住み替えの季節 陸ヤドカリの住み替え用にと、Licが新しい貝殻を買ってきてくれていた。瓶詰め放題の貝殻を、スーパーで売っていたらしい。小さいのやら大きいのやら、二枚殻やら巻き貝やら、いろいろと混ざっている。 私が大きめの巻き貝を選り分けていると、みこりんが言った。「これもやどかりさんのおうち?」その手には、やや大きめの二枚貝の片割れが握られている。「どうやってヤドカリさんに入ってもらったらいいかな」と逆に質問してみると、みこりんはなにやら真剣な表情で考え込んでいる様子。ざらざらと貝殻をかき分け、新しい二枚貝を手にしても、やっぱり悩んでいるみこりん。たしかに二枚貝にヤドカリが入ったらなかなか楽しい図になりそうだが… やがて、ぽつりとみこりんは言った。 「これには、はいれん」 二枚貝は、すべてみこりんのオモチャになった。
成長の季節 近頃カスミチョウ達の食欲魔神ぶりが、いよいよ激しさを増している。餌やりにかかる時間も、倍くらいになってしまったほどだ。みるみる減ってゆくシュアー缶の中身に、頼もしいやら恐ろしいやら。成長の季節なんだろうか。 そのあおりを喰らったカタチのケラマハナダイ達には、餌が十分行き渡っているのかどうか、少々心配だ。特に一番小さいやつは、見ている限り5粒くらいしか口にしていないような。そんなので大丈夫なのか。 で、結局、ついついたくさんやりすぎてしまうのであった。ほとんどカスミチョウに食べられてしまってるけど。
現れた1匹 夏日である。昨日からだ。もっとも熱の籠もるリビングの海水2m水槽では、温度センサが28.5度を示している。水槽用クーラーもフル回転なのだろう。あぁ電気代が怖い。 夜になり、まるで凪のように無風状態の熱帯夜を迎えた。陸ヤドカリ達の動きが活発化している。じゃりっという砂音と、かちゃかちゃいう金網をよじ上る音。元気だねぇ。……「む!?」思わずケージに引き寄せられていた。 ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ。陸ヤドカリは5匹いた。日曜日、あれだけ探して見つけられなかったというのに。いったいどこに隠れていたのか。でもなんだかこの1匹、貝殻も妙に小さく、可愛くなったような?他のと比べて一回り小さな貝殻に、ちんまりとおさまったその姿には、あまり見覚えはなかった。とはいえ、貝殻が縮むとも思えないし、これはこれで正しい姿にちがいあるまい。 見つかって本当によかった。
水と陸ヤドカリ 出掛けるべく、窓に鍵をかけようと近づいたとき、陸ヤドカリのケージで見慣れない動きを発見していた。一番大きな陸ヤドカリが、今まさに、水入れの中に入っていこうとしていたのだ。自発的に水入れに向かっている姿を見るのは、おそらく今日が初めてである。なにしろ慎重な彼等のこと。これまでは、天井を移動中に人影に驚いてそのまま真下の水入れに“ぽちゃん”というパターンしかなかったのだ。それがこうして目の前で歩く姿を見ることができようとは。だいぶ人間にも慣れてきてくれたのかもしれない。 水入れの縁がちょっと高いので、よじ登るのにまず一苦労している様子。貝殻が重そうに下に垂れ下がっている。大きなハサミを縁にひっかけ、よっこらせ……、あ、失敗。何度目かにして、ようやく水入れの縁に体を持ち上げることに成功した陸ヤドカリであった。たしかにこれは彼等が人影を警戒するのも無理はない。水入れにたどり着くまでが、これほど困難なものだったとは。 さて、縁にたどり着いてからも大変そうだった。最初は水浴びするのかと思ったのだが、水に濡れることを怖れているかのように、じつに注意深くハサミの先端をちょびっとだけ水に浸していた。そしてそのまま味見をするかのように口元へとハサミをもっていく。そんなことを二度三度。 次に、体の向きを入れ替えようというのか、ぐるっと後ろを向いた。大きく重い貝殻が、いまにも水中に没しそうだ。しかし、貝殻は水面から離れたままの姿勢で、脚先をゆっくりと水に浸けている。じつにお上品である。そしていよいよ動きが止まった。もしやこのままバックして体を水中に沈めるのかと思ったその瞬間、彼は水入れから降りていったのだった。 期待した水浴びの図は、次回におあずけである(彼等が自発的に水浴びするのかどうかは謎だが)。
ガラスにもたれかかるもの 夜も更け、照明を落としたリビングで、ふと海水R360水槽に何かが貼りついているのに気がついた。ガラス面はすっかり赤茶色の苔に覆われていて、中の様子を垣間見るのは困難なのだが、たしかにガラスの内側には見慣れない物体が出現していたのだった。 じぃっと顔を近づけてゆく。ガラスの内側に、いったい何が潜んでいるのか。 丸い…いや、楕円形のようなモノ。敷き砂から1cmほど上に浮かんでいる。…それと、なんだか細い棒のようなモノが、いーち、にー、さーん…って、カニかぃ。カニが伸び上がるように、ガラス面にもたれ掛かっているのだった。 いったいなにやってるんだ。コツコツとノックしてみたが、目立った反応なし。口元の触角が規則正しく揺れている。なんだか元気そうな雰囲気なので、灯りをつけるのはやめておいた。驚かせるのも可愛そうだ。 しばらくカニはそうやってもたれていたようだが、小一時間ほどして再び水槽に視線を移したときには、姿を消していた。背中が痒かった、だけなのかもしれん。
オイカワの異変 いつものように、朝、各水槽に餌をやっていたときのこと。川魚水槽で、なにか異変が起きているのに気がついた。オイカワの姿がないのだ。 普段ならばまっさきに水面に浮いたフレークに食らいついてくるはずなのに。他の魚には特に異変は見あたらない。オイカワだけがおかしいようだ。 水槽の背面に回り込んでみると、岩の陰でオイカワの姿を発見した。水中に設置したパワーヘッドの直前に位置している。餌にも気付かないように、ただひたすら流れに逆らって定位置をキープし続けている。 その眼前をフレーク片が横切った。しかし、まるっきり気付いていないような表情である。外見に目立った変化はないようだが、この挙動は少々気になる。 夜の餌やりのときも、やはりオイカワは出てこなかったのであった。
台風と水換え 今朝もやはりオイカワに動きはなかった。相変わらずパワーヘッド直前の位置で、一心不乱に泳ぎ続けているようだ。不安が募る。 * 台風6号の接近で、仕事場を15時に強制退去させられたのをこれ幸いと、夕方から川魚水槽の水換えを実施した。およそ30リットルの交換だ。水温がかなり上がっている。水温計はつけていないが、おそらく27〜28度くらいはあるはず。他の熱帯魚水槽よりもぬるかった。水中モーターの影響だろうか。この水槽には上部にライトを乗せていないので、熱源といえばそれくらいしか思い当たらない。 オイカワとは正反対に、ウグイ3匹の元気なことといったら驚くべきモノがある。まさに所狭しといった感じに泳ぎ回っていた。 水換え用具を出したついでに、淡水60cm水槽も水換えしておいた。ミクロソリウムの隙間から、久しぶりにヤマトヌマエビの顔が覗いていた。やぁ久しぶり。すっかり亡き者になったと思っていたが、元気そうでなによりである。 * 海水2m水槽の屋外設置にしてあるモーター類を、台風の雨風から守るべく、ラックにシートを巻き付ける。準備は万端だ。いつ台風がやってきても大丈夫。 ところが、いつまで待っても外はおとなしいままだった。雨もなく、風もない。夜空を見上げてみると、なにやら星灯りが見えるではないか?台風はいずこに。 真夜中過ぎ、台風はすっかり通り過ぎたあとだった。遙か洋上を通過していったらしい。めでたしめでたし。
兆候 朝のことだ。オイカワの姿が水槽の中にあった。裏側から出てきていたのだ。良い兆候かも知れない。 餌はまだ食べてはくれなかったが、なんとなく上目遣いで水面に浮かんだフレークを気にしているように思えた。明日にはきっと…
前兆 まったく昨日までのが何だったのかと思うほど、オイカワの今朝の食欲は凄まじかった。ウグイ達を圧倒するダイナミックな食べっぷりだ。もはや心配無用。オイカワは復活した。 * 真夜中のこと。廊下方面から、「ばしっ」という異音が響いてくる。何かが落ちてきたような、なんだか不安な音だ。にゃんちくんが何かいたずらでもしたのかと、懐中電灯片手に探索開始。 しかし、何も落ちてはいなかった。…もしや、これか?川魚水槽を照らしてみる。水飛沫が蓋のあたりに付着していた。生々しかった。これだ。魚が跳ねて、蓋に当たったにちがいない。そっと中の魚の様子を観察する。オイカワがゆーらゆらと所在なげに泳いでいるのが見えた。 その後も、「ばしゃっ」という音は、断続的に響いてきた。こんなことはこれまでに一度もなかった。それだけに気になる。魚が突然、跳ねるという異変は、何か不吉なものを感じさせた。何か天変地異でも起きるのではないか。そんな気がしてしょうがないのである。
水槽移設 朝から小雨の続くじめっとした天気だったが、水槽移設を行うことにした。そう、ついに玄関の海水60cm水槽を撤去することに決めたのだ。この場所には海水R360水槽をそのまま移設する。結局、もっともお金のかからないプランにしたのであった。 まず人工海水の素を、40リットルの水に溶かして水換え用の海水を作ることから始まった。R360は30リットルもあれば事足りる。次に、海水60cm水槽で暮らす唯一の魚、青いダムセルを捕獲する。R360に移住することになるのだが、移設が終わるまではさっき作った海水バケツの中にいてもらおう。 ライブロックはそのまま海水2m水槽の濾過槽に入れた。石灰藻は皆無という有様だったが、何か生物が潜んでいそうなので、とりあえず濾過槽で保護だ。いずれ水槽の方に移してもいい。 こうしておいて、あとはひたすら海水を抜き、濾過槽を取り外し、敷き砂を取り出した。撤去するとはいえ、水槽はキレイに洗っておいてやろう。もしかすると水の不要な生物を飼うのに使うかも知れないし。雨上がりの間隙を縫って、外で一気に丸洗いだ。ついでに砂もがしがしと洗った。いずれ陸ヤドカリの敷き砂に使おうという魂胆である。それにしてもこの砂は強敵だった。何年にも渡る汚れを奥深くまで詰め込んでいたかのように、何度洗っても緑色の泡が立つ。およそ1時間くらい洗っていたような気がするほど、洗いに洗っても、まだ完璧とは言い難い。でもこれ以上やってたら指がぼろぼろになりそうだったのでやめた。あとは天日干しでなんとかしよう。 水槽のなくなった靴箱の上は、じつにすっきりとしていた。やはりここにはR360のような小型水槽こそがよく似合う。 さっそくR360の苔掃除にとりかかった。まるでスポンジのような赤茶色の苔が、びっしりと付着している。メラミンスポンジで徹底的に取り除くと、中のライブロックと久しぶりの御対面。思ったよりは痛んでいない。というか石灰藻は、逆に増えている部分もある。日光のおかげか。 とにかくまずライブロックをすべて取り出し、最初に作った海水のバケツに一時保管。あとは古い海水を抜き、水槽一気移動。敷き砂が入ったままなので、底が抜けないように慎重に慎重に。靴箱の上に設置完了。やはり圧迫感は60cm水槽とは段違いだ。 R360水槽で使っていたパワーヘッドは、これまで一度交換したことがあるのだが、今回またしてもパワーが弱々しくなっていた。軸の金属部分が錆びてしまうのが原因らしい。そこで、海水60cm水槽で使っていた上部濾過用のモーターに取り替えることに決めた。ちょっと見た目はアレだが、信頼性は高い。 いよいよ新しい海水を満たし、ライブロックを戻して、モーター始動。おぉ、力強い。ところが…、力強すぎて、これまで底面フィルタの下に堆積したままだったヘドロのような細かい粒子が、一気に吸い上げられてしまったのだ。またたくまに緑色に染まるR360。危うし! 濁りがとれなかったら再度の水換えも厭わないつもりだったが、うまい具合に小一時間ほどで澄んできた。ライブロック表面に、パウダー状の緑色した砂粒が微妙に堆積してしまったが、とりあえずそのままに。魚も新居に移してやった。 美しくなったR360を観察してみると、ライブロックに棲息している二枚貝が、結構生き残っているのに気付く。小さいものだけでなく、直径5cmくらいのまで管を伸ばして生存をアピールしていた。カニも健在だ。少なくとも2匹の姿を確認できた。ヤドカリもいた。ただ、小さい方のヤドカリだけは、どんなに探しても見つけることが出来なかったのが心残りだ。 さて、R360が移動したあと、元の台所の出窓では、異様に明るさが増していた。水槽1つなくなっただけで、2倍くらいは体感照度が違っている。たしかにこれほど日光を浴びていたならライブロックの調子が良いのもわかるような気がする。それだけに、新しい場所ではほとんど直射が当たらないのが、気がかりといえば気がかりだ。これからどんな風に水槽内部が変化してゆくのか、記録しておこう。
青い魚の死 さてR360の具合はどうかな、と靴箱の上を覗き込む。付け替えたモーターは順調に稼働しているようだ。水流もいい具合に回っている。二枚貝もひだひだを拡げて元気そう。…ところが。 青いダムセルの姿が、ない。昨夜潜んでいたあたりに、ぐぐっと顔を近づけてみたが、発見できず。横から見ても、いない。背面付近に視線を移して、ようやく見つけた。しかし、その姿はどう見ても、生気を失っていた。 およそ5年を経た魚だったが、一昨年ネッタイスズメとの勢力争いに負け、尾ビレの半分を失ってからは、泳ぎ方もなんだかおどおどとした落ち着きのないものに変わってしまっていた。昨日、水換え中に、バケツの中でもなんだか“あっぷあっぷ”しているように見えたと、Licは言った。環境の激変に、耐えられなかったのかもしれない。 横たわる魚の横で、ヤドカリがちょいちょいとついばんでいる。いずれ水槽の住人達に分解し尽くされてしまいそうだったが、埋めてやることにした。ダムセルの死により、我が家の海水魚は、カスミチョウとケラマハナダイの2種類だけになってしまった(甲殻類等除く)。ちょっとわびしい。
台風対策その2 先週の台風対策で、海水2m水槽の屋外設置モーターラックには、まだアルミシートを巻き付けたままだった。さすがに縛っていた紐はほどいていたが(密封したら熱が籠もりそうなので)、このシートが再度役に立つ時が来た。またしても台風の襲来である。しかも今回はもろに直撃コース。念入りに紐を張り、シートが飛んでいかないように固定する。 しかし毎回台風が接近するたびに、こうしてシートを巻き付けるのも面倒だ。長期に留守にしてる間に台風来たらおしまいだし、何か根本的な対策を考えておかねばなるまい。
台風一過 二泊三日で留守にするため、台風が過ぎ去るのを待って、昨夜巻き付けておいたシートを弛める。さすがに明日明後日にもう1発来たりはしないだろうから、風通しをよくしておこう。台風一過で、早くも灼熱地獄の気配がむんむんしてる。クーラーが壊れませんように。 出掛けにタイマー制御のやつを除いて、水槽のライトを消灯する。R360の二枚貝達は、今朝も元気そうにびらびらを広げている。思わず撫でてやりたい衝動に駆られてしまうが、水の中に手をつっこむのは我慢我慢。貝を驚かさないように、そっと玄関ドアを出てゆくのであった。
メダカがやってきた みこりんの保育園ではこの時期、夕涼み会が開催される。で、必ず生物がお土産についてくるのだが(去年は陸ヤドカリ)、今回はメダカだった。プラケと共に、メダカが5匹、配られたのだという。 ところが我が家に到着したメダカは、なぜか3匹。うち1匹も瀕死である。何故だ。Licは言った。「じつは…」 クルマの屋根にメダカ入りのプラケを乗せて、みこりんをチャイルドシートに装着したらしい。そして自分もクルマに乗り込み、発進。屋根のメダカのことを思い出したのは、それからしばらく経ってからのことだったという。引き返したときには、すでに2匹が逝っていたそうな。 残ったメダカが無事に育つといいのだが。 ところで夕涼み会でメダカを配布するときに、金属製の網(アク取りお玉のようなもの)ですくっていたらしい。できれば網になってないお玉か、熱帯魚用のネットを使って欲しかった。ついでに簡単でもいいからメダカ飼育手引も付けておくべきでは…。役員にでもならないと、なかなか提言も難しいが、来年はちょいと考えておこうと思う。
メダカの墓 朝起きてみると、昨日もらってきたメダカが1匹、息を引き取っていた。見るからに瀕死だったので、ある程度予想はしていたのだが、残念だ。みこりんが埋めてくると言い残し、メダカを手にすると玄関から外に出ていった。 そっと覗いてみると、愛用のクマデで玄関脇の地面を掘るみこりんの姿があった。なぜクマデなんだ…、と一瞬思ったが、みこりん用の小さいスコップは庭の方にあるんだった。手近なもので済ませたようである。 メダカの墓に、墓標はなかった。私もあまり墓標は残さないので、みこりんもそれに習ったのだろうか。でもやがて『かめきちのはか』とか棒に書いて立てる技を覚えてきそうな予感。
90cm水槽再始動 じつに久しぶりにアクアスへと出かけた。淡水90cm水槽用に底面フィルタを装着するため、アクアス・オリジナルの品をチェックしようというのである。自作する案もあったのだが、工具が揃っていないので面倒になってやめた。『時は金也』だ。完成品でイイのがあったら、それを使わせてもらおう。 じつはアクアスは最近店舗を移転している。新しい場所が不明なまま出かけたのだが、たぶん旧店舗に移転先の地図くらいは残してあるだろうと期待していたところ、まさにその通りに地図が貼ってあった。道路3本分、南に平行移動したような感じ。これならば迷うこともない。 みこりんは展示水槽の魚を1つ1つ指差しては「これなんていうの?」と聞いてくる。知りたがっているというより、質問するのを楽しんでいるような雰囲気だ。グッピー水槽でわらわら状態のを1匹1匹質問してることからも、それがうかがえる。 もう1つみこりんには気になることがあったらしい。新たな質問は「さかなはどうしていきをしているのか?」というものだった。おそらく「魚はどこで息をしているのか?」ということだろうと解釈したので、エラの場所を教えてやることにする。 最初みこりんは胸ビレがそうなのかと思っていたようだったが、エンゼルフィッシュを例にとってじっくりとエラの場所を示してやると、理解してくれたようだ。小さなレッドファントム・テトラなども、まだわかりやすかった。しかし、プレコのエラは、みこりんにはなかなか発見することができなかったようである。たしかにわかりにくいかも。 で、結局、アクアス・オリジナルの底面フィルタは買わなかった。90cm用で12000円ほどしたのが断念理由。構造的には申し分なかったのだが、ここはニッソーの既製品で妥協しておこう。我が家の他の水槽では十分機能してくれているので、ベストではないがコストパフォーマンスを考えるとこれ以外に選びようがない。 90cmに使うためには、60cm用のが少なくとも4箱いる。ところが在庫は1箱のみ。仕方あるまい。ここで1箱買って、残りはAPNで調達することにしよう。ちょうど人工海水の素も買う必要があったし。 というわけでAPNへと向かう。展示水槽にはフチドリハナダイとケラマハナダイが群れ泳いでいた。いい感じだ。これを群泳させるとさぞや美しかろう。だがそのまえに、まず水換えだ。塩を買わねば。人工海水の素は、いつものインスタント・オーシャン・プレミアム(800リットル用)。そしてニッソーの60cm用底面フィルタを2箱購入。家に1つ余っているので、これで合計4箱分だ。ついでに濾材(シポラックス風)も1.3リットルほど買っておく。そうそう、パワーヘッド(底面フィルタ用)も忘れずに。これで買い物の目的は果たした。帰還する。 * 90cm水槽の丸洗いというのは、広い場所さへ確保できればさして手間ではない。我が家の場合は、家の前の歩道を洗い場として使用した。田舎の住宅地なので、歩道といっても歩行者は滅多にいない。じつに好都合だ。 水槽本体、上部濾過槽、水槽蓋、水槽ヒーター、水槽エアポンプ、水槽砂、水槽モーター、水槽心臓…、様々なものを一気に洗う。水垢のような白っぽく析出した物質がプラスティックにこびり付いていて、少々手こずる。上部濾過の濾材は、2つのパートに分かれているので、1つを新品の濾材に交換した。ずっとシポラックスを使ってきたが、さすがに経年劣化かポロポロとよく割れるようになってきたので、残りも徐々に新品に交換する予定。 小一時間ほどで丸洗いは完了した。 あとは底面フィルタを組み合わせて、と。5列2行、計10個のユニットを連結することで、90cm対応となる。連結面のスリットは、そのまま残した。小型水槽に使うときには、この連結面のスリットをすべて取っ払っておくのが吉だが、今回はパワーヘッドも強力なので改造はしないでおいた。 左サイド手前にパワーヘッドを装着したパイプを立て、右サイド奥にはエアリフトのパイプを立てる。その上から大磯砂を10キロほど敷き詰めて(ちょい足りない感じ)、あとは庭のホースから直接水をじゃばじゃばと注ぎ込む。 注水完了まで脚立に乗っかり微動だにせず、ホースを保持する。水飛沫が良い具合に舞い上がり、腕や顔に水玉を作った。じつに涼しい。 90cm水槽は、このまま空回し。 私がそうやって90cm水槽をセッティングしている間に、Licはリビングにもう1本水槽を設置していたらしい。以前、金魚用に使っていた36cm水槽だ。何を入れるかと言えば、みこりん用のメダカである。夕涼み会でもらってきたメダカは、結局今日も1匹が星になってしまい、残り1匹だけとなったのだが、1匹だからといって手を抜くわけにもいかない。 Licは、陶器ポットタイプの濾過槽を沈めていた。濾材はパワーハウス淡水用だ。種水として熱帯魚水槽からプラケに1杯、水を入れてこちらのセッティングも完了していた。置き場所は、みこりんにも観察しやすいTV横のローボードの上。あとで浮き草でも浮かべておけば、産卵の様子なども見ることが出来るだろう。 * 夜、花火大会の帰りに、APNでメダカを6匹、ヤマトヌマエビ1匹購入。みこりんのメダカ水槽に足してやった。 強力水中ポンプの異変 昼間、人工海水の素を買ってきていたので、みこりん達の寝静まった夜、おもむろに海水2m水槽の水換えを始めた。アクリル面に付着した苔を落とすのに1時間ほどかかってしまったが(やっかいな緑苔があったのだ)、あとはもうひたすら水を240リットルほどバケツに汲み入れ、人工海水の素を溶かし(みこりんの魔法のバケツを使えば、いとも簡単に適正比重が得られる)、一気に強力水中ポンプで抜けば……「む!?」水中ポンプを掴んだ手に、ぬるっという感触があった。ナメゴンが這った跡ではない。その証拠に、ポンプ全体がなんだかぬらぬらとてかっている。ぬるっというより、すべっという触り心地のこの液体は……、嫌な予感がする。 液体の付着した指を鼻先にくっつけて匂いを嗅ぐ。「…やはり」オイルだった。 どこかのシールが破損して、水中ポンプのオイルが漏れているようだ。もはやこれまでか。8年間、よく働いてくれた。この強力水中ポンプのおかげで、どれほど水換え作業がラクになったかしれない。……ということは、このでかいバケツになみなみとある作ったばかりの海水は…… 考えてもしょうがない。やるしかないのだ。手作業で。強力水中ポンプは、もはやないのだから。朝を待つには、まだ夜は序の口だった。 昔のように手動の灯油ポンプで、しゅこしゅこを水を抜く。15リットルバケツ16杯分だ。脚立に上り、下り、流し台で、ざばぁ。昔とちがうのは、手動灯油ポンプが新型となり、排出効率が2倍にアップしたことくらい。もしもそれがなければ、明け方までかかってしまうところだった。 きっちり16杯分の水を抜き、新しい海水をすべてバケツで注ぎ込み終えるまで、約2時間を要した。バケツで何往復もしたため、床もかなりびしょびしょだ。後始末にも手間がかかる。 2m水槽の水は、水換えしたというのに、まだ苔掃除の名残なのかどうか、黄緑色っぽかった。こういう色素退治にはブラックホールの出番。濾過槽の、ウールマットの下にブラックホールを2つ、敷いた。明日にはくっきりクリアな水となっていることだろう。 強力水中ポンプと長大なホースは、オイルまみれであり、もはやどうこうしようという気にはならなかった。そのまま荒ゴミ袋に直行と相成った。 午前4時。汗だくの体をシャワーで清め、布団に倒れ込む。夢も見ずに、寝た。
長良川より帰還 (長良川での様子については、ひみつ日記へどうぞ) 発泡スチロール製の小さな生け簀に入れて連れ帰ってきた魚達は、昨日セッティングを終えた90cm水槽に移すことにした(90cm水槽のセッティングが終わっていたので、長良川に遊びに出掛けたとも言える)。 水温は、生け簀の方がやや低め。水槽の方にはヒーターは入っていないし、ライトも付けていないため、それほど温度差があるわけではない。でも、万全を期すには入念な温度合わせが欠かせない。特に川魚はよく跳ねる。だからプラケでは失敗することが多い。今回はすべてビニール袋にいったん移すことにした。 9匹+3匹を、5袋に分けて、水槽に浮かべてみる。袋の口はしっかと閉じ、魚が頭を打たないように、頭上にはなるべく空間をとっておいた。そうした状態でおよそ30分。そろそろいいだろうか…、と思って水槽を見た時、我が目を疑った。1匹が悠々と水槽の中を泳いでいたのだ。一番大きい魚だ(たぶんウグイ)。体長およそ6cm。いったいどこから出たのか。ビニール袋を持ち上げて見ても、穴はなく、まさに瞬間移動か壁抜けの術を使ったかのよう。な、謎すぎる。 まぁ消えてなくなったわけじゃないので、よしとする。 袋の水温と、水槽の水温がだいたい同じように感じられたので、川の水と共に、水槽に魚を放す。棲んでいた川の水が多少でも混じっていれば、彼等も安心するのではなかろうか。 こうして水槽に入った9匹+3匹を、改めて観察してみると、9匹のうち、1匹はウグイ、1匹がアブラハヤ、そして残りはすべてオイカワのように思われた(+3匹というのはもちろんハゼ子)。もしかするとカワムツも混じっているかもしれないが、体長2〜3cmくらいでは、特定も難しい。 水底付近に集中して泳いでいる。水流は、表層付近は底面フィルタ用のパワーヘッドと、上部濾過のモーターと、エアリフトの水流とが混じり合い、割合に強めに設定されている。反面、底のあたりは比較的にゆるやかだ。魚達も新しい場所に警戒しているのだろう。 水槽蓋の隙間には、小石を乗せて飛び出しを防ぐことにした。もっと柔らかいモノの方が安全なのだが、当面これで代用する。ちょっとした隙間からでも川魚はジャンプしてしまうので、細心の注意が必要だ。 しばらくこの状態で水槽を回してみようと思う。魚達が無事に育つことを願いつつ。
一日目の川魚達 90cm水槽の川魚達は、一夜明けて、やや落ち着いてきた雰囲気である。濁流の川の水を加えてあるため、少し白濁したままの水槽だったが、もうしばらくこのままにしておこう。魚達がすっかりなじんだころに、ブラックホールを使えばいい。 さて、朝の餌やりでは、フレークを軽くひとつまみやってみた。食べてくれるだろうか。緊張の一瞬である。野生だった魚が生き長らえるかどうかは、人工飼料を食べてくれるかどうかにかかっているといっても過言ではない。 最初に反応したのはもっとも小さい魚だった。体長2cm。種類は不明。目にも留まらぬスピードで、水面付近を軽やかにターンしながら泳いでいる。フレークの破片に食いついているらしい。それにつられるように、他の魚達も徐々にフレークを口にするものが出始めた。吐き出す素振りはなかった。 良い兆候だ。いきなりフレークに餌付いてくれたらしい。 ただ、1匹だけ、餌にそれほど興味を示していない魚がいる。アブラハヤだ。泳ぎ方に、いまひとつ覇気が感じられないのも心配なところ。水槽に慣れていないだけならばよいのだが。
二日目の川魚達 近づいても驚かないようになってくれた。それどころか、フレーク缶を手にして水槽の前に立つと、餌の投入口(右隅だ)付近に集まってくる素振りさへ見せる。おそるべき学習力。食い気に勝るモノなし。 今日は4つまみほどを、様子を見ながらやってみた。水面に浮いているのが彼等のお気に入りのようで、見る間に食い尽くされてゆく。水槽の下の方に沈んでいったものには、ほとんど目もくれず。こういうのを重点的に拾い食いして欲しいハゼ子達の姿を探したが、どこにいるのか発見できなかった。まさか……。 ところで気になるのはアブラハヤだ。じぃっと見ているのだが、積極的に餌に向かっていく雰囲気がない。でも、たまに細かな破片が流れ着いてきたのを口に入れているようで、なにかしらモグモグしているのが確認できる。よしよしその調子。
真夏の留守番 明日から少々家を空ける。暑さ対策は万全に。 まずはリビングのクーラーを27度で作動させる。次いで廊下に続くドアを全開とし、廊下からは扇風機で風を送り入れるようにした。これでリビングと廊下に設置された各水槽及びケージは、真昼でも適温に保たれるはず。もしも落雷等で停電があっても、扇風機だけは復帰できるように機械式スイッチのものを使用している。 海水2m水槽には、水槽用クーラーが接続されてはいるが、もしも無人のうちに故障でもしたら大変なので、計300Wのハイラックスランプも、タイマーをオフにして消灯する。もちろん他の水槽のライトもすべて消灯だ。熱源は少ないほうがいい。 さらに念には念を入れて、廊下から浴室へと続くドアを開け放ち、戸外へと接する格子戸に隙間を開けた。これで空気の流れが出来上がる。リビングの換気扇は、作動させたままにするかどうするか最後まで迷ったのだが、あまりにパワフルすぎるので停止させておくことにした。リビングのクーラーの威力を削ぐのは、最小限にしておきたい。 気になるのは台風である。直撃コースではないものの、油断禁物。どうか停電しませんように。
ヤドカリ投入 帰還。玄関開けるなり、90cm水槽の川魚を確認する。ひぃ、ふぅ、みぃ、……一匹足りない。顔形を照合するうち、どうやら消滅したのはアブラハヤだとわかった。残念すぎる。 他の8匹は、帰省前よりもさらにパワフルに餌を要求していた。留守にしていたのだから当然ではあるけれど、水槽への慣れ方はもはや心配ないレベルにまで達しているように感じられる。さっそくフレークをやっておいた。 他の水槽も異常なし。リビングのクーラーも無事に作動を続けてくれていた。 それがわかると、さっそく新しい作業にとりかかる。連れ帰ってきたヤドカリ達を、水槽に移住させるのである。 小さい2匹は海水R360へ。大きい2匹は海水2m水槽へ。苔取り貝は、それぞれR360と海水2m水槽に1匹ずつ入れた。海藻も同様に分けて投入。ペットボトル内の天然海水は、予定通りすべてR360に移し込んだ。なにがしかの新しい生物の発生を期待している。 夜、R360ではヤドカリ達が元気に動き回っている姿を確認できた。でも、海水2m水槽では、どこにいったのか見つからず。隠れるところが多すぎるのだ。ふと、ここで残り餌にありつけるんだろうかという不安が、ちらと。ヤドカリ用にクリルを砕いてやった方がいいかもしれない。
水槽レイアウトの妙 川魚用に改修してからというもの、90cm水槽には石が3つだけと、じつに殺風景なレイアウトになっていた。このままでは隠れ家にも不自由するだろうと、新たな石を投入すべく、がしがしとブラシで洗う。 いったん地上で仮組を行い、レイアウトイメージをまとめ上げようとしたのだが、どうもうまく完成像が見えてこない。悩んでいてもしょうがないので、直接水槽に投入しつつ、レイアウトの最終調整をやることにした。水の中では見え方も変わってくるだろうし。 魚を驚かせないように、そぉっと石を動かしてはがちゃり。かちりと組み上げてみては、悩み。といってあんまり水槽上部を開放してるのも危険なので(川魚はジャンプに長けている)、適当なところで完了とする。石のトンネルを造ってみたのだが、魚達はあまり興味を示してはくれていないようだ。突如出現した光景に警戒しているのかもしれないが。 やがて出掛けていたLicが帰ってきた。さっそく感想を求めてみると、「いまいち」との評価をもらってしまった。レイアウトの目玉となる部分がない、というのがその理由だった。たしかにそれはうすうす自分でも感じていたので、ぐうの音も出ない。Licのアドバイスによれば、石のトンネル部分を改修すればよいのではないかとのことだった。あからさまなトンネルというのが、不自然さに繋がっているらしい。よりナチュラルに見せるにはどうしたらよいか。また悩んでみようと思う。 ところで90cm水槽に入れたはずのハゼ子3匹の姿が、まったく見えない。レイアウトしてる最中も、どこにも隠れている様子がなかった。もしや全部消滅してしまったのでは……
お父さん魚とお母さん魚 ここ数日、拒食となっていたコンゴーテトラ(オス)が、夕方ついに落ちてしまっていた。我が家に来て4年。みこりんもすっかり「おとーさんさかな」としてなじんでくれていたのに…(みこりんの基準では、ある集団のもっとも大きな個体がお父さんで、次がお母さん、小さいのは子供達ということになっている) お父さん魚亡き後、みこりんはお母さん魚であるフナ金が、新たなお父さん魚になったらいいのではと言っている。ではお母さん魚が空席になってしまうではないかと聞くと、子供達からお母さん魚になるのが出てくるから大丈夫と言う。そういう問題ではないような気もしたが、みこりんにとってはお父さん魚とお母さん魚が揃っていることがもっとも重要なことらしいので、あえて異論ははさまずにおいた。 コンゴーテトラ、安らかに。
オイカワの拒食 60cm水槽の方のオイカワが、またしても餌を食べていないらしいことに今朝気付いた。ウグイ3匹の餌食いのすごさに、てっきりオイカワも混じっているものだとばかり思っていたが…。いったいいつから拒食に逆戻りしていたのだろう。 前回は水換えで無事復活したことを考えると、今回もそれを試してみなければなるまい。
ヤドカリ達の食事 そろそろ寝ようかという時刻。明かりを落としたリビングで、海水2m水槽の左隅になにやらもぞもぞ動いているのが目に留まった。ヤドカリだ。ちゃんと2匹いる。底に生えた海藻(というか苔)をちびりちびりとついばんでいるように見えた。 なんとなくひもじい思いをしてるんじゃないかという予感があったので、クリルを半分ほど細かく砕いてやってみた。水深60cmをゆらゆらと落下するうち、水流に巻かれて大部分があらぬ方向へと消えてゆく。寝ていたはずのカスミチョウ達が、体色を黒ずませたまま、ちょいちょいとそのクリルに食いつきだす始末。ヤドカリ達に、どれほど届いたかじつに不安だ。 クリルを砕かずに、そのまま沈めてやった方がまだマシだったのでは…。次回はそれを試してみようと思う。
フレークうまいか 8匹の川魚達は、今朝も元気な姿を見せてくれていた。フレークをちょびちょびと何度かに分けてやってみると、じつに豪快な食いっぷりで、たちまち腹がぱんぱんになってゆくのがわかる。ただ、一番大きなウグイと、1匹のオイカワだけは、いまひとつスリムなままなのが気がかりだ。見ていると、餌を求めて右往左往しているのはわかるのだが、はたして口に入っているのかが少々疑問。フレークが口に合わない可能性あり。