2007.2.1(Thr)

真夜中の電話

 日付が今日に変わった頃、寝床に入る。Licはすでに夢うつつ状態にあるらしい。
 私もとっとと寝よう。そう思った時、電子音が1回、ほの暗い部屋で小さく鳴った。枕元に置いたLicのケータイが、何かの着信を告げるようにLEDを点滅させている。とりあえずLicに、(たぶん)メールが届いたことを告げたが、夢の世界まで私の声は届いていない。まぁ急な用事なら、また今度は電話でかかってくるだろう。そう思って、私も布団に身を埋め、目を閉じた。

 *

 夢の中で、何かの音を聞いたような気がして、意識が急速に目覚めてゆく。私の耳には、電子音が断続的に届いてきていたのだが、あたりはまだ真っ暗闇で、起きる時間ではなさそうだ。すると目覚まし時計の音ではないらしい。私とLicのケータイのアラーム音ともちょっと違うようだし、いったいこれは何の音だろう。
 そんなことをぼんやりと考えている。目覚めたとはいっても、頭の回転はまだそうとう鈍い。んー、この音…、どこかで聞いたような気もするな。
 なんてことを思っていると、Licが突然がばっと跳ね起き、枕元の電話機に取り付いた。あぁそうか、固定電話機を新調した時に、子機をこの部屋にも置いたんだった。そんな重要なことを今頃思い出している私。子機の着信音に慣れるには、まだ時間がかかりそう。

 Licの受け答えを聞いていると、状況が飲み込めてきた。
 今月初旬が出産予定日の、Licのすぐ下の妹が、ついに陣痛がはじまったので、これから病院に行くという連絡なのだった。陣痛間隔が5分と言ってるようで、Licが「はやく病院にいかんと〜」と、やや焦りを含んだ声で答えている。

 無事に産まれてきますように。そんなことを念じつつも、いつのまにか睡魔に意識をもっていかれ、次第に思考は鈍っていった。

 *

 朝。目覚めると、Licがいなかった。
 リビングに下りて行ってみると、みこりんが開口一番「うまれたんやって!」と、じつにうれしそうだ。どうやら明け方に産まれたらしい。母子ともに健康とかで、安堵する。
 みこりん待望の赤ちゃん誕生で、朝からみこりんのテンションは相当高かった。義妹夫婦は、ここからクルマで30分ほどのところに引っ越してきているため、会おうと思えば気軽に会いに行ける距離なのだった。みこりんは小さい子がとてもとても好きなので、きっといいお姉ちゃんになることだろう。
 みこりんのいとこは、これで3人目になるが、はじめの2人は私の実家近く(つまり、ここからは遠い)に住んでいるので、滅多に会いにはいけない。だから、今回のいとこ誕生を、みこりんはずっと前から待ち望んでいたのだ。

 「とーさんは、男の子か、女の子か、どっちがいい?」と、みこりんが聞くので、「無事に産まれたらどっちでもいいんだよ」と答えておいた。みこりん的には、女の子がいいみたいなのだが…

 *

 そして夜。性別が分かったらしい。
 みこりんの願掛けが通じたのか、女の子ということだった。おそるべきみこりんの神通力である。
 みこりんの興味は、次は名前に移ったようだが…、これはまだ決まってないらしい。Licとその妹2人、そしてみこりんに至る4人の名前は、じつは“しりとり”で繋がっている。だから、みこりんは今回も“しりとり”にこだわってるみたい。でも、さすがに5人目も“しりとり”は……、いくらなんでも難しいんじゃ…。
 でも、みこりんの願望達成能力は時におそるべき力を発揮するので、油断できない。


2007.2.2(Fri)

Athlon再び

 おもに私が家で使っているPCは、約4年と2ヶ月ほど昔に組み立てた品である。Licが使ってる2台のPCを組み立てたのよりも、少しだけ昔のことになるので、各部のパーツはややくたびれ気味…。
 それでも普通に使う分には、たいした不自由は感じないのだけれど、撮りためてあるみこりんのビデオ映像をPCに取り込み、MPEG2変換しようと思うと、やはり非力感は否めなかった。一生モノの記録映像ゆえ、設定可能な最高画質で変換しているため、2時間分の映像でも、丸一日かかったりすることもあり…。

 この状況を改善するには、道は2つあった。

 1つは、最新のパーツに交換してしまうこと。特にマザーボードと、CPUと、メモリ。こやつらがあまりに旧世代なため、足を引っ張りまくっているのだ。CPUで言うと、64bit、マルチコアが当たり前となり、さらにその上のクアッドコアが普及するのも時間の問題かと思われる今日この頃、32bit、シングルコアのAMD Athlon XP 1600+ というのは、あまりに落差が大きすぎる。しかし、これらを交換するには、金がかかりすぎるのが難点だ。

 2つ目の道は、旧世代のCPUなのは甘んじて受け入れ、その規格の中でもより高速な品に交換してしまうことである。これならばマザーボードやらメモリは今の仕様のものがそのまま使えるため、かなり懐には優しい作戦だ。
 しかしながら、すでに製造されていない旧世代の規格の品なので、普通に売ってる店を探すのはなかなか困難が予想された。

 いずれの道を選ぶべきか。
 1つ目の道を選ぶと、グラフィックボードの規格まで変わってしまうので、さらなる出費が避けられない。いや、自分的にはより高性能な品になるのでうれしいことではあるのだが、いかんせん限られた資金を有効利用するという観点から考えた場合、やや極端にすぎるような気もする。
 2つ目の道を選んだ場合、このまま旧世代の規格の品々と、あと2〜3年は付き合う覚悟が必要となる。とはいえ…、それで今現在特に困っていることがほとんどないのも事実。CPUパワーが2倍ほど上がるだけでも、十分いけそうだ。急いでVistaを導入する必要もないし。

 とまぁこのようなことをここ数ヶ月、頭のすみっこで考え考え、よーく考えた結果…、私は、2つ目の道を選ぶことにした。

 肝心の旧世代CPU、Athlon XPシリーズがラインナップされている店を、ちょっと前に探し当てていたことも、この決定に若干影響しているかもしれない。新品と中古が入り混じったショップ(もちろん地元にそんな気の利いた店はないので、通販である)のサイトでは、今も刻々と品物が現れては消え…、を繰り返していた。CPUの在庫が1種類につき、1個とか2個とか、そんな状況なので、“売り切れ”状態の品が半数を占める。まさに、求める品をゲットするのは時の運といえた。

 そして今、サイト上には入荷直後ということもあり、比較的“売り切れ”が少なかった。私のマザーボードに対応している最高クラスの製品も、在庫1だが、ちゃんとある。
 しかし、値段はそれ相応に高く、2万円近くした。
 Athlon XP 3000+、これが買えれば今よりも劇的に速くなることであろう。…しかし、2万円………。
 その少し下の欄には、Athlon XP 2500+ が2種類ほど売られていた。冷却ファン付きと、そうでないやつと。お値段、約1万円。ファンの付いてない方は、さらに1500円ほど安い。それぞれ在庫1と2。Athlon XP 2800+ もあったが、こっちは値段が1万5千円なので、これにするくらいなら素直に3000+を選んだほうがいいような気もする。
 というわけで、3000+か、2500+か。その差額1万円。

 Licにさりげなく探りを入れてみたりもしつつ、悩みに悩んだ末、私はついに結論に達した。

 2500+ を買おう、と。これでも今の1600+よりはずいぶんマシである。

 そうと決まれば、さくっと注文だ。狙うは、冷却ファン付きの方。【買い物カゴに入れる】ボタンを、ふるえる指でクリック……。「ん?」私は不安になった。何も起きないのだ。ボタンを押したにもかかわらず、カートの中身は、空のまま。
 続けて2度、3度と【買い物カゴに入れる】ボタンを押してみた。しかし、反応は同じ。カートは空っぽだ。
 もしかするとOperaでアクセスしてるからだめなのかもしれない。今でもInternetExplorerじゃないと正しく動かないサイトはある。というわけで、普段滅多に使わないInternetExplorerを起動。URLをコピペして、サイトを表示。在庫は幸い1のまま、変化なし。今がチャンスだ。

 【買い物カゴに入れる】ボタンをクリック。

 ………何も起きなかった。

 Licが「在庫切れになってるのがサイトに反映されてないんじゃないの?」と言っている。たしかにその可能性はあった。すでにこの品は誰かの手に渡ってしまっているのでは……。
 ここで悩んでいるうちに、同じく2500+のファンなしの方まで売り切れてしまっては大変である。ターゲットをファンなしのCPUに切替え、【買い物カゴに入れる】ボタンをクリック。

 若干の“間”があり、ページが再描画された。おぉぉ、カートの中身がちゃんとある!確保成功。
 このサイトの親切なところは、関連する品も併せて表示してくれるところにある。冷却ファンが付いてないので、お勧め商品の中から適度な性能の冷却ファンを選び、こいつもクリック。カートの中身が2つになった。
 あとはそのまま決済画面へ。

 注文確定のメールを受信し、ようやく私は安堵した。これであと2〜3年は大丈夫。…故障さえしなければ、だが。

 ちなみに、今回利用したのは、“ぱそこん倶楽部”というお店。PC98とか旧型のOSなんかも扱っているので、古い機器のサポートをしなければならない人には、なかなか使い勝手がいいかもしれない。

 *

2007.2.3 追記...

 翌朝、同サイトを再度表示させてみたところ、昨夜買えなかった冷却ファン付きの2500+がまだ在庫1のまま残っていた。おそるおそる【買い物カゴに入れる】ボタンを押してみたところ……、あっさりとカートの中に入ったのであった。
 どうやら、昨夜は誰かがカートの中に入れてはいたものの、その後キャンセルした可能性が高い。まぁ結果的には新品の冷却ファン追加で同じくらいの値段になったので、中古の冷却ファン付きを買うよりはラッキーだったのかも。


2007.2.3(Sat)

小さな赤ちゃん

 夕方、木曜日に産まれたばかりの姪っ子を見に、義妹が入院している病院までお出かけ。
 方向感覚に優れたLicでも迷いそうになるほどの複雑な道のりの果てに、その病院はあった。産婦人科、小児科の専門病院で、規模はそこそこでかい。しかも部屋は個室らしい。

 外来の時間は過ぎているので、病院内はほどよく静けさに支配されていた。それでも壁面を飾る優しい感じのオブジェや、階段の壁に並べられた看護士さん達の顔写真などで、ほのぼのとした温かみのある雰囲気があった。

 部屋の前に到着。
 Licがドアをノックしたが応答なし。あらかじめメールでこの時間は授乳タイムというのがわかっていたし、ドアにもその旨のプレートが掛かっているので、これは想定内。中で待っていて構わないということだったので、お邪魔することにする。その前に、手の消毒を忘れずに。ドアの横に取り付けられた消毒薬のポンプをワンプッシュして、消毒ジェルを両手に塗り塗り。みこりんもその小さな手をそっとポンプの下に入れて待っていたので、ワンプッシュしてやる。一緒に塗り塗り。

 Licを先頭に、部屋の中に入る。
 おぉ、本当に個室だ。しかも普通のビジネスホテルなんかよりも広い。バス・トイレ付き、でっかいソファとベッドあり、もちろんTVもあり。窓の外にはささやかながらバルコニーまである。
 TVの脇に、小さな小さなベッドが置いてあった。赤ちゃん用のベッドだ。その中に、みこりんの手袋よりも小さい、伸縮性のある布切れが置いてあったのだが、どうやらそれは赤ちゃん用の帽子らしい。んー、小さいなぁ。なにもかもが小さいことに、いちいち感動すら覚えてしまう。

 ソファに座って待っていると、みこりんが窓の向こうに赤ちゃんの群れを発見し、釘付けになっていた。向かいの病棟にある1階下の新生児室が、ここからはよく見えるらしい。赤ちゃんわらわら状態。
 みこりんとLicが尚も新生児室に釘付けになって十数分、義妹が戻ってきた。もともと線は細いのだが、それに輪をかけてかなり消耗したような雰囲気。出産に要するエネルギーは、男には計り知れないものがある(私はLicの立会い出産でその場にいたのだが、たしかにあれはすごかった。男が出産したらたぶん死ぬ、というのはあながち間違いではないかもしれん…)。
 しかしその腕に赤ちゃんの姿なし。耳の検査があるとかで、診察室にいるらしい。

 というわけで、赤ちゃんが戻ってくるまで、みこりんが興味津々の新生児室の見学に行ってみる事にする。階段を下り、渡り廊下を渡って、ぐるっと回り込み。
 大きなガラス張りの新生児室は、廊下側からも中の様子がよくわかる。ずらっと並んだ小さいベッドのそれぞれに名札がついていて、ベッドの中にはほにゃほにゃの産まれたばかりな赤ちゃんがずらっと……。その時、われわれは目の前のベッドの名札を、いっせいに指差したような気がする。そのベッドの名札には、義妹の名前が書かれており、ベッドの中には赤ちゃんがいたのであった。

 耳の検査はすでに終わっていて、ここに戻ってきていたらしい。頭がこっち向きになっているので、いまひとつ表情の細部まではわからないが…、なんとも愛らしい顔である。なんというか、顔立ちがすっきりしてるというか、産まれて2日目とは思えない感じ。産まれてしばらくは、赤ちゃんってもっと“くしゃっ”てなってるものなのだが…。んー、でも、みこりんの時にも、この子は産まれたばかりなのに、なんて顔立ちがすっきりしてるんだろう、なんて思ったような気もするので、身内ゆえの独特な感情かもしれない。

 ケータイで激写しつつ、3人でガラス越しに見守っているのに気がついた看護士さんが、ベッドを逆向きにしてくださった。うん、これでよく顔が見える。いまのうちにもう一枚写真を…、と思ったら、もう一人の看護士さんがやってきて、てきぱきと姪っ子を抱き上げ、奥へと…。
 あ、お母さんとこに連れて行くのかな?そう思っていると、こちら側の扉が開き、さきほど赤ちゃんを抱っこしていった看護士さんが現れた。私たちがこの赤ちゃんの身内であると知ると、「抱っこされますか?」と言う。Licがすでに子持ちなので、赤ちゃんを母親のところまで抱っこしていっても大丈夫と判断してのことだろう。
 でもLicは突然のことで、わたわたと辞退してしまった。んー、残念。

 義妹の部屋へと戻る。赤ちゃんは、一足先に戻ってきており、母親の胸に抱かれていた。
 よく眠っているようだ。みこりんは瞳をきらきらさせて見入っていた。みこりんは小さい子、特に赤ちゃんが大好きなのだ。
 それにしても、ちっこい。改めて赤ちゃんの手足を観察してみると、大人の指1本をぎゅっと握るのにちょうどいいくらいに小さい。遠い記憶を探ってみれば、みこりんも赤子の頃は、こんなちっこい手足をしてたものよのぅ……。などと思い出しつつ。

 赤ちゃんと対比することで、みこりんがいかに大きくなったかが如実に明らかとなった感じだ。小さい小さいと思っていたその手も、この赤ちゃんの手に比べたら比較にならないほどしっかりと大きい。いつのまにか、手の大きさの比べっこをしても、Licとそう大差ないまでになっていたのだ。
 みこりん、大きくなったな…。しかしそれにしても、赤ちゃん、ちっこくて可愛いなぁ。みんなして視線は赤ちゃんに釘付けである。

 みこりんが赤ちゃんを抱かせてもらっていた。ほにゃほにゃの赤ちゃんは、つきたての餅のように柔らかで、なにもかもが小さい。でも、手足の指にはちゃんと爪が生えてたりするので、生命の神秘を感じてしまう。
 時折もぞもぞと手足を動かしたり、まぶたを開けかけたり、泣きそうになったり、鼻ですぅすぅと息をする音が聞こえたり…。赤ちゃんはせいいっぱい生きている。

 夕食が運ばれてきたので、帰ることにする。赤ちゃんが寝ている間に、お母さんにはしっかり食べておいてもらわないとね。

 *

 この夜、みこりんはずーっと、赤ちゃんがいかに可愛かったかを我々に語ってくれた。産まれたばかりの赤ちゃんなんて、そうそう生で接する機会はない。それゆえに、よけい感慨深いところがあったのだろう。

 ちなみに今日は節分の日。Licの風習に従い、恵方を向いて太巻きを黙って一気食い。大人でもおなかいっぱいになりそうな太巻きを、みこりんは一生懸命食べきったのには驚かされた。赤ちゃんとの接触が、内なる力を引き出したのだろうか。

 食後、豆を撒き、邪を払う。
 子供たちに、いかなる災いも来ぬように。怨敵退散。


2007.2.4(Sun)

日曜の朝

 休日のみこりんの朝は、平日のそれとは打って変わって異様に早起きである。秋頃にはまだ、自分が起きたついでに私を起こしてくれていたものだが、近頃はすっかり放っておかれるので、ちょっと寂しい。

 今朝もまた、私が目覚めたときにはみこりんはすでにリビングにいて、なにやらPCを操作中。みこりん用のアカウントでは、子供用のサーチエンジンしか使えないようにしてあるので、危険なWebサイトに飛んでいってしまう心配は比較的少ないとはいうものの、Webフィルタの導入はそろそろ現実問題として考えておかねばなるまい。
 で、みこりんが今やってるのは、理科の実験をFLASHで再現したゲームであった。小学3年生の今ごろは、電気と磁石を習っているので、じつにタイムリーなネタである。
 ピタゴラ・スイッチに出てきそうな仕掛けを操作し、電球をすべて光らせるべく、回路の途中に設けられた空欄に、さまざまなアイテムを置いて、電流を流す、というもの。太陽光をレンズで集めて紐を焼ききり、仕掛けを動かす等、なかなか凝ったつくりになっている。
 次々に出題される問題に、ちゃきちゃきと解答していたみこりんだったが、とある問題で詰まってしまったらしい。何度もやり直してみているが、いずれも失敗。3つある電球のうち、2つしか光らせることが出来ないでいた。

 ふむふむ?と、背後から覗き込む私。回路の途中が所々断線しているので、そこに“アイテム”を設置して導通させればよい、というのはみこりんも理解できている。しかし、私が「うん、それで大丈夫なはず」と思うアイテムの組み合わせでも、何故だか失敗してしまうのであった。
 いつしか私も本気でチャレンジしてみたりなんかしていたのだが、結局、電球をすべて光らせることは出来なかった。…む、無念である。正解を知りたいと思ったが、そういう機能はないらしい。とてもとても、もどかしい。みこりんも床に突っ伏して悔しがっている。

 というわけで、難問のことはさくっと忘れて、遅めの朝食でも。
 みこりんのリクエストは、今週も目玉焼きだった。いつものように、ベーコンを敷き、卵を3つ焼き上げる。
 3人家族なので、目玉も3つ、のつもりだったが、こういう時のみこりんは意外に食べる。「この卵、全部食べていい?」と聞くので、承諾すると、きっちり2つと半分を平らげてしまったのである。この微妙な残り具合が悩ましいが、半熟とろーりの目玉なので、冷めたらまずい。残った分は、私がきれいにさらってしまおう。Licのご飯は…、起きてきたら考えるという方向で。

 近頃の休日の朝は、だいたい、こんな感じである。


2007.2.5(Mon)

“火星の夕暮れ”

火星の夕暮れ

 火星の地表で撮影された、これらの写真の中で、私もやはりこの作品が一番ぐっとくるものがあった。

 荒涼とした大地に、沈みゆく太陽。この惑星上に、何らかの生命体が存在するかどうかは、いまだ確証はない。この、もの悲しくも美しい光景を見つめる瞳は、無人の機械達に搭載された人工の“目”だけなのかもしれない。

 何千年、何万年、いや、何億年にもわたって繰り返されてきた、自然の営み。

 私が子供の頃にも、やはり火星に到達した探査機があり、地表の画像を地球に送ってきたことがある。赤い惑星“火星”を象徴するかのような赤茶けた画像は、しかし、もう1種類、赤のフィルタを外したような画像も出回り、NASAの情報操作云々が、そっち系ではまことしやかに語られもした。
 しかし、事の真相はともかく、一枚の写真に、どれほどわくわくさせられたことか。

 あれから機械達に搭載される装置は、格段に進歩し、ここまでの映像を届けることができるようになった。これからさらに20年後、ヒトはあの惑星に降り立つことができるようになっているかもしれない。そしてさらにその20年後には……、私の肉体は滅びている可能性の方が高いが、もしも情報体としてネットワークに生きる術を人類が見つけ出したならば、私も自分の“目”で、昔、機械達がそうしたように、火星の夕暮れを、見ることができるのかもしれない。

 そんなことを考えながら、見上げる地球の夜空は、ガスでぼんやりと曇っていた。


2007.2.6(Tue)

思い出し笑い

 平日の朝は、なかなか慌しいもので、にゃんちくんの朝食も、さくっと準備の終わるレトルトパウチなことが多い。幸い、にゃんちくんも、このレトルトパウチの中身(缶詰タイプとほぼ一緒)は気に入ってくれているようで、がつがつと食べてくれる。
 しかし、今朝はあいにくレトルトパウチの在庫を切らしてしまっていた。時間に余裕があれば、おもに夕食用に使っている缶詰を用意してやるところなのだが、今朝は時間も厳しかったので、小袋に入ったドライフードをささっとやってみたところ…

 明らかに、にゃんちくんは不服そうだった。いつもなら猛然と食べ始めるのに、今は食器のまえで何やら微妙な表情で思案中。

 「いつものレトルトの方がいいにゃ…」

 そう言う、にゃんちくんの心の中の声がリアルに聞こえてきそうな感じがした。
 なんてことを、みこりんに話して聞かせると、これがかなり笑いのツボにジャストミートしてしまったようで、朝食中、何度も思い出し笑いの発作に襲われていたようだ。ちょうどポタージュスープをスプーンですくって食べていたところだったりしたのも、まずかったらしい。普通なら、なんでもないことでも、牛乳に代表される液体を飲んでいる時に限って、無性に“笑い”の衝動に取り付かれてしまう、あの独特な心理状態になってしまうのだろう。

 吹き出しそうになるのを懸命にこらえつつ、どうにか朝食を食べ終えたみこりん。でもきっと、お昼の給食の時間になったら、また今朝の事が思い出されてしまうのではないか。そんなことを心配しつつ、私は仕事に出かけるのであった。


2007.2.7(Wed)

CPU交換

 注文していたCPUと冷却ファン(ヒートシンク込み)は、昨夜届いていた。しかし、昨日は帰りが遅くなってしまったので、そのまま手をつけず。
 今夜は少し早めに帰宅し、いよいよPCへの組み込み作業に着手したのである。なにしろ保証期間が1週間しかないので、とっとと動作確認を済ませておきたい。一応、CPUはコア欠けなし&ショップにて動作確認済みの品なのだが、こういう確認作業は早い方がいい。
 みこりんが品物の入った箱を指差し「これ何が入ってるの?」と興味津々だったので、一緒に組み込み作業を見せてやりたかったが、それをするにはみこりんの夜更かしが可能な金曜まで待たねばならず…、残念だが仕方あるまい。

 私のPCはミドルタワーのATX仕様。いわゆるごく普通なPCの外観をしている。その側面パネルを開け、臓物(電源及び拡張ボードの類)をごそっと取り外し作業空間を広げると、準備は完了。あとは慎重に冷却ファン、ヒートシンクを外せば、CPUが眼前に現れる。ソケットのピンを起こして、そっとCPUの側面をつまみ、そろりと上へ。
 Athlon XP 1600+、これまでよく働いてくれた。永き眠りにつくがよい…、と思ったが、このクラスの品でも、もしかしたらまだ欲しい人はいるかもしれない。あとで買取価格を調べておこう(2007.2.13追記:買取価格は1900円だった)。

 新しく届いたAthlon XP 2500+をじっくりと目視観察してみると、ピンが2本ほど少し曲がっているのが確認できたので、そっとラジオペンチで挟み、まっすぐに直す。うん、これで大丈夫なはず。
 向きを間違えないようにソケットに挿し、ソケットのピンを倒して固定する。ここまでは順調だった。が、新品で届いたヒートシンク&冷却ファンの方に、ちょっとだけ問題が。
 ヒートシンクは、CPUの熱を拡散し、冷却ファンで冷やすという機能を持つ。その特性ゆえ、CPUコアとは、ぴったりと密着していなければならない。そのため、接する面には密着性を高めるためにCPUグリスなどが塗られているわけだが、この届いた品は、ビニール袋に入っていたにもかかわらず、木の切りくずみたいな微小な異物がぷつぷつとその部分に付着していたのだった。

 この異物をくっつけたまま大事なCPUと密着させるわけにはいかないため、まずこのグリスをすべて取り去ることから始めねばならなかった。まぁ、ティッシュ等でぎゅっぎゅっと丹念に拭けばOKなんだけれど。
 綺麗にヒートシンクの金属表面が現れたところで、改めてグリスを塗り塗り。いよいよCPUコアとの密着である。ここで失敗すると、コアが欠けたり、熱伝導が不良となって焼き鳥になってしまう(これはBartonコアだが)ので、慎重に。

 ヒートシンクの位置決めが終わったら、ソケットに固定し、冷却ファンをねじ込む。冷却ファンの電源ケーブルをマザーボードのピンに挿し、作業終了。
 取り外しておいた臓物を、元の位置に収めて、と。

 一応、側面パネルは開けたまま、PC本体に電源ケーブル等を接続し、起動。
 CPUを2500+と一発では認識してくれなかったので、BIOSの設定を変更し、再起動。今度は正しく“Athlon XP 2500+”と表示された。そのままWindowsXPが起動するのを待ち、一通りソフトの動作が正常か確認してみる。

 ん、問題なし。温度上昇も許容範囲内。

 いったん電源を落とし、側面パネルをネジ留めして、再度ケーブル類を接続し…

 そして電源を入れ、『FINAL FANTASY XI』を起動。いつものようにチョコボ屋の前に餌の売り娘を配置し、座らせた。明日の夜まで無事に動けば、たぶん問題ない、はず。

 *

 A.M.2:00…
 チョコボ屋の前には、いつもの光景が広がっていた。
 マイ・チョコボの世話にやってくる冒険者達。時々、売り娘のバザーがチェックされ、ぼちぼちと品物が売れてゆく。
 今のところ、異常なし。


2007.2.8(Thr)

バーゲンの夜

 夜、みこりんを音楽教室まで迎えに行って、帰宅。Licは来期のPTA役員会に出席した後、「買い物に行ってくる」とメールを残して、いずこかへと…

 昨夜CPUを交換したPCは無事に動いており、チョコボ屋の前では私の売り娘が、黙々と餌を売り上げていた。順調順調…、と思って別の倉庫キャラにチェンジし、ちょっと街の中を走って競売所に辿り着いたところで、ぷつっと画面が暗転した。

 「…あ、、、」

 落ちた。
 ぴっという電子音と共に、PCが再起動を始めている。
 起動が終わったところで、OSが“深刻なエラーから云々…”とメッセージを表示させている。念のため、エラーの原因を探らせてみたところ、メモリが変だと診断された。

 んーーーーー…
 じつは、昨日交換したのはCPUだけではなかった。
 あるルートから入手したメモリを、元の512MBのやつをとっぱらって2GBほど挿しておいたのだ。一応、ブツは信頼のおけるメーカー製、永久保障の品だったのだが…。ちょっとこれは想定外。

 悩んでいても始まらないので、さくっとメモリ診断ツールをダウンロードして、起動ディスクを作成した。エラーの原因が本当にメモリなのか、あるいはCPUが関与していないか確かめるために、診断ツールで確認せねばなるまい。
 そんな作業を私がやってる間、みこりんはゆったりと風呂を満喫し、そして上がってきた。歯磨き後の仕上げ磨きとドライヤーを念入りにかけてやっていると、みこりんがふと、こんなことを言ったのだった。

 「外で、かーさんが帰ってきたような音が聞こえた」

 21:30.
 Licはいまだ買い物から戻らず。こんなに遅くまでお店開いてたっけかな?なんてことを私も思いかけていたところだったので、みこりんのこの証言は重要だった。
 重要だったのだが、みこりんを寝かしつけ、メモリのチェック過程をじーっと見守ったりしているうちに、ふっとこの重要な証言のことを頭からするっと忘却してしまっていたのだった。

 *

 22:50.
 ふと我に返ると、もうこんな時間になっていた。
 Licはいまだ買い物から戻らず。………いくらなんでもこれはちょっと心配した方がいいんじゃないだろうか。そう思ったので、Lic宛にメールしてみる。
 やがて、Licから返信あり。レジがおお混みしてたらしい。そろそろ帰ってくる模様。
 そういえば…、今日って、バーゲンの日、か。道理で遅くまでやってるわけだ。

 23:20頃
 Lic、帰還。
 冬モノの服を、いろいろゲットしてきたようだ。
 みこりんがお風呂上りに話してくれたことをLicに言ってみたところ、「確認するのが遅すぎ」と鋭く突っ込まれてしまった。…たしかに。もし本当に帰ってきてたのに、玄関先で何かのトラブルに巻き込まれ………、なんていう展開も、物騒な今日この頃では、あり得なくはない話だ。
 もっと用心深くあらねば。

 *

 真夜中、PCのメモリチェックは延々と続いている。今のところエラーは検出していないようだが…、念のため、明日の夜までそのままにしておくことにする。


2007.2.9(Fri)

ペット用アイテム

 金曜の夜は、仕事からの帰り道、閉店時間を控えてやや閑散としたホームセンターに立ち寄り、にゃんちくん用の餌を買い込んでゆくのが私のひそかな楽しみである。
 近頃のにゃんちくんは、缶詰の魚肉の上に、ドライフードを振りかけた夕食がお好みのようなので、その2種類を、約1週間分、買っていくのだ。銘柄は、いずれもシニア猫用の“銀のスプーン(缶詰)”と“モンプチ(ドライ)”と決まっている。でも、ずらっと棚に並んだ猫缶を1つ1つチェックし、何か新しい発見はないかと散策するのが奇妙に心地よい。

 そんな時、ふと目に留まった棚があった。
 餌売り場のすぐ横で、期間限定で集中的に売り出しているコーナーだ。何が置いてあるのかと近寄ってみると、ペット用のお掃除シート(ウェットティッシュのようなもの)が何種類か並べられていた。
 いずれも除菌、消臭などをうたい文句にしているので、ぱっと見、何が違うのかよくわからなかったのだが、使い方を読んでみると、“トイレに流せるタイプ”や、“ペットの体を直接拭ける”とか、“クイックルワイパーに取り付け可”など、それぞれに違いがあるもよう。なんだか人間用よりも種類が豊富な気さえしてくる。

 これまではこの手の商品を見ても、「雑巾で十分」なんて思っていたのだが、今夜は少し心が揺れた。200円以下でこの機能なら、買ってもいいかも?
 実際、ペットを室内飼いしていると、ちょっとした拭き掃除が必要な局面はわりと多く、いちいち雑巾持ち出してきて拭くよりも、なにやら衛生上もよさそうな…。
 というわけで、ペット本体には直接使えないが、ペットが舐めても安全な除菌消臭機能付きのもっともノーマル仕様なお掃除シートを1個購入。床や壁やケージの、ちょっとした汚れなら、こいつでぱぱっとやってしまおう。ついでに消臭スプレーの中に、ちょっと気になるやつがあったので、それも買い。

 *

 帰宅。にゃんちくん用に買ってきた餌やトイレ用消耗備品などが詰まったレジ袋を、どかっと廊下に置き、まずは夕食の用意にとりかかる。にゃんちくんは、見慣れぬあやしげな品々(お掃除シートや、消臭スプレーなど)に鼻を近づけてくんくんと匂いを嗅いでいたが、やがていつものように階段を疾風のごとき素早さで駆け上り、姿を消した。
 推定9歳。いずれは一日中、寝てばかりになるらしいのだが、今のところそのような気配は微塵もなかった。でも、刻は確実に過ぎてゆく…。猫の一生は、ヒトのそれよりも圧倒的に短いという事実に変わりはないのだ。

 “銀のスプーン”に“モンプチ”をまぶしたものを食器に盛り付けたところで、にゃんちくんが2階から降りてきた。まったく、いいタイミングでいつも戻ってくるものだ。まるで私の行動を遠隔透視しているかのよう。
 さぁ、お食べ。
 にゃんちくんがカリカリと、おいしそうな音をさせて食べている間、さっそくお掃除シートをしゅっと一枚取り、以前から汚れが気になっていた猫トイレのフレームを、きゅっきゅと拭いてみた。
 おぉぉぉ。普通のティッシュを水で濡らしたやつよりも、圧倒的に掃除しやすい(さすがにここを使いまわしが前提の雑巾では掃除できないし)。適度な厚みがあるので、拭き掃除も楽々だ。しかも除菌。その性能はともかく、気分的にも心地よい。
 これは買ってきて正解だった。
 仕上げに“プロ仕様”という消臭スプレーをシュシュっと吹いて、終了。これはかなり癖になりそうな予感。

再インストール

 さて、昨夜からずーっとメモリテスト用のプログラムを走らせていた私のPCだが、その試行回数は100回に達しつつあった。
 結果欄を見てみれば、70回目の試行以降で、特定のテストケースにのみエラーが数回記録されていることが確認できる。メモリは1GBを2枚挿しているため、そのどちらでエラーが発生しているのかが分かれば、そいつを抜くことで当面の問題はクリアとなる。さて、どっちだろうか。
 エラーの発生したアドレスは、ぱっと見、ばらついているようにも思えたが、ぎりぎり1GB内に収まっているようないないような…。ここでLicに質問。
 「1GBのアドレスって、何番やったっけ?」私は8bitから16bitで育った世代なので、32bitのアドレス空間をギガのオーダーまで暗記しているほど贅沢な脳の作りをしてはいない。
 Licならばさくっと答えてくれるだろう。そう思ったのだが、「メガ以上なんてわからん」と、Licも私と似たようなことを言う。んー…、たしかにPC98世代は拡張メモリを使っても、せいぜい数メガ単位でしか使わなかったからなぁ…。老兵はただ消え去るのみ、か。…いやいや、今はそんなことを言ってる場合ではなく。

 で、調べた結果、わかった。10進数だと、1073741824、これを16進数に変換すると…、40000000だ。じつに美しい。さっそく暗記しておこう。でもよくよく考えてみれば、キロ→メガ→ギガだから、1024×1024×1024って計算すれば、さくっと答えが出るんだった。どうもギガという言葉そのものに畏怖のような念を抱いてしまって、冷静な判断ができなくなってしまっていたらしい。
 興味深いのは、私とLicのそんなやりとりを聞いていたみこりんが、「ギガって何?メガって何?」と、俄然、瞳をキラつかせて食いついてきたことだった。保育園な頃から数字に惹かれていたみこりんだけに、聞きなれない言葉に好奇心を刺激されまくったのだろうか。きっとみこりんの世代は、ギガはおろか、テラ、ペンタといった領域も、ごく普通に使うようになってるのだろうなぁ。でもそれだけでかくなると、もはや大きさの概念そのものが、我々の感じているそれとは違ってそうな気もするが…。

 1GBのアドレスが判明したので、どっちのメモリに異常があるのかは、すぐにわかった。幸い、1GB以内にすべて収まっていたので、一番目に挿している方のメモリを抜けば大丈夫なはず。というわけで、さっそく筐体を開け、メモリモジュールを抜き抜き。そして再起動。どうかな?
 マシンに高負荷をかけるなら、やはり『FINAL FANTASY XI』だろうということで、実行。ちょっとどきどきしつつ、様子をうかがう。

 しばらくは、普通に動いていた。
 がしかし、突然、画面が暗転し、リセットがかかってしまった。今度の深刻なエラーの原因は、OSの言うことを信じるならば“デバイスドライバの実行中にへんになった”というもの。そのデバイスとは、USBっぽい。うむむ。
 ここでもう一度『FINAL FANTASY XI』を実行してみたところ、ほどなくして、またしてもリセットがかかった。今度も“デバイスドライバの実行中に云々”。…もしかして、抜くメモリモジュール間違えた?念のため、先ほど抜いたやつを戻し、ささってた方を取り出し、再度、『FINAL FANTASY XI』実行。

 今度も同様なエラーでリセットが。
 どうやらこれはメモリがおかしいんじゃなくて、OSそのものが現在のマシン構成に合ってないような気がしてきた。CPU依存の微妙な部分が、以前のAthlon XP 1600+用のチューニングのままになってて、Athlon XP 2500+ではうまく機能しないのかも。
 それにこういう怪しげな症状が出始めたら、さくっとOSをクリーンインストールするのが、一番てっとり早いし…。

 そうと決まれば、とっととOSの再インストールだ。…その前に、もう一度BIOSの設定を確認しておこうと思って、じっくり眺めてみた結果、メモリ関連の設定項目が、自分でそのように設定した記憶はないのに、なぜかピーキーな指定になっていることが判明。そいつを無難なやつに戻しておいた。もしかすると、メモリエラーの原因は、これだったかもしれない。
 で、延々とOSを再インストール。OSのインストール領域は、既存のパーティションをいったん削除して再度パーティションを作成し、フォーマットし直し。ところがここに罠が潜んでいたのだ。1つのハードディスクを2つのパーティションに分けていたのだが、再インストール時に作成されたパーティションは、なんと基本パーティションではなく、拡張パーティションだった。んー、前からこんな仕様だったかなと悩みつつ(なんとなく途中で手順を誤った気も…)、これでは残しておいたパーティションのドライブレターが変更できず、困ったことになる。
 このPCには、もう1個、動画格納用に大容量のハードディスクを付けてあるので、ドライブレターが入れ替わると、感覚的にすごくイヤ。…たぶん、こんなことを気にするのは、古い思考なのだろうなぁとは思うのだけれど。やはりWindowsの起動ドライブはCで、アプリケーションソフトのインストール領域はDで、E以降はデータ領域じゃなくちゃ、なんだかしっくりこないのだ。

 OSのインストール領域が勝手に拡張パーティションになってしまわないように、いったんこのハードディスク全体のパーティションをすべて削除してしまうことにする。そのためには、残してあるデータを、別のディスクに退避せねばならないが…(パーティション操作用のディスクを1枚作ってれば、こんな手間をかけなくてもよかったのだが、この時点でかなり頭がぼーっとしてたので、もっとも原始的な手法をとってしまっていた…)。
 コピーに必要な時間だけで夜明けが迎えられそうだったので、コピーを実行したあとは、結果を待たずに寝た。続きは明日。


2007.2.10(Sat)

姪っ子に会いに

 今月はじめに産まれた姪っ子は、今週早々には新米母と共に無事退院して、自宅の方へと戻ったという。
 そして、母になりたての娘のために、Licの実家から元祖(がんそ)母が応援に来ていたのだが、この週末を利用して元祖(がんそ)父とその娘(Licの一番下の妹)が、小さな赤ちゃんを見にやってくる。姪っ子の新米父は、仕事がかなりハードらしく土曜日も出勤というので、我が家から迎えのクルマを出すことになっていた。
 というわけで、OSのインストール作業は夜に持ち越し。

 Licの運転で最寄の駅まで向かう。駅前のロータリーはタクシーと一般車用の2つが設けられていて、駐車は禁止だが、停車はOKという仕組みになっている。そこで、Licとみこりんが駅構内まで2人を迎えにいってる間、私が運転席に移動し、停車を維持した。
 ケータイのメールのやりとりにより、ターゲットが今どこにいるのかはすべてまるっとお見通し状態なので、さほど時間もかかるまい。それにしても隣に停車している個人タクシー、いったい何をやってるのか。タクシーはこっち停めちゃいかんだろうに。というか、一般車用の場所にはお迎えの車が来てるのが大前提なので、こんな場所で客待ちしてても、ほぼ間違いなく客が来るとは思えない…。謎すぎる。

 ほどなくして、Lic達が戻ってきた。みこりんがまだ小さいので、5人乗っても、さほどぎゅうぎゅう詰め感はない。でもあと3年もしたら、5人乗るのはきついかも。
 運転はそのまま私が行うことになった。方向音痴な私がナビするよりも、地理に明るいLicがやった方が迷う率は少なかろうし。
 目指す姪っ子のいる家までの、大まかな道のりは把握してはいたものの、実際に地べたを走るとものの数分で、脳内の地図上に己の場所をプロットすることは不可能となり、Licの指示するまま、ハンドルを操る。

 橋を渡り、しばらく行くと、住宅地へと入っていった。電柱に貼ってある番地から、目的地が近いことが確認できる。しかし、迷路のように入り組んだ細い道に入ってしまうと、あとは野生のカンに頼る他なし。

 最初にその建物を発見したのは、義妹だった。さすがLicの妹である。ここに来るのは今回で2度目だというのに、恐るべき記憶力だ。
 到着。

 *

 姪っ子は、ちょうどミルクを飲み終え、背中をとんとんとされているところだった。赤ちゃんは、こうやってゲップさせておかないと、あとで吐いてしまうので、この作業は重要だった。しかし、空腹が満たされたおだやかな土曜日の午後、睡魔は猛烈な勢いで赤子を夢の世界へと連れ去ってしまい、結局、ゲップさせることはできず。
 こうなってはどうしようもないので、寝かせておくしかない。赤ちゃんが寝ている間は、母親もひとときの自由時間ができる。その間、元祖(がんそ)父、みこりん、私で、赤ちゃんを見守ることにする。Lic達は買い物に出かけていった。

 赤ちゃんはよく眠っていた。時折、「ふにゃー」と猫のような声を出したり、もぞっと動いたりはするものの、大きな変化はない。しかし…
 前触れもなく、口からけろーっとミルクが出てきた。あぁ、やっぱり。元祖(がんそ)父が動じることなくガーゼで口元をぬぐってやっている。みこりんはちょっと驚いたようだが、私が「みこりんもこんな感じだったのだよ」と言うと、「うーん」と困ったような表情になっていた。まぁ赤ちゃんだった頃の記憶はたぶんないので、無理もない。

 *

 夕方になっても、赤ちゃんは眠りつづけていた。みこりんが少々暇を持て余し気味。Lic達は夕食の支度中。

 そしてみんな揃っての夕食となったのだが…、みこりんの様子が明らかにおかしかった。どよーんとした表情で、なかなか箸に手をつけようとしない。そのうち、私の隣に潜り込んでくると、少しずつ刺身のツマを1本つまんでは、ちょびっと食べ、みたいな感じ。これはそうとうご機嫌斜めっぽい。赤ちゃんが眠ったままなので、つまらなかったんだろうか。とはいえ、こんな時は無理に問い詰めたりするのも逆効果なので、なりゆきにまかせるのが吉。時々、みこりんと無言の遊び(頭をすりすりとか)をやったりしてるうちに、だんだんとみこりんも刺身本体の方に手を出すようになってきた。
 まぁ一食分抜かしても、命にかかわるようなものでもないので、無理やりご飯を勧めることもあるまい。

 夕食後、ようやく赤ちゃんが目覚めたので、さっそくみこりんが抱かせてもらっていたのだが、赤ちゃんはかなりお腹をすかせているらしく、口をぱくぱくさせて“何か”を探していた。
 言うまでもなく赤ちゃんが探しているのは、お乳なので、「ほら、みこりん、ぱいあげんと」なんて言ってみる。すると、みこりんがかなり焦った口調で「みこりん、ぱいついてないよ〜」と困ってたのが、そこはかとなくおかし。で、Licにパスされたわけだが、それもまたちょっと無理があるような…。最終的には母の胸に抱かれ、赤ちゃんもほっと安心。

 *

 義父と、末の義妹は我が家に泊まっていくことになった。
 人見知りするにゃんちくんが、またしても「ふぅぅぅぅ」と毛を逆立てて警戒している。日頃、家族以外とはほとんど接する機会がないので、これもまた、仕方あるまい。

 *

 みんなが寝静まった夜、OSのインストール作業を続ける私。
 真夜中を過ぎた辺りで、アプリケーションソフトのインストール作業に移り、もっともファイル数の多い『FINAL FANTASY XI』にとりかかる。こいつはオンラインRPGなので、インストールディスクだけではなく、オンラインで供給される大量のアップデートファイルがあるので、やっかいだ。ネットワーク越しに膨大な量のファイルチェックがまずあって、整合性が確認されたのちに、ようやく必要なファイルのオンラインアップデートが始まる仕掛けのため、ひたすら待つしかない。
 進捗バーが、カタツムリの歩みのごとく、のったりのったりとすこーしずつ進んでゆく。

 たぶんこのへんで、ぐにゃっと視界がゆがみ、意識を失ったのだと思うのだが、よく覚えてはいない。気が付いたときには、義父が驚いた感じで背後に立っていたのだった。
 時計の針は、午前4時をちょっと回ったあたり。「いやー、これが終わるのを待ってたらいつのまにか寝ちゃってました」なんてことを言うと、義父は「無理せんようになー」と言って、座敷方面へと去っていったのであった。しかしまぁ、真夜中、リビングで横倒しに倒れ付している図というのは、状況を知らない人にしてみれば、かなり驚かせてしまう光景かもしれないなぁ…、と後になって思い至る。
 オンラインでのファイルチェックはようやく終盤へとさしかかったところだった。な、長すぎる。このまま朝を迎えるのもなんだかいやだったので、あとは無人運転のまま、寝た。さすがに朝までにはファイルチェックも終わっていることだろう(最新状態のファイル一式は、昨夜丸ごとコピーしたものがあり、すでに上書きしてあるため、オンラインアップデートそのものが始まることはないので、多少気は楽)。


2007.2.11(Sun)

ラブandベリー

 昨夜、みこりんの髪にドライヤーをかけているとき、みこりんが沈んだ表情で「どうして明日も赤ちゃん見に行くの?」と呟いたのが気に掛かっていた。その時にさりげなく探りを入れてみたところ、赤ちゃんに会うことは別にイヤではないのだが、会いに行くまでの道中が、だいたい片道クルマで40分くらいかかってしまうので、その間の暇を持て余すのがみこりん的には苦痛らしい。加えて、赤ちゃんが一日の大半を眠って過ごすというのも、かなり想定外だったのではないかと思われる。

 そういうこともあり、今日のお出かけ時には、私と一緒に家で留守番というオプションも用意していた。義父母と末の義妹が今日帰るため、駅までクルマで送るには、私が乗ってしまうと定員オーバーになるので、もともと私が一人で留守番の予定にはなっていたのだ。
 ただ、午前中は私が免許証の更新に行かねばならず、Lic達の出かける時刻までに私が戻ってこられなければ、みこりんは自動的に“お出かけコース”に入ってしまう。そうなってしまった場合のことも考慮して、みこりんが退屈しないように、駅構内のショッピングモールにある石屋さんに立ち寄ることも予定に組み込んであった。

 *

 昼、私が運転免許センターから戻ってきてみると、家の中は、ひっそりと静まりかえっていた。
 間に合わなかったようだ。みこりんは機嫌よく出かけていっただろうか。心配しつつも、ここからでは何も出来ないので、ひとり、にゃんちくんを膝に乗っけて暖をとりつつ、昨夜からのインストール作業を続行した。

 *

 夕方。私のPCはインストール前の機能をほぼ取り戻していた。インストールしたばかりのOSは、やはりさくさくと軽快な動きをみせる。『FINAL FANTASY XI』を実行させても、もはや深刻なエラーが発生することもなくなった。
 成功だ。

 私がひとり喜びをかみ締めているすぐそばで、にゃんちくんが、例のネズミのおもちゃにじゃれつき、どたばたかりかりかりと、こちらも遊びを満喫中。そして、日暮れ…。

 Licとみこりんが戻ってきた。みこりんは手に、DSと、何かのカードを握り締めていた。DS本体には、本来付属していない部品が装着されている。…も、もしかして、それ。
 私が指摘するよりも先に、みこりんが説明を始めてくれた。ふむ、今日のご機嫌はまぁまぁ、かな。

 予想通り、それは『ラブandベリー』だった。アーケードゲーム機用のカードをDSでも使えるように、専用のスキャナが付属しており、しかもカードを持ってない子でも遊べるように、あらかじめ10枚のカードが付いてくる。そのカードのうち3枚は、ユーザーが自由にデザイン可能なタイプなので、これだけでもそこそこの組み合わせはできるらしい。
 「おばあちゃんが買ってくれた」と、みこりんは言った。

 これまでみこりんはアーケードゲーム機の『ラブandベリー』を、一度もやったことはない。いかにもみこりんが好きそうなゲームなのに、何故?と思って一度その理由を聞いた時には、「外でやると、他の子に見られて恥ずかしいからやらない」という答えが返ってきた。でも、DS版が発売されたと知った時には、「これなら一人でできるからやってみたいなー」なんて言っていたみこりん。
 ついに、その願いは叶ったようだ。

 さっそくみこりんが実演してみてくれている。
 シーンに合わせて最適と思う衣装をカードで選択、そして音楽に合わせて適切なタイミングで画面をクリック。衣装の組み合わせで決まる点数と、音楽でプラスされる点数で、総合得点が決まるシステム。だが、その得点配分を見る限り、衣装の組み合わせで決まる点数の方が、圧倒的に重要らしい。
 つまり、それだけ豊富な組み合わせが可能なカードを持ってる子の方が、有利ということか。

 みこりんはユーザー定義可能なカードを使って、様々に衣装をデザインして対処しようと試みていたが、このゲームは連戦する場合に“一度使ったカードは使えない”という縛りがあるため、カード枚数が少ないとやはり限界がある。
 というわけで、明日、例の古書店に連れて行ってやる約束をしたのであった。


2007.2.12(Mon)

風邪…

 朝からなんだかみこりんの様子が変だった。妙に疲れた感じで、いつもの輝きが暗黒の繭で隠されてしまっているかのような雰囲気。
 気になったので、体温計にて体温を計測してみることに。

 予測式の検温には約20秒を要する。あっという間だ。ぴぴっと電子音が終了を告げたので、何度かな?と液晶画面を見てみれば…

 「な、なんじゃぁこりゃぁ!」

 38.6度、と体温計は言っている。改めてみこりんの額やら首のあたりに手を当ててみたのだが、んー…、たしかに熱はあるようだがそこまで酷くはなさそうな?
 体温計が誤計測したんだろうか。ためしに自分の体温を計ってみると、「37.6!」
 いやまぁたしかに首のリンパ節とか、喉が多少痛みはするけど、そこまで熱があるような気はしない。

 そこで予測ではなく、実測でみこりんの体温を計ってみることにする。
 みこりんが「予測と実測の違いは?」と聞くので、その仕組みなど説明しつつ、10分ほどじっと待ち。

 結果は、38度を超えるほどではなかったが、それに近い37度台であることが確認できた。んー、こいつはまずいな。さっそくLicに報告に行く。そのついでにLicの体温も計ってみた所、こちらも37度超え。いかーん。風邪が蔓延しとる。

 リビングに布団を敷き、Licとみこりんにはおとなしく寝ててもらうことに。
 みこりんは最初もぞもぞしていたが、ほどなく深い眠りに落ち、すぅすぅと寝息を立て始めた。
 もしかすると土曜日あたりからどこか不調だったのかもしれない…

 *

 朝食に、昨日の残りの親子丼を少し食べた以外は、ずっと食欲がなく、おやつすら食べなかったみこりんだが、夜になり、少しだけお腹がすいてきたらしい。
 何か食べたいものは?と言う問いかけに対して、みこりんはこう答えたのだった。

 「焼きそば、それも、おうちで作るんじゃなくて、売ってるのがいい」

 今のみこりんは、そいつが無性に食べたい気分らしい。
 さっそく近くのスーパーまで買いに行く。お惣菜コーナーは、だいぶ売り切れが出ていてちょっとだけ不安になったが、目指す“焼きそば”はちゃんと残っていた。1つ買い。
 Licの指令により、みこりんの好物である“ひじきの煮物”と“切干大根の煮物”のお惣菜もそれぞれ買い。
 明日の朝用にと、さらにみこりんが指定してきたのは、“メロンパン”か“蒸しパン”だったので、そいつもそれぞれ2種類ずつ買い。これだけあれば、どれかはみこりんの口に合うにちがいあるまい。とにかく病気の時は、食べたいというものを、ちょっとでも食べさせておいた方がいい。

 *

 真夜中、みこりんの体温は急激に上昇し、39度に近付きつつあった。こんな時に限って座薬が切れていたりするのは何かの呪いか、お約束か。
 Licが、行きつけの小児科に診察の予約を入れようと試みていたが、午前中は早くも一杯らしい。

 朝を待つしかない…


2007.2.13(Tue)

風邪に非ず

 朝、みこりんの体温は39度よりは下がっていたが、まだ38度以上あるので、とてもしんどそうだ。赤い顔で、目がとろんとしている。心配しつつも仕事に出かけた。

 午前中、病院にいるであろうLicに状況などケータイのメールで聞いてみると、すごい混み具合らしい。まだまだかかりそうとのこと。

 お昼をちょっと過ぎたあたりで、Licからメールが届く。そこには、“インフルエンザの疑いあり”と書かれてあった。

 さらに1時間ほど経った頃、Licから再度メールが。
 “インフルエンザB型、確定”
 ついにきたか。

 *

 仕事を終え、帰宅してみると、みこりんが少しだけ元気になっていた。座薬で熱が一時的に下がっているらしい。夕方にはまたしても39度を超えたりしてたようなので、まったく油断はできないが。
 そして更なる情報がもたらされる。なんと、学校が学年閉鎖になってしまったとのこと。3年生(2クラス)だけで、25人くらい欠席があり、校医の判断で今日は午後から授業中止、明日は朝から休みということのようだ。道理で朝、先生に欠席する旨電話した時に、なんだか切迫したような声のトーンだったわけだ。みこりんの属する1組では、18人も欠席があったらしい。しかしまぁ、狙い撃ちしたかのように集団で風邪もしくはインフルエンザとは。おそるべき感染力。

 みこりんは病院で3種類の飲み薬を処方されていた。1つは、タミフル。近い将来、これを巡って争いが起きねばよいが…。もう1つは、抗生剤。残りは喉用の薬。
 いずれも粉薬だったが、薬を前にしてみこりんの表情はちょっと暗い。どうやら、かなり飲みにくいやつがあるもよう。


2007.2.14(Wed)

飲めない薬

 みこりんの体温の推移をグラフ化した紙には、今日も39度を超える部分があり、まだまだ油断禁物。インフルエンザの高熱は2〜5日は続くらしいので、今週一杯は休養ということになるだろう。熱が下がっても、最低2日は休んでないといけないみたいだし。

 みこりんの顔の表面に、なにやら赤い発疹のようなものがぷつぷつと現れているのも気にかかる。ただの肌荒れと思えば、そう見えなくもないが…。
 今は少し熱もひいているらしく、みこりんもちょびっと元気がある。そんなみこりんとLicが、ちょろちょろと私に寄って来て、「はい」と手渡してくれたもの。
 …チョコ?たしかこれはLicとみこりんが、それぞれおやつ用にキープしてるやつ。大袋の中に、小袋に分けられて入ってる中の、1包み。

 あぁ、そうか、今日はあの日だったな。先週だったか、みこりんが「チョコの材料が賞味期限切れてなければ、かーさんと一緒に作ってあげる」みたいなことを言ってたのを思い出す。私的には、そのさらに前にみこりんが言った「チョコって絶対あげないといかんの?」という問いかけの方が気になっていたのだが。その時には「あげたくない人にまで、無理にあげることはないのだよ」と答えたものの、もしかすると学校で“義理チョコ”関連の話題が出ているのかもしれない。

 ところで、みこりん用に処方されている3種類の粉薬の中に、1つだけ、どうしても飲めないやつがあるようだ。薬の説明書によれば、それは抗生剤なので、飲んだ方がいいのだが…。
 粉とはいっても、口中で容易に溶けず、固い粒々の感触が残ってしまうのが、みこりん的には気持ち悪いらしい。ならばゼリーに混ぜたり、ヨーグルトで包んだり、ジュースで飲んでみては?と、いろいろ飲みやすそうな案を出してみたのだが、“この薬は気持ち悪い”モードに入ってしまっているみこりんは頑なに拒否。今夜のところはそれでも薬の3分の2は頑張って飲んでくれたので、それ以上は無理強いせずにおく。

 私がみこりんくらいな頃、やはりどうしても飲めない薬があって、何時間もその薬と対峙したことを思い出す。
 たしか初めての錠剤だったと思うのだが、米粒よりちょっと大きいくらいの今ではどうということのないサイズの錠剤に、子供の頃の私は水と一緒にどうしても飲み下すことができずにいた。何度試しても、水だけが喉を通り、錠剤だけはしっかり舌の上に残ってしまうので、徐々に錠剤のコーティングが溶けてしまい、この世のものとは思えない苦味に苦悶したものだ。
 結局、こなごなに噛み砕いて飲み下したと記憶しているが、あまりの苦さにしばらく気持ち悪いのが治らなかったような……。そんな昔話をみこりんに語って聞かせたりもし。

 犬に錠剤等の薬を飲ませる時には、パンのような食べ物に包んでしまえば、あっというまに食べてくれるので楽だったが、人間の場合は“そこにあの薬が入ってる”と思うだけで、もう感覚的にダメになってしまうこともあり、なかなか難しい問題だ。
 でも近頃ではゼリータイプのオブラートも開発されているようなので、明日、買ってきて試してみようと思う。


2007.2.15(Thr)

液体オブラート

 みこりんが熱を出してからは、ずっと3人一緒にリビングに敷いた一枚の布団で眠っている。これが、みこりんが病気になった時の基本形なのだが、さすがに布団1枚で3人納まるのはきつくなってきているため、私は下半身のみ布団の隙間に差込み、残りは座布団を使うことで対処している。座布団とはいっても、PC使用時に愛用している低反発素材の品なので、寝心地はさほど悪くはない。ただ…、掛け布団からはみ出してるので、明け方ちょっと寒いのが難点といえば難点かもしれない。

 朝、私が目覚めてみると、みこりんもしゅぱっと起動し、「おはよう」と言った。体温を計ってみると、ほぼ平熱。だいぶ治ってきたようだ。でも昨日まで39度台の熱が出ていたので、今日も学校はお休み。

 *

 夜、ドラッグストアにて液体オブラートを買った。12回分用のイチゴ味と、6回分のチョコ味の2種類があったので、ちょっとだけ迷った末に、たしか薬の残りがそんなにないはずだからと、小さい方のチョコ味を選んだ。

 帰宅後、さっそくLicが試してみている。
 小さいガラスの器にちゅるるる〜と出てきたのは、まさに“飲むゼリー”そっくりなやつ。もうちょっとぷるんぷるんしたのを想像していたのだが、果たしてこれで粉薬を包むことは可能なのだろうか。
 説明書によれば、混ぜるのではなく、包み込むようにと書いてあるので、Licが慎重にスプーンでゼリーを寄せて包もうとしいていたが、あまりの難しさに結局、微妙にゼリーと粉薬とが混ざったような状態のものを、スプーンにて「あーん」と食べさせてみることになった。
 うまくいくだろうか。

 みこりんは、ごくっとゼリーごと飲み込み、「どう?」と聞く我々に対して、「これなら飲める」と答えたのだった。
 粉薬の量がけっこうあり、何回かに分けてゼリーを使ったためか、意外にゼリーの消費量が多く、これなら余裕をみて12回分の方にしても問題なかったかもと思う。みこりんも「イチゴ味は好き」と言ってるので、次回は大きい方を試してみよう。

 ちなみに、学校は今日から3年生の授業が再開されたわけだが、欠席者がまだ多かったようで、今日の昼からと、明日丸ごと一日、再度、学年閉鎖となったらしい。
 みこりんの授業の遅れをちょっと心配していただけに、これはこれでかなり助かったかも。


2007.2.16(Fri)

マスクの効用

 体力の落ちているみこりんに他の病気を移さないように、今週は仕事中もずっとマスクを着用して、自己防衛を続けた。私の仕事場は、100人以上の人間が入っている大部屋なので、あちらこちらで咳込む音が届いてくる。そして大抵の場合、頻繁に咳をしているヤツに限ってマスクをしていない。そんなのに風邪を移されてはたまったものではないので、この冬はずっとマスクして過ごそうかと思っているところだ。
 近頃は(使い捨て)マスクの形状や性能も昔とは桁違いのようで、常用していてもさほど息苦しさを覚えることもなく、かえって適度に湿度が保たれて心地良いくらいである。これは意外な発見だった。このまま花粉の季節もマスク着用で通せば、かなり効果ありそうな予感。


2007.2.17(Sat)

新しいカーテン

 注文していたカーテンが届いたと連絡があったので、取りに行って来た。リビング用のカーテンである。レースのカーテンと合わせて、都合4枚分の布は、なにやらずしりと重い。
 Licとみこりんは、エレクトーン発表会のリハーサルに出かけていて、まだ戻ってきてはいなかったため、カーテンはとりあえず置いておくことにした。この手の作業はLicが好きそうな気がしたので、楽しみを奪ってはなんだし、と思ったからなのだが…

 やがて帰宅したLicとみこりん。
 みこりんが目敏く新しい物体を見つけて、「何これ!?」とわくわくしている。Licは「付けてくれてないー」と、やや不服そう。うーん、失敗失敗。
 その視線が突き刺さるので、早々に交換作業を開始した。

 脚立を立てて、カーテンをフックから外してゆく。みこりんが赤ちゃんだった頃に飼っていたハムスターに齧られて出来た穴も、今日で見納めである。同様にレースのカーテンも外し。
 そして新しいレースのカーテンを、フックにさくさくと取り付けていると、みこりんが「やってみたいー」と言いはじめたのだが、脚立上での作業となるため、ちょっと危ない。「もうちょっと大きくなってからね。」となだめ、続いて新しいカーテンの取り付け。

 新旧どちらのカーテンも、色彩は緑系という共通点はあったが、新しいカーテンの方がより明るい感じで、なんとなく5月の新緑を彷彿とさせる。しかし一番大きく雰囲気が違って見えるのは、レースのカーテンの方だった。
 レースのカーテンにありがちな模様は入っていないのだが、その代わりに明るい緑色の毛糸状の糸が数十cm間隔で縦に織り込まれており、しかもそれは点線を描いている。この色合いが、カーテン本体の緑といい具合にマッチしており、自然な緑の蔓がそこにあるかのような印象を受ける。白い生地そのものも新品ゆえ、あますところなく太陽光を反射し、とても眩しい。

 季節は冬だというのに、妙に爽やかな空間…

 これは…、夏にはもっと似合うかもしれない。


2007.2.18(Sun)

“骨格標本”

 インフルエンザは完治したっぽいみこりんだが、今度は咳が止まらない。昨日の診察では“気管支炎”ということのようで、新しい薬が処方されていた。みこりんは保育園な頃から、この“気管支炎”にはわりとよく罹っていて、その原因は何かのアレルギーと推測されているのだが、具体的にそれが何なのかはわかっていない。しかし、風邪などで体力が落ちている場合に、なりやすい傾向はある。
 というわけで、今日はどこにも出かけず家で過ごした。

 午後、みこりんは図鑑の付録としてずっと以前から持っていた“ヒトの骨格標本”のペーパークラフトを、こつこつと作り始めた。
 時々、台紙からの切り離しに失敗して、パーツが破れてしまうハプニングがあり、その度にみこりんはむすっとした表情になり、布団に突っ伏してしばし作業を中断。みこりんは、思ったように物事がきっちり進まないと、不機嫌になることが多い。今回も、途中で投げ出すのではないかと内心どきどきしながら見守っていたのだが、数分後にはなんとか立ち直り、セロハンテープでの補強を施し、その接着強度を補完するため洗濯バサミを使うなどの工夫もみせてくれた。
 そして、数回、難しい接合箇所等で私に手助けを求めてきたものの、基本的に自力で完成させるに至ったのである。なかなか忍耐強くなったような感じ。

 完成した“骨格標本”を、さっそく立たせてみているみこりん。足から作り始めて、途中の骨盤まで完成した段階では、きっちり自立していたので、みこりんも期待を込めた瞳をしていた。
 そっと“骨格標本”から手を離す…。

 仁王立ちする“骨格標本”。おぉ、立った!“骨格標本”が立った!
 だがしかし、その直後、すっと重力に引かれて“骨格標本”は、左後方へと倒れていってしまった。

 残念そうなみこりん。じっと倒れ伏した“骨格標本”を見つめている。
 そこで私は、みこりんに向かって“骨格標本”が倒れた様子を、自らの肉体をもって再現してみせてやったのである。

 そんな私を見て、みこりんはようやく「くすっ」と笑ってくれた。

 *

 夜、みこりんは1週間ぶりに自室のベッドで眠りについた。
 布団を撤去したリビングは、妙に広々と感じた。


2007.2.19(Mon)

鶴と亀

 ジャガイモが大好きなみこりんのためにと、規定量の倍くらいジャガイモを投入して私が昨夜作ったカレーは、一晩おいて、ありえないほどの粘性を有していた。砕けてとろけたジャガイモが、ねっとりとペースト状になってしまっていて、何か別の料理のような具合だが…、みこりん的にはOKらしいので問題なし。

 家族そろってジャガイモ味のカレーを食していると、みこりんがふとこんな問題を口にした。

“ツルとカメの足の数は、合わせて58。ツルとカメの頭の数は、合わせて20。さて、ツルとカメの数はそれぞれいくらでしょう?”

 どうやら今日、学校で先生が余談として語ってくれた問題を、みこりんはずっと覚えていたらしい。こういう数字のからんだ問題に、並々ならぬ関心を幼少の頃より抱いていたみこりんにとって、これはかなり好奇心を刺激されたもよう。
 いわゆる、ツルカメ算だが、小学校3年生レベルの算数で、連立方程式を持ち出してくるとは考えにくい…。でも、これを自力で解いたらけっこうすごいかもしれない。みこりんにはノーヒントで考えてもらうことにする。

 みこりんは、まずツルとカメの足の数に着目していた。
 ツルは2本。カメは4本。足すと6本。
 そして、頭の数が20ということから、それぞれツルとカメが10羽と10匹と想定した。
 で、足の総数58を、6で割ると…。9余り4。割り切れない。つまり、想定した数ではないということがわかる。

 ツルカメ算と聞いて、私がすぐに思い浮かべたのは連立方程式だったが、Licは違う方法を思い出したようだ。その方法とは、表にツルとカメの数を変えながら足の総数を書いてゆくというもの。
 なるほど、Licの方法ならばみこりんでも解けるかもしれない。

 10ずつではないことがわかったところで煮詰まっているみこりんに、Licが1つヒントを与えた。「では、ツルとカメの数を変えてみたらどう?」
 というわけで、ツルを11羽、カメを9匹と仮定し、再度足の数を計算してみると…。

 みこりんが、にやりと笑った。いきなり正解に辿り着いてしまったのだ。もう2〜3回、試行錯誤があった方が面白かったかもしれないが、まぁ小学3年生に出す問題なので、このくらいが妥当なのかも。
 それにしても恐るべきはツルカメ算。きっとみこりんがオトナになった頃にも、語り継がれていくのだろうなぁ。


2007.2.20(Tue)

もこもことヒーターの関係

 にゃんちくんに新しい猫ソファを買ってきたのが、昨年末の12月4日のこと。その時に一緒に買ってきたペットヒーターが、大きすぎてソファ内部に納まりきらず、結局、ソファの下側に敷くことになったわけだが…

 先月あたりから、時々、猫ソファが落下しているという現象に遭遇するようになった。朝起きてみたら、猫ソファが斜め下の猫トイレにまっ逆さま。慌しい朝ではあったが、猫トイレがソファで塞がっていては不便だろうと、元に戻し。で、夜、またしても猫ソファは猫トイレの中に。
 にゃんちくんの動きが激しいので落ちるのだろうか。それにしては、なんだか奇妙な落ち方のような気も…。普通に横にずれたなら、上下がひっくり返るのではなく、そのままぽすっと上下を保ったまま落ちるんじゃないのか。
 そんな疑問が頭をぐるぐる回り始めた頃、Licが素晴らしい防止策を考えてくれた。みこりんのベッドにベッドガードを取り付けるまで、布団落下防止に尽力してくれた安全ピンの登場である。

 安全ピンを猫ソファに固定し、そこに紐を通してケージに固定する。この方法ならば、にゃんちくんがどんなに激しく動いても、猫ソファは微動だにすることなくその場を動かないであろう。
 ところが、しばらく経って私が見た光景は…。猫ソファと、下に敷いたペットヒーターの間に潜り込み、暖をとっているにゃんちくんの姿であった。まさに、頭かくして尻隠さず状態なにゃんちくんに、「にゃんちくん、そこはあったかいかぃ?」と聞いてみたところ、「にゅーーーー」と困ったような声で応えてくれたのが、そこはかとなく愛らしくもあり。

 謎はすべて解けた。
 どうして猫ソファが逆さまに落ちていたのか。なぜ、頻繁に落下していたのか。
 すべては、にゃんちくんがペットヒーターと直接触れ合おうとしたために起きたのだ。

 やはり、ペットヒーターは猫ソファの内部に設置しないと、さほど暖かくはならないようだ。というか、何かの拍子に、にゃんちくんがペットヒーターの真の力に触れてしまったのがそもそもの原因かもしれない。最初、にゃんちくんは猫ソファだけで満足していたはずなのだから。
 一度ペットヒーターによる直接のぬくもりを知ってしまった猫は、元のようには戻れない…

 どうしたものか。
 しかし、私が悩んでいる間に、にゃんちくんはよりより方法を自ら考え付いていた(たまたまかもしれないけど)。
 猫ソファの中に敷いてある“もこもこ”を、ずばっと取り払い、薄皮一枚の状態にして、ほぼペットヒーター直接のぬくもりを得ることに成功していたのである。ぬぉぉ、侮りがたし、野性の本能。

 もともと毛皮で覆われたにゃんちくんにとって、“もこもこ”は、いわば不要な物体だったのだ。目から鱗であった。


2007.2.21(Wed)

うまい棒

 みこりんは平日、学校がある時には夕方まで学童保育で過ごすため、家でおやつを食べる機会はない。つまり、学童保育に行ってない子に比べると、自前のおやつを消費するチャンスはそれだけ少ないということになる。
 にもかかわらず、秋から冬にかけて、みこりんがおやつをゲットしてくるイベントは多かった。私とLicそれぞれの会社主催による秋のハイキング、そして子供会主催の各種行事など。その結果、みこりんのおやつ入れ用の箱は、常にぱんぱんな状態になっていた。特に今期は質より量みたいな方針展開もあり、やたらと量が多かったのも影響しているかもしれない。

 その状況にふと不安を抱いたらしいみこりんが、先日の日曜日、箱の中身をすべてテーブルの上に並べ、1つ1つ賞味期限をチェックしてみたところ…。みこりんがもっとも好きなお菓子の1つである、“うまい棒”が、軒並み期限切れであることが発覚。その他にも期限を過ぎたものがちらほらと見つかった。ショックを隠しきれないみこりん。
 “賞味期限”なので、さほど神経質になる必要はないのだけれど、食べ物についてはかなり繊細なところのあるみこりんは、それらをすべて私に託したのであった。

 安心したまえ、みこりん。この“うまい棒”は、すべて会社に持っていって午後のティタイムにとーさんが食べてあげるから。
 そう言う私の言葉に、みこりんは少しほっとしたような表情を見せたのだった。

 *

 そして今夜、お風呂上りのみこりんの髪をバスタオルでがしがし拭いてやっていると、突然「おとーさん、ちゃんと“うまい棒”食べてくれてる?」と、みこりんが少し心配そうな声で聞いてきた。
 みこりんは、私がそれほど“うまい棒”を好きではないということを知っている。だから、ちょっと確かめてみたくなったのだろう。

 “うまい棒”は、たしかに今の私には、それほど“うまい”とは思えない味付けのものが多い。けれども、私はみこりんとの約束どおり、午後のティタイムには、カフェオレと共に“うまい棒”を1本ずつ食べてきた。“賞味期限”切れということもあり、ちょっとしけってたりもしたが、たいした問題ではない。おそらく今週中には、すべて食べきってしまうことであろう。

 「ちゃんと食べてるよ」と答える私に、みこりんは安心したように「よかった」と言った。
 みこりんにとって“うまい棒”とは、よほど特別なお菓子なのだなと再認識させられた出来事であった。


2007.2.22(Thr)

2月22日は竹島の日

本日、二月二十二日は竹島の日。我々日本人は竹島が日本固有の領土であることを本日改めて宣言し、他民族による占拠、領有権主張に対し講義する。我々は国際裁判による紛争解決を厭わない。我々は不当占拠者に対し即時退去を求める。

本日、二月二十二日は竹島の日。

 我々日本人は竹島が日本固有の領土であることを本日改めて宣言し、他民族による占拠、領有権主張に対し講義する。

 我々は国際裁判による紛争解決を厭わない。

 我々は不当占拠者に対し即時退去を求める。

 *

 己に大義ありと言うならば、韓国人は、なぜ裁判に出てこないのか。話し合いでケリをつけようと日本は言っているのに、なぜ応じないのか。

 応じるだけの大義も度胸もなしか。韓国人よ。哀れなり。


2007.2.23(Fri)

春のきざし

 19:30...
 ケータイがメールの着信を告げたので、ぱかっと開いて内容を確認する。
 Licからだった。曰く“至急帰宅せよ”、どうやらLicの手には負えない大変なことが起きたようだ。その“大変なこと”も、メールには書かれていたのだが、やはり自分の目で確かめてみる必要があった。
 きりのいいところで仕事を切り上げ、駐車場に急ぐ。風邪の防御用に常時つけているマスクが、いまは花粉対策として手放せない装備となった。2月も終わろうかというのに、妙に生ぬるい夜だった。

 *

 家に帰り着き、玄関ドアを開ける。鍵はかかっていなかった。一瞬、怖い想像が頭をよぎったが、みこりんの笑顔を思い出して、脳内をリフレッシュ。
 リビング方面から、Licとみこりんの談笑する情景が届いてくる。廊下にいた、にゃんちくんが、「おかえりにゃー」と尻尾を立ててくれた。私はメール内容を確認すべく、視線をにゃんちくんから30cmほど右下の廊下の上を凝視する。
 …、あった。あぁ、やってくれたか、にゃんちくん。

 花粉をリビングに持ち込まないように、まず着替え。そして準備を整えるため、リビングのドアを開けると、Licが驚いたような表情でそこにいた。どうやら私が戻ってきていたことに気づいてなかったもよう。
 Licが廊下のソレを指差して示してくれている。ん、了解した。さっそく撤去にかかるとしよう。

 廊下に落ちていたのは、うん○だった。といっても乾燥してかりかりになった感じのやつなので、被害はさほど出てはいない。私はティッシュでそっとそいつをつまむと、ビニール袋に入れ、厳重に口を縛って外のゴミバケツにぽい。
 あとは、例のお掃除シートの出番である。6枚くらい使って、転々と転がったであろう場所を拭き拭き。にゃんちくんは、そのシートの動きが気になるのか、じっと目で追っていた。

 以上、撤去完了。
 近頃は、うん○が外に転がり出るような激しい動きは滅多になかったのだが、もしかするとにゃんちくんも春が近いことを鋭敏な感覚で察知しているのかもしれない。血沸き肉踊る、春の到来。長かった冬の終わりだ。


2007.2.24(Sat)

季節はずれのクリスマスツリー

 昨年末に届いていた『3年の科学 12月号』の付録を、みこりんはずっと大事にとってあった。その付録で実験をするにあたり、“中性洗剤”で部品を洗う必要があったのだが、残念ながら我が家で使ってる洗剤は、いずれも“中性”ではなかったからだ。
 みこりんに「“ちゅうせいせんざい”買って来てね」と、お願いされていたのに、買い物に行く度、そのことをうっかり忘れ、今日まできてしまっていた。
 土曜日、つかの間の休日。みこりんはとてもとてもこの付録をやりたがっている。というわけで、さくっと近所のスーパーまで買いに行くことにした。Licからは、ついでに今夜の食材もリクエストされていたので、そちらも忘れないように。みこりんには、私のPCでDVカメラから録画中の画面に、ブロックノイズが出たかどうかを観察するという役目を与え(どうもヘッドの調子が悪いようなので、ノイズが出たら再録画が必要なため)、私は一人、家を出た。

 スーパーにて、まず今夜の食材を物色する。Licに「このスーパーには置いてないかもしれない」と言われていた“ポトフの素”を早々に発見できたことで、私はすっかりミッションコンプリートな気分になってしまい、あやうくみこりん用の“中性洗剤”を買うのを忘れてレジに並んでしまうところだった。寸前で主目的を思い出し、洗剤コーナーで“中性”の文字を探す。
 幸いなことに、“今日のお買い得品”の棚にずらっと並んでいた格安の台所用洗剤が“中性”だったので、それを買い。

 帰宅すると、みこりんはブロックノイズを観察するという作業に途中で飽きたらしく、DVカメラは孤独に回りつづけていた。あとで映像をざくっと検査しておかねば、と思いつつ、みこりんに中性洗剤を渡す。
 そこから先の展開は早かった。みこりんは付録に関する説明を何度も暗記するほど読んでいたようで、てきぱきと部品を中性洗剤で洗い、布巾で拭いて乾燥させ、部品の組み立てに入っていった。

 12月号の付録ということもあり、みこりんが組み立てているのはクリスマスツリーだった。しかし、そこは『3年の科学』の付録ゆえ、ただのクリスマスツリーではない。ツリーの枝に相当する部分は、液体を注げるように、直径3ミリ〜8ミリくらいの大中小3種類の皿のような形状をしたパーツがくっつくように出来ていた。
 そこに注ぐ液体は、尿素の水溶液である。

 お風呂よりもちょっと熱めの湯25ミリリットルに、添付の尿素(顆粒状)をどばどばっと入れ、棒でかき混ぜる。湯の量に対して尿素が思いのほか多かったので、みこりんは最初、全部溶けきるのか不安だったらしい。でも、説明書の通りにやれば全部溶けきるはずなので、念入りにかき混ぜるように助言する。しばらくたって、みこりんが「どう?」と見せてくれた紙コップの中は、きれいに溶けきった尿素の水溶液があった。
 時間にして5分くらいのことだったが、みこりんは紙コップを通して手に伝わってくる変化を、敏感に感じ取っていた。「冷たくなってるよ」と、みこりんは言った。触れてみると、たしかについさっきまでお風呂よりもちょっと熱いくらいの温度のお湯が入っていたとは思えないほど、ひんやりとした感じになっている。私も尿素の水溶液を作ったのは今日がはじめてなので、これほど冷えるとはちょっと意外だった。
 この水溶液に、さらに謎の液体(ガムや接着剤などに使われる物質、と説明されていた)を加え、実験用の水溶液は完成だ。

 この水溶液を、先ほど組立てたクリスマスツリーの枝部分に取り付けた、たくさんの小さい皿の中に、スポイトで1つ1つ注入してゆく。あらかじめ皿の内側に水性ペンで色をつけておくと、面白い事になるとかで、みこりはほぼすべての皿に、水色や黄色といった、みこりんの好きな彩色を施していた。

 さて、このクリスマスツリー、今はとても殺風景なものだが、2〜3日で、皿の中の尿素水溶液から結晶が伸び始め、ホンモノの樹の葉みたいに結晶がこんもりと茂る…、らしい。みこりんはこの夜、何度も何度もクリスマスツリーを覗き込んでは、結晶が伸びてこないか観察していたが、今のところ目立った動きはない。果たして明日、どんな姿になっているのか、私もちょっと興味がある。ちなみにツリー本体は蓄光材で出来ているため、部屋の明かりを落とすと、ぼぅっと黄緑色に光ったりする。じつにあやしげでよい。


2007.2.25(Sun)

クリスマスツリーの結晶

 一夜明け、みこりんの作ったクリスマスツリーに、はやくも変化が!
 小皿の縁にそって、磁石に砂鉄がくっつくような感じに、びっしりと結晶が伸び始めていたのだ。水性ペンで着色したところは、その色素を吸ってクリアブルーやクリアイエローの結晶になっている。窓辺に置いてあるので、きらきらと太陽光を反射して、幻想的に美しい。

 みこりんも、この結果にかなり興味を惹かれたようで、結晶が成長するにつれて減っていく皿の中の溶液を、1つ1つ念入りにスポイトで追加していく作業を、ほぼ1時間おきくらいに繰り返したのだった。

 その甲斐あって…

尿素の結晶が成長しているクリスマスツリー 夜になる頃には、結晶は、こんなことになっていたのであった。

 朝の状態に比べると、4〜5倍はでっかくなってる感じ。さすがにみこりんも、ちょっと怖くなってきたようで、もう水溶液を足すのはやめたみたいだが、果たして結晶が成長しきると、どれくらいの大きさになるのか、とても興味深い。

『ル・パピヨン』

 『FINAL FANTASY XI』では来月のバージョンアップで、以前からアナウンスはされていた各自が育成したチョコボによるレースが、ついに実装されるらしい。そんなこともあり、日々チョコボ屋の前で餌などをバザーしている私の売り娘の収益は、チョコボ育成実装直後ほどの驚異的な伸びはないものの、地味に着実に増えつづけている。まさに塵も積もればなんとやら、である。

 この売り娘の稼ぎを使い、合成素材をちょびちょびと買い集め、週末、一気に合成して錬金術のスキルを上げる、というのが私の最近のヴァナ・ディールにおけるライフスタイルだ。そして現在、錬金術の合成スキルは97を少し超えたあたりに到達。100が現在の上限なので、もう少しで手が届きそう。
 錬金術の合成品は、比較的赤字になるものが少ない。とはいうものの、効率などを考えると赤字も覚悟の合成一気上げというスキル帯もあり、私の場合、それはスキル95〜97の過程で作った花火、ということになる。

花火『ル・パピヨン』

 『ル・パピヨン』と呼ばれるこの花火は、数年前、何かのイベントにあわせて実装されたものだ(景品として登場した)。その名の通り、使用すると、使用した本人の背にぼぅっと燐光を放つ蝶の羽が出現する。男キャラには激しく似合わないが、女キャラが使うと、なにやら妖しげでよい(と個人的に思っている)。ただし、効果時間は2秒ほどと短く、儚い。

 これを合成するために必要な資金は、99個あたりで約4万ギルかかる(1回の合成で通常33個作れて、99個スタック可能)。だいたいその値段で売れれば収支はトントンだが、競売の履歴は閑古鳥が鳴いている。そして私はこの花火をおよそ2400個ほど作った。
 売れない品は、すなわち、不良在庫である。競売に出しても、手数料がかさむばかりで売れる見通しはまったく立たないため、チョコボ屋前の売り娘に少しばかりバザーさせてみている。まぁ使ってみてくれたら幸いな感じの、1個150ギルという値段設定だ。競売と違って、バザーなら1個単位で自由に買えるし(競売では99個スタック可能品を、1個単位で出すことはモノにもよるが滅多にない)。
 ちなみにこの花火は店売りはないため、競売で買うか、友人に作ってもらうしか入手方法はない。しかし競売では売り買いの履歴はほとんどなし。ということはつまり、この花火が実装されたあとにヴァナ・ディールに降り立った人たちは、こいつの効果がどんなものか知らない可能性が高い。効果のわからない花火(嗜好品)に、競売平均価格99個で2万〜3万ギルというのは、なかなか買い辛いと、私も思う。

 そして今夜もチョコボ屋の前で売り娘はバザーを続けていたのだが、リアル世界で私が風呂から上がってみると、その売り娘の前で、互いに激しく見詰め合う男と女の姿を見かけたのだった。
 少し興味を引かれた私が、モニタ画面を通して彼と彼女を観察していると、彼女の方が、ふとバザーを見始めた。何か買ってくれるのかな?と思っていると、『ル・パピヨン』が1個売れた。おぉぉ、毎度あり。
 彼女はその場で、即、『ル・パピヨン』を使用した。背中に生える1対の蝶の羽。うん、似合ってる似合ってる。彼氏の方もそう思ったのか、感情表現コマンドで、いろいろと熱いメッセージを彼女に送っている(英語だ)。しかし、『ル・パピヨン』の効果時間は短く儚い。んー、もうちょい効果時間が長ければなぁ、なんて思っていると、彼女が再びバザーを見始め、そして、『ル・パピヨン』を10個まとめて買ってくれたのだった。

 なんというか、ちょっとほのぼのした瞬間だった。


2007.2.26(Mon)

赤いブレーキランプ

 少々寝過ごしたため、みこりんを学校までクルマで送っていく途中のこと。前を走る一風変わった青い車に、みこりんは興味を持ったらしい。
 形状はトラックのようだが、荷台が密閉式の逆台形(上辺が長く、底辺が短い)をしている。たしかにあまり見かけないタイプ。でも、荷台の上に装着されている掃除機のホース状なものを見ると、だいたい何を積んでいるのか想像することはできた。

 「とーさん、あれって何を運んでるのかな?」と、みこりんが問うので、私は自分の予想を言ってみた。「たぶん、…牛の餌じゃないかな」
 みこりんは牛の餌が何だったのかとっさに思い出せなかったようで、「ふぅん」と言ったきり、その話題は終わった。

 ゆるいコーナーが続くちょいとした山間の道なので、前を行く青いトラックがコーナーの入り口に差し掛かるたびに、ブレーキランプが赤く点灯する。大きめの四角いブレーキランプは、かなり目立つ。みこりんは、その赤いランプに今度は興味を持ったらしい。
 「ねぇ、あの赤いのは、どうして光るの?」
 一瞬、みこりんが何を疑問に思ったのかわからなかったのだが、あの赤いランプがブレーキと連動していることをみこりんは知らないのだと気付き、なんだか新鮮な驚きを覚える。そうか、みこりんにはまだ教えてなかったんだな、と。
 ブレーキを踏むと赤く光るという事を教えてやると、みこりんは私の足元に注目している。そう、このクルマも今、まさにブレーキ操作をしているところだった。みこりんは言った。「このクルマも、あんな感じに赤く光ってるの?」
 うなずく私に、みこりんはすごい事を知ったという表情をした。

 みこりんには、まだまだ未知のことが残っている。いや、残っているというより、日々増えているのだということに、改めて思い知らされた朝のひと時であった。


2007.2.27(Tue)

新しいサーバマシン

 職場に新しいPCが届いたのが、先月のこと。19インチラックに格納するタイプの、業務用サーバタイプだ。用途はファイルサーバ。そのための設定を頼まれていたので、朝から起動させてみているのだが…

 たしかこいつはOSがプリインストールされてるやつ、のはずだったが、なぜかOSが起動しない。ブートシーケンスの途中で表示されているメッセージによると、起動すべきシステムが見つからない、らしい。んー、もしかしてハードディスクまっさら、とか?
 そんな馬鹿な、と思いつつも、付属品としてくっついてきていた各種インストール用ディスクを開封し、確認のためいろいろといじってみることにした。

 これにはハードディスクが300GBほどついてると聞いていたので、ファイルサーバにするくらいだから、きっとRAIDにくっついているんだろうと思っていた。機種の選定は別の人がやったので詳細は分からないが、たしかにRAIDシステムは生きているようだ。でも、そこから先に何もくっついてないような感じがする。
 ほとんど正体の分からないマシンなので、こういう場合は起動途中で設定画面を何種類か呼び出し、逐一点検確認していくしかあるまい。

 そんなこんなで、いつのまにやら、もう夕方になってしまっていた。
 いまだマシンは起動せず。ところで先ほどからちょっと気になっているのが、SATAインタフェースに2つほどデバイスが認識されているのだが、その数値にゼロが多い、ということだった。……もしかすると、私はすごい勘違いをしていたのかもしれない。こいつはRAIDにハードディスクがついてるんじゃなくて、SATAオンリーで動くマシンだったりは…。システムにRAIDインタフェースが付いてるのは確かなのだが、そっちは使われてない、のかも…。ファイルサーバ用なのに?うーん…

 改めてマシンの表面パネルをじぃっと観察してみる。ハードディス用のスロットが2つ前面パネルに付いていて、1つはすでにハードディスクが納まっており、1つは空だった。サーバマシンらしく、ハードディスクの交換が容易なように、つまみを捻るとガコンと取り出せるようになっている……。
 ここで私は、なにやらハードディスクが入ってる方のスロットが、ちょっと変な感じなのに気が付いた。どこが変かはっきりとはわからないのだが、なんとなくおかしい。勘というか、…ゴーストがそう囁くのだ。

 思い切ってハードディスクユニットに手をかけ、「ふんっ」と引っ張ってみた。

 がぽ。
 「あ…、とれた」

 2秒ほど、目が点になっていたと思われる。
 ふっと意識を取り戻すと、私は取り出したスロットの奥を覗き込んだ。やはりこのまま差し込むと、コネクタが噛み合うタイプのようだ。というわけで、改めてハードディスクユニットを渾身の力で押し込んでみる。「とりゃぁ」
 かちっとも、なんとも音がしないのがとても不安。ためしにもう一度手をかけ、引っ張ってみると、するっと抜けるし……。これ、ほんとうにこんなんでいいのだろうか。サーバなんだから、もうちょっとガチっと固定するとか、そういう機構はついてないんだろうか。こんな状態じゃ、ちょっと揺れただけでハードディスク外れそうな…。まぁ200kg以上ある19インチラックなので、そうそう揺れることはないのだけれど。ハードディスクをもう一度ぎゅぅっと押し込み。

 再度、起動。
 これまでのことが幻であったかのように、OSが起動した。やはりSATAにハードディスク1つで動くマシンのようだ。

 ……脱力 orz...

 こいつの設置をやった業者、ここで起動確認もしてなかったのか。っていうか、このハードディスク、本当に大丈夫なんだろうか。願わくば、途中で抜けたりしませんように…。ものすごく、不安。


2007.2.28(Wed)

お雛様

 みこりんも寝静まった夜、なにやらカタコトという音が、座敷方面から聞こえてくる。…、いったい何が?足音を忍ばせて、そぉっと覗きに行ってみる。

 半分ほど開いた襖から漏れてくる明かり。それを暗い廊下から、じっと見つめているにゃんちくんの大きな瞳。その視線を遮るように、私は頭を割り込ませて、中を見た。

 Licがいた。こちらに背中を向けているので、最初、何をしているのかわからなかったが、そろりと座敷に入ってみて音の正体が判明する。
 Licが雛人形をセッティングしていたのだ。
 我が家の雛人形は、お内裏様とお雛様の二人きり。その分、1体の人形がかなり大きいので、それだけでも床の間は神棚と併せて一杯になる。いまのところみこりんが三人官女や五人囃子がいないことを特に気にしている様子もないので、たぶんこれはこのままの構成でいくことになりそうな感じ。
 それにしても…、なんとおだやかな表情をした人形だろうか。生命体ではないというのに、なんだかほんのりと生気を感じてしまうほどの匠の技。押入れの箱の中で昏々と眠っている間も、この表情のままだったのだなと思うと、少々ぞくぞくしてしまう。

 ぼんぼりやら、その他小道具類を配置し終えると、今度は大きな空き箱を元のように押し入れへと戻す作業が待っている。箱の形状や大きさは様々で、おそらくパズルが得意なLicでなければ、元通りに組み合わせることはできないだろう。というわけで、私は背後からあたたかく見守ることにする。いや、箱持ちくらいは手伝うけど。

 てきぱきと箱を詰め、またたくまに押入れの空間は、みっちりと空き箱で組み合わされ、閉じていった。んー、なんだかルービックキューブが一瞬で6面揃うのを見ているような感じ。
 押入れの襖を閉める時、ふとLicが押入れの上を見上げ、「あそこ閉じて」と私に言った。「ん?」と、私も見上げてみると、押入れの天井に、ぽっかりと正方形の暗闇が開いていた。あー、これは夏にみこりんの部屋にエアコンつける時、工事業者が天井裏調べた時に閉じ忘れたやつだな…、と思うのと同時に、そういや『呪怨』の天井裏もこんな感じにぽっかりと開いてたっけなぁ…、などと余計なことまで思い出し。

 リビングから椅子を持ってきて、天井裏への通路を塞ぐ。ざざ、ざざざざ、という乾いたベニヤ板のこすれる音が、妙に生々しい。ぱらぱらと、何か粉っぽいものが降ってきたような気もしたが、それが何なのかは詮索しないでおく。願わくば、そいつが生き物がらみの物体でないことを祈るだけだ。なにしろ、我が家の天井裏には、這いずり幽霊よりもある意味で怖い、“ヤツ”が巣くっているのだから。

 さて、以上で作業終了。桃の節句まで、あとわずか。


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