2008.2.2(Sat)

『神戸在住 (10)』

『神戸在住 (10)』(作:木村 紺) 『神戸在住 (10)』(作:木村 紺)、読了。
 一気に読むというよりは、何度かに分けて、じっくりと自分の中に浸透させつつ読む、という感じに読んだ。そうしないと所々に散りばめられている、心の奥底からぐわっとくる唐突な激しい衝撃に耐えられそうになかったから。

 じつに、静かにおだやかに、うまい終わり方だと思った。

 『神戸在住』では、全巻を通してヒトの死に関するエピソードが何度か出てくる。家族の死、大切な人の死、大震災の時の圧倒的な死、etc...
 残された人は、それでも生きていくために、それぞれの思いを胸の中にしまいこんで、乗り越える。淡々と語られる1つ1つのシーンに、強いメッセージが発せられているわけではないのだけれど、すっと心の中に入り込んで、あとからじわじわっとくることが多かった。こうしてすべてを読み終えたあとで考えるに、強烈な“生”への渇望のようなものが込められているような気がする。…考えすぎかもしれないけれど。


2008.1.12(Sat)

『巨娘 (1)』

『巨娘 (1)』(作:木村 紺) 『巨娘 (1)』(作:木村 紺)、読了。もうじき、同作者さんの『神戸在住 (10)』も、最終巻を迎えるというわけで、新しいシリーズの始まりである。
 『神戸在住』と『巨娘』、名前からしてまったく関連性のない、そして想像するにおそらく雰囲気正反対っぽい取り合わせに、最初は正直、どうしたもんかなーと買うのを躊躇っていたのだが、書評の“木村 紺さんらしい”という一言で背中を押された。

 読んでみた感想は、正直、こいつはしてやられたという、うれしい期待破りな爆発ぶりに、のたうちまわって笑い転げた。コマ外に頻繁に書かれている、作者の合いの手というか進行のメッセージが、じつにツボを得ており、これなくしてはこの作品が成り立ち得ないほどの重要な役回りを、演じてくれているところがすごい。
 そして『神戸在住』でも存分に発揮していた人物背景のきっちりした構築は、『巨娘』でも顕在であった。だから、めちゃくちゃ人間味があるというか、リアルである。本当にいそうなところが怖い。でも、笑いのツボはけして外さないあたりに、作者の類まれなる力量を見た思いだ。

 これは間違いなく、買いである。
 個人的にはメデューサと化したサチさんに、ツボつかれまくり。うーん、素晴らしい。


2008.1.6(Sun)

『よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた』

『よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた』(著:桜坂 洋)
『たったひとつの冴えたやりかた』(著:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア)
 『よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた』(著:桜坂 洋)、読了。
 現代魔法シリーズ最終巻。このシリーズ全5冊を一気買いしてから、少なくとも1年半は経っている。1冊平均で3ヶ月ちょいかかった計算になるだろうか。薄い文庫本なので、その気になれば一日で1冊は読めるとは思うのだけれど、なんだか先に進むのがもったいないような気がして、ちびりちびりと亀のごとき歩みとなった次第。

 ちなみに副題となっている“たったひとつじゃない冴えたやりかた”というのは、SFファンならばたぶん誰もが知っているであろうジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの傑作の1つ、『たったひとつの冴えたやりかた』をもじったものと思われる。それゆえに、かなり期待して読み始めたのだけれど、惜しいことにタイトル負けな感は否めなかった。私の没入感が足りないからかもしれないが、最終決戦時の悲壮感がいまいち…、って、この手のライトノベルにそれを求めるのがそもそも間違っているのだろう。普通の小説として読む分には、特に問題なし。私にとっては、値段相応、いやそれよりちょっとだけ得した感あり。

 願わくば、これで最終巻にするのではなく、ぜひ続編も読んでみたい。あとがきにも作者本人からそのような事がちらと書かれていたので、もしかしたら関連作品が存在するのかもしれないのだが、まだ発見できていない。


2007.12.23(Sun)

売れ残りには…

 コンビニまでコピーをとりに。みこりんもおやつを買出しに、くっついてきた。

 店に入ってすぐの書架の前で、なにやらじっとたたずむみこりん。

 やがて、うれしそうに両手に分厚いコミック誌を持って戻ってくる。買い逃したと思って落ち込んでいた今月号の『ねこぱんち』が、この店にはまだ残っていたのだ(題名の通り、ねこ漫画てんこ盛りな本)。
 なんてラッキーな。

 冬の日曜日。弱々しい太陽の光。


2007.12.7(Fri)

『とかげ 第3巻』

『とかげ 第3巻』(作:灰原 薬) 『とかげ (3)』(作:灰原 薬)、読了。今回の表紙は、さらに黒さが減って、ちょっと物足りず。でも、う、うつくし…。ところが、帯に“完結”の文字が…。かなり寂しい。

 もうちょっと続くと思っていたのに、なんだか終わり方が唐突というか、第1巻の間の持たせ方から比較すると、早すぎる終焉な感は否めない。これでは国家機関の環境省特殊災害対策本部は、無理に登場させる必要なかったんじゃ…、と思ってしまう。もしかして、いわゆる打ち切りというやつなんだろうか。真相はわからないけれど。

 かなり残念。


2007.11.18(Sun)

『光とともに…』

 学校の図書室で借りてきたという『光とともに…(1巻)』(作:戸部けいこ)が、ことのほか気にいったらしいみこりんは、さっそくサーチエンジンでこのタイトルを検索し、ドラマ化されていることを知った。
 「見てみたい!」というみこりんのために、今日は午前中から最寄のレンタルビデオ屋にお出かけ。外は天気雨。晴れているのに、冷たい雨がぱらぱらと降る、奇妙な空模様である。

 レンタルビデオ屋に近づくと、店の周囲にずらっと立てられている幟旗に、『本日DVD旧作70円』の文字が!
 みこりんの目が、きらりんと光った。通常価格260円なので、これは安い。大量に借りるには、もってこいのシチュエーション。

 だがしかし、現実はそう甘くはなかった。みこりんの借りたい『光とともに…』のドラマDVDは、膨大な棚の中に、どこにも見当たらなかったのである。やはりこのような田舎のショップには、置いてないのかもしれない。でもまぁ、ないものは仕方がない。みこりんはちょっと名残惜しそうだったが、DVDコーナーを離れ、古本コーナーへと移動。今日は古本も、なぜか100円均一の日だったのだ。

 みこりんには以前この店に来たとき、気になる本が1冊あった。それは、チョコボの登場するコミックで、タイトルを『チョコボのふしぎものがたり』(作:かとうひろし)という。ただし古本ゆえに、人気作ならともかく、売れてしまったら再入荷の見込みはほとんどない。そう言い聞かせつつ、棚をチェックしていたところ…、奇跡的に残っていたのだ。ただし、それは前回見つけた1巻ではなく、5巻だった。全6巻構成らしいので、ほとんど終盤。それでも、みこりんにとっては十分らしい。というわけで、買い。1巻〜4巻までのお話は、“これまでのあらすじ”でフォローするつもりのようだ。なんとも豪胆な。

 続いて『光とともに…(2巻)』も発見。この本は図書室でも人気があるらしく、よく借りられているっぽいので、これも買ってみたいらしい。私が掘り出し物を探している間に、半分ほど立ち読みしてしまっていたので、余計離れがたくなってしまったのかもしれないが、100円均一の日なので買い。

 以上、2点を収穫とし、帰還。
 午後も、雨が降ったり止んだり。物憂い晩秋の日曜日のことであった。


2007.10.13(Sat)

『おおきくなりません』

 『その向こうの向こう側(5)』(作:渡辺祥智)が出たらしいので、地元の本屋まで買いに行ってみた。
 無事目的の品をゲットしたあと、いつもの巡回コースで見逃している新刊などチェックしていると、文庫本の新刊コーナーで鶴田謙二氏の表紙絵発見。速攻で手に取り、中身チェック。
 ふむふむふむ…。で、そのあと、おもむろに題名と作者など確認。

『おおきくなりません』(著:白倉 由美) 『おおきくなりません』(著:白倉 由美)。……作者名を、今一度見直してみる。
 “白倉 由美”…、めっちゃ懐かしい名前。20年くらい昔、ちょうど私が大学生やってた頃に少女漫画描いてた人のはず。サークルの後輩が何冊か持っていたので、ぱらぱらっと見たことはあったのだが、いつのまにか小説家に転向していたのか。
 というわけで、買い。

 ちなみに、ここで表示している画像は、2002年に講談社から出版された時の表紙絵である。今回、徳間デュアル文庫から出版された方のは、絵柄は同じで背景が白に変わっており、すっきりした感じでよいのだが、残念ながらAmazonには画像がなかった。じつにもったいない。

 帰宅後、まず『その向こうの向こう側』の方を読む。
 この人の作品は、『からっと!(1)』で絵の上手さとストーリーの面白さにはまったわけだが、先に連載の始まった『その向こうの…』の方も、ほんわかとしていてじつに癒される。2作品にストーリー上のつながりはないはずだけれど、一方が2人の女王候補なら、こちらも2人の王位継承者という符合があり、そのあたり、ちょっと気になるところだ。

 『おおきくなりません』の方は、まだ表紙イラストを堪能中。


2007.9.27(Thr)

『よくわかる現代魔法―jini使い』

よくわかる現代魔法―jini使い 木曜日は、みこりんの音楽教室個人レッスンの日。みこりんを送り届けたあと、レッスンが終わるまでいかに時間を使うか、だが、やはり私の場合は読書がもっとも適していると思われる。そのつもりで読みかけの文庫本も持参してきているし。
 ここの音楽教室は、以前にも書いたように、エントランスがおしゃれ空間になっているため、私には非常に似つかわしくない。が、すでに時は9月も終盤、午後7時前とあっては、すっかり日も落ち、クルマの中で読書というわけにもいかず、みこりんと共に、建物の中に入ることにした。

 フロントの先生に、みこりんが出席簿に判子を押してもらっている。意外なことに、その他に人の姿はなく、みこりんが個室へと消えてしまうと、なんだかものすごく異世界な雰囲気。適度に加減された照明と、低く流れる自動演奏のピアノの音楽、そして床や壁や調度品が木で出来た、ちょっと広めの空間。スタンリー・キューブリックの映画に出てきそうな感じ。

 私はできるだけ音をたてないように、丸太で出来た椅子を引き、腰掛ける。そして、本を開いて数行読んだあたりで、徐々に作品世界に没頭していくのであった。

 本のタイトルは『よくわかる現代魔法―jini使い』(著:桜坂 洋)。現代魔法がコンピュータによって実行されるプログラム(コード)によって発現するという設定上、このシリーズのサブタイトルは、ここまでプログラミング言語に関するものばかりとなっている。ただ、今回のjiniや、作中でさりげなく触れられている“Javaリング”とかは、今となってはかなり古典な部類に入る用語かもしれない。

 "Write once, run anywhere"

 あぁ、なにかもみな、懐かしい…

 ま、そんなことはともかくとして、作品世界は古ぼけてはいないので安心だ。前作に引き続きゴーストスクリプトとして蘇った凶悪な古典魔法使いと、情報として存在してはいるものの適合するデバイスが存在しないために使えない魔女のライブラリという設定は、なかなかツボをついているように思う。SF作家の谷甲州が書いてみせた、光速を超えて移動するヒトの情報体にどことなく似た雰囲気を感じる。
 はたしてjini使いの女の子は、魔女のライブラリの適合デバイスとして生贄となってしまうのだろうか。

 これから、というところで、みこりんのレッスン終了。今日の読書はここでおしまい。


2007.8.30(Thr)

『喰霊 0巻』

『喰霊 0巻』 『喰霊 (4)』(作:瀬川はじめ)の帯に付いていた読者プレゼントに応募したのは、たしかまだ夏が始まる前だったような記憶がある。400円の郵便小為替を同封しての応募者全員プレゼント企画、『喰霊 0巻』。なかなか届かないので、応募用紙に住所と名前を書き忘れたのではないかと本気で心配したこともあった。そして、徐々にそんなことさえ忘れかけていた今日この頃、角川書店から届いた茶封筒の中に、これが入っていた。

 あぁ、忘れられてはいなかったんだ。

 連載開始よりも前に、読み切りとして雑誌に掲載された3作品と、作者による当時の振り返り、初期設定資料等。連載時に、設定等もすべてゼロにリセットされたと書かれてある通り、読み切り3作品にはある種の既視感が漂っており、何やらとても懐かしい感じがする。作者の力量が徐々に増してゆくさまを見るのは、いいものだ。

 『喰霊 5巻』は10月末発売予定らしい。順調そうで、なによりである。願わくば、雑誌休刊などのあおりを食らって未完のまま終了なんてことにはなりませんように。


2007.8.26(Sun)

『ウルフガイ(1)』

ウルフガイ (1) 1980年前半に中学生・高校生やってたSF好きな人なら、もはや説明の必要もないであろう平井和正の名作、少年・犬神明が登場する『狼の紋章』に始まるウルフガイ・シリーズを原作とするのが、今回発売となった『ウルフガイ (1)』である。
 作画は1985年あたりから平井作品には欠かせない泉谷あゆみ。彼女のイラストは小説の挿絵では何度も見たが、コミック作品となると、私には記憶がない。果たしてどんな作品に仕上がっているのか。原作の雰囲気ぶちこわしなんてことはないと思うが…、ちょっとどきどきしつつ、今日届いたばかりのページをめくる。

 一気に最後まで読んだ。1巻なので、まだ続きがあるのがもどかしい。原作が37年前の作品なだけに、現在では当たり前のケータイとかそういう小道具が当時は存在してなかったが、そういう現代風アレンジが絶妙に効いている。絵の作風は、彼女らしくもあり、ちょっと雰囲気違うかなと思うような部分もあるが、全体的に平井作品というイメージは壊れていない。でも絵柄の好みはかなり分かれそうな予感。

 人狼というと、西洋の狼男のイメージの方が世間では一般的だと思うが、平井作品における人狼は、ああいった化け物とは正反対の、犬神の名の通り、孤高の神秘的存在として描かれているので、“狼男”というキーワードだけで拒絶しそうになったら、ぜひ踏みとどまって読んでみて欲しいと思う。ぜひ原作の方も…。


2007.8.11(Sat)

『よくわかる現代魔法―ガーベージコレクター』

よくわかる現代魔法―ガーベージコレクター 前回の車検から半年が過ぎ、定期点検のためディーラーにクルマを持ち込み。みこりんもくっついてきていた。もっとも、みこりんの場合、この後に予定されている今年の新作水着とワンピースを買うという、もう1つのミッションの方に心は奪われたままなので、クルマにさほど興味があるというわけではなかった。

 点検は1時間ほどで終わるということだったので、私は持参してきていた『よくわかる現代魔法―ガーベージコレクター』(著:桜坂 洋)を取り出し、読みふける。現代魔法シリーズの第2巻だ。
 みこりんは併設されている子供用の遊び場で、何かをやっていたようだが、やがてそれにも飽きたのか、私の正面の椅子に座り、さっきオマケでもらった“たまごっちのポーチ”で空想を膨らませている様子。

 私は時の経つのも忘れて、本に没頭していた。1巻を読んで文章力に惹かれるものがあったので続巻も買ったわけだが、この2巻目となる『ガーベージコレククター』は、さらに一皮も二皮も剥けた感じ。カバーイラストがそっち系なので手に取る読者を最初から選んでしまっているのが残念に思うくらい、この話にはぐいぐいと引き込まれてしまう。
 幸せだった記憶があるゆえに、苦しみ、記憶を消そうとしたホームレスの男。悲し過ぎる記憶を忘れたいのに、記憶をすべてリアルなまま保持してしまう夢を見ない女。果たせなかった事を抱え込み、堂々巡りに陥っている少年。記憶を喰らう“ガーベージコレクター”のコードが実行されるに至るまでの時間は、あまりない。舞台は渋谷の街のみ。ぎゅっと凝縮されたストーリー展開は、見事である。ぞくぞくした。ぞくぞくし過ぎて、みこりんに「おとーさん、うでに鳥肌立ってるよ!」と驚かれてしまうくらい、リアルでも両腕が総毛立ってしまうほどに。

 久しぶりに、良本とめぐり合った。これはいい。

 *

 予定時刻を20分ほどオーバーしてクルマの点検は終了した。ここからは、みこりんの時間。いつもの大型スーパーにて、水着とワンピースを物色しまくり、これはと思う逸品をみこりんも選べたようだ。

 今日から9日間のお盆休み、突入。


2007.7.30(Mon)

『宙のまにまに (3)』

宙のまにまに (3) 雨の音で目覚めた今日、『宙のまにまに (3)』(作:柏原 麻実)、読了。
 高天ネット(県内高校天文ネットワーク)いいね。他校の同好の士と知り合うのは、なかなか刺激があっていい(私の場合は、大学入ってからのサークルからだったけれど)。
 今回は病弱部長が、ちょっとかっこいい。最後の“おつまみおまけまんが”のエピソードが、ぐぐっと…

 ところで、学校の屋上の天体望遠鏡の話し。じつは私が通っていた小学校の屋上にも同じようにドームがあった。で、内部には天体望遠鏡が格納されているという噂だったのだが、卒業までの6年間、ただの一度もその実物を拝んだことなし orz...
 小学校だから天文部なんてなかったしなぁ。あれは、誰かの役に立ってたんだろうか。ふと、そんなことを思い出してしまった。


2007.7.27(Fri)

フラッタ・リンツ・ライフ

フラッタ・リンツ・ライフ 長らく2階の物置部屋を占拠していた14インチのCRTを、ようやく宅急便でリサイクル業者に託すことができた。これでほんの少し物置部屋にも足の踏み場が増えたわけだが、もうちょっと捨てられるものがある。次回の粗大ゴミの日は、絶対に忘れないようにせねばなるまい。

 宅急便屋さんの帰り道、いつもの本屋に立ち寄り、新しい出会いを求めて書架の間を彷徨い歩く。めぼしい文庫やコミックの新刊情報はあらかた入っているので、できれば手薄な分野がいい。たとえば新書版の小説。あるいはハードカバーなど。
 でもその領域は狭く、薄暗い。
 何かいけないコーナーに足を踏み入れるような感覚で、そっと入り込んでいくと…

 おぉぉ!こ、このカバーイラストは…。手に取るまでもなく、その絵が鶴田謙二氏のものであることはわかった。
 買おう。そう思った後で、一応、中身をチェック。ふんふん、なんとなく神林長平の『戦闘妖精・雪風』のような雰囲気が。たぶん失敗はすまい。で、結局、買い。

 『フラッタ・リンツ・ライフ』(著:森博嗣)、これがじつはスカイ・クロラシリーズ第4弾ということを知ったのは、買って帰った後のことであった。
 …またやってしまった orz...


2007.7.7(Sat)

怖い本

こわーい!都市伝説&怪談DX 昨日、家族で作った七夕飾りが、庭先でばたばたと強い風に煽られて乾いた音をたてている。それをBGM代わりに聞きながら、みこりんが買ってきたばかりの『こわーい!都市伝説&怪談DX』を読みふけっていた。
 横からそぉっとページを覗いてみると、こういう本にありがちな心霊写真の特集ページ等があり、なかなか恐ろしげである。みこりんは怖くないのだろうか。人一倍怖がりなのに、なぜか怪談モノの本を読むのは大好きというのが、どうにも腑に落ちないのだが…

 *

 日もとっぷりと暮れ、宵闇に包まれる頃、みこりんの挙動がなにやら妙であった。私がみこりんのそばを離れたりすると、そわそわと落ち着きがなく、ふらふらーっと後をついてきて、とりとめのない会話を始めたり。
 私がトイレの友に、やはりこれも今日買ってきたばかりの『鉄腕バーディー (16)』を持ち込んで読んでいると、みこりんがそーっとドアを開けて顔を覗かせた。そしてもじもじとしながら、こう言った。

 「こわくて、一人でお風呂入れん…」

 どうやら怖い本の効き目は抜群だったらしい。
 これまでも怪談本を読んだ後は、やはり怖くて、おどろおどろしい本の表紙を隠すように本棚の奥の方に移動させたり、といったことはやっていたのだとみこりんは言った。そんなみこりんの本棚には、怖い本が1冊2冊3冊4冊……、けっこうある。これに加えて学校の図書室でも借りてくるタイプなので、これまでに読破した怖い系の本は数十冊に上るのではなかろうか。
 怖いんだけれど、ついつい見てしまいたくなる、“怖いもの見たさ”の術中にすっぽりはまってしまっているとみえる。

 でも、これでちょっと安心した。9歳というみこりんの年齢で、あれだけ怖い心霊写真や体験談等を見たり読んだりして、ぜんぜん平気だったらある意味そっちの方が怖い。

 遠い記憶を探ってみれば、私も子供だった頃、友達から借りた心霊写真の本が夜中どうしても気になって、分厚い図鑑でサンドイッチ状態にして厳重に保管したりしていたような…。そんなことをふと思い出した夜、星空は、雲で隠れて見えなかった。


2007.6.25(Mon)

百鬼夜行抄(9)

百鬼夜行抄(9) 『百鬼夜行抄 (9)』(作:今 市子)、読了。独りで読んでいると、突然ぞわぞわぞわぞわぞわぞわっと首筋から後頭部にかけて、体毛がぴんぴんと逆立ってしまうような場面がある。状況的“怖さ”というやつ。視覚よりも共感力によって感じ取る臨場感のなせる技。

 “人と妖魔は深くかかわってはならない”

 関わってはならないとわかっていても、その代償がみこりんに関係することだったりしたら、私は取引に応じてしまうだろう。…いや、実際に取引に応じてしまったのかもしれない。夢というにはあまりにリアルで記憶が鮮明、しかしリアルかというとそれもちがう。夢と現実の狭間の中で見る、夢のようで夢ではない出来事。

 私はこんな約束をしていた。みこりんが二十歳になるまでは、みこりんの安全を保証し、私の命も継続する。しかし、二十歳を過ぎたら、みこりんの安全を脅かさないことの代償に、私の命で補おう、と。

 夢。そうなのかもしれない。でも、妙にリアルな夢だった。
 そんなことを思い出させる本であった。


2007.6.7(Thr)

『Project SEVEN』

『Project SEVEN』(著:七瀬 晶) 18時36分、みこりんを音楽教室まで送り届け、そのまま駐車場にクルマを停めた。木曜日は個人レッスンの日、月曜日はグループレッスンの日。それぞれ場所が違うのだが、こちらの建物は比較的新しく、ガラス張りで中が透け透けなエントランスは明るい色調の木をふんだんに使って、なかなかおしゃれ空間になっている。私のようなおっさんには激しく似合わない雰囲気。なので駐車場のクルマで待つ。ここは駐車場も広いので、のびのびとできるのが有難い。おまけに太陽はまだ沈んでおらず、いい具合に外も明るいので読書には最適だ。
 シートを奥まで引いて、思いっきり後ろに倒して寝転がり、本を取り出し物語世界に没入する。

 読んでいるのは、図書館で借りてきたProject SEVEN』(著:七瀬 晶)だ。“サイバーパンク”という80年代後半に流行ったフレーズがあえて使われているあたり、わかった人が書いたならたぶん当たり、そうでなかった場合は…。

 幸い、これは当たりのような気がする。
 むしろソフトウェア開発現場の生々しい一端が垣間見えて、とてもリアルに感じられてしまう。まさに他人事でない臨場感というやつで、未来世界においてもプログラマは3Kのままなんだねぇ…、とちょっと哀しくもあり。でもまぁそういうオトナの事情のどろどろした雰囲気は、女子高生ハッカー“奈々”の若さ溢れるエネルギーで相殺されているので問題なし。

 読みふけっているうちに、だんだん視界が狭くなってきたような気がして顔を上げると、日没間近であった。これ以上眼を駆使すると、明日に響きそうなので読書終了。
 まぶたを閉じて、みこりんが戻ってくるのを待った。予定ではあと数分のうちにレッスンは終わるはず。

 じっと待っていると、そぉっとドアが開く感じがしたので目を開けると、みこりんがいた。「おかえりー」と声をかけたものの、なにやら様子がおかしい。反応がないのだ。
 送り出した時には、ご機嫌だったみこりんが、戻ってきたときには“どよーん”としている。…何かあったんだろうか。うまく演奏できなかった、とか?
 聞いてみたい気もしたが、みこりんはそのままシートに座り、膝を抱えて眠りこけてしまったので、そっとしておくことにした。

 まぁ、いろいろある年頃だ。あとでこっそりみこりんから話してくれるのを待ってみても遅くはあるまい。


2007.6.3(Sun)

『とかげ (2)』

『とかげ 第2巻』(作:灰原 薬) 月初めのお約束ということで、『小学4年生』を買うべくみこりんと本屋に出かけた。私は私で新刊で出ているはずの『とかげ (2)』(作:灰原 薬)を探す。前作の1巻が早々に店頭在庫なしになっていたことを思うと、少々不安ではあったのだが新館コーナーで平積みになっているのを無事確保できた。表紙絵からやや黒さが減ってしまったのがちょっと残念。ちなみにエロではない。

 ところで今月の『小学4年生』には、みこりんが先月号を買った直後からずっと楽しみにしていたある記事が載っているらしい。家に戻ってから、みこりんはさっそくその記事が載っているページを探し、開いていた。
 その記事とは、来月から公開されるポケモンの映画を見ることでゲットできるという“ダークライ”の入手方法である。みこりんもチラシ等で“ダークライ”を映画館でゲットできるというのは知っていたのだが、『小学4年生』に掲載される入手方法は、それとはまた違ったものだと信じていた。みこりん的には、ポケモンの映画そのものにはあまり興味がないらしく、映画館に行かなくても“ダークライ”がゲットできるかもしれないという期待はかなり大きかった模様。

 一応、みこりんには「“映画館に行きましょう”って書いてあったりして」とは言っておいたのだが……、その言葉通りの記事だったことに動揺を隠し切れない様子。まぁ、世の中、そんなうまい話はないってことで。

 『とかげ (2)』は、話の流れがちょっと見えてきた感じで続巻に期待。ただ、人によっては多少“いらっ”とくるかもしれない箇所があるような気もするので、それなりに忍耐力はいるかも…。私は“絵”に惹かれた口だから、物語そのものにはかなり寛容な気持ちでいられるのがかえって良かったような。


2007.5.27(Sun)

図書館にて その2

 返却期限にはまだ1週間ほど余裕があった。でも、みこりんは図書館で借りた本をすべて読破してしまっていたので、再び図書館へと出向くことにする。返却と、新しく本を借りるために。

 返却の手続きは、あっけなかった。返却受付で、借りてきた本を手渡すだけでOKとなる。貸し出しリストとの突合せは、あとでまとめてやってしまうのだろうか。そのへんがちょっと謎だが、さっそくみこりんは児童書コーナーへ、私は日本の小説コーナーへと向かった。

 私が借りたい『わ』で始まる作者の本は、相変わらず貸し出し中のまま。仕方がないので、他の棚を順に巡って、ピンとくる本をつらつらと探してゆく。

 で、結局、収穫物は『Project SEVEN』(著 七瀬晶)と、『天狗』(著 成定春彦)の2冊のみ。他にもシリーズものでちょっと気になる作品もあったりしたが、ちょうど1巻が借りられていたりしたので、このへんに抑えておく。

 みこりんは、今回は一気に5冊選び出していた。妖怪モノ、戦争モノ、ドキュメンタリーモノ、救急医療モノなど。みこりんの趣味を見事に押さえた布陣である。

 午後4時半。
 今回は、閉館のアナウンスはなかった。よくよく館内情報を見てみると、通常の閉館時間は午後5時のようだ。つまり、前回がイレギュラーだったらしい。でも、4時半閉館のつもりで行動したため、余った30分、やることがない。みこりんに「本でも読んでいく?」と聞いてみれば、「喉が渇いたで、コンビニに寄って欲しい」と言った。
 撤収だ。

 *

 寝るまでのわずかな時間に、みこりんすでに1冊を読破。2冊目も、半分ほど読んでしまったらしい。あいかわらず読むのが早いみこりんであった。


2007.5.13(Sun)

図書館にて

 みこりんは読書好きである。みこりんだけでなく、クラスの結構な人数が学校の図書室を活発に利用しているらしい。良いことだが、その分、競争率が激しく借りたい本がなかなか借りられないという事態になってるようで、みこりんは市の図書館にも行ってみたいらしい。私もたまたま買うまでもなく借りて読んでみたい本の候補があったので、夕方、みこりんと共に図書館へとお出かけ。

 この図書館は、みこりんが保育園な頃にできた、比較的新しい施設である。今では蔵書もそれなりに蓄積され、どこからみても立派な図書館に成長した。
 独特の静寂感に包まれた広大な空間。最初みこりんはそれにびびって、私のそばを離れなかった。でも、児童書のコーナーに入るなり、目つきが変わった。真剣そのものである。ここはみこりんに任せ、私は自分の借りたい本があると思しきコーナーへと向かった。

 日本の小説の棚を、作家順に“あ”から“わ”まで、順繰りにサーチしてゆく。作家名は分かっているので、ダイレクトにそこに向かってもよかったのだけれど、やっぱり掘り出し物とか偶然の出会いなんかを期待して、ちょっと寄り道。

 最後の“わ”のところで、お目当ての作家の名前を背表紙に発見したものの、それは借りたい本ではなかった。やはり新作ということもあり、競争率は高いのだろう。まぁしかし、コミックのようにあっさり絶版になったりすることもないだろうから、安心して待っていられるのは心強い。
 さて、そろそろみこりんは借りたい本が決まったかな?児童書コーナーへと戻ってゆくと…

 とある本棚の前で、みこりんはおおいに悩んでいた。一人5冊まで借りられるし、私のカードも使うと都合10冊までOKなので、どんどん借りていいんだよとアドバイスしたものの、みこりんは安易な妥協は許せないらしい。徹底的に厳選するつもりのようだ。
 みこりんが釘付けになっている棚は、ハンディキャップを持った人のドキュメンタリーとか、戦争時の体験を綴った物語などがメインだった。みこりんはこういう系統のお話が、とてもとても好きなのだった(あと医療関係のドキュメンタリーとかも)。
 まだまだ決まりそうになかったので、再度、私は日本作家のコーナーへと戻り、『新宿鮫』シリーズなどをつらつらと手にとって見たり。何巻まで読んだっけかな…、かなり記憶が曖昧。

 そんなことをやってるうちに、突如、館内放送が静寂を破る。
 その放送によれば、閉館まであと30分らしい。おぉぉ、急がねば。
 児童書コーナーに様子を見に行ってみると、みこりんが3冊ほど本を抱えて立っているのが確認できた。みこりんも先ほどの放送の意味するところはわかっているので、決断したらしい。
 貸し出しの手続きは、カードと本のバーコードを読み取るだけでOK。じつにあっけない。
 返却日は、6月3日。予想よりかなり先だった。みこりんちょっと残念そう。もっと短いと思ってたようで、それで3冊に抑えたらしい。ま、読み終わったら、また借りに来ようね、みこりん。


2007.4.10(Tue)

『メガゾーン23 マニューバ・ブック』

メガゾーン23 マニューバ・ブック 1985年、夏。
 私が大学の1回生をやってた頃のことだ。所属していたサークル(某SF研究会)で、“夏合宿に向けて”という名目のもと、サークルメンバーが狭い下宿の一部屋に集まったことがあった。
 毎週やってたサークルの例会は、学内の喫茶店を利用していたので閉店時間もあり、夜遅くまで、なんてことはなかったのだが、この日は普通の下宿だったため、時間無制限。しかも1回生にとっては“初”のシチュエーションということもあり、妙に緊張していたことを思い出す。それにこの時はまだ、大学生の自由さを、真に体感してなかった頃だったし。
 当然、女の子達は野郎共の巣窟に進んで身を投じるようなことはしなかった。ゆえに、とてもとても暑苦しいメンツだけが集っていた…。

 そして、“夏合宿”に関する話題がぜんぜん出てこないのを不審に思い始めた時には、すでに手遅れだった。

 (名目なんてどうでもよくて、ただ単に集まってくっちゃべってるのが、この人達には楽しいんだ…。)

 まだSFモノとしての経験値の低い1回生メンバーが、続々と途中抜けしていく中、私は妙に気を遣いすぎて帰る機会を逸してしまい、結局、朝(というか昼)まで先輩達の濃い会話を眠たい頭で聞くはめになったのである。
 その時、BGVとして流されていた映像作品の中に、『メガゾーン23』があった。

 先輩達が冷凍マグロのように寝静まった頃、私は「かえりますー」と言って外に出た。
 夏の熱気がじりじりと肌を焼き、乾燥しきった空気に思わず空を仰ぎ見る。薄暗い部屋に慣れていた瞳は、太陽の明るさに耐え切れず、視界がぼぅっと白くなった気がした。

 …この感覚、さっき見た『メガゾーン23』のラストシーンに、なんだか似てる。

 その時から、『メガゾーン23』は、私にとって特別なものとなった。たぶん、オトナになった今、初めてこの作品を見てもどうということはないだろう。あのバブル絶頂期に向けて日本中が無闇にわきかえっていた時代、そして10代後半という微妙な年齢と、初めての一人暮らし、有り余る自由さ、それら諸々の要因が合わさってはじめて、あの作品に惹きこまれてしまったのだと思う。

 『メガゾーン23 マニューバ・ブック』、税抜き3333円という、ページ数の割りに値段の高いところがちょっとアレだが、堪能するには十分。文中の人物紹介のところで、名前の前に“故”がついてる人が目立ったところに、過ぎ去った時代を感じる。

 今ならバンダイチャンネルで視聴可能


2007.4.3(Tue)

『Eternal』

 会社で報奨金代わりの図書カード(500円分)を1枚貰った。そいつを指先でつまんで眺めていると、ふいに思い出したことがある。
 いつも使ってる本屋のポイントカードも、たしか1枚、すべて判子で埋まったため金券として使えるようになってたはず。有効期限が1ヶ月と短いので、忘れないようにしないとなぁ…、なんて思っていたのだが、今の今までその存在をすこーんと忘れてた。もしかして期限過ぎちゃってたりは…。

 財布からポイントカードを抜き出し、表面にマジックで書かれた有効期限を確認する。
 「4月3日まで………、って今日じゃん!」
 危ないところだった。このカード1枚で500円分の価値がある。あやうく紙くずにしてしまうところだった。もったいないもったいない。
 さっそくLicにメールで「何か買いたい本はない?」と確認してみたのだが、応答なし。

 *

 仕事を終え、帰り道、本屋に立ち寄る。
 例によって新刊平積みコーナーをチェックしていると、『プリンセス・プリンセス+』(作 つだみきよ)を発見。ちょっと前にLicから、そういうのが出たからAmazonで買っといてと言われていたやつだ。1冊だけだと送料無料となる1500円に達しないので、何か抱き合わせでと考えている最中だったため、まだAmazonには注文していない。…というわけで、こいつを買う事にする。

 買う物は決まったけれど、他の棚も一通りチェックしておかねば。
 棚から棚へ、ぐるぐる〜っと一筆書きを描くように回っていると、ケータイがLicからのメールの着信を告げた。
 メールを確認してみれば、やはり『プリプリ プラス』を指名してあった。ん、了解、もう確保してある。

 巡回ルートの最終地点で、ワゴンセールがまだ残っているのに気が付いた。
 ちょっと古めの図鑑とか辞書とかを、破格値で売っているわけなのだが、なぜかそこに画集『Eternal』(画 鶴田謙二)の初回限定版も何冊か並べられており、処分価格“2000円”の値札が貼られている。前回ここを訪れた際にも、かなり気にはなっていた。なにしろ定価4700円、しかも普通の本屋にはもう置いてないであろう種類の本だったから。
 鶴田謙二の絵といえば、やはり『エマノン』シリーズの表紙絵が思い出される。個人的には、かなりツボを突かれまくりの絵描きさんの一人。この画集も出た当時、買おうかどうしようか迷ったものの、値段に少々圧倒されていたのも事実で、現在まで手にしてはいなかった…。そいつが2000円となって、目の前に。しかも1ヶ月くらい売れ残ったまま。これは私に「さぁ買え」と言ってるようなものではなかろうか。

 よし、買った。
 残っている中で、一番汚れてなさそうなのを選び、確保。かなりでかい。そして重かった。

 *

 帰宅。袋から『プリプリ プラス』を取り出し、Licに渡し、残りの画集は「とーさんの」と言ったら、みこりんが「自分のはないの?」と不満そう。でも、「みこりんは昨日『小学4年生』を買って貰ってるじゃん」と指摘したら、じつに残念そうな表情をしつつも、納得したようだ。さすが、小学4年生。


2007.4.1(Sun)

『ハムスターの研究レポート』

 乾いた紙のこすれるような、かすかな音で目が覚めた。仰向けのまま目を開けてみても、音の主はわからず。
 な、なにやつ!?
 目玉をぐるんぐるん回して探すも、あやしい気配なし。そのうち、Licが「そこ」という感じに布団の足元の方を指差してるのに気付き、むくっと起き上がってみると、掛け布団に埋もれるように、みこりんがいるのがわかった。

 みこりんは仰向けに寝転んで、本を読んでいるのだった。そのページをめくる音が、私を目覚めさせたらしい。
 みこりんが一心不乱に読んでいるのは、『ハムスターの研究レポート』(作 大雪師走)第1巻である。な、懐かしい…。

 本棚のどこに片付けておいたか自分でも忘れるくらい、昔の本だ。たしか90年代初頭から半ば頃に盛り上がったペットブームと共に、わんさか出版されたペット系マンがの元祖(というか、この本がきっかけでハムスターブームが起きたといっても過言ではない)。ハムスターの日常を描いた4コママンガだ。
 これはみこりんが読んでも問題ない本だが、キケンな本を手の届かない場所に退避しておいてよかった。本が好きなみこりんにとって、この部屋のでっかい本棚は、まさに探検しがいのある場所にちがいあるまい。

 *

 結局、この日、みこりんは4巻目まで読み進んだらしい。途中、くすくす笑ってたりしたので、「ぐふふふふ」と私もつられ笑いしてみると、みこりんの笑い虫がお腹の中ではじけたらしく、呼吸困難になってしまうほど笑い転げつつも、耳を塞ぎながらいずこかへと消えていった。笑いすぎると苦しくなるので、ひとりでこっそり読むことにしたようだ。
 ところで『ハムスターの研究レポート』、5巻って結局、出たんだったっけかな?3巻が出た後、長らく4巻が出ず、忘れた頃に本屋で見かけたので買ったのが、たしか90年代末頃だったような…。愛すべきハムスター達の寿命は、ヒトのそれとは比較にならないくらい短いので、描かれていた子達はみんな星になってしまってるのだろうなぁ…(2007.4.3追記:すでに7巻まで出ていることが判明。知らんかった…)。


2007.3.11(Sun)

『MOON LIGHT MILE (14)』

MOON LIGHT MILE (14) 『MOON LIGHT MILE (14)』(作 太田垣 康男)、読了。
 宇宙(月)の覇権をめぐるアメリカと中国のせめぎあい。フィクションとはいうものの、現実世界でも中国の背後にはロシアがついているので、宇宙に限定すると案外いい勝負になるかもしれない。実際、中国は月面に赤い旗を立てる気満々のようだし、そう遠くない将来、月資源を巡っては一悶着ありそうだ。

 ところで双方の宇宙軍による戦闘が描かれるのは、今回で2回目と記憶しているが、中国軍はそうでもないのに、アメリカ軍の戦闘艦が妙に不恰好にグレードダウンしてるのはなんとしたことだろう。図体がでかいだけの鈍ガメで、武装も貧弱、装甲も少々のデブリには耐えるが、砲撃されると一撃で破壊されてしまう程度の柔らかさ。そんでもって乗員の数が不必要なくらいに多い。これでは戦闘艦というより、兵員輸送艦なんじゃなかろうか。
 大人数のレスキューという本作の根幹に関わるシーンを作り出すにはうってつけだったのだろうけど、なんだかしっくりこなかった部分だ。前回、アメリカ軍のそこそこ使える宇宙戦闘機を登場させてるだけに、その時との落差の大きさにがっかり感は否めない。でもまぁ中国軍の宇宙用軍服のデザインセンスはとてもよい。まるで60年代のB級SFに出てきそうなストレートさが、かの国らしくて微笑ましい。これでアメリカ軍のスマートなロボット兵に対抗して、中国軍が“先行者”もどきなロボットを繰り出してくれたら、さらにツボなんだが…

 今後の展開に期待。


2007.3.1(Thr)

春三月

 2月はあっというまに去り、とうとう年度末。今年の冬は、そこそこ寒い日もあったが、みこりんが楽しみにしていたほどの積もる雪は滅多に降らず(1回くらい)、スタッドレスタイヤも宝の持ち腐れ状態だった。とはいえ、過去、3月に季節外れの大雪に見舞われたことはあるので、油断大敵。でも、このまま春になってしまう予感がひしひしとする。

 春の陽気に誘われて、裏の空き地で発情した野良猫が無気味な声で鳴きながら、夜、徘徊するようになった。これがみこりんには怖い。そのせいかどうか、眠る時には枕元の時計付きCDプレーヤー&ラジオ(昔ならラジカセと表現する装置だが、今時のやつにはカセットプレーヤーが付いてないので、なんと呼んでいいものやら悩んでしまう)で、6月のエレクトーン発表会で弾くことになっている曲『交響詩「希望」第三楽章 Road of Hope』(作曲:葉加瀬太郎)をリピート&スリープモードにしてかけている。
 この曲は、たいそう気に入っているようで、何度聞いても飽きないらしい。たしかにみこりん好みな雄大な曲である。ちなみにこの曲は、ファイナルファンタジーXII メイン・テーマの一節。プロモーションムービーで聞くと、さらによし。

 そして夜、なにげなくAmazonで“火浦功”を検索してみたところ、『未来放浪ガルディーン外伝1 大出世。』に“ショッピングカートに入れる”マークが付いているのに気づく。詳細ページに飛んでみると、なんと在庫あり。しかも残り「1」。ひょっとして他のやつもいけるのではと、『ガルディーン』シリーズを超高速に調べてみた。
 『未来放浪ガルディーン1 大熱血。』、『未来放浪ガルディーン2 大暴力。』ともに買える状態になっている。これまでずっと在庫なし状態だったのに、いったいどうしたというのだろう。いやいや、そんなことを考えている間に“在庫なし”になってしまうやもしれず、やや焦りつつ、それぞれショッピングカートに入れる。そして、買う。なんか、妙に緊張した。

 『ガルディーン』シリーズは大学時代に1巻、2巻を買っていたものの、卒業と共に、いろいろ処分した本の中にそいつもまじってしまっていたらしく、行方不明になった。その後、何年かして角川スニーカー文庫で復活したのを本屋で見かけたものの、ここで油断してしまって今日までゲットすること叶わず。…、じつに長かった。20年ぶり、か。
 しかし、『ガルディーン』シリーズにはまだ、3巻と外伝2巻が存在する。いまのうちに古本で買っておかないと、数年後には入手不可能になってそうな…。


2007.1.24(Wed)

『螺天-BIRTH』『逆境戦隊バツ「×」』

螺天-BIRTH (1) 『螺天-BIRTH (1)』(作:山口譲司)。この人の作品には、『BIRTH 全9巻』があったりするので、その再版モノかと思ってしばらく様子を見ていたのだが、どうやら新作らしいとわかったので買ってみた次第。

 “千獣観音の触手”を軸として、それを兵器として使いたい蛾羅間重工の思惑、古よりその触手(仏手)を封印してきたイスルギの者(前作を読んでいれば、だいたいの関係は理解できる)の出現。そして、今、一人の若者が千獣観音の触手に取り込まれ、長き眠りから覚め、人外の者として蘇った…、ところで1巻終了。長い前振りだった。ものすごく続きが気になる。次巻が出たら即買い。

 *

逆境戦隊バツ「×」(1)逆境戦隊バツ「×」(2) 『逆境戦隊バツ「×」(1)』『逆境戦隊バツ「×」(2)』(著:坂本康宏)。以前『歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)』で作家デビューを果たしたとして紹介した大学時代のサークルの後輩の作品がいつのまにか立て続けに出ていたので、買い。題名からして面白そうだ。
 まだちょっとしか読み進めていないけれど、なんだかちょっと懐かしい気分にひたる…


2007.1.11(Thr)

『宙のまにまに(2)』

宙のまにまに(2) 『宙のまにまに(2)』(作:柏原 麻実)、読了。
 高校の天文部の話。降るような星空に背筋がぞくぞくした人ならば、たぶん問題なくはまれるのではないか、と。
 私の場合は、中・高と、このような見目麗しき女子達のまったくいない野郎共オンリーな科学部で、真夜中、星見をした記憶しかないのがちょっと痛いが、それでもやっぱり星空はいいのぅ…、と遠い目をしそうになってしまう。

 たとえ、“初めて流星群をカメラで撮ってみたら、外灯に照らされた電線しか写ってなかった”とか、“シャッター開放で撮りまくってたら早々にカメラの電池が切れて茫然自失した”とか、そういう失敗があったとしても、やはり、“夜明けを迎える天空の色彩変化があまりに美しすぎて…”とか、“夏の夜のキャンプ地で、圧倒的な星の数に思わず声が出なかったり…”なんて貴重な思い出もあったりするので、まぁそれはそれで満足していたりする。
 いやほんと、夜を徹して活動するエネルギーは若さの特権でもあるのだから、これからみこりんにもたくさんの宇宙を見てほしいと思わずにはいられない。でも近頃は、夏の休みときたら梅雨が終わってなかったりして星見が不発気味なのが残念だ。

 さて、今年の夏は、長いか短いか…。そこが問題だ。


2007.1.7(Sun)

『神戸在住(9)』

神戸在住(9) 『神戸在住 (9)』(作:木村 紺)、読了。
 神戸の大学で美術を専攻している学生のお話。9巻で、いよいよ卒業も迫り、果たしてこのあと社会人編があるのかないのか、そのあたりがとても気になる今日この頃。

 とりたてて派手な演出などはなく、淡々と、思わず「これ、ノンフィクション?」と思ってしまうほどのリアルさに、心が軽く時間を跳躍して大学時代に戻ってしまったかのような妙に切ない気分に浸ることもある。

 ところでこの9巻、妙にキャラの描写に艶が出てきたような気がする。前髪とか、目元、口元あたりなど特に。画力の向上というよりは、登場人物の自信の現れみたいな感もあり、なかなかよかったのではなかろうか。この調子で10巻も、ぜひ読んでみたいものだ。

 *

 ちなみに外は天気予報通り、雪。みこりんはソリ遊びをしたがっていたが、ソリは昨年壊れたので、その望みは叶わず。


2007.1.3(Wed)

『小学3年生』

 午後、みこりんと本屋に出かけた。毎月始めは『小学3年生』の新刊が出るので、みこりんもハイテンションである。
 みこりんの言うことには、先月号の付録としてポケモンの切手シート(のようなもの)が付いていたのだが、今月号の付録にはそれら切手状のものを1枚1枚ばらして貼り付けるコレクションシートが付いてくるらしい。…なるほど、いかにもみこりんの好きそうな作業である。

 いつもの書店に着くなり、みこりんはたたっと目的の品が陳列されている棚へとダッシュし、私は私でいつものように新刊コーナーを端から順にチェックしてゆく。メール等で新刊情報を得ているとはいっても、たまに見落としてるやつがあったりするので慎重に。
 そうやって視線を上下左右にゆるやかに振っていると、視界がぐっと絞り込まれて周囲の様子がぼんやりと化してしまう。だからみこりんがすぐ近くに接近していたのに気付かず、わき腹を突然つんつん突かれてちょっとびっくり。みこりんは『小学3年生』の今月号を、両手で抱きかかえるようにして立っていた。私はそれを見て、うなずいてやると、みこりんは再び新たなる獲物を求めて、別のコーナーへと駆けていったのだった。

 『竹本泉のいろいろぶっく』の現物が置いてあったので、とても中をチェックしてみたかったのだが、この書店における新刊コーナー(ビニールを被ってない)ではその行為は厳禁とされているため、表紙と裏表紙をじっくりと観察しただけで、書架に戻した。いきなり入手難になったりすることはないだろうから、ここはしばらく様子見で。

 ぐるっと一周しているうちに、みこりんが2度ほど私の元へと戻ってきた。その度に、抱えている本の数が1冊ずつ増えているわけなのだが、よほどのことがないかぎり許可とする。たまごっち系に、怪談系か。これもまた、じつにみこりんらしい。

 結局、私はめぼしいものを見つけることはなく、みこりんの本だけを買い、帰宅。
 帰宅早々、みこりんはさっそく先月号の付録であるポケモン切手シートを持ち出してきて、1枚1枚を切り離しはじめた。その数にしておよそ200…、あるいはそれ以上はありそうだったが、みこりんはこの手の作業はまったく苦にならないようで、嬉々としてハサミでちょきちょきやっていた。
 その隙に、私とLicでみこりん用に準備しておいた新しい本棚を、2階のみこりん部屋へ移動。これまでは3段BOXを2つ、みこりんの本棚として使っていたのだが、すでにキャパシティオーバーしており、本が棚から溢れていた。この3段BOXの1つを、新しい本棚と入れ替えることで、あと数ヶ月は持ちこたえる事ができるだろう。なにしろ新しい本棚はそれまでの3段BOXよりも2倍以上の収容能力を有しているのだから。

 ざざっと手早く本の整理も兼ねて新しい本棚をセットし、あまった3段BOXは、私とLicの本棚として再利用すべく寝室に移動。これを機会に本の大移動を行い、メインの本棚から“みこりんが見ては危険な本”の撤去が完了したのである。“危険な本”はもともと高い位置に置いてはあったのだが、近頃のみこりんの成長は著しく、おそらく椅子に乗れば手が届く可能性があった。そこで今回、子供では容易に手が届かない高い場所にある扉つきの書架へと封印。脚立でも持ち出してこない限り、ここへのアクセスは不可能なので、いましばらくは安全であろう。

 本の整理を終え、リビングに戻ってみると、みこりんがポケモン切手をコレクションシートにすべて貼り終わったところだった。ところどころに枠線のみの空白があるのは、おそらく今後の付録か何かでゲットできるであろう特別なやつ用だ。雑誌の売り方も、なかなか抜かりない。
 しかしみこりんが『小学3年生』を買うのも、あと1号のみ。3月からは、『小学4年生』である。昨年、痛い失敗をしているので、同じ過ちを繰り返さないように「3月からは4年生やね!」と、みこりんも意気込んでいる。…しかし、ポケモン切手の続きが4月からの『小学3年生』の付録になっていた場合、みこりんはどうするだろうか。ちょっと気になるところだ。


2007.1.2(Tue)

同人誌

 『げんしけん (9) 』読了。これが最終巻。“おたく”がどうこういう以前に、普通に大学のサークル活動を通した入学から卒業までのストーリーとして、楽しめた。
 私が大学生をやってた頃には、“おたく”なる言葉そのものがまだ一般的ではなかったのだが、いわゆる“そっち系”な面々は、SF研とか漫研などに所属し、たぶん今も昔もさほど変わらない活動をやってたのだな、と思う。ゲームマシンの進化と、インターネットの普及、ケータイの有無、あたりがちょっと違うかな、といったところで、本質的には、ありあまる若さとエネルギーを創作活動にかけ、サークルの仲間と共にそれらを共有し。そして若い男女が集まれば、それはもう必然的に“そういう話”の1つや2つや3つや4つは転がっているもので。

 ところで今回買った9巻は、特装版なので同人誌やらCDやらが付属していた。
 同人誌といえば、私は大学に入るまで一度も手にしたことがなく、もちろん買ったこともなかった。高校までをすごした町が田舎だったから、というのもあるのだが、今ほど同人誌が一般的に認知されていなかったという時代背景もあるかもしれない。
 そんな私が大学に入り、“そっち系”なSF研に所属し、初めて買った同人誌というものがある(サークルで毎月創ってた本も同人誌ではあるのだが、ここでは別の団体個人が創ったものという意味で“初”とする)。ちなみに、“エロ”ではない。

 きっかけは、こうだった。サークルの後輩の女の子(彼女は卒業後、本業の傍ら小説家としてプロデビューを果たす)が、独自に所属していた別のサークルで同人誌を売るというので、その会場となる同人誌即売会にみんなでついていったのである。生のコスプレイヤーさんを見たのも、この時が初めてだったような…
 会場は広くなく、狭くなく。いやもしかしたら、けっこう狭かったような気もしてきたが、まぁとにかく大規模なものではなく、地元の同人作家さん達のローカルなものだった。当時すでに小説主体の本よりは、コミックが圧倒的に売れ筋で、テキスト系な方々と、「なかなか売れませんね」なんて話をしたように記憶している(私もテキスト系だったから)。
 その一角で、私は1冊の同人誌に引き寄せられていた。モノクロ印刷なのだが、1冊1冊の表紙に手書きで蛍光マーカーによる装飾が施されており、絵柄もかなり私好みなタイプ。つつっと手にとり、ぱらぱらとめくり、そして、買った。私が初めて同人誌を買った瞬間である。
 この同人誌に掲載されていた漫画は1作品。あとはイラストが少々。一人の同人作家さんによる個人本だった。

 それから幾年か経ち、大学を遠く離れたこの地で社会人として日々労働に勤しんでいた私は、休日の書店巡りの最中、とある商業誌上で、あの時の同人誌に載っていた漫画と再開を果たす。まるでタイムカプセルに封印されてでもいたかのように、あの頃のままの姿で、そこにあった。
 妙にこそばゆいような、懐かしい感じがしたものだ。

 *

 初めて買った同人誌は、今も大事にとってある…、はずだったが、改めて探してみたものの、発見できず。とはいえ本棚はすでにキャパシティオーバーで、至る所に本が散在しているため、どこかに混じっているのかもしれない。というわけで、作家さんの名前が思い出せないのが残念だが、“罰として魔法でちっちゃくされてしまったバニー姿の女の子”というのがキーワード。
 もう一度物置部屋探ってこよう。


2006.12.27(Wed)

『続 水惑星年代記』

続 水惑星年代記 前作の続巻が出ていたので、買ってみた。『続 水惑星年代記』(作:大石まさる)。

 オムニバス形式の短編集という形態は、同じ。登場人物が前作とつながってたり、関係者だったりするので、『続』なのだなぁと妙に納得してみたり。
 トーンを使わず網掛けで書いてあるので、独特の画風に仕上がってるのが人によっては評価が分かれるかもしれない。私的にはこういう系統の絵が好きなので、OK。

 たぶん『続々』が出ても買うと思う。


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