初脱皮 謹賀新年 新年早々、海水60水槽ではホワイトソックスが脱皮していた。相変わらず見事な抜け殻だ。うっすら赤い色彩が、さきほど食べたお節料理のエビを思い出して、なんとも妙な気分になる。 今年一年、事故なく水槽が維持できますように。
初水換え 大晦日にやろうと思ってて出来なかった金魚水槽の水換えを、今日やった。作業内容はいつものように丸洗い。温度をかけていない水は、長くは手を浸せないほどに冷たい。よくこんな中で元気にいられるものだと感心する。 金魚達に変わったところはなく、餌食いも3匹とも良い。 バケツと脚立を出したついでに淡水90も水換えをした。中の石にも茶苔がかなりはびこっていたので、前回の手順で半分づつ取り出し苔掃除。カイヤン君を驚かさないように…約75リットルの水換えだ。水量の減った水槽を上から覗き込むと、カイヤン君が石を中心に円を描くようにゆるやかに泳いでいるのが見える。こういう動作は普段見たことがない。水量が減ったことが影響しているのだろうか。あるいはモーターを止めずにやってるので、激しく落ちる水音&水流が…。それにしても、こうして上から見るカイヤン君の姿はどうみてもサメだ。カイヤン君の生け簀は上から見るポイントを多くしよう。 海水36cm、海水2mは苔掃除。海水36cmのエアが吹き上がってる側面だけ、緑苔が付着していないのを確認。苔抑止のためのアイディアが浮かぶ。 淡水60cmに海苔のような緑苔がうっすらと広がりつつあったので、それを撤去。水換え15リットル実施。前回の大胆なトリミングがまずかったらしい。バランスが崩れてしまったようだ。なので今回は敷き砂の掃除も少しやっておいた。いずれにしても、水草の量を増やさねば。 最後は、ざりがに水槽の苔掃除。水槽につっこんだ手が痛い。これは、冷たいとかそういうレベルを超越してる。手が無数の針でぐさぐさと突かれているかのような痛みだ。よくこんな中で生きていられるものだと感心する。
初買い物 夕方、APNに出かける。狙いは初売りで980円になってるシュアーだ。通常価格が1480円なので、かなりお買い得。我が家ではシュアーは一月に一缶のペースで消費しているため、この機会にどかっと買いだめしておきたいところだったが、あいにく残りはわずかに二缶のみ。出遅れてしまったようだ。これ以上在庫が減らないうちに、キープしておいて、と。 展示水槽に何やら怪しげな物体が刺さっている。マングローブの苗だった。以前、アクアスで見たモノよりも、かなり長い。30cm以上あるような。Licがさっそく惹かれている。でも育てるのに環境設定が必要そうなので、一時保留。うまく育ちそうなら買ってみてもいいのだけれど。 ハタタテハゼが3匹ほどホバリングしていた。初売りなので1匹1500円。これもお買い得だ。同じ水槽にはジョーフィッシュも入荷していて、巣穴からすっくと立った姿がなかなか凛々しい。 でも今日は生体を買うのはヤマトヌマエビ2匹だけにしておいた。ちょっと気分が乗らない日だったから。 さて、買ってきたヤマトヌマエビ達は淡水60cm水槽に放った。我が家の苔が彼らの口に合えばいいのだが。
初地震 お昼前、地震の影響をチェックしようと廊下に出たとき、私は信じられぬ光景を見た。あり得ない…自分の記憶を呼び覚ましてみても、まるで覚えのない状況だ。廊下の向こう、逆光に浮かび上がる玄関では、淡水60水槽の上部がフェイスオープンしていたのだった。 二灯式ライトは上部濾過槽の上に重ねられ、ガラス蓋は取り外されて玄関のタイルの上に転がっている。どうみても地震のせいとは思えない。こんな器用な外れ方は自然力では無理すぎる。とすればいったい誰が?Licか?それもまたあり得ない話だ。何か緊急の事故でもあったならともかく、水槽内部に異変はなさそうだし…。みこりんは背が届かないので論外、にゃんちもケージの中で地震に怯え丸まったままだ(猫の手でもこんな芸当は不可能だけど)。 残された答えは自ずと1つ。私がやったに違いない。でもいつ?さっきまで私は布団で夢を見ていたというのに。そして地震で叩き起こされた。夢うつつで歩き回る習慣はない…ってことは…。 昨夜、APNから帰ってきたあと、ヤマトヌマエビを入れるためにこういう状況にした。で、そのまま蓋やらライトやらを戻すのをすっかり忘れ果てて、眠りこけていたってことらしい。そんな記憶はどこにもないのだけれど、状況はそれ以外の可能性をことごとく否定する。 あぁしかし、よくガラス蓋が割れなかったものだ。いつもこれを外すときには靴箱に立てかけておく。それがタイルに倒れ伏しているのは、地震のせいに違いない(昨夜、にゃんちくんがじゃれついて倒れた可能性もあるけれど)。 蓋を戻す前に、玄関タイルの上に目を凝らす。この状態では、エビも含めて何が跳びだしていてもおかしくない。しばらく探し回ったけれど、干物になってしまったのはいないらしい。一安心だ。ガラス蓋とライトを元に戻す。そして点灯。 流木の影で、こそっとヤマトヌマエビが触角をひくつかせているのを見つけた。元気そうなその姿に安堵する。 ぴょんと飛び出て やがてLicが保育園からみこりんを連れて戻ってきた。そして淡水60以上に驚くべき事実を告げたのだった。なんと海水60では、産卵ケースに隔離していた青いスズメが、跳びだして本水槽に戻ってしまったのだという。淡水水槽に気を取られて気付かなかったが、確認すると確かに青いスズメが隅っこで立ち泳ぎしてる。傷も完全に癒えてない状況では、ネッタイ君に好き放題どつかれまくったにちがいない。さっそくプラケに追い込み、産卵ケースに戻してやった。 しばらく立ち泳ぎが直らなかったので、かなり心配したが、夕方には普通の泳ぎに戻っていた。でも、ヒレの傷はさらに悪化しているようす。長期戦になりそうだ。
ざりがにの冬眠 昨日から、ざりがにの位置が変わっていないような気がする。これがいつもの石の陰で動かないのならば、冬の寒い時期にはありがちなことで済むのだけれど、今回はちょっとばかり様子が違う。 石の上にウイローモスの塊があって、彼は今、その上に乗っかっている。ただ乗っかっているだけでなく、さらにそこから伸び上がるように大部分の脚は浮き上がっているのだった。両のハサミはまるで天を仰ぐかのように、斜め前方に差し出され、そのまま刻が静止したかのように動かない… 水槽に貼り付くように観察してみたが、黒真珠のような目玉には生気があるように思われた。それによぉく見ていると、触角がわずかだが動いたような…でも気のせいかもしれない。だいたいこんな状態で固まるなんて、不自然すぎる。 確認せねば。 細いブラシの柄で、そろっと触れてみた。驚かさないように慎重に慎重に。…わずかだが反応があった。触角が、こんどこそ自発的にぴくりと動いた。生きているのは間違いない。 あまりの寒さに動けないでいるのだろうか。でも、なんだってこんな姿で。雪が降ってるとはいえ、今年は去年よりは暖冬だ。もっと寒かった以前の冬眠時に、こんな状況になったのを見た記憶はないし…。Licはヒーターを入れてやってはというのだけれど、この低水温から水温上昇を人為的に行うのはかなりの危険を伴いそうな気がして怖い。それに前回の冬眠には成功していることを考えると、このまま様子をみたほうがいいような気もするのだが。 調べてみなくては。
謎の生物の異変 最近ちょっと心配なことがある。海水36cm水槽で、名も知れず育っている各種生物達のうち、代表格ともいえる謎の管状集合生物と、貝(?)のようなやつが、弱ってきているのではないかということだった。 管状集合生物は、中心部分からどんどん突起物が消滅しつつあり、ドーナツ化現象を示している。いずれ周辺部分も消えてしまいそうな気配に、気が気ではない。そうなった原因はわからない。ただ、暗がりの向こうで、ヤドカリ君が鎮座しているのを2〜3度見かけたくらい……まさか彼が味を覚えてしまったのでは… もう1つの貝(?)のようなヤツは、骨格部分が随分と萎縮してしまっている。もしかするとこれは骨格などではない可能性が高いのだけど、以前のたっぷりと半透明な“肉”の部分が膨らんでいた時期に比べると、高さにして半分以下だ。“肉”も出現しなくなった。生きている気配はどんどん弱まる一方だ。もともと2つあったこの生物だが、1つはいつのまにか消滅していた。残った方も、やはり消え去ってしまうのだろうか。
よ、よしのぼり君 いつものコースで朝の餌やりをしていたときのこと。淡水30cmが3本ならんだところで、異変を発見。真ん中の川魚水槽で、ヨシノボリがお腹を見せて沈んでいた。どうみても死んでいる。な、なんてこった。 あとの川魚2匹は健在。ぎょろりんと、こちらを見つめてる。地元魚だけに、寒さが堪えたは思えないが(ヒーターは入っていない)……原因は不明だ。 愛嬌のあるいいヤツやつだったのに。その分厚い唇に、餌が吸い込まれるのが楽しかったのに。…この夏は、飼育環境をさらにパワーアップして再度挑戦したいと思う。
クリルの評価 ライトを持ち上げ、ガラス蓋を外し、ぱらぱらとフレークを散らす。ちょっとした動きに驚いたのか青いスズメが隔離ケースでばしゃばしゃと跳ねた。この位置のままでは、彼にストレスがかかりすぎるような気もする。今、隔離ケースは水槽前面に貼り付けているのだが、背面に回すべきかも。ただ、そのままじゃ岩が行く手を遮っているので、レイアウトもいじらなくてはならなくなる。すんなりとはいきそうにない。 フレークのあとはクリルの番。1匹つまんで水槽を覗き込む。ハオコゼ君はどこにいるかな? 最近の定位置は、もぬけの空だった。また引っ越したのだろうか。それとも深く深く砂に埋もれているだけか……と、視線をちょいと動かしてみたら、くりっとした“目”を発見。彼は岩の上の方まで上って来ていたのだった。 さっきガラス蓋を外したときに、岩上りを開始したのかもしれない。近頃はクリルでつらなくても、フレークの段階からこちらの方をじっと見つめていることが多かった。だいぶ学習効果が出てきたようだ。 結局、クリルを2匹分、腹に収めたハオコゼ君であった。 ところで、先月買ってきたキンコウ物産株式会社の“SUPER KRILL”なのだが、さすがに謳い文句どおり、粉々の発生はとても少ない。それは評価できると思う。…ただ、ちょっとばかし個々のクリルのサイズが小さいような気がする。小さいっていうか、細身のヤツが多いといったほうが正確かな。ハオコゼ君に与えるには、もう少しボリュームのあるほうがやりやすいかなぁと思う。もっとも、スリムなクリルのほうがロングフィンスナッパーには都合がいいみたいなので、どちらがいいとは言い難いのだが。我が家の場合だと、ロングフィンスナッパーのほうがたくさんクリルを食べてくれるので、今のが適しているのかも。
みこりんの発見 少しばかり餌をやりすぎたらしく、淡水90水槽ではプレコタブレットのふにゃふにゃにふやけて細かく砕けたものが、水流の淀みにかなり堆積していた。見るからに水が汚れてしまいそうなので、さっそく水換えを開始する。前回の水換えから2週間も経っていないので、苔の発生とか水そのものの黄ばみなんてのはそれほどなかったけれど、転ばぬ先の杖、石もブラシでがしがし、水も都合75リットルほどが交換となった。 水換えの途中、みこりんが脚立にくっつくように寄り添いながら、じぃっと水槽の一点を見つめているのに気がつき、何が見えるのだろうと私も同じような位置に頭を持っていく。ちょうど視界の半分ほどをにゃんちくんのケージが塞ぎ、あまり良好とは言えないその先を、念入りに探す探す、探す。みこりんがこれほど興味を惹かれているのは普通じゃない。きっと何かとてつもないのが見えてくるに違いないのだ。 それこそ目で物体を射抜けるほど強烈に見つめてみたが、特にこれといって変わったものを発見できず。降参だ。みこりんにいったい何が見えるのか聞いてみることにした。 最初みこりんは「きいろいもの」と言ったので、本当に子供にしか見えないモノがあるんじゃないかと不安になった。でも、よくよく特長を確認してみたところ、そいつの正体がようやく判明。なんと……マーブル・グーラミィなのだった。この水槽に来てから、もうかれこれ3年?いやみこりんが生まれるより前からいたはずなので、4年にはなるだろう。だからみこりんにもすっかりおなじみ…のはずだったのだが、そうでもなかったようだ。 思えばみこりんの身長は、最近でこそようやく90cmを越えようかとしているが、ちょっとまえまでは80cm、さらに前ならつかまり歩き、はいはい、移動できず…しかも水槽台が1m近くあるため、みこりんの視線ではまともに水槽の中が見られなかったのだろう。そのグーラミィは普段水槽左奥でじっとしていることが多くて、私でも見逃すことがあるくらいだから、みこりんにとってはなおさら発見は容易ではなかったことと思われる。それが今日たまたま見上げた空間に、彼がいた、ということらしい。 いっしょうけんめいその魚のことを私に教えてくれるみこりん。毎日がこうした新鮮な発見に満ちているのだろうか。ちょっとうらやましい。 さて、みこりんの発見もようやく一段落したころ、私は次の水槽に取り掛かっていた。おなじみの金魚水槽だ。前回ほどは汚れがひどくない。でもいちおう丸洗い。メチレンブルーの色素は、まだ残っている。それにしてもエラブタのないやつ、お腹がまるで樽のようにぱんぱんだ。毎日ちょこっとの餌だけで、こんなに太れるものなのか。この夏、さらにふた回りは大きくなりそうな予感がする。 最後に海水60水槽の苔掃除をして、本日の作業はすべて終了。1時間半、少しかかってしまった。
苔退治 昨日から淡水60水槽のライトを消灯するようにしている。うっすら海苔のような緑苔がはびこってきたからだ。以前の苔大発生時には大活躍してくれたアルジイーターが、今回もせっせと苔を食べてくれているのだが、1匹だけでは食べる速度を苔の増殖速度がやや上回ってしまってるらしい(前回は2匹いた)。しかも我が家のアルジイーターは、まず敷き砂表面の苔から食べようとするため、なかなか水草表面の苔を食べるには至らないのだった。 ところで新戦力として投入したヤマトヌマエビ2匹は、いったいどこにいったのだろう。しばらく目を凝らしてみたが、結局探し出すことができなかった。流木の陰にでも潜んでいるのかもしれない。少なくとも死体は上がっていないので、まだ生存してはいるらしいのだが…
ぷぃっ 朝のお楽しみは、ハオコゼ君にクリルを食べさせてあげること。あの豪快な食べっぷりは、朝からじつにすがすがしい気分にしてくれるのだ。 今日もすでにライブロックの上まで登ってきていて、スタンバイOK。さっそくクリルを千切ってやってみた。…が、なんか水面までの距離が短すぎて、うまくキャッチできないようだ。水が蒸発して、水位が低下してるのが原因。あとで足しておかねば。 落下してすぐにライブロック表面に到達するクリル片を、ハオコゼ君はちらと一瞥しただけで、ふたたび待ちに入ってしまった。なんとか食べさせなければと思い、直前まで指で誘導して…と。これが脅かせてしまったらしく、ハオコゼ君はゆらりと岩の下へと降りて行ってしまったのである。でもまぁこのほうが水面から距離があるので、食べやすくなったんじゃないかな。 でもその期待は儚く消えた。ハオコゼ君は、ぷいと奥を向いたまま、落下してくるクリル片にはもはやまったく興味を失ってしまったようだ。いつもあれほど貪欲に食いついてきてたというのに、この変化はなんとしたこと。 今日一日、この一件がずっと気にかかってしまった。明日、何事もなかったように食べてくれたらいいのだけれど。 ぴちゃ ざり水槽と淡水90水槽の手前に、にゃんちくんのケージがある。にゃんちくんは魚ではない。猫である。“くん”だけど、メスだったりする。 そのにゃんちくんのトイレ掃除などしていたときのこと、すぐ隣ににゃんちくんが寄ってきた。そしてそのまま無音の跳躍でザリガニ水槽に飛び乗ったのであった。この水槽にはガラス蓋がされておらず、以前、にゃんちくんはこの水槽に落ちてしまったこともある。その貴重な経験を経て、今夜はじつに見事に水槽枠に乗っかっていた。まるで小鳥のように。 しばらく気に留めずに作業を続けていると、いきなり水音が!! ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ 静かな夜遅くのことなので、あやうく“びくっ”としてしまうところだった。あぶないあぶない。 にゃんちくんはザリガニ水槽の水を飲んでいたのだ。うまそうに、なめるように次々と。水槽の手前にはちゃんと自分用の餌入れに水もなみなみと入っているというのに。 ザリガニの水というのが、どうもお腹に悪そうな気がして心配になったのだが、たぶん今夜が始めてというわけでもなさそうだ。道理で餌入れの水があまり減らないはずだ。日々ザリガニ水槽の水で乾きを癒していたとは。 やはり蓋はしておこう。
穴の中 昨日、どことなく様子のおかしかったハオコゼ君は、居場所を右側のライブロックに移していた。そこの狭い穴の中に身体を埋め込み、顔先だけでこちらをじっと見上げてる。ではさっそくクリルをやってみることとしよう。 最初は小さな欠片から。投下ポイントはベストだと思ったのだが、この場所は水流が複雑らしく、かなり離れた場所へと流されて行ってしまう。でも、その行方をハオコゼ君はしっかり目で追っていたのを確認。やや期待を込めて、第二弾投下。水流補正は、今度はうまくいったようだ。まさに鼻面を掠めるように、クリル片が落下してゆく。 次の瞬間、ハオコゼ君が獰猛なダッシュをかけていた。あっというまに腹の中へ。ハオコゼ君の食欲は健在だった。ほっと肩の力が抜けてゆく。昨日からの心配事は、もう忘れてしまっても大丈夫らしい。 あとに続くクリル片も、だいたいうまい具合に食べてくれた。しかしながら場所がちょっと悪かったようで、いつもなら余裕の射程距離にあるクリルでも見逃してしまうことが二度三度。ハオコゼ君は意外に大きなヒレを持つので、狭い穴だと元に戻るのが大変らしい。それでも今日はこの場所がお気に入りなようで、このあともずっと穴の中にちんまりと収まっていたのだった。
青いスズメのお引っ越し 産卵ケースに隔離してある青いスズメが、今朝は少し元気がない。隔離前のような立ち泳ぎ状態でじっとしていたり、そうかと思えば、突然激しく泳ぎ始めたりと、怪しい挙動だ。ヒレの傷の治りが悪いのも気になる。そろそろ産卵ケースからは出してやった方がいいようだ。 とはいえ新しい居場所といっても、適当な水槽がないのが悩ましいところ。昔のように2m水槽の濾過槽という手もなくはないけれど、それでは傷がよけい悪化しそうな気がして決心がつかない。水流があまりに激しすぎるからなぁあそこは。むろん本水槽のほうに入れたのでは、なんのためにネッタイ君を取り出したのかってことになるから出来ないし。 残るはR360と海水36cm。Rのほうにはちっちゃなラプリピンク・ラス sp.がいるので絶対無理だ。……消去法だと、やはり海水36cmしか残らない。ここにもちっちゃな生物が無数に棲息しているので、あまり魚の数を増やしたくはないのだが、今回は治療のためということで我慢しよう。幸い、先住のデバスズメはおとなしいので、同居には問題ない。逆にデバが青いスズメにやられる可能性の方が高いのが心配だ……。 やはりもう1本タンクが必要らしい。といっても完全に新規に1本なんてのは不可能なので、今の海水2m水槽を活用して、小型のサブタンクを接続してみようかと思う。これなら水質管理も気にしないで済むし、増設にはもってこいだ。 * というわけで、青いスズメは海水36cmへと移動させた。水槽が苔っていたので掃除などもしつつ。……む!管状集合生命体が消えている。完全に消滅してしまったらしい。シャコ貝の赤ちゃん(?)みたいなやつの痕跡もどこにもない。ただこっちのほうは移動可能らしいので、どこかに移住してしまった可能性はあるのだが…。窓際とはいえ、冬場の太陽光はとても弱い。人工照明をつけてやるべきかも。
な、ななななんとぉ 真夜中、にゃんちくんのトイレ掃除をしていたときのこと。視界の右の方で、なんだか空気がざわついてる。ぞわぞわと落ち着かない。ちろちろと見え隠れする白い物体…まったく何の前触れもなく、そこに出現したかのような。 思わず掃除する手を止め、そちら方向に視線を向けていた。 薄暗い廊下の蛍光灯の灯りに浮かび上がるように、白く反射しているのは仰向けになったザリガニ“スーパーホワイト”。…な、なんてこった。 背中を底に付け、足は何かを掴もうとするかのように、閉じ加減に開かれたまま微動だにしない。両のハサミは、その膨大な肉と重厚な鎧のために、だらんと下に垂れ下がったままだ。 落ちた…のか?その姿はどう見ても生きているようには見えないが、しかし、唐突すぎる。昨日は岩の上によじ登って元気そうだったのに。いったい何故。 今夜も雪が溶け残っている。冷たい夜だ。埋めてやるのは、明日にしよう。
な、なんとぉっ!! 失意のうちに夜は明け、太陽のまぶしさに目を細めつつ階段を降りる。死んでしまったザリガニを埋葬するには申し分ない天気である。 ところが廊下のザリガニ水槽の前へとやって来た私の目に、とんでもない事実が待ちかまえていたのである! なんとザリガニは生きていた。きちんと岩穴に収まり、じっとこちらを見上げてる。私は思わず頭をボーリングの玉を握るときのような指順で押さえていた。「な、なぜだ…」 たしかに昨夜は死んでいた、はず。これほど見事な死に様もあるまいと思ったほどだ。でも、ザリはこうして生きている。それもまた事実……となればこの状況を説明するには、「ザリガニは死んでいたのではなく、生きていたのだ」と認めるほかない。 Licの推測によればこうだ。“大きな岩によじのぼろうとしていて、脚をすべらし、そのまま逆さになってしまったところ、あまりの寒さに動くこともままならずそのままになっていた…。” それならば最初から岩に登ろうなんて思わないような気もしないではないが、生きてる以上はそうだった可能性が非常に高い。まぁ、いずれにしても、よかったよかった。生きてるんだから。まったく死んだかと思って心配したぞこのぉ、なんてザリの方を見やった瞬間、私はとてつもなく怖い想像になっていた。「じゃぁ去年の10月に死んだヤツも、ひょっとして………」 ぉ、ぉぉぉぉ、ま、まさか、そんな…そんなはずは…
エアストン交換 朝の忙しい時間に限って、あれこれと不具合を発見してしまうものらしい。淡水30cm水槽が3本、なんだかエアの出が悪くなっていた。たぶん以前からそうだったに違いないのだが、今朝は特に目に付いてしょうがない。だから、ちょっといじってみることにする。 これらの水槽3本は、どれも同じシステム構成となっている。濾過は底面、エアリフト式、ライトなし、濾材は砂。エアリフト式の濾過装置なので、エアの出が悪いのは状況的にあまりよろしくない。1つのエアポンプを3分岐させて取っているので、それぞれのコックを調節してみたのだが、どうにもこうにも改善しないのだった。 余っていたエアポンプにそれぞれ1本ずつ接続して原因を探る。その結果、真ん中の川魚水槽のエアの出が、極端に悪いことが判明。残りの2本は、それ単独ならばまったく問題はないようだ。おそらく調子の悪いやつにパワーを食われ過ぎて、とばっちりを食ってしまったのだろう。 こうなってくると考えられる原因はそれほど多くはない。もっとも怪しいのが、エアストンの劣化である。それを確認するために、川魚水槽のパイプを抜いてみた。この中にエアストンが装着されているのだった。 なんだか見るからに“壊れてそう”な物体がくっついていた。もともと安物のエアストンだが、さらに粒子が荒れて、ずぅずぅ抜けていきそうな感じ。これと同じエアストンは、現在海水R360で使っているが、こちらは濾過とは関係ない部分での使用だったので、さっそく外してきて取り替えた。直ったかな? エアポンプに繋いでみたところ、素晴らしい威力で水流が沸き起こる。やはりエアストンが原因だったようだ。これで一安心。またもとのように3分岐に戻す。今度はそうしても威力は全然低下しなかった。しばらくはこれで大丈夫だろう。でもこの3本の水槽はどれも時期的に同じ頃に購入したもの。他のエアストンの劣化も気になる。早めにスペアを買ってきておいたほうがいいようだ。
間に合わなかったか ザリガニが、再び仰向けにひっくり返っていた。棒でつっついてみると、わずかに脚やら触角が動いて反応があった。でも、かなり弱々しい。こう何度も似たようなことが繰り返すと、もはやこのままにしておくことはできない。水温を測ってみると、約7度。ためしに靴箱の上に置いてある金魚水槽の水温も測ってみると、こちらは約10度あった。高さ1mほどでも水温は3度も違ってくるらしい。やはり水温は10度あたりまで上げておいたほうがいいかもしれない。 ざり水槽にヒーター設置の準備を始める。手持ちのサーモスタットで調節可能な最低温度は、約10度。グッピー水槽に使っているやつだ。これを余ってた別のサーモに置き換え、ざり水槽へと持ってくる。 ヒーターとセンサを手が切れるほど冷たい水槽に投入し、温度調節メモリで10度付近に合わせ、コンセントに差し込む。オレンジ色の灯りが点り、ヒーターがゆるやかに作動をはじめる。何時間で10度にまで上昇するのかは計算していない。けれども今設置しておかないと、それこそ取り返しの着かない事態になってしまいそうなので、GOだ。 * 夜、帰宅して玄関を開け、真っ暗に近い廊下の向こうでザリ水槽がどうなっているのか目を凝らす。……嫌な予感。白っぽい影は、朝の位置からまったく動いていないような気配。 上がって、廊下の灯りを全点灯。やはりザリは仰向けのままだ。今度は棒でつっついてもまったく反応を示さない。明らかに身体が固くなってしまってる。…間に合わなかった。 でも、しばらく様子を見ることにした。もし万が一でも復活したら、と思うと、なかなか埋められない(でもザリは固い……)。
順調に回復 海水36cmに移住した青いスズメは、ヒレも順調に回復しつつあった。産卵ケースの時とは、ぜんぜんちがう。この調子ならば春を待たずに完全復調しそうである。めでたしめでたし……といいたいところだけれど、怖れていたことが現実のものとなりつつある気配に、複雑な心境だ。青いスズメが、早くもこの水槽のボス面し始めているのだった。 おとなしいデバスズメ達は、中央のライブロックから徐々に周辺へと蹴散らされていき、今では完全に立場が逆転してるようにさえ見える。この水槽には荒々しい魚は似合わない。新しい住処を早く用意してやらねば…
ヤツ まだ海水60cmでカラークラゲが存命だったころ、ヤツはいつでも見えるところにいた。左のライブロックと砂が接するあたりにいて、長々と穴から這い出してはしゅるるっと引っ込む毎日だった。ヤツは赤い。ミミズよりも赤い。肉色というよりも、もっと濃いサーモン色の表皮は、固いのか柔らかいのかそれさえも悟らせないほどに、毒々しかった。ゴカイのように平べったくはなく、太くて長い紐状の生命体。口先には獰猛な牙、見るからに凶悪だった。 ヤツがいなくなったのは、いつのことだったろう。季節が秋に変わる頃には、すでに見えなくなっていたと思う。今ではすっかりその存在を忘れてしまっていた。 今朝、たまたまハオコゼ君に落としてやったクリル片が奥の方の岩にこぼれた。ハオコゼ君はまたしても奥の方にいたのだ。かなり大きな肉片だったので、ちょっともったいなかったかな…と、なんとはなしに眺めていると、唐突にそいつが出現したのだった。 ヤツはしぶとく生きていた。根城をずっと奥へと移し、じっと獲物を待っていたのだ。素早い動作で肉片をくわえると、あっというまに穴の奥へと消えていく。ヤツが単体生殖しないことを今は切に願うのだった。