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月 2001 お魚日記
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2001.7.1(Sun)

怪しいライブロック
 午後、APNへ向かう。カスミチョウがいたら引いてくるつもりだったが、あいにく魚のほうはいまひとつぱっとするものがいなかった。代わりに、ヤドカリが久々に値札付きで売られていたので、買っちゃおうかな……なんて見ていると、ライブロック水槽のほうで変わったヤドカリを発見!直径1cmに満たない小さな白い貝におさまった“彼女”は、その脚もハサミも(たぶん)胴体も、純白なのだった。だがここには値札が付いていない。これはどうみても売り物ではなさそうな予感。たぶんライブロックにくっついて運ばれてきたのだろう。店の兄ちゃんに確認すると、やはりそういうことのようだった。

 ヤドカリ飼うなら、この白いのがいい。そう心に決めた私は、さっそく相談をもちかける。値札のついていない生体を買うには、いろいろと方法があるが、今回は何か別のモノとセットならばOKっぽい雰囲気。ちょうど新装R360のためにライブロックが欲しかったところだ。ここに並んでいるライブロックは前回見たときよりも生々しさ加減は落ちてきているものの、それでもまだかなり怪しい生物が潜んでいそうな秘密めいたところがある。白いヤドカリが乗っかってるライブロックにも、なんだか得体の知れない奇妙な形のモノが岩にはさまるようにしてくっついているし(たぶん二枚貝の一種)。

 ライブロックを数点選び出し、秤に掛ける。キロ3000円の特Aクラスだ。あんまり大きな塊は無理だが、今回のものは小型でもなかなかカタチがいいので都合がいい。ジャスト2kgに、若干のおまけと、例のヤドカリ、それに苔取り貝をプラスしてもらって、めでたく購入。あとはヤマトヌマエビ5匹にマリンアクアリスト最新刊で、今日の買い物終了。
 レジのところで、例のブラックホール(吸着剤)のデモ用機材のボトルに、色水がなくなっているのをみこりんが指摘してる。うんうん、もうしゅっしゅできないねぇ。

 *

 ヤマトヌマエビは、1匹を川魚水槽へ、残りを淡水60cm水槽へ。
 ライブロックは海水R360で、アーチ状に組んでみた。あの奇怪な貝がよく見えるように、天井部分の中央付近に置いてと。付着生物は、ぱっと見にイバラカンザシが2つ、別種の二枚貝が1、巻き貝3、が確認できた。カニの姿はまだ見えていないが、おそらく多数潜んでいるのだろう。他にもまだまだ怪しい生物がわいてきそうで楽しみだ。…ウニ坊やも、いてほしいが、さて…。


2001.7.2(Mon)

クーラー装着
新たなライブロックを入れた海水R360水槽 ライブロックの維持と苔対策のためには、やはりクーラーが欠かせないだろう。というわけで、例年どおりR360にはクーラーを装備することにした。幸い、出窓の上にクーラーは乗る。しかも西側の間接光を遮る形に置けば、さらなる苔対策にもなろう。ただ今より水槽の位置を若干右側に動かさなければならない。そのためには出窓に並んだキッチン用品の模様替えが必要だった。

 その模様替えはすでにLicがやってくれていたので、私はクーラーを運んできて、内部を水洗いし、海水容量が増える分の新しい海水を作り、設置、そして配管をするだけでよかった。今回クーラーと水槽が同じ高さで、しかも隣合わせという位置関係から、配管もじつにうまい具合に収まってくれた。
 去年から変更した箇所といえば、クーラーからの吐き出し口を、ただのパイプから、上部濾過槽に水を吸い上げるJの字型をした部品に取り替えてみた。多少なりとも水流が強くなるのではないかと期待してのことだ。それにこのほうが水槽内部がすっきりと見える。

 注水。吸水モーター始動。クーラー作動。水槽のパワーヘッド作動。クーラーに水が吸い上げられていくと同時に、中の空気が吐き出し口からごぽごぽと吹き出てくる。やがてそれも止まり、静かな流れが出来上がった。欲を言えば、もう少し水流は強い方がいいのだが、まぁいずれ考えよう。
 クーラーの水温は25.5度に設定した。さっそくうぉんうぉんフル稼働。かなり水温が高くなっていたようだ。あぶないあぶない。


クーラーと一緒に
クーラーとR360の位置関係

 *

 ところで脱衣所に移動した海水36cm水槽だが、なんというかすごい悲惨な状況になってしまっていた。砂の中からゴカイ類がわらわらとはい出してきていて、それでも砂の中はぎっしりゴカイで埋まってる感じ。とてつもない量だった。
 昨日はまだ生きていたイソギン達にも死亡者が出始めており、これはどうやら酸欠なのではなかろうか。パワーヘッドの威力が落ちているところに加えて、超小型エアポンプではものの役には立たなかったのだろう。

 底面濾過をエアリフト式にすれば、もう少し水の流れがよくなり、エアレーションの問題も解消しそうだが、そのためには現在の水槽から、先日片付けたイサザアミ水槽にチェンジしたほうがいい。……だが、もはや何もかも手遅れのような気がしないでもない。
 とりあえずこの状況を見た以上、R360の方にもエアレーションしておいたほうがいいだろう。まだパワーヘッドの威力はそれほど落ちてはいないものの、水面で巻き込むエアなどたかがしれている。大量に投入したライブロックをまかなうには絶対的に足りないはずだ。

 超小型のやつではなく、普通のエアポンプを道具入れから発掘し、そいつにセラミック製丸形エアストーンを取り付けて、R360に沈めてやった。おぉぉ、パワフルだ。エアレーションのおかげで水流にも複雑さが加わり、なんだか水槽内が急に活気づき始めたような気さえする。問題は塩垂れだが、こちらは蓋を新たに作り直すことで対応しよう。とにかくしばらくはこの状態で維持だ。

 *
 白いヤドカリは、せっせと苔というか海藻というか、何かライブロックに付着したものをついばんでいるようす。なかなかこちらを向いてくれないけれど、貝殻もそこそこに美しいので、いい感じ。
 今夜もカニ類発見できず。ハードチューブの管の中から、ヤドカリの死体というか抜け殻みたいなのが出てきてた。それを巻き貝がさっきからずぅっと食べてるような……。肉食なのか、こいつ。
 明日はどんな生物に出会えるだろう。楽しみ楽しみ。

白いヤドカリ
白いヤドカリ
奇怪な貝?
奇怪な貝?


2001.7.3(Tue)

タッチの差で
 暑い……。いきなり真夏に飛び込んだみたいだ。窓全開、しかも夜だというのにリビングはさめやらぬ熱気で、部屋の空気がねっとりと絡みついてくる。
 R360へのクーラー装着がもし昨日じゃなかったら…、考えるだに恐ろしい。恐ろしすぎる。

 それにしても、だ。梅雨はもう終わったんだろうか。

自然保護とか
 環境破壊で激減した生物を、人間が大量に放流することで復活させようという試みを、ニュースなどで見るたびに思うことがある。その生物が激減した根本的な問題を解消するためのアクションも、忘れずにやってるんだろうか、と。根本原因を放置したまま大量放流しても、結局多くの生き物が死んでしまう事態に変化はなくて、でも絶対数が増えた分、生き残るタフなやつも増え、見かけ上はその生き物が戻ってきたように見えてしまう……だけのような気がするけれど。どうにも不自然で無理があるような。
 中にはきちんと生息環境の回復も込みでそういう放流活動をやってる事例もあるのかもしれないけれど、生息環境が回復してゆけばそもそもそうした大量放流なんてする必要はないわけで、やっぱり違和感はぬぐえないのだった。


2001.7.4(Wed)

謎なヤツ
 海水R360に、最初から姿を現している怖いもの知らずが1匹(1個体なのかどうかは未確認だが)いる。そいつの形状をどうやって表現したらよいのか非常に迷うのだが、とりあえず説明を試みようと思う。

 まず、ヤツは伸縮自在である。縮むと1cmほどになるのだが、伸びると驚くべき事に20cm以上は伸びる。体の厚みはたぶん0.1〜0.2mmといった薄さで、幅が、体の伸縮具合に応じて変動する。長ーく伸びているときなど、まるで糸のようでさえある。
 体色は、深緑色だ。やや明るめの色彩が混じっている。もしかすると半透明かもしれない。明確な目鼻口の区別は不明。ただ、頭部と思われる部分が、巨大なY字型に分岐しているような気がする。でもそれはプラナリアなどのような三角形ではなく、本当にYの字なのだ(ひょっとするとT字かも)。ウルトラセブンをご存じの方なら、あれに出てくるペガッサ星人の頭部のようといえば分かってもらえるのではなかろうか。とにかく、長く二つに分かれるときがあるのだ。

 特に夜、ヤツは活発に伸びたり縮んだりしている。何かを捕食したとかそういう変わったアクションは見たことがないが、そうやって伸縮しているということは、捕食動作に関係ありそうな気はする。
 いったいヤツは何ものなのか。他の生物に多大な害をなすものなのか。まったくわからない。できれば平穏無事にこの水槽が維持できればよいのだが。


2001.7.5(Thr)

水温ピンチ
 夜、帰宅後に海水2m水槽の水温計をチェックする。
 「28.7度……」。うむぅ、なかなかスリリングなところである。またしてもクーラーが止まってるんじゃないかという怖い予感もあるが、今日の暑さはハンパじゃなかったから、こういうものなのかもしれない。
 魚の様子は特に変わったところは見られない。相変わらずカスミチョウとロングフィンスナッパーの餌食いは絶好調だ。ふとこの水槽にセンネンダイとチョウチョウコショウダイなんかを入れてみても面白いかな…なんて思ってしまった。いずれも30cmサイズのやつを。でも大型ヤッコ以外で、そういう系統の魚はあんまり入荷してこないような…。


2001.7.7(Sat)

初コミュニケーション
 ハオコゼ君なき今、海水60cm水槽にてクリルを主食とするものは、カニだけとなった。いつもは粉々になったのを水槽に散らすだけだったが、今日は少し趣を変え、丸ごとやってみようと思う。手頃な大きさのクリルを、カニの住処目がけて水面から突入させようとしたとき、穴からカニが半身乗り出してきたのである。どうやらクリルが“見えた”らしい。よほど腹を空かせているのか、それともただの食いしん坊か…。

 クリルを徐々に水中に没していくと、カニはハサミを精一杯伸ばして受け取ろうと一生懸命だ。でも届かない。届かないとわかると、ついに片脚だけ残して、ほぼ全身を穴から出てきて、にゅぅぅっと手を伸ばしてきた。お互い、何度か空振りを繰り返したのち、ついにカニと私は、クリルを介して握手することに成功したのであった。名もなきカニとの、初めての濃厚なコミュニケーション達成の瞬間である。おぉ、なんと清々しい事よ。

硫黄臭
 淡水90cm水槽の水が、なんとなく薄く色付いてきたような気がするので水換えを行った。むろん岩の苔掃除も兼ねてだ。最近水換えをやったばかりなので、砂利にはほとんど汚れは堆積していなくて、水換え作業そのものはさくさくっと終了。余った時間を利用して、川魚水槽、淡水60cm水槽も水換えしてみた。

 さて、ここまではいい。いつもの手順だから。でも、これからがちょっと大変。海水36cmがとうとう大変なことになってしまっているので、それを処分せねばならないのだった。
 いつのまにやらモーターが停止していて、すっかり水面をカビのような腐敗物質が覆っている。中のゴカイ類も生存しているものは確認できず。まず水面のカビの膜をティッシュで吸い取ってみた。フタがとれたのか、ものすごい臭気に襲われる。硫黄臭だ。卵の腐ったような匂い。昔、中学校の理科の実験で嗅いだのが、こんな感じだった。
 この水をいつもの水換え用ポンプで吸い出すのはちょっと問題。そこで、ゴミとして置いてあった適当な容器を使って汲み出し、その水は園芸用のバケツにいったん移した。15リットルほどだから、それほどたいした量ではない。この水を排水として流すのもかなり抵抗がある。こういう場合は、まず近所の空き地に撒いておこう。土で分解してもらうのだ。敷き砂の珊瑚砂も全部取り出し、これは燃えないゴミとして出すために厳重にパッキング。あとは水槽を洗って(洗い水もさきほどと同じく土に返した)、終了。モーターは廃棄。ヒーターは一応とっておく。
 さて、この水槽はしばらく封印だ。シクリッド用にととっておいたプラケ水槽の登場は、予想外に早いかもしれない。


2001.7.8(Sun)

ブラックホールの威力
 海水R360水槽の底面の珊瑚砂表面の茶苔をなんとかするために、APNへ手頃な魚を物色に行く。たしか前回行ったときに砂を口に含んでははき出していたミズタマハゼのペアがいたような気がするのだ。
 店に入ると、たしかに彼らはいた。が、腹が異様なくらいにへっこんでいる。店の兄ちゃんに聞いてみたところ、餌を食べてないらしい。ミズタマハゼは入荷してもいつもこんな具合で餌づかないまま、痩せていくとかいうことで、私も今回買うのは諦めることにした。他にナマコとかも見てみたが、どうもあの水槽には大きすぎるようなサイズばかりだったので、今回、砂の苔対策はやめておくことにする。ただ、ライブロック表面を苔から守るために、苔取り貝を1匹購入した。くっついてきていた貝は、まだ小さく、ほとんど戦力になっていないような感じなので、念のためだ。
 さて、じつは今日APNに来たのにはもう1つ理由がある。淡水90水槽が水換え後からなんとなく灰色というか薄緑というか、とにかく水が薄く濁ってるので、それをなんとかするためのアイテムを物色するためだ。
 この水槽は、夏場にはこういうことがよく起こる。いくら水換えしても改善しないことはわかっているので、ここは1つ例の
超高性能活性炭“ブラックホール”(販売:株式会社キョーリン)を試してみることにした。普通の活性炭ではこの水槽の濁りに効果がなかったことは以前確認済みである。はたしてこの超高性能活性炭はいかほどの効果をもたらしてくれるだろうか。箱の裏には白濁には効果がない場合もあると、気になる言葉もあったりするが……。まぁ値段が780円なので、たとえ効果がなくても許容できなくはない。というわけで1箱買ってみた。

 *

 帰宅後、まず苔取り貝をR360に放してから、ブラックホールを淡水90水槽の上部濾過槽に1パックだけ入れてみた(使う前に軽く水洗いするように書かれているのだが、水をかけたところあっというまに全部吸収してしまって洗うどころではなかったことを記録しておく。とにかくものすごい吸収力である)。もちろんウールマットの下にだ。本来90cm水槽では3パック使うように指示されているが、初物ということもあって1パックから試してみようと思う。

(半日経過)

 素晴らしい。なんという透明感。かつてこの水槽がこれほどの透明度を現したことがあっただろうか、というほどのクリアな水景であった。濁りの原因物質が、このブラックホールの吸着可能成分にぴたりと一致したのだろう。この水槽には夏場の常備品となりそうな予感。


2001.7.9(Mon)

朝のお掃除
 今朝はちょっと早起きしたので、海水R360水槽の苔掃除をすることにした。といってもうっすらとした苔で、観賞にはほとんど問題ないレベルなのだが、以前の水槽の例もあることだし、早めに手を打っておこうと思う。

 掃除には新品のメラミンスポンジを使用した。さすがに新しいだけあって、この程度の苔は軽くなぞるだけであっというまに綺麗になる。ついでにシャワーパイプも取り外してお掃除お掃除。
 ところで買ってきた苔取り貝は、元気に岩の上を這い回っている。ライブロックの上の苔は、彼にまかせておけば大丈夫だろう。
 砂の上の茶苔も、ガラス面のメラミンスポンジによる掃除の際に、そこそこ許容できるレベルまで取れていた。この程度の接触でいいのなら、もうちょいヤドカリを増やしてやっても同じ効果が得られるかも知れない。

 隠れていたカニの姿を2つほど発見。まだまだ潜んでそうな雰囲気だ。


2001.7.10(Tue)

不思議の生物
 海水R360水槽に巣くう、例の緑色した謎の生物の写真が撮れた。中央、奥に向かって長く伸びているのがソレである。
 海は不思議に満ちている……

緑の謎の生物

追記(2001年7月17日):
 この生物の名前について、情報をいただいた。「ボネリムシ」というらしい。
 (参考ページ:
錦江湾のなかまたちに説明あり)


2001.7.13(Fri)

スレッドの美
 ロングフィンスナッパーは、その名が示す通り、背ビレ後縁と尻ビレ後縁がかなり長く伸びる。特に背ビレ後縁の伸展は素晴らしく、この魚のもっとも特徴的な部分といっても過言ではあるまい。私がこの魚に惹かれて飼っているのも、それが理由の大部分を占める。

 3年前(1998年9月6日)に我が家にやってきてから、かれこれ2年と10ヶ月半。購入から一年後の1999年時点での様子と、2001年現在の様子を比較してみると、以下のような感じである。

1999.1.5のロングフィンスナッパー
1999.1.5 撮影
2001.7.13のロングフィンスナッパー
2001.7.13 撮影

 背ビレ後縁の長さが違うのが一目瞭然となっている。ただ写真からもわかるように、スレッド3本のうち、もっとも長く伸びた部分が左側だと一番上、右側だと上から2番目となっており、しかも一番上の長さが左側より短くなってしまっていることから、途中で切れてしまったものと思われる。なんともったいない。まぁしかし、じつによく伸びたものだ。悠然と体の向きを変えるときに、ゆらぁとワンテンポ遅れてこのスレッドが付いていくあたりが特にお気に入り。でも、これで岩の隙間をすすす〜っと泳いでいくものだから、また切れやしないかと心配してしまう今日この頃なのであった。


2001.7.14(Sat)

魚釣り第一弾
 今日は魚釣り。川が近いと、釣った魚をすぐに水槽へと移すことが出来るのがいい。今回は団地下の川ということもあり、クルマで1分。釣ってきた魚も、比較的状態良く水槽に移せたと思う(魚釣りの様子は
ひみつ日記に記載)。

 釣れた、あるいは捕獲できたのは以下のとおり。
  • オイカワ×1
  • フナ×1
  • ブラックバス×1
  • ハゼ子×8
  • タニシ×2(ビッグサイズと赤ちゃんサイズ)
 オイカワとフナ、赤ちゃんサイズのタニシ、半数のハゼ子を川魚水槽へ、ブラックバスと大きなタニシを淡水90cm水槽へ、残り半数のハゼ子を淡水60cm水槽という具合に配分した。オイカワと先住の川魚が喧嘩しないだろうかという心配があったのだが、特に闘争というほどのものは起きていないようだ。ただ、互いに牽制し合っているようで、水槽内がいつもより“しーーーん”としてるような気はする。
 オイカワがゆらぁと岩陰から出てくると、先住の体格のいいほうも、同じように同じコースをゆらぁと泳ぐといった感じなのだが、まぁでも大丈夫そうな予感。ハゼ子は我が道を行くで、まったく不安気はない。フナはこの日ずっと岩陰から出てこなかったが、こちらも心配はしていない。

 さて、淡水90のブラックバスとブラックゴーストとの関係が気になるところだが、あの金魚達でさえブラックゴーストにやられてしまったことを考えると、やや不安がある。特に今回のブラックバスは幼魚ということもあり、体格的には金魚よりもずっと劣るし。しばらく観察してみてやっぱりダメそうなら、ブラックゴーストは別の水槽へ移すことにしよう。

 ところで大きなタニシだが、どうやらこいつがまっさきに被害を被っているようす。真っ暗闇の水槽で、ブラックゴーストにどつかれまくっているようだ。まさか食べてしまうんじゃ……と不安になってしまったほど。でも、しっかり入り口を閉じていれば、その中まではブラックゴーストもちょっかいかけることはないらしい。ただこのままじゃタニシも落ち着かないだろうから、明日にでも川魚水槽に移してやろうと思う。

オイカワ(たぶんメス)
オイカワ(たぶんメス)
ブラックバス幼魚
ブラックバス幼魚


2001.7.15(Sun)

パワーヘッド追加
 昨日オイカワ達を入れてやった川魚水槽だが、やっぱりエアリフト式の底面濾過だけでは流れが緩やかすぎるような感じなので、水流生成用にパワーヘッドを1基買ってきて付けてみた。機種はRio400。だいたい毎分10リットル程度の能力がある。
 このパワーヘッドには、いろいろと排出口や吸い込み口の形状を替えられるように各種オプションが付属しているのだが、今回は口先が薄く平らになった排出口を用いることにした。
 水流を発生させると、まずハゼ子達が活発に泳ぎ出てきた。ついでフナ。オイカワと先住2匹は、まだ警戒して岩陰に隠れてる。しばらく見ていたが出てきそうにない。というわけでいったん水槽の前を離れる。

 3時間ほど後、もう一度見に行くと、なんだか水槽のあたりで“こつこつ”という奇妙な音がする。照明をつけてみると、パワーヘッドがガラス面からはがれ落ちて、水流が敷き砂の中に猛烈な勢いで潜り込んでいたのだった。敷き砂が汚れていたらもっと悲惨な事態になっていただろうが、幸いこの水槽は川魚用にセッティングしてからそれほど日が経っていなかったので、大事には至らなかった。
 さっそくパワーヘッドの位置を変更してみた。たとえキスゴムが剥がれても大丈夫なように、下の方で石を下敷きに設置したのである。これで落下の心配はなくなったが、水流が直前の石にもろに当たってしまって、理想的な水流(全体に回るような)にはならないのだけれど、まぁ安心には替えられない。しばらくこの状態で回してみようと思う。もともと水槽が60cmと小さいこともあり、淀みが出来るとかそういうレベルではないので大丈夫だろう。


2001.7.16(Mon)

いつのまにかお引っ越し
 ここ数日、姿を見かけないなぁと思っていた海水R360水槽の白いヤドカリだが、今朝はなんと装いも新たに登場してくれていた。いつのまにか貝殻のお引っ越しをしていたらしい。新しい貝は、このライブロックを買ってきたときにおまけでつけてくれた小さな貝のものだった。…ということは、あの可愛い貝は死んでしまったということになる。それはそれで残念なことだが、今度の貝殻は白いヤドカリにはさらによく似合っているのが救いである。

 円錐にところどころ短い突起が生えていて、色彩も白っぽく、なんだかおしゃれな感じ。ライブロックの奥まったところにこそっと鎮座しているところを、すかさず激写したのがこれ。あぁ小さい。
新居に移った白いヤドカリ
新居に移った白いヤドカリ


2001.7.17(Tue)

謎の生物の正体
 7月10日の日記で画像付きで紹介した謎の生物について、情報を頂いた。有り難いことである。

 謎の生物は、「ボネリムシ」というらしい。こちらの
錦江湾のなかまたちに画像入りで説明が記載されている。詳細な分類については、こちらのページに記載がある。

 害をなすこともなく、それどころか岩や砂の上のデトリタス(生物の死がいや破片、糞など)を食べてくれるというのであれば、願ったり叶ったりだ。ずっと飼っていてやろうと思う。


2001.7.18(Wed)

恐ろしい事実
 出張の朝、いつもより少し早く魚達に餌をやろうとして、海水2m水槽の前に立ったとき、恐ろしい事実に気がついた。
 昨日は嵐だったのだ。そして停電があった。職場でも、いたるところから悲鳴が上がっていたものだ(書きかけの文書を保存するまえにPCが瞬電したら、たしかに声の1つも上げたくなる)。

 停電が起これば、この海水2m水槽ではまずポンプが止まる。ポンプが止まると、オーバーフロー式濾過槽の仕組み上、濾過槽の水位は上がる。すると、この濾過槽で飼っていたネッタイスズメは、セパレータで区切られた中央区から、ポンプの吸水口のある危険ゾーンへと移動できてしまうのだ…。その後、停電が回復すると、ポンプは再始動し、猛烈な勢いで水を吸い込みにかかる。もしそこにネッタイスズメがいたとしたら……

 私は濾過槽の扉を大急ぎで開いてみた。そこに、ネッタイスズメの姿は、どこにもなかったのである。おぉ…なんということ……

配布された生き物
 この時期、みこりんの通う保育園では夕涼み会が催され、そのとき園児全員にプレゼントが手渡される。夏と言うこともあり、生き物が選ばれることが多いようで、昨年までは金魚だった。プラケも一緒だ。これで生き物の飼育をさせるというのが狙いなのだろう。でも今年はちょっと違った生物が配布されていた。それは何かというと……

 “ヤドカリ”

 最初ヤドカリが配布されると聞いたときには、この海のない県でどうやって園児らに飼育させるつもりなのかと思ってしまったが、みこりんが持って帰ってきたのを確認したところ、どうやらこれは陸で生活するタイプのヤドカリのようである。餌は野菜。たしかにこれなら園児達にも飼えるかもしれない。ただ、小さなプラケではちょっと狭そうだ。ヤドカリは2匹、しかもそれぞれが直径2cmくらいの貝殻に入ってる。これに野菜を入れておいたら湿気て大変だろう。陸タイプのヤドカリならば、メッシュの虫かごのほうがよかったような気もする。

 それにしても金魚ならともかく、陸生ヤドカリというあまり一般的ではない生き物を配布するならば、飼育の手引きみたいな小冊子も一緒に配るべきだったんではと思ってしまうのである。相手が小学生とかなら自分で図鑑などで調べましょうというのもアリだと思うが、保育園児にそこまでを期待するのはちょっと無理があるような…。という問題点も少々あるものの、このプレゼンとはみこりんだけでなく、私にとってもうれしいものだった。いつかは陸生ヤドカリ飼ってみたかったのだ。

 来年はどんな生き物が配られのだろう。私の予想では、再び金魚に戻るというのが濃厚なのだが、ひょっとしてミドリガメとか、あるいはハムスターという可能性もありそう。


2001.7.19(Thr)

もう一匹
 歯磨き時がもっとも海水R360水槽を堪能できる時間だ。今日も隅々までじぃっと目を凝らしていると、なにやらライブロックの下の方で蠢くモノが居る。な、なにやつ!?

 そこにいたのは小さな小さなヤドカリだった。とんがり帽子みたいな白い貝殻に入ったヤドカリは、やっぱり白い姿をしていた。どうやらこのライブロックが採れたあたりには、こういうタイプのヤドカリが普通なのかもしれない。なんてラッキーな。
 カニに食べられてしまいませんように。


2001.7.20(Fri)

便利なクリル
 淡水90のブラックバスが、ついにクリルに餌付いた。水中を舞わしてやるよりも、水面にそっと浮かべておくほうがいいらしいこともわかった。なんとなく彼らの食性の一端がかいま見えたような気がする。たぶん幼魚のうちは水面に落ちた昆虫類を捕食することが多いんじゃなかろうか。

 川魚水槽のオイカワは、なんとなくフレークに餌づいたような感じだが、まだ先住のようにばんばん食べるという雰囲気ではない。そこで念のため、クリルを砕いてやってみたところ、こちらはそれなりに食べているもよう。ハゼ子たちにもクリル粉は好評らしい。フナは何でもOK。手間いらずなやつ。
 大きなタニシは、日曜日からこの川魚水槽に移っているが、いまではすっかりリラックスしてガラス面を優雅に渡っていく毎日である。めでたしめでたし。

新たなるセッティング
 昨日は会社の納涼祭。例によって金魚すくいしてきたみこりんとLicである。今回はプラケ持参だったので、Licのすくった4匹に加え、おまけの3匹で合計7匹が、無傷なまま我が家にやって来た。
 ただし昨夜はうっかり速攻で寝入ってしまったので、小さいプラケのまま放置してしまい朝になってから、半分ほど水換えしたのであった。金魚たちはまだ全員無事だった。

 ところが、諸々の家事をこなしたのち、お昼頃にもう一度プラケを覗くと、1匹の小さな赤い金魚(体長1.5cm)がピンチに陥っているのを確認。ただちに水槽のセッティングにかかったのだった。
 今回は7匹ということもあり、以前シクリッド用にと保管しておいたプラ水槽を、金魚用に換装することにした(砂を大磯砂に変更)。置き場所は、以前と同じく脱衣所の水槽ラックの下側。珊瑚砂はとっておいて、と。

 エアポンプは新しく1つ買ってきた。川魚水槽で使ってるやつよりもワンランク上のものだ。つまり、川魚水槽に、この新しいのを付けて、川魚で使ってたのを金魚用にということにしたのだった。これで川魚水槽の水流も、かなり強化されたことになる。
 金魚用の砂は洗ったばかりなので、やや濁りが残っていた。そこで例のブラックホールも投入することにした。ただ、底面濾過なので設置場所には困った。そのままでは浮いてくるし、いちおう水流のもっとも強そうなパイプの根元に、石で押さえて置いてみることにした。何もしないよりは効果が出てくるんじゃなかろうか。

 *

 次にヤドカリの飼育ケージも交換。やはり小さなプラケでは狭すぎる。最初は大きめのプラ水槽(金魚用にしたのと同サイズ)にしようかと思ったのだが、Licの提案で以前カエル用にセッティングしたハムスター用の金網ケージを使うことにした。たしかにこれなら換気も十分である。それに底面積もプラ水槽より広い。

 受け皿部分に、さっきとっておいた珊瑚砂(目の細かいタイプ)を敷きつめ、ヤドカリを放してやった。白い砂に、ヤドカリ。なんてトロピカルな図式。テーブルヤシの小さい鉢植えでもあったら最高に似合うだろう。
 ところでひょっとして海水を好むヤドカリかもしれないので、念のため海水を入れた皿を砂の上にセットしてみた。ここに入るようなら、飼育環境を替えてやらねばならないが…はたしてどうだろう。ヤドカリを手に持った感じだと、すぐに出てきてちょこまか腕を目指して上ってきたほどの人なつっこさから、なんとなく陸生で間違いはなさそうな気はするのだが(海のモノはこれほど陸上、というかヒトの上でシャカシャカ動かなかったような気がする…)。

 夕方、ヤドカリ達はみーんなケージの金網をよじ登って天井付近にへばりついていた。どうやら彼らは木登りがお好みらしい。流木でも買ってきてやったほうが良さそうだ。海水の皿にはまったく興味を示さなかったことから考え合わせても、間違いなく陸生だろう。
 でも、ヤドカリ=海のものという思考をしてしまって、海水の中で飼うことにした親が、すくなくとも1人や二人はいそうな予感。


2001.7.22(Sun)

クーラーが止まる時
 帰省などで夏場に家を留守にする場合、水槽専用クーラーを装備する以前はけっこう暑さ対策には悩まされたものだ。

 この家を建てたばかりの頃、一度リビングのクーラーを22度とかに設定してみたこともあった。だがこのときは、どうしたことかクーラーが止まってしまっていて、海水2m水槽のデバスズメがほぼ全滅という惨状が待っていたのだった。
 停電でもあったのかと思っていたら、やがて真相が判明。留守のはずの家で、うぉんうぉん室外機が回っているのを隣家の人が発見し、わざわざ住宅メーカーに電話をしてくれて、めでたくクーラーのスイッチは切られたのであった。

 生き物を飼ってない人には、クーラーを付けっぱなしで家を空けるなんてのは想像もできない世界なんだろう……と思ったものの、まさかそこまで親切な人がいるとは思ってなかったので、正直驚いた。田舎故なのかもしれないが。

 その隣家の人には、なぜクーラーをつけていったのか説明したので、その後同じような事故は起きていない。もっとも、水槽用にクーラーをつけてからは、以前ほど神経質に留守中の部屋の温度を気にはしなくなった。とはいうものの、魚じゃないけど、ハムスターとかヤドカリとか、暑さに弱い生き物は残っているので、夏場のクーラーはまだまだ欠かせないのであった。
 どうか停電しませんように…。今日から帰省である。


2001.7.23(Mon)

海遊館へGO
 帰省のたびに、水族館に寄ってくるのが常となっているが、今回は
海遊館である。訪れるのはじつに5〜6年ぶり…だったかな。あの時いた巨大ジンベエザメは代替わりして、新しい顔ぶれになったらしい。ずいぶんご無沙汰してしまった。

 海遊館は、およそ巨大な立方体といった形状の建物となっている。これに続くエントランスホールや売店を内在する構造物もあるが、これらはおまけみたいなものである。やはり基本はあの2匹のジンベイザメが回遊する巨大太平洋水槽だ。
 巡回コースは、中央のその水槽を最上部からぐるぐると回りながら下りてくるカタチになっている。外側にもテーマに沿ったコンセプト水槽が配置されているが、構造上、奥行きは狭く、縦にながーぃ水槽となっている。上から順に高さによる変化を見ることができる点が、この水族館の特徴だと思う。

 さて、最初はアクアゲートと呼ばれるトンネルをくぐるところから始まる。ちょうど海底トンネルのような具合で、トンネルの壁そのものが水槽となっている感じだ。照明はひどく暗い。みこりんが怯えている。どうも名古屋港水族館の、例のアレを思い出したらしい(深海へと続く通路を表現した暗くて怖い音のする箇所があるのだ)。
 どうにかそこを抜けると、カワウソ、イルカ、ラッコ、アシカといったほ乳類のコンセプト水槽が見えてくる。最上層なので、見下ろす感じになるのが、なかなか面白い。特にカワウソが滝壺で群れているところは、いかにも自然の一部を切り取ってきたようで、奥行きの狭さをうまくアレンジしてあると思った。みこりんもカワウソのキュートさに、機嫌も回復。よしよしこの調子で次に行こう。

 回廊を下る。カワウソ達がちょうど目線付近になった。飼育係の人が餌をやってる。くるりと回る芸をしないと餌がもらえないらしく、みんなきゅるきゅる回ってた。カワウソも芸をするとは。
 イルカ、アシカが垂直に泳ぐ。あるいは、真っ逆様に下りてゆく。ん〜ダイナミック。ちょっと水槽が狭いのが難点だが…。

 中央の巨大太平洋水槽では、ジンベエザメがゆったりと回遊している。マンタやらノコギリエイやらも、まるで空を飛んでいるかのように舞っている。光り物系な魚たちが群れを形成し、真ん中付近で固まっている。とてつもない広い。これでもっと高さがあったら、さらに面白い水景となるに違いない。欲を言えば、底が平坦な砂地ではなく、多少なりとも岩礁があったほうが自然っぽくていいのだけれど、たぶん餌やりの都合とかいろいろあるんだろう。

 最初ジンベエザメを怖がっていたみこりんだったが、やがて慣れてきたのか自らカメラを所望した。デジカメと普通の銀塩カメラ。その2つを駆使して、何度もシャッターを切っていた。こういう屋外施設で、みこりんからカメラを要求してきたのはこれが初めてのような気がする。よほど感性を刺激するものがあったらしい。
 ゆっくりと下へ進む。太平洋水槽の底に到達したところで、ふっと水面を見上げると、はるか上空でジンベエザメ達が大きな口をがばっと開けて、大量の海水を吸い込んでいるのが見えた。餌をもらってるらしい。その勢いに、小魚が数匹吸い込まれたような……。マンタも同じく餌をもらってた。か、可愛いぃ。

 もうじき出口。タカアジガニ水槽は、いつ見ても不思議な感じ。その動きのなさが静かで、時がずっと止まってるかのよう。こういうのを海底で目撃したら、さぞや神秘的だろう。……いや、怖いかな。
 最後にクラゲ水槽で締め。ライティングが絶妙だ。まるで未知との遭遇。あぁもう一度タコクラゲ飼いたいなぁ。

 そして忘れてならないのが、売店巡り。水族館の売店で魚のTシャツ買うのが、密かな私の趣味なんである。そうそう、ヤドカリ達の住み替え用に、貝殻も買わなくては。ちょうどニスとか塗っていない素の貝殻が、300円という安さで15個ほどパックされている。これにしよう。巻き貝が多いのがいい。大小いろいろそろってるので、陸生ヤドカリにも、R360の小さなヤドカリにも使えそうだ。
 それにしてもタツノオトシゴやらカブトガニの剥製がたくさん売られてたのは、ちょっといやな感じがした。もっとも、これらの出所が問題ではあるんだけれど。
 総合評価。水槽の数はそれほど多くはないものの、シンプルなところが逆に味わい深くていい味出してる。今後も変に熱帯ものに色気を出さず、独自色を貫いて欲しいものである。


2001.7.24(Tue)

金魚のようす
 本日帰還。魚達に異常はないだろうか。順にチェックしてみる。
 これといって変わったところはなさそうな……。と、最後に覗いた金魚の水槽で、目が留まる。何かが浮いているのだった。魚だ。色がちょっと黒っぽいから、たぶんこれは黒出目金。やはりダメだったか。帰省前に、ちょっと泳ぎが怪しかったような気がしたのだ。

 さらに、一番小さな赤金が、一番大きな白いヤツに丸飲みされかかってる現場を目撃。なんてでかい口だ。さっそくLicが産卵ケースに小さいやつを隔離してくれていた。でも、ちょっと手遅れだったかも…


2001.7.25(Wed)

クリルの味
 みこりんがもらってきた陸生ヤドカリ達には、キュウリやニンジン、キャベツといった野菜を食べさせてきたが、今朝はちょっと趣向を変えて、クリルをやってみることにした。

 1匹のそばに、そっとクリルを置いてみると、みるみる触覚がぴくつきはじめ、さささっと動き出したかと思うと、そのままクリルを抱きかかえるようにして食べ始めたのだった。なんて匂いに敏感なんだ。それほどクリルは美味いのか。

 最近、彼らは砂に半分埋もれていることが多い。涼んでるのかな。

白いとんがり帽子
 早起きしたので、海水R360水槽と、海水2m水槽の苔掃除を行った。ほんとうは帰省前にやっておきたかったのだけど、やはり三日の遅れは特に海水2m水槽に顕著な変化として現れていた。朝、太陽光の当たる部分にぺっとりと苔が貼り付いている。これほどはっきりとは苔ってなかったのに、付き始めるとあっという間だ。

 一方、R360の方は、それほどでもない。ただ、背面のガラス(つまりもっとも日光に当たる側)に藻のような付着物が若干確認できる。いまのうちにとっておかねば。はやめに水換えしたい気分もあったが、いろいろ雑用片付けているうちに機会を逸してしまった。7月中にはなんとかしよう。

 ところでキレイになったR360を眺めていたお昼頃のこと。ガラス面になんだか白っぽいゴミみたいなのがくっついているのが見えた。なんだろうと、じぃぃっと観察してみたところ、どうやらそれは小さな貝であることが判明。真っ白なとんがり帽子のような貝殻の入り口から、それはそれは小さな脚が見えている。貝も含めた長さは、約3mmほど。じつに愛らしい。無事に育って欲しいものである。


2001.7.26(Thr)

ヤドカリの住環境
 帰宅すると、例の陸生ヤドカリが3匹増えて、合計5匹になっていた。保育園で鉢植えやらのバザーと一緒に、残ってたヤドカリも売られていたとかで、Licが買ってきたのだ。1匹30円だったらしい。

 Licによれば、今回買ってきた中で一番大きな体格をしたやつが、ケージに入れると同時に先住のちょっと小さめのヤツのとこまですっ飛んでいき、激しく貝殻を“ノック”していたという。だがこの貝殻強奪作戦は失敗に終わったようだ。今も彼はとても窮屈そうに一回り小さな貝殻におさまって、金網にかきついている。どうしてそんな貝殻しかなかったのかと思うほど、その立派な体格には不似合いな貧相な貝殻だった。これはたしかに即座に引っ越しを考えるのも無理はあるまい。
 海遊館で買ってきた貝殻を入れてやってはいたのだが、彼にはこれも小さすぎるようだ。新入りの中には、この新しい貝殻にちゃっかり引っ越しを済ませたヤツも1匹いて、ひょっとすると保育園で残っていたヤドカリたちの住環境は快適とは言い難いものだったのかもしれない(先住2匹は、結局、新しい貝殻には引っ越してくれなかった)。

 買ってきた貝殻の中には、これはちょっと大きすぎるだろうと思って入れてなかったのがある。今こそ出番が来たらしい。

 貝殻を追加してしばらく後、様子を見に行ってみると、脱ぎ捨てられた貧相な貝殻と、大きな貝殻でゆったりくつろぐ例の彼の姿を見ることが出来た。めでたしめでたし。


2001.7.27(Fri)

舌平目の謎
 仕事中Licからメールが入ることは、そう珍しいことではない。特に今日は、昨夜発熱したみこりんを、大事をとって保育園を休ませていることもあり、Licも休暇中である。何かみこりんが面白い発見でもしたのかも……と、メールを読んでいると、やがてこんなメールが届いたのだった。

 「新しいペットやに、たなご、したびらめがおる」

 家で休養しているはずのLicとみこりんが、なぜ新しいペット屋にいるのだ?という謎よりも、“したびらめ”がいるという報告に目を疑った。“たなご”はまぁわかる。このへんの熱帯魚ショップには滅多に金魚以外の日本産淡水魚は入荷してこないが、それでもタナゴはポピュラーであるから。しかし…“したびらめ”?海水魚の?活魚コーナーでもあったんだろうか?まさか……

 謎が謎を呼び、帰宅するまでずっと“したびらめ”のことが気になってしょうがなかった。でもようやく謎が解けた。淡水シタビラメのことだったのだ。
 新しいペット屋は、熱帯魚専門店というわけではないみたいだが、なかなか変わった魚を入れているようだ。これは一度偵察に行かねばなるまい。


2001.7.28(Sat)

ブラックバス幼魚の謎
 淡水90cm水槽に入れたブラックバス幼魚は、すっかりクリルに餌付いて(というか最初からクリルを食べたけれど)、元気に泳ぎ回っている。お腹もいい具合に膨れており、健康そうだ。これまでのところ、ブラックゴーストによる被害も見られない。

 最近は、水槽のそばを通るたびに、ブラックバス幼魚がこちらに向かって盛んにアッピールしてくるようになった。餌をねだっているらしい。水面に指を近づけようものなら、上をくぃっと向いて今にも食いついてきそうな勢いがある。

 それにしてもヒトに慣れるのが異様に早いような。ただ食いしん坊なだけかもしれないけれど、どうやったら腹が膨れるのかということを日々考えている結果なんだろう。
 真夜中、暗闇の中でブラックゴーストのためにシュアーをやっているときも、なぜかブラックバス幼魚は起きていて、シュアーに食いついてくることもわかった。人間でも薄ぼんやりとしか把握できない闇の中で、いったい彼はどのようにして餌を認識しているのやら。……匂い…なんだろうか、やっぱり。というか真夜中も起きてるものなのだろうか。夜行性にしては昼間えらく元気だしなぁ…。まさか無意識のうちに餌に食いついてるなんてことは…。

 まぁなんにしても食欲旺盛な小魚というのは、いいものである。なつかれると可愛いし。そのうち名前をつけてやろう。いつまでも“ブラックバス幼魚”では、長すぎる。

 *

 オイカワのほうは、フレークを口に入れるがすぐに吐きだしてしまう。まだクリルを小さく砕いたものしか食べていないようだ。


2001.7.29(Sun)

舌平目を見に
 “したびらめ”がいたという例の新しいペット屋に出撃(店舗の様子などは“
ひみつ日記”に記載)。

 お魚のコーナーで、淡水シタビラメをしげしげと観察する。たしかにこいつは“舌平目”、なんとなく美味そうである。でも“淡水〜”と呼ばれる魚はこれだけで、私の好きな淡水カレイとか淡水エイとかはいなかった。なんだか妙に浮いている淡水シタビラメ。スタッフの趣味なんだろうか…。

 ついでなのでセール特価中のウールマットを1本買った。あまり品質はよくなさそうだが、安いので許す。
 さらに、以前から気になっていた日本産淡水魚用餌というのを買ってみた。パッケージにオイカワが2匹描かれているやつだ。まだクリルしか食べないうちのオイカワが、これを食べてくれるといいのだけれど。

 タナゴ(どうやらタイリクバラタナゴではないようだ)の水槽には、二枚貝も同居していた。ちょっと飼ってみたい雰囲気になりつつも、今日は生体はなしの予定だったのでそのまま帰還。
 いずれまた出向くことになるだろう。


2001.7.30(Mon)

ヤドカリの部屋
 数日前のことである。陸生ヤドカリ達に餌をやろうと、暗闇の廊下を進み、玄関先に置いたケージの前で、しゃがみ込むと、いきなりケージから高速で這い出してきたやつがいる!!

 な、なにやつっ?

 ヤドカリにあるまじきその俊敏さ、そして体型…ひらべったく、なんというか虫のような、色は闇に紛れる黒系…。そいつの正体はゴキブリであった。ヤドカリの餌として置いてある野菜を狙ってやってきたのだろう。

 その後も、このゴキブリは連日のように出没し、ヤドカリケージを我が物顔で闊歩していた。そして今夜もヤツは白砂の上で寝そべりくつろいでいる始末。もはやこれまで。ゴキブリ捕獲器の設置に踏み切ったのである。
 ヤドカリ達は特にゴキブリがいることについて気にしているようすはなかったけれど、このケージにゴキブリは似合わない。トビムシくらいの小さな虫だったら、まだ許容範囲だったんだけれど、ヤツは少々大きすぎた。

 ところでヤドカリ達の餌の好みがだんだんわかってきたような気がする。野菜では、ニンジンがことのほかお好みらしい。西瓜もけっこう好評だった。キュウリはイマイチ。キャベツもちょっと…
 クリルは、固い頭部はイマイチだが、腹部とかの軟らかい部分はツマミになるらしい。もしゃもしゃと、いい感じに食べている。生のシジミはダメだった。やはり野菜主体の生物みたい。


2001.7.31(Tue)

ブラックバス幼魚のお引っ越し
 ブラックバス幼魚に異変発見。ヒレがなんだかとろけてきつつあるような具合に見える。正確に表現すると、いったんばさついたヒレが、少し修復してきて半透明になってる部分があって、その半透明な部分の一部が、また少し千切れたような感じに紐状に垂れてる箇所もあるのだ。さらによくよく見てみると、体表(とくに頭部付近)に何かで擦ったような痕が見られる……

 このような現象は以前にも経験がある。この水槽で飼っていた金魚が、そんな具合になり、ほどなくしてばたばたと落ちてしまった。たぶん原因は…ブラックゴースト。たぶん今回もそうなのではないだろうか。やはり小型魚は同居できないのかもしれない。

 というわけで、さっそく帰宅してから移動を開始した。ブラックバス幼魚の行き先は、今、金魚の入っているプラ水槽。金魚たち(2匹)は、淡水60cmに移ってもらった。
 プラ水槽は水をほとんど抜き、半分を新しい水、半分を淡水90cmから持ってくることにした。これで多少なりともバクテリアを補給できることだろう。濾材として使ってるシポラックスも数個ほど持ってきた方が良かったかな…

 ブラックバス幼魚をプラケに追い込み、引っ越し開始。プラ水槽までは歩数にして5歩程度の至近距離である。だがあと1歩というところで、プラケからジャンプしてしまった。やはりプラ水槽の方にも蓋が必須のようだ。温度合わせのために、プラケのまましばらく浮かべて、と。
 その間、淡水90のほうをついでなので水換えしておこう(45リットルほど)。ブラックバス幼魚が飛び出さないように、見張りはみこりんにお願いしておいた。みこりんはこの小さな魚がことのほか気に入っているようで(小さい、というのがポイントだ)、喜んでこの仕事を引き受けてくれた。じっと見つめるみこりん。何度も「うごいとらん。じっとしとる」と報告を上げてくれるので、大助かりである。

 ブラックバス幼魚を、プラ水槽へと放す。そして蓋をして、重しの石を乗っけて。あぁそれにしても暑い。ちょっと作業しただけでTシャツが汗だくだ。とっととシャワー浴びて寝よう。

 シャワーが終わってふたたびプラ水槽を覗いてみると、ブラックバス幼魚は底の方でじぃぃぃぃぃっとしていた。思わず不安になって、水槽の横からコンコンとノックしてみると、大急ぎで水面付近まで急上昇。初めての環境に慎重になってただけらしい。そういや釣り上げた直後もこんな感じだったかな。
 ブラックバス幼魚は、そうした傷はあるものの、食欲のほうはいたって正常で、今朝もどん欲にクリルを食べていた。今夜はブラックゴーストの心配もない。ゆっくり寝てくれたまえ。


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