ改善されている気配である。では、餌をやってみよう。
 クリルを砕いて水中に散らす。
 プテラポゴンは小さな塊を見つけると、俊敏な動きで接近し、その大きな口で丸飲みにした。なんか、ぜんぜん大丈夫そうである。
 だが、Licが夕方見たところによれば、まだ体を横倒しにしていたらしく、完全ではないのかもしれない。ただ、昨日より状態が悪くなっているようには見えないのが救い。回復してくれるといいんだけどな。


1999.12.19(Sun)

水換え
 脱衣所のグッピー繁殖水槽では、またもやダブルソードの水槽だけ屍累々になりつつあった。5〜6匹の死骸が沈んでいるのが見える。何ともない他の2つの水槽とは同じシステムで魚の数も似たようなものだというのに、どうしていつもここだけがこうなってしまうのだろう。血が濃すぎるのか。
 とりあえず、水換えである。ついでなので3本ともやっておいた。敷き砂の毒抜きのとき、ちょっと底面濾過のパイプをヘンにねじったもよう。電源ONしたら、ジャパンブルーの水槽が大変なことになってしまった。底面濾過のどこかにはさまっていたらしい汚れが、エアリフトで運ばれて、水槽内に戻ってきたのだ。やばいかも。
 グッピー達のエラが、なんだか激しくぱくぱくしているような・・・。水換えをやり直すか迷ったが、10分待ってみることにした。それでも汚れが納まってなければ、やり直しだ。

 そして10分後、なにごともなかったかのような水槽を見て、安心するのだった。うーん、海水魚水槽でこんなことやったら一発でアウトだな、と思いつつ。


1999.12.20(Mon)

つっ冷たい
 金曜の夜、出張から戻ってきたときには、すでにクラゲ水槽のシリキは動かなくなっていた。私が不在のとき、モーターが止まったのだという。この水槽のモーターは、以前からよく砂をかんで止まっていたのだが、2日くらいならシリキは平気そうにしていたので、修理は私が帰ってからやるということにしていたのだ。やはり、この寒さと慢性的なモーター故障で、濾過システムはガタが来ていたのかもしれない。
 シリキが落ちてしまったので、モーターの修理は今日まで放って置いたのだが、完全に濾過バクテリアが死滅しては大変だなと思い直して、ようやく冷たい海水に手をつっこんでいるわけである。水流のない水槽内では、ヒーターが稼働しているにもかかわらず、ヒーターから5cmも離れると、そこは冷水であった。センサ内蔵型のヒーターというのも影響しているのだろう。
 モーターを取り出し、噛んでいた砂を洗い、セッティング。蒸発した水を足し、電源を入れると、静かに水槽は生き返った。
 クラゲがいなくなって久しいが、再びクラゲを飼うときまで、この水槽には何を入れておこう。いればの話だが、カブトガニをもう一度飼ってみたい気もするが、ここのところ見た記憶がない。やはり無難にスズメの仲間にしておくべきか。週末、APNに寄ってみようと思う。


1999.12.21(Tue)

婚姻ダンス
 夜、2m水槽ではハイラックスランプも消え、カスミチョウの体色もお休みモードになりつつあるころ、真ん中付近で夜の舞踏が繰り広げられる。
 踊っているのはキンギョハナダイのオス。激しく胸ビレをはばたかせながら、体を横にしたままメスの周囲をぐるんぐるん回っている。ときおり、口先でつっついている感じ。
 プテラポゴン・カウデルニィのオスも、メスにアタックするときは、似たような感じで体を震わせながら回っていたが、ハナダイのそれは数十倍情熱的といえる。泳ぎの得手不得手を反映しているのかもしれないが、どちらも基本形はそう違わないのが興味深い。
 さて、回られているメスのほうだが、困ったような感じで静止している。逃げてもすぐ追っかけられるので、諦めているのかもしれない。プテラポゴンとの共通性が、メスにも適用できるのならば、同意のサインは互いの尻尾を追っかけるようなカタチで、回り出すはずなのだが。
 しばらく観察していたが、どうもメスにはその気はないようで、微動だにしない。やがてオスも諦めたのか、引き下がっていった。と思ったら、今度は別のメスにアタックを始めたもよう。彼の熱意は、はたして成就されるだろうか。ん〜・・・両方にフラれるほうに、3000点。


1999.12.23(Thr)

ハガキ到着
 そろそろ1999年も終わりである。ところが、年末恒例の海水魚カレンダーは、まだゲットしていないのだ。それというのも、コーラル・ポイントから年末セールのお知らせが、来ないからだった。
 不況のあおりでカレンダープレゼント止めちゃったのだろうかと、諦めつつあった日々なのだが、ついに今日、待望のセールを知らせるハガキがポストに入っていたのだ。ぎりぎり間に合った。ほっと安心。
 今週の金曜からということらしい。先着50名!なので、土曜では遅いかもしれないが、とにかく行ってみようと思う。10%オフというのも魅力的。あ、そういえばアクアスも年末は割引セールをやってるはずだが?まだお知らせのメールが来ないな。ついでに寄ってみよう。


1999.12.25(Sat)

コーラル・ポイントへ一転、APNへ
 今日は海水魚カレンダーをゲットしに、コーラル・ポイントへ行く日である。車をR21に向けて走らせている最中も、そのつもりだった。ところが、前回2m水槽の水換えをしてからだいぶ経っていることに、だんだん意識が向き始め、一宮という遠方まで今日出かけるのは得策ではないという結論に達したのである。まずはAPNで塩を買って、水換えだ。そうしよう。カレンダーなら、来年用におおた慶文のをすでに用意してあることだし。車を反転、APN方面へ。

 APNに到着すると、駐車場方面で見慣れぬ男性が、ショップの車で作業しているのが見えた。以前から“バイト募集”の張り紙をしてあったが、ついに新しい人を雇ったのだろうか(その通りだった)。
 店内に入る。ベルリンシステムの水槽は、苔もほとんど発生しておらず、順調そうである。でもLicには、その隣に置いてある小型のキューブ水槽のほうが気になるもよう。ちっちゃな箱庭みたいな感じのリーフタンク。私は、どでかい水槽も好きだが、こうした精緻を極めるようなミニチュア水槽も、かなり好きである。だが、Licの言う条件『玄関の60水槽を1つにすればOK』を満たす方策が、現在見つかっていないので、悩ましい。なんとかいい方法を考えなければ。
 キューブ水槽から離れて、奥のほうに進んでいくと、フレームエンゼル1匹3999円というのに出くわした。3〜4匹は入荷しているようだ。産地を聞くと、ハワイだという。かなり安い。3〜4年前には東京あたりで、1匹2980円で売ってるという話を聞いたことがあったが、当時はこの付近ではどんなに安くても6800円はしていて、うらやましく思ったものだ。ようやく価格破壊の波がやってきたのだろうか。フレームは、好きな魚なので、この値段ならば買いである。だが、そのまえに水換えしないと何事も始まらない。
 別の水槽では、ファイティング・ラスが泳いでいた。昔は、こういった魚にはあまり興味がなかったのだが、最近はかなり惹かれている。うちの水槽にも泳がせてみたいが、先住のブラックキャップ・バスレットとの相性が気になるところだ。
 さて、ひととおり水槽を見回ったあとは、買い物開始である。まずはシュアーとクリル缶。餌を確保すれば今日の目的はほぼ達成であるが、久しぶりにデバスズメの群泳を見て、空っぽのクラゲ水槽に何を入れるべきか決まったのである。デバ5匹購入。Licが「見て見て」と呼ぶので、行ってみると熱帯魚水槽にブラックゴーストがいた。さっきは隠れていたので気がつかなかったらしい。いつ見ても面白いカタチである。肉食だったような記憶があるのだが、一応店長に確認してみたところ、普通の餌でも大丈夫という。しかも値段は1500円。よし買おう。こういった変なカタチの魚には、私もLicもめちゃ弱い。

 『マリンアクアリスト』の最新刊(No.14)も出ていたので買う。『Salt & Sea』の新刊もあったが、前回のバカっぷりに呆れているので、二度と買うつもりはない。なんでも自分が“イチバン”でなきゃダメな彼らに対しては、不買こそが最大の抗議となるであろうから。

 あ、結局今日は海水の素、買えなかった。現金が不足してしまったので、また次回だ。1999年中に、2m水槽の水換えをやってしまわねば。

 *

 帰宅後は、速攻でクラゲ水槽と、熱帯魚90水槽の水換えである。
 まず90から。約半分を交換した。ついでにインペラ部の掃除と、ウールマットの交換。最後に岩組を直して完了である。ブラックゴーストには隠れ家が不可欠だ。
 クラゲ水槽のほうは、以前APNでサンプルとしてもらっていた10リットル用の海水の素があったので、それを使った。どうしたわけか、10リットル用なのに15リットル用だと勘違いしていて、海水を作ってしまってから間違いに気づいてしまったのだが、クラゲ水槽の比重が比重計を振り切るほど濃くなっていたので、半分の交換で相殺できると考え、そのまま続行。なんとか目論見通り 1.020 辺りで落ち着いてくれたのだった。
 それぞれ温度合わせ&水合わせしたのち、水槽に投入。ブラックゴーストは、さっそく岩組のトンネルに隠れてしまった。前後に器用に動くさまは、魚というより別の生き物のよう。はじめて顔をじっくり見たのだが、なんか埴輪みたいである。マスクをかぶっているみたいで、やけに人間っぽい。首を左右に動かす仕草も、かなり愛嬌がある。うーん、こいつははまりそうである。
 デバのほうは、飾りの一切無い水槽にとまどっているようだったが、5匹で固まっている姿は、初めて海水魚を飼ったときのことを思い出させて懐かしかった。デバほど純白の砂と光の似合う魚もいないと思ったりもするのである。


1999.12.26(Sun)

ブラックゴースト
 昨日フレークをやってみたのだが、口には入れるもののすぐに吐き出してしまい、結局食べてはくれなかった。今日は、クリルを砕いたもので挑戦。さぁ食べてくれるだろうか?
 小片がゆらゆら舞いながらブラックゴーストのそばを落ちてゆく。はっと気づいたように、ブラックゴーストが食らいついた。意外に素早い。丸飲みした!と思ったら、もう吐き出していた。うーん、口に合わなかったようだ。
 赤ムシでも買ってこないとダメかなと思いつつ、カイヤンにプレコタブレットをやっていたら、小さな固まりがころころころとブラックゴーストのほうまで転がってゆく。次の瞬間、トンネルから顔だけのばして、ヤツがかぷっと食いついたのだった。おちょぼ口と見せかけて、口はかなりでかいらしい。しかも、あぐあぐと噛んでいるではないか。どう見ても、魚の動きには見えない。どっちかというと、両生類っぽい感じ。たぶんポリプとかウナギ系の魚は、これに似た感じなんではなかろうか。私はいずれも飼ったことがないので、ブラックゴーストの挙動はすべてが新鮮に映るのだった。
 それにしてもプレコタブレットを食べてくれるのならば、ラッキーである。カイヤンといいこいつといい、プレコタブレットは古代魚系にはかなり美味しい餌なのだろう。
 ブラックゴーストは、昼間は隠れ家からまったく出てこないのだが、夜、真っ暗になると一転して活動家になる。見違えるような動きで、水槽中を所狭しと泳ぎ回るのだ。まさに“黒い幽霊”である。


1999.12.27(Mon)

脱皮
 昨日のことだが、玄関の海水60水槽に、またもやそいつは転がっていた。これで見るのは2回目だが、今にも動きだしそうなくらい生々しい。そいつの正体は、やりやり君の脱皮殻。じつに見事な脱ぎっぷりである。
 柔らかそうな腹部は、まだ分かるのだが、あの硬い鎧で覆われた、ハサミ部分がすっぽりと抜け替わるのが不思議でしょうがない。いったいどんな状態で、脱ぐのだろう。セミの羽化のように、最初はふにゃふにゃに柔らかいのだろうか。だとしたら、脱いだ直後はへにょへにょに垂れていたりして。あぁ見てみたい。ぜひ脱皮直後を観察してみたいものだ。


1999.12.28(Tue)

こっ、こいつはぁ・・・
 朝、いつものように水槽ごとに餌やりをする。新品のシュアーを2m水槽のカスミチョウにやろうとして、異変に気がついた。いつもなら近づいただけで、我先にと群がってくる彼らが、今朝は奥まったところに引っ込んだままなのだった。イヤな予感がする。
 とりあえずシュアーを投入。様子を見る。1匹が、ようやく接近してきた。泳ぎにも、外見にも特に変わったところは見受けられないが?さらに1匹が近寄ってきた。こいつも特に問題なさそう・・・・・あっ!?この尻尾の白濁は・・・。
 軽度の白点病であった。3匹目は、なかなか出てこない。ひどいのだろうか?心配していると、そいつはこちらが拍子抜けするほど元気そうに泳ぎ出てきたのだった。やはり尻尾に白点の兆しはあるものの、みんな食欲は旺盛だった。
 この程度ならば、自然治癒するとは思うのだが、早く海水交換してやらねばなぁ。


1999.12.30(Thr)

今年最後のショップ巡り
 2m水槽のカスミチョウ達には、白点の痕跡も見えず、いつもと変わらず元気いっぱいに餌を食っている。自然治癒したようだ。あとは水換えを完了すれば、懸念事項は消える。APNへ人工海水の素を買いに出かけた。
 クリスマスの日に、APNで今年中に水換えする予定であることを告げていたので、800リットル用人工海水の素をキープしておいてくれたらしい。袋ではなく、専用のバケツで売られているタイプの塩である。800リットル用ともなると、その重量もハンパではない。しっかり腰を入れて持ち上げないと、背骨をいわしてしまいそうである。気を効かせて、新しく店員となった兄ちゃんがクルマまで運んでくれた。ありがたやありがたや。
 3999円のフレームエンゼルは、完売状態だった。ま、しょうがない。それよりもファイティング・ラスまで売れていたのが残念。キレイな個体だったので、売れて当然といえば当然なのだが。また入荷するのを待とう。
 新型のメタルハライドランプを見せて貰った。安定器が異様に軽く小さいのに驚く。しかも5年前当時と比べて破格の安値である。光度は150Wに及ばないそうだが、照度、色温度も、うちの魚水槽には十分な性能である。我が家のハイラックスランプと取り替えても、消費電力の少なさで数年もすればもとがとれそうな感じ。買い換えてもいいかな、と思ってしまった。来年の夏のボーナスが、普段通りであることを祈ろう。


1999.12.31(Fri)

最後の水換え
 大晦日の大掃除は、2m水槽の水換えでフィナーレを迎える。前回は、排水が床に溢れるというアクシデントで時間を食ってしまったが、今日は1時間を目標に作業開始。
 130リットルバケツに、なみなみと水を溜めているのをみこりんが興味深そうに覗き込んでいく。もちろんみこりんの身長ではバケツより低いので、みこりん用椅子を持参しての見物である。この大量の水をどうするのか、みこりんは知りたくてしょうがないらしい。何度も「どうするの?これ」と聞いてくる。塩を溶かすのだと答えても、いまひとつピンと来ない感じだったので、「お魚さんのお家にするんだよ」と言ってみたところ、みこりんなりに納得してくれたようだ。
 約240リットルの水に、人工海水の素を溶かす。分量は、みこりんのオモチャのバケツにそれぞれ2杯づつでOK。みこりんのバケツ大活躍である。
 ここまではかなり順調である。所用時間25分ほど。あとは水槽から水を抜いて、入れ替えるだけだ。強力水中ポンプを使えばあっというま・・・・だったのだが、なぜか今日はポンプの調子が悪い。パッキンが弛んでいたのが、悪化したらしい。なかなか排水できなかった。通常の4倍〜5倍の時間がかかったとはいえ、15分ほどですべて入れ替え終了である。だがここで思わぬ誤算が発生。余った新しい海水で、玄関の海水60の水換えもするつもりだったのだが、2m水槽から30リットルほど余分に抜きすぎていたらしい。海水は、余ることなくきっちり最後まで2m水槽に注がれていったのだった。海水60の水換えを遅らせるわけにはいかない。再び30リットル分だけ、新しく海水を作り直し、ようやくすべてが終了したときには、1時間を約15分ほどオーバーしていたのだった。なかなか予定通りにはいかないものである。
 しかし、これで今年やっておくべき作業は終わった。心おきなく新年を迎えられる。1999年は、春の2m水槽での白点病蔓延、秋の淡水90の川魚全滅と、2つのトピックがあったが、その後はかなり順調に推移している。この調子で来年も、心安らかに水槽を眺めていたいものである。


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