Y2K 西暦2000年を迎えた。懸念していた停電もなく、我が家の水槽群はみな、順調である。 新顔であるクラゲ水槽のデバ5匹も、どん欲な食欲はいささかも衰えることなく、水槽に手をかざせば激しく水面をさざめかせ、淡水90のブラックゴーストは、海水魚用の餌“シュアー”を食べることが新たに判明、さらに長期飼育への展望が見えてきた。ところでブラックゴーストは、電気ウナギの仲間ということで、微弱な電気を発しているという。なんとか検出して、常時モニターできれば面白いのだが。
慣れ 昨日あたりから、ブラックゴーストが真昼でも穴から出て泳ぐのを、頻繁に目撃するようになった。水槽に慣れてきたからだろうか。それとも、お腹が空いているのか。試しにシュアーをやってみると、ものすごい食欲である。まるで掃除機のように、水底に散らばるシュアーの粒を、吸い込んでゆく。目はほとんど退化して見えていないはずなので、匂いだけを頼りに餌を探しているのだろうが、その精度はなかなか素晴らしい。余すところなく、平らげていくのだった。 かなり大食漢とのこと。この分だと、最大全長50cmに達するのは、意外に早いかもしれない。それまでにカイヤン君水槽が完成していればよいのだが。
偽のブラインシュリンプ 元旦から、グッピー稚魚には『リリーフブライン』をやってみている。ブラインシュリンプの卵を販売している日本動物薬品株式会社から売り出された、新製品らしい。売りは、生きたブラインシュリンプのように動くこと。人工飼料なので、ブラインを毎日湧かす必要がない。それに、値段も若干安い(20グラムで比較)。 実際にやってみた結果だが、リリーフブラインの方は、本物のブラインよりも大きさにばらつきがあって、稚魚の口には大きすぎるものがけっこうあるのが気になった。動きはたしかにひょこひょこしている。水分子のブラウン運動の結果だろうか?食いも、悪くない。 もう少し粒子を均一に、さらに細かくできれば、もっとよくなりそうなのだが、今後の改良に期待しよう。ただ、値段がまだ高いのがネックかな。ブラインシュリンプの卵は、もっと高価だが、大型缶で大量に買えば、そこそこ単価は安くなる。日によって孵化率が違うことや、留守にしたとき帰宅後すぐには生きたものが与えられないという問題を気にしなくてもいいのは、便利ではあるのだが。
大繁殖 夜中、グッピーの稚魚に餌をやっていて改めて気づいたのだが、台所の出窓に置いてあるジャパンブルー×イエローグラスの水槽は、ものすごいことになっている。超高密度な水槽だ。ウイローモスが水槽の半分を占めるまでに茂っているのも、稚魚が親に食われるのを防いでいるものと思われる。 隠れ家が豊富にあるのが幸いしているのか、それだけ魚密度が高いにも関わらず、落ちる割合がたいへん少ないのだ。死亡率を孵化率/稚魚生存率が大幅に上回っているので、増える一方な状況のよう。そろそろ、APNに里子に出した方がいいかもしれない。
今年最初の水換え作業 本日のメニュー ・淡水90の敷き砂掃除&水換え ・淡水60の水換え&水草トリミング ・グッピー繁殖水槽3本の掃除&水換え 淡水90の敷き砂は、5mmから1cmほどの厚さで、カイヤン君が激しく泳げば容易に底のガラスが見えるほど流動的だった。なのであまり掃除をしてなかったのだが、やはり長年の蓄積は侮れない。今日、毒抜きをやってみてあまりの汚さに唖然とした。そういえば、最近は底が見えるほど砂が大移動してることは、そんなに見かけなかったような気がする。だから余計に蓄積も多いのかもしれない。 たっぷりバケツに3杯分、45リットル抜いて、砂掃除完了。カイヤン君がなにやら不穏な動き。ゆらぁと迫ってくる。・・・あ、暴れないで。 またもや生傷を作ってしまったカイヤン君であった。それにしても、さらにでかくなった気がする。奥行き45cmの水槽なのだが、あと5cmも伸びれば方向転換に苦労することだろう。 私が90の水換えを終えようとしたころ、Licが脱衣所のグッピー繁殖水槽の水換え開始。みこりんがようやく寝てくれたのだという。よかった、これで私の作業が1つ減った。では、淡水60のほうに取り掛かろうか。 切っても切っても伸びてくる水草がある。ライト1灯のときは、消滅の危機さえ感じたのに、えらい違いである。緑系の光がばっちりツボにはまったらしい。 まずはバケツに1杯、15リットルほど水換えしてから、トリミング開始。新旧交代中のミクロソリウムを整えて、切り取った名称不明のやつを前方に植え込んで。よーく見ていると、グッピーの稚魚がちょろちょろしていた。最近、この水槽ではグッピーの繁殖が小休止のように見えたのだが、一応生まれてはいるようだ。 Licが三本目のジャパンブルー水槽で苦戦中。どうやら底面濾過の下に、汚れが蓄積しているらしい。砂の毒抜きをやっても、ぜんぜん改善されないようす。丸ごと掃除のほうが確実だと、背中を押しておいた。 私が60の作業を終えたころ、Licもちょうど水槽掃除が終わっていた。ジャパンブルー水槽では、私のお気に入りだった模様のオスがいなくなっているのに気づく。一年以上になるので、寿命かもしれない。結局、メタリックブルーのライン入り尾ビレを持つ系統は、血が絶えたようである。
ぎゅるぎゅる地獄 昨夜遅くというか、今朝というか、夜明け前のことである。休日の常として、遅くまで起きていた私は、リビングで異音を聞きつけたのだった。たまぁにしか聞こえてこないその音は、まだとても小さな小さなものだったが、私にはすぐにその正体がわかった。 ぎゅるぎゅる地獄の前兆である。2m水槽でエアを噛む音。濾過槽の水位が下がり、モーターにエアが巻き込まれているのだ。 大晦日に水換えをして、10日あまり。寒い季節なので、水の蒸発も夏ほどは多くないのだろう。夏ならば1週間もすれば“ぎゅるぎゅる地獄”がやってきたものだが。 フルドライは蒸発量が多いとはいうものの、私の経験では以前使っていたウェット方式と、さほど“ぎゅるぎゅる地獄”の間隔は変わらないように思う。少し密閉しすぎているのかもしれない。 バケツに2杯と半分、40リットルの真水を追加。もし濾過槽を屋外に出すとすれば、水位計は必須か。いつになるかわからない屋外化計画だが、頭の中に図面だけは着々と仕上がっていくのであった。
ちょろちょろりん 朝の水槽チェックで、クラゲ水槽のデバが1匹落ちているのに気づく。陰に隠れがちだったやつだ。やはりどこか調子が悪かったのだろうか。あとの4匹は、いつもと変わらず元気に水面まで餌をねだりにやってきている。とにかく死骸を埋めてこなくては。R360のように30リットルしかない水量では、デバ一匹の死体でも負担になるだろう。 ところで昨夜からどうも気になっているのが、底面濾過を稼働させているパワーヘッドのことである。なんだか排水量が激減したような?もともとそんなにパワフルなパワーヘッドではないのだが、今のように「ちょろちょろりん」な感じでは、絶対になかったはず。またどこかが詰まってきていたりして。砂が噛まないように、吸い込み口にウールマットを詰めたのが、影響してきているのかも。一度、セッティングし直したほうがいいかもしれない。
食べる食べる 夜、淡水90水槽の餌やりタイム。カイヤン君用のプレコタブレットを用意していると、みこりんが寄ってきて自分もやりたいという。カイヤン君はタブレット10枚は余裕で平らげるので、みこりんにも1つ持たせて、やってもらうことにした。 抱き上げて、ガラス蓋の隙間から入れるように言うと、上手にぽちゃんと入れてくれる。ゆらゆら舞い降りるプレコタブレットを見つめながら、「たべてくれるかなぁ」とみこりんは興味津々な様子。あいにくカイヤン君の居場所は水槽の奥なので、食べにきてはくれなかったが、代わりにブラックゴーストがすすすすすっと穴から出て来てくれたのだった。みこりん大喜び。魚らしからぬ、前後にひょいひょい泳ぐ姿が楽しいらしい。抱き上げられたままで、両手、両足をばたばたさせて「こうやっておよいどる!」と実演してくれるのだった。 ブラックゴーストの食事風景も見せてやろうと、シュアーを持ってきてやってみた。みこりんも期待に瞳を輝かせているようす。ばらばらと落下してゆくシュアー群。匂いを察知して忍び寄ってくるブラックゴースト。水底に散らばるシュアーどもを、まるで掃除機で一掃するかのように吸い込んでゆく。「いっぱい食べとる!」と、みこりんにも大好評であった。 ほんとにブラックゴーストの食事風景は、何度見ても、魚というより、ネズミとかの小動物を連想させてくれる。顔の丸さといい、顎があるような口といい・・・面白すぎる。
熟睡 昨日の深夜のことなのだが、みこりんが寝静まったあと、こっそり起きだしリビングへと向かう私とLic。みこりんの着替え袋を自作中のLicは、夜なべするつもりらしい。私は例によって日記ページの更新と、真夜中の SkyPerfecTV!三昧である。 いつもはリビングの灯りをつけたまま、みこりんを寝かしつけるのだが、今夜はすべて消灯していたため、2m水槽の魚達もすっかり寝込んでいたようだ。カスミチョウが全身を黒ずませて、ぼんやり漂っている。他の魚はどうかなと、1匹ずつチェックしていたら、なんとプテラポゴン・カウデルニィが水底に頭をつけてつっぷしているのを発見! 逆立ちしたように、やや斜めになりつつ、頭部が完全に底についていた。これまで、こんな姿の彼女を見たことはない。寝ていても、体の水平は保っていたはず。いったいこれはどうしたことだろう。 水槽ごしに、コンコンと手で叩いてみたのだが、いっこうに反応がない。一瞬、弱ってしまっているのかとさえ思った。それほど無表情、無反応だったのだ。 だがしかし、横たわっていないし、それに今夜も餌食いは良かったのだ、弱ってなぞいるはずがなかった。寝ているのだ。それも、完璧に熟睡状態で。 じぃっと見つめていると、褪せていた体色が、じわっと戻りつつあるのがわかった。やがて、はっと気が付いたように起きあがった。座礁していた潜水艦が、水平を取り戻す様を彷彿とさせる。大きな目玉を、ぎろりんとさせ、彼女は岩陰に隠れていったのだった。 なんと無防備に眠ることよ。彼女らの故郷、インドネシアはバンガイ諸島海域は、平穏な夜の海なのだろうか。それとも、水槽生活に慣れきってしまったのか。余所のタンクのプテラポゴン・カウデルニィも、こんな感じに寝ているのか、気になってしまうのであった。
こそっと動く ここ数日、一月とは思えない暖かな日が続いている。だからかもしれないが、長らく静止状態だった『ざり水槽』に、動きがあった。 じっと岩の底で冬眠していたはずの、ざり1号とざり2号。今日は岩の上に出てきていたのだ。とはいえ、よぉく観察していないと生きているのが確認できないほど、微動だにせず固まってはいるのだが。 夜にはまた元の位置に戻っていたが、生きているのが実感できてちょこっとうれしい一日であった。
逞しき生命力 我が家では、この夏から睡蓮鉢(というか、ただでかいだけのプラ鉢)に水生植物を植えて楽しんでいる。もちろん水の中ではメダカが4匹。ところがうっかりして、この寒さと乾燥で、水が干上がりつつあったのに気づかなかった。もはや部分的に水底の泥まで見える有様に、メダカが生き残っているとは思えない。手遅れと思いつつも、今日、水を足しておいたのだが・・・。 みこりんが水の戻った睡蓮鉢を見つけて、メダカを探していた。私は「メダカさんいなくなったね」と話しかけたのだが、みこりんは何故か平気なようす。あまつさえ、「メダカさん!」などと話しかけているではないか。ま、まさか・・・。 なんとメダカは4匹すべて生存していたのだった。増えてもいなければ減ってもいない。おそらく最初に入れたメダカが、生き残っているのだろう。なんと逞しき生命力。春になれば、この鉢にメダカの学校ができていることを願いつつ、みこりんと一緒にメダカを見つめるのであった。
今年最初のAPN 年明け早々に年賀状兼セールのお知らせハガキを貰っていたのだが、ようやく今日、APNを訪れることができた。生体も2割引なので、いいのがいたら引いていく予定。 まず展示水槽を見ていた私を、Licが呼ぶ。ベルリン水槽のところである。何がいるのかと思ったら、ヘコアユである。7〜8匹が群れている。Licは、こういった変わったカタチの魚に弱い。むろん、私も弱いので、ヘコアユは何度か飼育に挑戦したことがある。けれども、長くて1ヶ月しか持たせられなかったので、ライブロックたっぷりな水槽を用意できるまではやめとこうと決めていた。「ブラインも食べないの?」とのLicの問いに、孵化したてのは小さすぎて食べてくれなかったと答えれば、クロレラでブラインを大きくしようと提案されてしまった。うーむ、その案はなかなか魅力的。でもやっぱりブラインだけじゃ栄養価がなぁ・・・・。イサザアミはどうかな。ヘコアユだけと言わず、タツノオトシゴ系やらヨウジウオやらも飼ってみたいしなぁ。ヘコアユ構想は、ひとまず保留である。 再び展示水槽に戻れば、売れたと思っていたファイティング・ラスがいるではないか。通常価格3800円なので2割引なら約3000円!!こいつは買えと言ってるようなもんである。だがまて、その上の水槽にはキンメダイのような変わったのがいるみたいだが? そいつはアカマツカサであった。『sp.』と付け足されているところをみると、昨年の『テンジクダイ sp.』に続く、妖しい魚第2段なのかもしれない。なかなか面白い魚だが、生餌しか食べていないとの店長の話に、買う候補にあげるのはやめておいた。やはり今日はファイティング・ラスを買うべきだろう。 買うことを店長に言うと、捕まえるのに少し時間がかかるとのこと。たしかにこの細さならば、岩に隠れたら捕まえるのは容易ではなさそう。どうやって捕まえるのかと見ていたら、なんといきなり水槽の水を抜き始めた店長であった。な、なるほど、そのほうが確実だ。 岩を出され、水位の低くなったその水槽で、さかさか動く影を発見。やりやり君(サンゴヤドカリ)である。ちょうどクラゲ水槽用に1匹欲しいと思っていたところだ、ついでにそれも指名しておいた。 あとはグッピー用に水草を6本。大安売り中のシュアーを1缶、グッピー餌を1缶。以上。 みこりんが「かめさんおった!」と私を連れに来てくれた。みこりんはカメさんが大好きである。どんなカメかと思ったら、スッポンモドキ。甲羅全長15cmほどのやつが、水槽内をしゃかしゃか泳いでいる。見た目はウミガメの子供なので、みこりん的には陸ガメより、興味を惹かれたのかもしれない。 さて、買ってきたファイティング・ラスだが、入れる場所は決まっていた。2m水槽である。先住魚とうまくなじめるだろうかと、やや緊張しつつ投入すれば、幸い激しい闘争は起きなかった。多少キンギョハナダイのオスや、ネッタイスズメの縄張りに近づけば追われはするが、たいしたことはない。ブラックキャップバスレットも、最初のうちは興味を示して接近していたようだが、そのうち相手にしなくなった。なんとか無事暮らせそうである。
その後のファイティング・ラス 朝、太陽が差し込む水槽の左隅で、彼(彼女)は上下にちょろちょろ泳いでいた。真っ赤に燃えるような体色が、一段と鮮やかに見える。近寄ってさらに観察してみると、やや尾ビレの先端が、不揃いなのに気がついた。初日の小競り合いの結果だろう。だが、それ以外には特に異常は見られない。 餌をやってみる。いつもの位置からだと、遠すぎてやって来そうにないので、真上からシュアーを数粒落としてみたところ、水面に浮かんでいるうちに2〜3粒食べたのだった。まずまずの慣れ具合である。クリルを砕いたものも、頻繁につっついていたし。あとは隅っこではなく、はやく自分の居場所を見つけてくれれば安心なのだが。
お見合い 2m水槽に餌をやっていたときのこと。シュアーがゆるゆると落下してゆくのを、上手にカスミチョウが食べている。まるでツバメが低空飛行で虫を捕獲する感じに。 ロングフィン・スナッパーも負けてない。大きな口でシュアーを1粒1粒吸い込んでいる。 その時、カスミチョウとロングフィン・スナッパー、両者のちょうど中間地点にシュアーが1粒落下してきたのである。早い者勝ち、どっちが先に食いつくだろうか?俊敏さではカスミチョウが一歩リード、だが迫力ではロングフィン・スナッパーが圧勝である。さぁ勝負の行方はどうなったか!? なんと2匹は寸前まで突っ込んでおきながら、最後の一歩を踏ん切れなかったのである。見つめ合う2匹の間を、ひゅるひゅると落ちてゆくシュアーの粒。普段、あれほど貪欲に餌を食い散らかしている彼らが、どうしてお見合いしてしまったのか。譲り合うほどお人好しでもあるまい。 おそらく互いに牽制しすぎたのであろう。で、結局、水底に落ちたシュアーは、ブラックキャップ・バスレットがモノにしたのであった。
ファイティング・ラス 朝、カスミチョウ達にシュアーをやってから、ファイティング・ラスが上下運動している左隅にもシュアーをぱらぱらしてじっと観察。真上に浮いているシュアーは、難なく食べてくれる。だが今日は、さらに進展があった。カスミチョウが食べ残したシュアーが、水槽の真ん中付近まで漂ってきたのを、ファイティング・ラスが1mほど泳いで食いついたのである。おぉ、やっと水槽の中央まで出てこれるようになったのか。嬉しさにシュアー缶を取り落としそうになったほどである。この調子ならば、いずれ水槽中を泳ぎ回る日も近い。あぁ、やっぱり買って良かったファイティング・ラス。
しっ死んでる・・・ なにげなく淡水90水槽を見る。カイヤン君、なんだか体長40cmに到達したのでは?と思うほど、でかくなっている。その横には岩があり、そこの穴がブラックゴーストの定位置である。 最初、それがどうなっているのか理解できなかった。ブラックゴーストが、ぴくりとも動かずに、水底に横たわっているのだ。「うそっ!」 昨夜も、いっぱいシュアーをがつがつ食っていたのに・・・。水槽背面から、ブラックゴーストの顔を覗き込んでみると、おだやかな顔であった。そうか、苦しまずに逝ったのだな・・・。などと思っていたその時!まるで失神から醒めたかのように、ふっと彼が浮上したのだった。「い、いきてる」 心底、ほっとした。昼間だから、寝ていたのかもしれない。それにしても心臓に悪い寝方をするやつめ。
粘膜で眠る 透明な膜に包まれて眠るといえばブダイの仲間が思い浮かぶが、彼らを水槽で飼うのはあまり一般的ではない。一度あんなふうに眠る魚を水槽の中で飼ってみたいと思っていた。ホンソメワケベラも眠る時には透明な膜で包まれるというのを知ったのは、一昨年の今頃だっただろうか。朝起きて水槽を観察していると、なにやら寒天状の透明な物体が漂っていたのが発端だ。 ファイティング・ラスが、ようやく寝床を確保できたようで、毎日決まった岩の穴の中に入っているのだが、その穴の入り口付近になんだか透明なものが貼り付いているのに気がついたのが、金曜の夜。やはりファイティング・ラスも、眠る時には透明な膜を分泌するらしい。全身を覆うというより、穴を塞ぐ感じなので、なんだか昆虫の巣を連想してしまった。 わりと早寝らしく、午後10時を過ぎたころにはいつのまにか姿が見えなくなっている。他の魚がまだがんがん泳いでいる中、彼だけはぐっすり夢の中。しかも、いったんこうして膜を形成してしまうと、容易には出てこない(これない?)らしい。じつは今夜は帰宅が遅くなってしまったので、水槽の照明がタイマーで切れたあと、真っ暗闇が一時間ほど続いてしまったのだ。すっかり寝込んでいた魚達。それでも帰宅して部屋の灯りをつけてみれば、たいていの魚は起きてくれたのだが、ファイティング・ラスだけは頑として寝床から出てこない。じぃっと中を覗き込めば、きょときょと目玉が動いていた。一応、目は覚めたらしいけど、出てくることはなかったのである。粘膜の形成に時間がかかるからか、あるいは一日一回きりしかダメとか、そういう理由なのだろうか。 それにしてもファイティング・ラスが観察しやすい場所に寝床を選んでくれたのは、ラッキーだった。ついに膜の中で眠る魚を直に見ることができたのだから。
地味? Licがじっとファイティング・ラスを見つめている。餌を求めて、きょときょとカメレオンのように両眼を動かす彼の姿は、とても愛嬌があるのだ。目が離せなくなってしまってもしょうがない・・・・と思っていたら、ぽつりと「地味ね」と言った。 なななななんですと!?地味?このファイティング・ラスが?うそぉ。 ショップで見たときには鮮やかに見えたのに、うちでは違うように見える、とのこと。うぅぅむ、それはたしかになくはない。なにしろここのライトにはブルーのフィルターをかましてあるのだから。赤系はとことん弱い。そのかわり、青系はじつに美しく見えるのだぞ、と、ファイティング・ラスのヒレの先端にあるメタリック・ブルーの斑点を示してやった。だが、それよりも赤い体色のほうが気になるらしい。それならば、フィルターを外すかと提案したが、これは却下。まぶしすぎるからという。 水槽の位置が高いのが難点である。水槽位置が高いと、当然ライトの位置も高くなって、リビングでくつろいでいても、光源が瞳に入ってしまうのだ。たしかにそれはまぶしいかもしれない。 こうなってはやはり、濾過槽を屋外設置にするとき、一緒にアングルも低いやつに変更するしかないだろう。そうすれば全て丸く収まるのである。あぁ、どんどん大がかりな工事になってゆく予感・・・。 あ、でもそんなことすれば、カイヤン君用の大型水槽の置き場所が確保出来なくなってしまうではないか?こ、困った・・・。カイヤン用には、庭に生け簀を造るべきか。
遠慮してては食いっぱぐれる 慣れてきたとはいえ、ファイティング・ラスにはどこか遠慮が残っていた。たとえば食事の時だ。シュアーが流れて目の前までやってきても、そばに先住のキンギョハナダイやらカスミチョウなどがいると、つい譲ってしまうのである。特に威嚇されているわけでもないのだが、新参者ゆえ出しゃばらないようにしているのかもしれない。 ところが、今夜の彼はひと味違っていた。泳ぎにもキレがある。掃除機のように餌を吸い込んでゆくカスミチョウの中に、単身突っ込んでいく気合いの入りようだった。それだけ強気であれば、もはや餌を譲ってしまうこともないだろう。実際彼は、ブラックキャップ・バスレットの鼻先で、また、突撃してくるネッタイスズメにも毅然と立ち向かい、餌を確保していたのだ。きっと彼は長生きしてくれそうな予感。
新兵器登場 電池でモーターを駆動させ、吸い込み口先端が苔採り用にも、水底掃除用にも替えられる器具(商品名忘れた、、、)を、Licが買ってきたのが今年に入ってからのこと。今夜が初陣である。淡水90水槽の水換えに使ってみよう。 排水口の径が、うちにあるホースと微妙に合わず、ややスカスカである。まぁしかし、ゆるゆるではなかったので、そのまま使うことにする。 単2電池二本で作動する。パワーはそれほどでもないが、水底の砂利を吸い上げない程度なので、逆に使いやすい。手動ポンプほど強烈に汚れを吸わないが、こまめに掃除していればこのくらいで十分だろうと思われる。今回の90水槽は、やや汚れがひどかったので、手動ポンプも併用した。 かしゅかしゅ手でポンピングしなくてよいのは、やはり楽である。つい排水量をチェックし忘れて、一回、溢れさせてしまったほどである。ただ、ホースの径があってないのが響いて、途中からポンプが空回りしてしまった。ちゃんと合うホースを買ってこなくては。 90の水換えが終わると、淡水60の水換えもやった(ついでに海水60の苔掃除も)。ガラス面の苔を落としてもなお、中の水草がぼんやり見えるのに焦った。ここ数年発生したことのなかった、緑色のヒゲ状の苔が水草表面に無数に生えていたのだ。7年前、初めて水草水槽を立ち上げたとき、このヒゲ状の苔で大半の水草をダメにしてしまったのを思い出す。 手遅れかも、と思いつつ、水換え実行。消えてくれるとよいのだが。
水底にころころ 朝、昨日水換えした淡水90水槽の様子を観察。少し水がすっきりしない。白濁というほどではないが、透明感に欠ける感じだ。水底に、なにやら堆積物があるのに気がついた。深緑色で3mm角くらいのものが、片手一杯分くらい溜まっている。 プレコ・タブレットの残骸だ。だがしかし、昨日は水換えするまえに餌は全部食い終わっていたはず。いったいこれはどこから湧いて出たのだろう? カイヤンが水換えのショックで吐き戻したというのが、一番ありそうな原因だった。こんなことは今までになかったことだが、それ以外には原因が見あたらない。体は丈夫でも、繊細なのだ。水換え、忘れないようにこまめにやらないと・・・
光を絶つ 淡水60水槽に発生している糸状藻をなんとかすべく、今日から水槽の照明は消したままにする。といっても玄関に置いてあるので、まったく光が届かないわけでない。はたしてこれで消滅するかどうかは微妙だが、何もしないよりはマシというところだ。 加えて餌やりも二日おきとする。中の魚は丈夫なやつらばかりなので、さして問題にはならないだろう。あとはこまめに水換えして、ダメもとでエビでも入れて様子を見るしかあるまい。