2006.5.1(Mon)
今度こそ市街戦
昨夜帰宅したのが23時過ぎだったりしたので、睡眠不足が懸念されたみこりんだが、わりと平気な顔で、元気に学校に登校していった。これが若さというものか。
さて、連休3日目。土日、よく歩いたので、ごろごろする日にした。ごろごろしつつも、常時稼動中のFFXIの画面は忘れずにチェック。前回の市街戦は、どうも昼間に発生したらしく参加できなかったのだが、今回のは期待できそうだ。現在の敵兵力、140の後半。おそらく150までためて、一気に攻め込んでくるのではないかと思われる。兵力100が最低ラインだから、150だとちょっと強い、のかも?
亀の歩みのごとき遅さで、兵力メーターはのったりのったりと増えていく。それでもおやつの時間を過ぎたあたりで、いよいよ149になった。く、くるのか。Licと共に、城門内で待機。ものすごい数の人の群れだった。多すぎて、表示しきれないほどに。
総勢500人近くいるらしい。大半の人が市街戦は初という感じで、待ちきれない叫びがそこここに聞かれる。そしてついに兵力メーター150。ステータスが“行軍中”に変わった。実際、敵陣から隊列を組んで歩いてくるらしい。他のサーバでは、血気に逸った勇者様達が行軍中の敵を殲滅してしまって、肝心の市街戦イベントが発生しなかったなんて事も起きてるみたいだが…
いつ敵がなだれ込んできてもいいように強化魔法をかけつつ、ひたすら待つ。魔法の効果時間が過ぎて、再度掛け直すこと5〜6回。偵察に出ていたらしい人が、「すぐそこまできている!」と叫び、一瞬、画面が固まった。
緊張の瞬間。「きた!」イベント発生。そしてしばらくの静寂。とてもじれったい。
これだけの人数が集まってると処理も重いのだろうか、なんて思いつつ、指は攻撃魔法のトリガーを連打中。“ターゲットが存在しません”というメッセージがしばらく続いたあと、おもむろに出現する多数の敵。
阿鼻叫喚。
敵をターゲットすることは出来るのだが、魔法が発動しないことが多々あり。発動しても、詠唱中に敵が倒されてしまったり。
表示はされていないけれど、たぶんものすごい数で一気に攻撃してるんだろうな、と想像できる。サーバの処理能力がいっぱいいっぱいなのか、自分のPCがプアすぎるのか、そこが問題だ。Licもなかなか敵に攻撃できないでいるらしい。LicのPCは私のPCの約2.5倍高速だ。それでも追いつかないのか。
敵の攻撃は6波くらいあった。しかし500人からの一斉攻撃で、ほぼ瞬殺。敵が表示されたと思ったら、すでに死んでいたなんてことは当たり前で、表示されないまま倒されている敵も多数に上るのだろう。
それでもどうにか魔力をほぼ使い果たし、抜刀して斬りかかってみる程度の時間はあった。が、そこまで。突如撤退してゆく敵軍。
いつのまにか勝ったようだ。
ちょっと物足りなかったかな…?
そんな会話があちらこちらで聞かれたりもしつつ。まぁしかし、ほどよくヒートアップできたので、よしとしよう。こうして初の市街戦は終了した。
*
そして、真夜中。再度、敵襲。こんな夜中だというのに、集まった人数700人近く。昼にもまして、激重。今度はほとんど何もできなかった。
しばらくはこうした耐久テスト状態が続くのかもしれない。
2006.5.2(Tue)
雨のち晴れ
目覚めると、土砂降りだった。私は連休中なので構わないが、みこりんは滝のように落ちてくるこの雨の中を、徒歩で登校しなくてはならない。おまけに、雷様もお出ましになっているようだ。とても不安。
登校時間ぎりぎりまで天気予報で警報が出ていないかチェックしてみたが、該当なし(警報が出たら自宅待機というきまりになっている)。今朝はクルマで送っていった方がいいのではないか、と思いつつも、小学3年生になったみこりんには、このくらいの土砂降りは体験させておいた方がいいんじゃないか、という考えもあり、散々迷った挙句、集団登校させることにした。
「いってきます」と、雨の中に消えてゆくみこりん。小さな黄色い傘だけが頼りだ。
さらに降り続く雨。しかし、みこりんが学校に到着したと思われる時刻を過ぎたあたりから、徐々に小降りへ。
やがて、雨は去っていったのだった。
こういうありがちな展開も、実際に雨の中を歩いていないと記憶にも残り難いことだろう。
午後、みこりんは元気に集団下校で帰ってきた。はちきれんばかりのエネルギーを蓄えて。
つい、小さい頃のイメージが先行してしまうが、みこりんは日々大きくなっている。改めて実感する今日この頃。
2006.5.3(Wed)
鬼ごっこ
夕方、みこりんが遊ぼうというので、近くの公園まで出かけた。みこりんのお友達と3人で。
団地の中心にある大きな公園とは違って、端っこの小さい公園なので、他に人影もなく、静かなものだ。5月に入ったばかりということもあり、雑草のはびこり具合もさほどではなく、駆け回るのに支障はない。というわけで、“色鬼”をやることになった。
鬼が指定した色(の物体)に触ればOK。触る前に鬼に捕まったら、鬼交代。私の子供時代には“色付き鬼”と呼んだ鬼ごっこだ。時代も地方も異なっているのに、この単純明快なルールは一緒らしい。
最初の鬼は、みこりんのお友達から。
適度に間合いを取りつつ、どこにどんな色の物体があるのか、素早くサーチ。公園内に物体は少ない。遊具は3つ、しかも並べて設置されているので、あまり逃げ場はないようだ。
鬼になった女の子が、宣言する。「“とうめい”は、なしね」
なるほど、そういやそういう色もあったなぁ、と妙に懐かしさを覚えたりしつつ。
開始。
物体そのものがあまりないので、指定できる色も、それなりに限られてくる。だいたいパターンが決まってきたかな、と思われたとき、鬼が言った。「黄土色!」
…、え?一瞬、足が止まる。初めての色のパターンだ。地面は茶色だし、黄土色?そんなモノ、どこにあるんだ。と迷ってるうちに、鬼にタッチされてしまった。みこりんはいち早く、黄土色の物体を探し当て、涼しい顔をしている。どうやら、子供達には定番の色だったみたい(ちなみに黄土色をした物体は、ブランコの一部に使用されていた)。
鬼になった私は、苦戦していた。思いつく色のほとんどが、みこりんかお友達の服やら靴やら首にぶら下げてるたまごっちやらに使われているため、なかなかタッチできないのだ。
黒とか銀とか、遊具付近にしかない色を指定しても、二人ともちょこまかと素早い動きで駆け抜けてゆくため、あと一歩が届かない。しかも二人は底なしのエネルギーを有していたが、私は普段の運動不足がたたって、はやくも肩で大きく息をついていた。く、苦しい、もう走れそうにない、かも…
と、その時、視界のすみに物体を1つ捉えた。「こげ茶?これだ!」たしかまだこの色は言われてなかったはず。ジャングルジムに置いてある、こげ茶色をした木の柱。
二人の接近経路を予想して、じわじわっとその場に移動しつつ、こげ茶色を指定する。「こげ茶?」「こげ茶?」と2人は散り散りに駆け出したが、やがて私の意図通り、ジャングルジムめがけて接近してきた。会敵予想ポイントまで、あと5、4、3…。全力で移動。そして、0、タッチ!
ようやく鬼から解放された私だったが、逃げ回るエネルギーは枯渇寸前。バテバテである。案の定、また鬼に捕まってしまった。
それにしても、ちょっと前までなら、相当手加減して走らないとすぐ追いつけたというのに、今では全速力でも厳しいとは。…、もう小学3年生だものなぁ。しみじみと子供達の成長ぶりに感動しつつ、日は暮れて、解散。
みこりんと手をつないで、闇に包まれてゆく歩道を歩く。この情景を、きっと私は忘れない。
2006.5.4(Thr)
みこりんの部屋
みこりんが産まれてから今日まで約8年と9ヶ月、みこりんの部屋として1階の和室が使われてきた。ベビーベッドが置かれ、室内用のジャングルジムが置かれ、ぬいぐるみやオモチャ類、絵本、そしてエレクトーンが設置され、小学校入学と共に勉強机が運び込まれ…。
時々、古いモノとか明らかにいらなさそうなモノなどはLicによって整理されてきたのだが、年々増え続けるモノに比べて収納スペースは限界に達しつつあり、ちょっと油断すると足の踏み場もない状況へと変貌を遂げる。
いつかは決断しなければならなかったのだ。みこりんの部屋を、2階の洋室に移すということを。
今のみこりんの部屋は、四方が襖もしくはガラス戸で仕切られているため、これ以上収納用の棚などを増設することは不可能だった。それに比べて2階の部屋は、壁の面積が広いので、かなり収納に自由が利く。
なによりこのタイミングで一気に取捨選択を行い、気分一新しなければ、今後もみこりんの部屋は際限なく溢れ返るモノで埋め尽くされてしまうことだろう。
ちなみに2階にある3部屋のうち、西側は寝室として使っているため、みこりんの部屋候補は、真中の部屋と、東側の部屋ということになる。「どの部屋がよい?」と、みこりんに選ばせてみたところ、真中を指定してきた。私だったら東側にするところだが、どうもみこりん、2階がまだ怖いらしい。夜、できるだけ私達に近い場所ということで、真中の部屋がいいようだ。
ところで空き部屋とはいっても、2階の2室は現在、物置状態になっている。真中の部屋をみこりん用にするためには、まずこの部屋のものを東側に移動させねばならない。
ワーディアンケースとかオーディオラックとか、キャンプ用品だとか、空っぽの水槽いっぱいとか、故障した17インチモニタとか、故障したでっかいレーザープリンタとか、etc...
Licと二人、せっせと荷物を移動させ、どうにか真中の部屋をきれいさっぱりモノがない状態にすることができた。まるで新築当時のよう(しばし遠い目)。そのかわり東側の部屋が恐ろしい状態になってしまったのだが…、まぁこちらはいずれ対処するとして。
フローリングの床を、ぞうきん掛けすること3回。ついでに窓ガラスやらサッシの隙間を拭き拭き。とどめに床をワックスで二重にコーティングして、本日の作業終了。夕方、遊びから戻ってきたみこりんが、見違えるように美しくなった2階の部屋を見て、なにやら感慨にふけっていたのがとても印象的だった。
2006.5.5(Fri)
ベッド登場
みこりんの新しい部屋の準備は整った。ワックス掛けした床は、濡れたような光沢を放ち、新しい主を誘っているかのよう。
昨日までは2階を怖がっていたみこりんだが、美しく変貌を遂げたこの部屋に、少し興味が湧いてきたようである。じつは今回、部屋を移動させるのに伴い、みこりんの寝場所も移すことになっているのだ。誰かと一緒でなければ怖がって一人で眠ることのできないみこりんにとって、自分の部屋に一人で眠るというのは、とてつもないチャレンジに違いない。そのための障害は、少ない方がいい。新しい部屋に興味を持ってくれたことは、よい兆候の現れだった。
ベッドが欲しいというみこりんのために、午後、買い物に出かけた。ついでに新しいカーテンと、新しい照明器具も買っていこう。特に照明器具の新調は必須であった。今使ってる蛍光灯は、発光時にブゥゥゥゥンという耳障りな音を発するので、集中力を削がれてしまうことだろう。インバータ方式の静かなやつに買い換えなければ。
まず照明器具から。ずらりと並んだ蛍光灯は、すべてインバータ方式のものだった。もはやインバータ方式ではないものを探すことの方が、困難な状況らしい。しかも蛍光管をぐぐっと細くしたタイプの新型が登場してたりする。それに加えて、どれもこれもリモコン付きだった。こういう分野でも、日々研究が進められているのだなぁと感心しつつ、エンタープライズの円盤部分みたいな感じに白くて丸いヤツを選んだ。
次にベッド。みこりんは折畳式の金属製のものに激しく興味を惹かれていたが、どうみてもそれでは野戦病院みたいな感じ。オーソドックスな木製のベッドの方が、みこりんの部屋には似合うはず。勉強机も木製だし、搬入予定のタンスも木製だ。
けれど、折り畳める機構がみこりんの好奇心を刺激しまくっているらしく、議論は平行線をたどった。そこで、いったんベッドコーナーを離れ、マットを物色することに。
ここで、みこりんの心を鷲掴みにするアイテム発見。触り心地がとても気持ちいい、低反発マットだ。高機能な分、値段もちょっと高くなっているが…、まぁそれを補って余りある気持ちよさ。みこりんもすっかりこの感触の虜になったとみえて、このマットがあったらもうそれだけで幸せ、みたいな感じになってきたので、これを買うかわりにベッドは木製のやつという条件は、すんなりと通ったのだった。
あとはカーテン。みこりんの好きなオレンジ色のものにあっさりと決定。
レジでピッしてもらい、カートにブツを乗せてクルマまで。残る問題は、これらをすべてクルマに積み込めるかどうか、だ。特にベッド、これが一番でかい。Licのクルマはハッチバックなので、横幅が重要だった。奥行きは、後席を倒してしまえば余裕があるはず。
ベッドの箱を抱え、慎重にそぉっと入れてみると…、ぎりぎりだったがなんとか大丈夫そう。あとの品々はベッドの上に乗せてしまえばOK。
後席倒してるのに、どうやって3人で乗って帰ったのかという点については、…秘密だ。
帰宅後、さっそくベッドを組み立てにかかる。付属の六角レンチと、ドライバー1つでさくさくっと。床からの高さがわりと低いので、もしもみこりんが落ちたとしても、大事には至るまい。組みあがったベッドを、西側の壁に沿わせて設置。枕元がちょうど窓際になるように。
そして最重要アイテムである低反発マットを敷いて、寝室からみこりん用の枕と掛け布団を移動させてくれば出来上がり。何もなかった部屋にベッドが1つ入るだけで、ぐぐっと生活感が出てくるものだ。なんだかずっと以前から、そこにあったかのような雰囲気である。
*
今夜から、みこりんは新しい部屋で眠る。
昨日まで、一人で2階に上がることさえ怖がっていたみこりんが、おぉぉ、見よ、自分からたったと階段を駆け上がっていくではないか。おそるべし、おそるべしベッドの威力、そして低反発マットの魔力。
真夜中、そっとみこりんの部屋を覗いてみると、ベッドの上で心地よさそうに眠る姿があった。もう一人でも大丈夫なんだなと思うと、うれしくもあり、ちょっと寂しくもあり。親子3人、川の字になって眠る時代は、こうして幕を下ろしたのだった。
2006.5.6(Sat)
いるもの、いらないもの
休日の朝は、普段から早起きのみこりんだったが、今朝はまたとびきり早朝の午前5時頃には目覚めていたらしい。新しい部屋とベッド、そして初めての一人寝という緊張のトリプルアタックによって、熟睡できなかったのかもしれない。
さて、みこりんの部屋移設計画も、3日目。本日が最終日の予定だ。
旧部屋はあいかわらずすごい散らかり様だが、まず勉強机を移動させてしまうことにする。部屋の片付けは、家具をとっぱらってからということに。
勉強机は搬入されてきた時と同じように、3つのパーツに分解せねば階段を通過できないだろう。こういうこともあろうかと、組み立て手順を注意深く記憶していたつもりだったのだが、2年以上も経過した今となっては、かなりあやしくなっていた。それでもどうにか分解に成功し、Licと二人で運び上げ、分解手順の記憶が鮮明なうちに、急いで組み立て。
ん、やはり床がフローリングだと、木製の机はよく似合う。
机に付属の本棚に、教科書、時計、ぬいぐるみが配置された。教科書の部分がやけに薄いので、まちがって新しい教科書まで捨ててしまったかと心配になったが、これで全部揃ってるらしい。全教科ノートもあわせて2cmに満たない感じ…。私が小学生だった大昔には、もうちょっと分厚かったような?
勉強机の移動が終わると、あとはひたすらいらない物と、置いておく物の分別。判断に迷う物も、とりあえず一箇所に集めておく。みこりんが遊びから戻ってきたら、聞いてみよう。
本棚として使っている3段BOXは、2つともそのまま移動。現在、本は溢れている状態なので、幼児向けと小学生向けに分け、幼児向けの方は物置行き。これでだいたい半分に減った。改めて3段BOXに並べてみると、今度はなかなかいい具合になっている。でも本は毎月増えていくので、油断できない。いずれもっと大きな本棚が必要になってくるだろう。
科学雑誌の教材やら、オモチャ類は、原型を留めているものを中心に保管。いいタイミングでみこりんが帰ってきたので、本人に取捨選択を任せてみたところ…、カウンタックやロータスヨーロッパといったミニカー類が“いらない物”に分けられていた。「え!これいらんの?」「うん」「ほんとにいらん?」「うん」「う、うーん…」
捨てるにはちょっと忍びないので、収納BOXの隅っこに残しておいてもらうことにした。が、どこかちゃんとした落ち着き場所を見つけねば。
みこりんの遊びも年齢と共に移ろってゆく。もはやみこりんとミニカーで遊ぶこともなくなったようだ。しみじみと昔の記憶を思い返したりなんかして…。
こうしてみこりんの部屋移設は、ほぼ完了した。エレクトーンやテレビといった大物は以前の部屋に残しておくので、新しい部屋は、かなりすっきりしたものになった。あとはこのクオリティをいつまで保持できるか、だが、今回はみこりんもこの状態を気に入っているような感じなので、1ヶ月?はいけそうな予感。
2006.5.7(Sun)
物音
雨。憂鬱な雨。
みこりんのお友達が3人ほど遊びに来ていて、おにゅうなみこりんの部屋に篭り、何かをやっているようす。時折、どすんばたんと激しく動き回る音が、天井を通じて聞こえてくる。
旧部屋な頃は、モノで足の踏み場もない状況が多かったため、お友達を部屋に呼ぶなんてことは不可能に近かったが、もうそんな心配もない。みこりんも嬉々として部屋に案内してたようだし、このタイミングでの部屋移設は必要不可欠なものだったのかもしれない。
これから高学年になり、中学生になり、高校生になり…、少なくともあと10年くらいはみこりんもこの家で暮らす。長いようでもあり、短いようでもあり。
雨の一日は暮れてゆく。
2006.5.8(Mon)
休暇明け
何かの気配を感じたので、目を開けた。
みこりんだ。
ん、もう朝か。起こしに来てくれたのだね。
枕元の目覚まし時計を確認してみると…
「午前7時30分」
orz...
朝のラッシュ時じゃなきゃ、30分もあれば会社に辿り着けるけれど。フレックスタイムのなくなった今となっては、そんなことは不可能だ。
半日休暇を使用した。
ちなみに、みこりんは今朝も朝早くに目が覚めたらしい。あんまり早すぎたので、もう一度寝なおしたところ、華麗に寝過ごしてしまったとのこと。
やはり環境が急変したので、眠りが浅くなっているのだろうか。みこりんは割りとデリケートなところがあるので、ちょっと心配。
2006.5.9(Tue)
家庭訪問
家庭訪問のため、みこりんの担任の先生が午後やってくる。Licは先月の参観日で会っているが、私はまだ一度も顔を合わせたことがない。というわけで、午後から半日休暇を使用した。
保育園、小学校と、毎年のように家庭訪問はあったけれど、私は一度もこのイベントに参加したことがなかった。今回が初である。Licの報告によれば、いずれも玄関先で5分くらい話して終了、というパターンだったらしい。はるか昔、私が小学生だった頃の家庭訪問といえば、座敷まで上がり、たっぷり10分以上は話し込んでいたような記憶があるのだが、近頃(というかこの辺り?)ではそういうのはないようだ。少し気が楽。
14時頃、みこりんが集団下校で帰ってきた。宿題をすますと、ささっと遊びに出かけていった。
15時過ぎ、みこりん帰還。先生がどこのお宅まで来ているか、ちゃっかり情報を収集してきたらしい。やや遅れ気味とのこと。ふむふむ。再び遊びに出かけるみこりん。今日はなんだか動きが激しい。照れ隠しだろうか。
定刻より15分過ぎたところで、インターホンが鳴った。先生だ。さっそくお出迎え。やはり玄関先で、とのこと。座敷は、みこりんの旧部屋につながっているため、現在ものすごい状況になっている。いざとなれば、みこりんの新しい部屋にお通しする案もあったのだが、そんな心配は無用だったようだ。
入ってくるなり、先生は「あ。あれ、何を飼ってるんですか?」と廊下を指差していた。そこにあるのは、にゃんちくんのケージと、水槽だ。でも水槽にはアカヒレが2匹しかいないため、すっかり魚のことを忘れて「猫です」なんて答えていた。でもすぐに、そんな一目瞭然なことを聞いているのではなかろうと思い直し、「それと、魚がいます」と付け加えた。
しかし水槽に魚がいるのも当たり前なような気がする。先生が聞きたかったのは、その中にいる魚の種類だったんじゃ…、と後になって気付いたが、後の祭り。冷静なLicの分析では、水槽が苔まみれで内部がよく見えなかったので、何か変わったものを飼ってるんじゃないかと期待させてしまったのでは、というのだが、たしかにその可能性もある。爬虫類とか、両生類とか、虫とか。
さて、何を話そう、なんて悩むまもなく、先生はよくしゃべってくれた。でも、みこりんについての話はあまり出てこず、世間話みたいな感じ。おもに教室で飼っているアオムシのことに、一番多くの時間が割かれていたような。
これは何の調査なんだろう、と逆に深読みしそうになった。
人見知りの激しいにゃんちくんが、警戒して耳を伏せ、じっと動かないのも先生の好奇心を刺激したらしい。もしかして生物全般が得意分野なのでは、と思わせるものあり。
玄関ドアの向こう側で、遊びから帰ってきたみこりんが聞き耳を立てているのがガラス越しに見える。でも入ってはこなかった。それなりに気を使っているっぽい。ただ照れてただけかもしれないが。
だいたい5分経過したところで、終了となった。帰り際、玄関脇に植えてある山椒の木を指差し、外で待っていたみこりんに「アゲハチョウが卵を産むから、見つけたら持ってきてね」とのこと。なかなかするどい観察眼である。たしかにその木には、毎年のようにアゲハチョウが卵を産み付けている。アゲハの幼虫は、アオムシよりも派手なので面白いかもしれない。みこりんもすっかりその気になっていた。さすが子供をその気にさせるのが上手い。
なかなか良さそうな先生だったので、私も安心だ。
2006.5.10(Wed)
注射の痕
会社で健康診断があるため、朝食抜きで出勤。水もダメらしいので、なんだか落ち着かない。ダメと言われると、なんだかそれだけで口の中が乾いてくるような錯覚が…。
朝食抜きなのは、血液検査のためだった。35歳以上の健康診断に追加されるメニューの1つである(もう1つ追加されるのが心電図検査)。
それにしても、なんだか今朝は辺りが薄暗い。おまけに周囲の音も静かすぎる。……妙だ。工場内に設置された診療所まで、徒歩およそ12分。その間、ずぅっともやもやっとしたものに包まれていたような気がする。
変なのは自分の方だと気付いたのは、体脂肪検査のため椅子に座って順番を待っている時だった。座ったことで、少し意識がクリアになったというか、抜けかかった魂がふいに戻ってきたような感じ。
どうやら頭がぼぅっとしているらしい。血が足りないというか、鼓動が弱いというか、エネルギー充填10%未満みたいな。
聴力検査、レントゲン撮影、視力検査、血圧測定、ときたところで、わかった。血圧か。上が100、下が60。低い。いつもなら上127くらいあるはずなのに。…もしやここ最近の朝の弱さは、これが原因なのかも。
ぼーっとしてたので、さくっと流してしまった視力検査だが、左1.0、右0.9って、なにそれ。この一年で右が急に視力落ちてたのは知っていたが(2005年9月17日の日記参照)、左は30年以上、ずっと1.5以上を維持してきたのに、なんてこった。低い方に合わせるように、目がだんだん変化してくるんだろうか?…、それとも、単に歳の、せい、とか……orz...
少々落ち込みつつ、心電図検査、血液検査、問診。で、終了。
*
夜、風呂でみこりんと温まりつつ、健康診断のことを話題にしてみたり。みこりんは、私の左腕に貼ってある注射の痕を目敏く見つけ、「はがす?はがす?」と興味津々で聞いてくる。どうしてもこれを剥がしたいらしい。みこりんは赤ちゃんの頃から、なぜか注射には強いのだ。痛いという負の思いが少ない分、好奇心の現れ方も顕著になるのだろう。というわけで、みこりんに剥がしてもらった。
皮膚に穴が開いていないか丹念に調べるみこりん。でもお目当てのものは見つからず、ちょっとがっかりなみこりんであった。
ちなみに、みこりんの血液検査は、まだ一度もやったことがない。ゆえに、血液型も謎のまま。でもたぶんO型っぽいような気のする今日この頃。
2006.5.11(Thr)
暗いの怖い…
夜、みこりんがひとりで眠るようになって、はや1週間。夜中に怖がって泣き出すこともなく、ベッドから落ちることもなく、でも時々妙に早起きになったりはするものの、今のところ大きな問題はなさそうに見える。
寝る前の本の読み聞かせは、リビングで。そろそろこの『チキン・リトル』もエンディングが近づいてきた予感。エイリアンの子供は、無事に両親のもとへ帰れるのか。私も続きが気になっていたのだが、みこりんもやはり気になってたようで、私がちょっと目を離している隙に、数ページにわたり黙読されてしまっていたのだった。
「つづき、ここから」と、みこりんが指差してるのは、すでに事件が解決したあとのページ。何がどうなったのかすごく気になりつつ、みこりんの指定したページから読み始め…、ってこれもしかして最終章じゃん。
「おーしまい」で読み終わり。起承転結のうち、転のクライマックスシーンが、スコーンと抜けたまま終わってしまった…。満足げなみこりん。はぉぉぉ。
「おやすみー」とリビングを出て、すったかたったったーっと、2階に駆け上がっていくみこりん。先週まで一人じゃ階段も上れなかったとは、とても思えないその姿。
つよくなったな。部屋が2階に移動しただけで、こんなにも変わるものなのか。子供の成長は、まさにあっという間だ。日々、驚きに満ちている。
2006.5.12(Fri)
1つで十分
お昼になったが、妙に静かな腹の虫。とはいえ、昼休み時間を逃すと、社員食堂も売店も閉まってしまうので、とりあえずあとで食べられるように、おにぎりを1つ買っておく。シーチキン味、か。その隣にあった梅にも食指を動かされそうになったが、頭の奥のほうから「1つで十分ですよ、わかってくださいよ」という声が聞こえてきたような気がしたので、やめておいた。
しかし、おにぎり1つで大丈夫なのだろうか。私にとって空腹は天敵だった。空腹な状態が一定時間継続すると、やがてそれは吐き気や頭痛に変貌を遂げ、じわじわと内側から私の体を壊してゆく。特に夕方が危険ゾーンだった。
そういう状態にならないように、スティックパンを机の引出しに常備したり、予備のおにぎりを持参したり、売店で安価に入手できる小型のドーナツを切らさないようにしてみたりと、いろいろ自衛手段を講じているおかげで、昔ほどひどいありさまにはならなくなってはいるものの…。昼間おにぎり1つだけで、はたしてもつのか、という不安はあった。
社員食堂は、質より量。しかも現場の肉体労働者を基準にしているためか、飯が多い。普通の茶碗だと、2.5杯分くらいあると思われる。それに加えて、おかずにパスタ料理がどかんと付いたり、焼きうどんが付いたりするのだ。それっておかずじゃないやん主食やん、とか思いつつも、貧乏性ゆえついつい残さず食べてしまうのであった。
普段こんな食生活なのに、今日はおにぎり1つ。不安がよぎる。
1時間の昼休みも終わり頃、買ってきたおにぎりをじっくり味わって食べた。空っぽの胃袋に、すとんと何やらひんやりとしたものが落ち着いたのがわかった。
そして午後。
ときおり湯冷ましを飲みつつ、じわじわっと時は過ぎ、ふと気がつけばいつのまにやら定時になっていた。不思議と空腹感はなく、昼間のおにぎりがまだ腹の奥に残っているような感触。
まぁしかし、脳が活動できて、キーボード打てるだけの力が出ればOKなので、この程度のエネルギーでもぜんぜん大丈夫なのかもしれない。
ためしに、しばらくこの昼飯粗食生活、続けてみよう。不必要に食べ過ぎることもあるまい。
2006.5.13(Sat)
この子、誰の子
暗闇の奥底から、声が聞こえてくる。「カブトムシの幼虫…」と、言ったか。
急速に覚醒する意識。枕元にみこりんが立ち、「カブトムシのよう虫がね…」と教えてくれているのだ。でかいのが庭にいたらしい。見に行かねばなるまい。
階段を降り、ベランダからウッドデッキに出て、庭を見る。朝特有の少しひんやりとした空気が、心地よい。みこりんが指差しているのは、そこに置いてある2つのレンガだ。
このレンガは、みこりんが保育園な頃、飛び石代わりに遊べるようにと置いたものだ。かれこれ3〜4年はここにある。その下に、みこりんはカブトムシの幼虫を見つけたらしい。…、でもどうしてこの下にいるのがわかったのだろう。時々みこりんは、このレンガの下をこっそり覗いているのだろうか。
そっとレンガに指をかけ、起こしてみた。「ふむふむ?」
赤茶色の庭土が、レンガの下で剥き出しになっている。カブトムシの幼虫が潜んでいるにしては、少し環境が良くなさそうな気もするが…。
みこりんが、「そこ!」と、ちっこい指で示してくれた。「…んー、ん?」
ほほぅ、たしかに何かいる。丸まったその姿は、カブトムシの幼虫系な感じ。ただ、サイズがちょっと小さいかな。体長1cmくらいだろうか。
「さっきはもっと大きいのがいたのに」と、みこりんは言った。
土の中に潜っていったのかもしれない。幼虫をつぶさないように、そろりとレンガを戻しておいた。
リビングで、みこりんが昆虫図鑑を開いている。カブトムシのページだ。幼虫が土の中で育つ過程を図解してくれている。
「ほら、そっくり」と、みこりんは言う。1対の顎、色白なその体。
クワガタムシのページに進み、「こっちのにもそっくり」と、ノコギリクワガタの幼虫を指し示すみこりん。特に顎の感じが、似ていると言った。みこりん的には、カブトムシよりも、クワガタムシであって欲しいようだ。
「そうだね、たしかに似ている。でもカナブンの幼虫にも似てるかも?」と私が言うと、さっそくページをめくり、確認中。でもこっちはあまりみこりんの趣味ではないらしい。
どんな虫に育つか幼虫を飼ってみる?と言う私に、みこりんは少し考え、「いや、いい」と答えた。そのままにしてても、庭で育つから、というのがみこりんの結論だった。確かにそのほうが確実だ。でも、成虫になったとして、それがその幼虫の育った姿だと、どうやって確認すればよいのだろう。という疑問も沸いてくるのだが、みこりんは虫が庭に居てくれてさえいればよいらしい。
さて、どんな虫に育つのか。夏までのお楽しみ。
2006.5.14(Sun)
ドクダミとミント
午前7時半、起床。みこりんもすでに起きていて、着替えも済ませていた。今朝は8時から自治会の側溝掃除がある。みこりんも子供会主催のゴミ拾いがあるので、はりきっている様子。
軽く朝食を済ませ、それぞれの集合場所へと出撃。
歩道脇の雑草を、抜き抜き。しばらく作業を続けていると、みこりんが戻ってきた。ゴミ拾いは終わったらしい。袋を広げて、戦利品を見せてくれた。タバコの吸殻とか、お菓子の箱とか。あいかわらずこの手のゴミは減らないようだ。脱力しつつ、公園へと移動。みこりんもついてきた。
毎年、側溝掃除の〆は公園の草ひきとなっていたように記憶しているのだが、…誰も居なかった。…、はて。
とりあえず、みこりんと二人で公園の草ひき開始。まだ少し季節が早いからなのか、雑草の海にはなっていないが、このまま放置すればやがて手がつけられなくなりそうな予感。
抜き抜き。前日の雨で、土はほどよく湿り、みこりんでも簡単に抜ける。抜いた草は一箇所にまとめて、巡回してくるトラックの荷台に放り込めばOK。
午前9時、終了。一仕事終えて、満足気なみこりんと一緒に帰宅。引き続き、私は庭の草ひきに取り掛かったが、みこりんは自室にて何かやることがあるらしい。孤独な草ひきが始まった。
先週はまだまだ大丈夫そうに見えた庭だったが、あっという間に育ったらしいドクダミで、なんだか圧倒されそうだ。ひたすら、抜き。このドクダミも、一面に白い花を咲かせると素晴らしい光景になるのだが、生命力が強すぎて他の植物を圧倒してしまうので、適度に間引いておかないと大変なことになる。
それにしても、ドクダミ、多い。雨が続いたせいかな。ただ抜いてしまうのも、ちょっともったいないような気もするが…。ドクダミ茶とか。一度自家製のを作ってみたいかも。
ドクダミの陰に隠れるように、ひっそりと育っていたミントがあらわになってきた。もはや何ミントなのかわからないほどに、世代を重ねて生き抜いてきたミント達。こちらは摘んですぐハーブティにできるので、抜かずに保存しよう(ドクダミも生で利用できるとはいうものの…)。生命力の強さでいったら、このミントもドクダミと似たり寄ったりではあるのだけれど、やっぱり匂いがね、爽やかなほうがいいし。
抜いたドクダミを積み上げていると、何やらリビングで楽しげなみこりんの声がする。Licとお茶してるような気配。いつのまにか、昼になっていたようだ。というわけで、草ひきはここでおしまい。また来週。
2006.5.15(Mon)
『ゆりくまさん』
先日『チキン・リトル』を読み終えてしまったので、今夜から読み聞かせの本は『ゆりくまさん』になった。みこりんが自室の本棚から発掘してきたのだが、いつ買ったのか記憶が曖昧だ。もしかすると、実家から贈られてきた本なのかもしれない。
絵本を思わせるラブリーな表紙を開き、目次のチェック。長すぎず、短すぎず、音読するにはちょうどよい構成かもしれない。
読み始め。
くまのぬいぐるみが登場する。夜のデパートを、てけてけと徘徊するゆりくまさん。…想像すると、ちょっと怖い。どうして動けるようになったのか、なぜ言葉を話せるようになったのかが、淡々と語られてゆく。なんだか妙にリアルで鳥肌が立った。
“ゆりくま”という名前も、ちょっとあやしくてよい。意味がありそうでなさそうで、つい語源を探求しそうになる。
みこりんもいつになく聞き込んでいるようす。
そして、ゆりくまさんに天啓が訪れた。やがて産まれて来る女の子に逢うために、ゆりくまさんは夜のデパートを抜け出した…
想起されるビジュアルが、記憶の底の方をちりちりと刺激する。とても懐かしいような、それでいてある意味新鮮なこの感じ。ゆりくまさん、侮り難し。
2006.5.16(Tue)
カツ丼屋さん
Licが仕事で遅くなるというので、今夜はカツ丼にした。以前から気になっていたカツ丼屋さんがあって、テイクアウトもやってるようなので、買っていくことにしたのだ。
定時帰りのこの時間は、まだ夕飯には早いのか、店の中にお客は1組のみ。がらんとした空間に、少々落ち着きをなくしつつ、テイクアウトで並を注文。
待つこと10分ほどで、出来上がり。クルマの中でこぼれないように、どんぶりにシートベルトを掛けて、みこりんのお迎えに向かう。
みこりんは助手席に鎮座しているカツ丼を、たいへん面白がってくれた。「どこで買ってきたの?」と言うので、「カツ丼屋さんでだよ」と答えると、心底驚いたように「カツ丼屋さんっていうのがあるの?」と目を丸くした。
カツ丼をひざに抱えて助手席に座ったみこりんは、しばらく何事か考えているような気配。やがて、決心したかのようにこう言った。
「そのお店って、他にも何か売ってるの?」
一瞬、質問の意味を把握しかねた私だったが、どうやらみこりんはカツ丼に特化した店があるのが、不思議でならないらしいと気付く。たしかにカツ丼屋さんがあるのなら、海老天屋さんもあるだろうし、オムライス屋さんも、親子丼屋さんだってあるかもしれない。
さきほどのカツ丼屋さんは、確かにこれならカツ丼屋さんだと思えるような品揃えだった。でもカツ丼のみで勝負をかけるには、少々不安があったのだろう。トンカツ定食もこっそりメニューには載っていた。まぁでもカツ系だから、大きく外してるわけでもないが。
なんてことをみこりんに聞かせてやると、少し安心したように笑った。
カツ丼は、なかなか美味であった。ただっちょっと心配なのは、カツ丼屋さんの建ってる場所だ。私の記憶にある限り、そこに店ができるのはこれで4回目。以前は、コンビニだったり、健康用品屋さんだったりしたのだが、いずれも数年でいつのまにか消え…
願わくば、来年までありますように。
2006.5.17(Wed)
市街戦・改
風呂に入るべく用意なぞしていると、いつのまにか敵が目前に迫っていた。いや、もちろんリアルの敵ではない。FFXIにおける市街戦だ。
戦闘に参加すると、その貢献度に応じて戦績が貰えるため、参加するに限る。戦績は通貨や装備品等と交換できるので、あって困るものではないし。それに乱戦はなかなかはちゃめちゃで面白い。
というわけで、みこりんには先にお風呂に入っててもらって、いそいそと参戦の準備。これまではLicと二人だけのパーティが多かったのだが、先日、この市街戦における敵の強さに修正が入り、かなりの苦戦を強いられたこともあって、さくっと通常構成の6人パーティで出撃。
現在この街に集まってる人数は、約720人。設定で表示キャラ数を絞り込んであるため、一見、自分の周囲にしか人が集まっていないように思えてしまうが、実際はおそらく夏の花火大会なんかめじゃないくらいの混雑ぶりのはず。
いよいよ敵襲。門が突破され、街に溢れ出す異形の生物たち。
修正前の敵なら、一人の攻撃魔法で倒すことも不可能ではなかったが、修正後はもうあんた別人っていうくらい強いので、パーティで協力して戦わねば勝ち目はない。前衛が抜刀して斬りかかり、後衛は支援魔法や回復魔法を駆使して、前衛が死なないようにサポートに回り、魔力に余裕があれば攻撃魔法でちまちまと削る。
それでも時々、一瞬にして体力メーターが真っ赤になり、あっというまに戦闘不能、なんてこともあり。というか、そこらじゅう屍累々なんですが…
気がついたときには、周囲は敵だらけになっていた。敵が多すぎて地面が見えないくらいに。こ、これ、勝てるんだろうか。どうみても圧倒的に不利なんじゃ…。
「男には、負けるとわかっていても闘わなければならない時がある。」by ハーロック
敵の大群のただ中で、絶望的な死闘が始まった。
いつのまにか、風呂から上がったみこりんが、私の隣で観戦中。
強化魔法は次々に切れ、魔力も底をついた。体力は半ば。攻撃装備に切り替え、抜刀。とにかく自分の属するパーティの攻撃目標を倒さねば。
そしてその時は唐突にやってきた。
敵が次々に退却を始め。…、勝ったのだ。
激しい戦いであった。しばし放心状態で、ちょこっとエネルギー充填中。
捕虜がどうとかみんながしゃべってるので、マップを広げて確認してみると、捕虜2名と表示されていた。敵が街の奥まで進軍してくると、街のNPCが捕虜としてさらわれてしまうことがあるのだ。いったい誰がさらわれたのか。緊張が奔る。宅配のおやじとか、競売の係員がさらわれたりなんかしたら不便極まりないことになってしまうし。なにより西方の街までワープしてくれる魔法使い見習クンは大丈夫なのか。この街一番の便利屋さんだが。
報告が入る。重要NPCはすべて無事を確認したそうだ。捕まったのは、武器屋の店長と魔法屋のお姉さんとのこと。さきほどまでピーンと張り詰めていた緊張は、もはやなく、街はいつもの活気を取り戻していた。
誰も敵の本拠地まで奪還に向かう気は、ないらしい。私も今日は十分満喫したので、まぁいいか、って感じ。みこりんは「助けてあげないの??」と心配してたが、たぶん深夜からの北米組が取り戻してくれるだろうと期待して、ログアウト。リアル世界へと帰還した。
2006.5.18(Thr)
瞬間移動してくるやつ
風呂上り、リビングで涼んでいると、アリ発見。小さいやつが1匹、床の上を歩いている。見失わないうちに、つまんで外にポイ。
迷いアリか。…いや、アリが単独行動をするというのも妙だ。嫌な予感がして、敷いてあった座布団やらクッションやらを、片っ端から裏返して見た。もしかしたらアリで埋め尽くされていたりは…
でも、どこにもアリはいなかった。
やはり迷いアリだったのだろうか。そう思いかけた時、ふっと視界のすみを横切っていく黒い点に気がついた。
近寄ってみると…、アリがいた。これも見失わないうちに、つまんで外にポイ。
2匹いたということは、3匹4匹5匹、いや10匹や20匹はいてもおかしくはない。もしかすると100匹の可能性もある。アリが現れるときは、たいてい群れでやってくるものだ。どこかにこっそり大集団が隠れているんじゃなかろうか。
床の上をくまなくサーチ。みこりんも一緒になってアリを探してくれているが、はたしてアリはまたしても見つかった。つまんでポイポイ。
何かおかしい。まるでアリが瞬間移動しているかのような出現の仕方だった。さっきまでいなかった床の上に、いつのまにかアリがいるのだ。それもぽつりぽつりと散発的に。
もしかして、超能力アリなのか?
そんなことを思いつつも、アリばかり探していてはみこりんが眠れないので、歯の仕上げ磨きを行った。みこりんは仰向けで、私はその口の中を覗き込むような感じでゴシゴシと。
その体勢のまま、ふいにみこりんが言った。「あ、アリがおる」
視線の先は、天井の蛍光灯。密閉タイプになっているのだが、その表面に、たしかにあやしげな影が蠢いている。
じっと目を凝らして見ていると、次第に状況がわかってきた。蛍光灯カバーの内側に、アリが入り込んでいるのだ。こちらから見ると、その影が動いているように写るわけだ。
蛍光灯カバー内のアリの数は、およそ10匹。そしてその周辺の天井にも2、3匹。
瞬間移動の謎が解けた。天井からこうやって落下してきていたにちがいあるまい。
しかし天井に、それも蛍光灯カバーの内側に、どうやって…。少なくとも天井にアリの行列はない。蛍光灯内部に、突然アリが沸いてきているかのよう。
カバーを外して見るしかあるまい。脚立を立て、慎重にカバーのフックを外す。ここでアリが頭上からどばどばと落ちてきたら、と一瞬怖い想像になってしまったけれど、幸いそんなことはなく、カバーは普通に外れた。
カバー内部のアリをすべて撤去して、おしまい。いやその前に、蛍光灯の接続部分を確認しなければ、アリがどこから来たのかわからない。
電気工事用に天井に穴でも開いてるんじゃないかと思ったのだが、しかし、そんな気配はないようだ。はて?
みこりんがねむねむになりつつあったので、とりあえずカバーを元に戻し、みこりんが2階に上がっていくのを見送った。
しばらくして再度蛍光灯を見上げてみると……、カバー内部にアリがわさわさと群れていた orz.....
怪奇、アリの館。
蛍光灯カバーの取付金具の下、直接見えない部分に穴があるとしか思えない。
天井裏にどうやってアリが入り込んだのかは、だいたい察しはついている。水槽の配管を壁に通している部分、あそこの隙間から侵入したにちがいない。
もはやこれまで。最後の手段を使うか…。
10年くらい前に買った殺虫スプレーを、がさごそと発掘し、蛍光灯と天井との隙間に向けてしゅぅぅぅぅ。水槽の配管の穴にも、ぶしゅぅぅぅぅぅぅ。
とりあえず、配管の穴をどうにかしないとダメなことはよくわかった。近々アクションを起こす予定だ。
2006.5.19(Fri)
予感
クルマで道路を直進中。前方クリア、対向車なし。
左前方の路地に、白いバンを発見。本線に合流しようとしているらしい。
予兆というのか、第六感というべきか、とっさに「こいつはキケンだ」とわかったので、ハンドルを切って対向車線に退避する。私が避けるのとほぼ同時に、先ほどの白いバンが進入してきていた。
かわせたか。
白いバンの運転手は、私のクルマに追い越されて初めて何が起きようとしていたのかわかったらしい。バックミラー越しに運転手の顔を確認しようと減速する私から、逃げるように超スローペースで距離をとっている。
60代、初老の男。ミラーの中で、いよいよ小さくなっていく運転手の表情までは読み取ることは出来なかった。
ただなんとなく、あのクルマ、近々子供を巻き込んだ事故をおこすんじゃないかという予感がした。嫌な予感だ。
2006.5.20(Sat)
スズムシの卵
みこりんが飼っているスズムシの卵だが、なかなか動きがなかった。たまに土の表面に発生する白いカビのようなものを見つけては、Licが「これってスズムシが死んでるんちがうん?」と言うので、ちょっとドキドキさせられたりもした。みこりんもだんだん飽きてきたのか、水遣りを忘れてケース内をからっからにさせ、これはもうダメなんじゃ…、と不安にかられる時もあった。
しかし、今朝、ついにスズムシの赤ちゃんが誕生していたのである!
第一発見者は、休日限定で早起きなみこりん。私が起きた時には、すでにみこりんの手により、餌入れ、脱皮板等がケース内に設置されていた。
それにしても、よく気が付いたものである。気にしてないようなふりをして、じつは毎日すごく気になってたのかもしれない。なにしろスズムシの赤ちゃん達は、どれもこれもとても小さい。体長5mmあるかないか。それでも一人前に純白の長い触角を、ゆらゆらと揺らしているので、ちょっと感動。
いやー、本当にちっちゃいなぁ…。小さいもの好きなみこりんだからこそ、気が付いたのかも。
ぱっと見、アリとかクモの子がちょろちょろしてるように見える。全部で…、10匹か20匹くらい、いそうな感じだ。
餌入れがオトナ用で、少し大きいのが気になった。餌を食べようと思ったら、地上2cmほどをジャンプして取り付かねばならないのだ。こんな小さい赤ちゃんスズムシに、そんな芸当ができるのだろうか。野菜を直接土の上に置いたほうが、いいんでは。でも間違って赤ちゃんスズムシを潰してしまいそうだなぁ…
心配する私とは対照的に、みこりんは、「だいじょうぶ!」と自信たっぷりだ。本には、ちゃんとこの器具を使うように書いてあるので、大丈夫らしい。うん、たしかにそれはそうなんだけど。
30分後…
餌入れの中に、黒っぽいものがあった。赤ちゃんスズムシだ。おそるべき脚力。
しかし、どうやってここに餌があると分かったんだろう。下から見上げても中は見えないのに。匂い、だろうか。はたまた哺乳類の赤ちゃんが、自然とパイに吸い付くように、生まれながらにしてスズムシにもそういう特殊能力が備わっているのかも?
無事に大きく育ちますように。
2006.5.21(Sun)
春祭り
毎年恒例、自治会主催の春祭りが開催される。前日から準備万端のみこりんは、朝早く8時集合で、お友達との待ち合わせ場所に向かったようだ。私は、昨日に引き続き、ズキズキと頭痛が治まらないので、布団の中で七転八倒中。
少し眠っていたらしい。Licがみこりん達の御神輿が家の前を通るというので、起き上がり、2階の窓から少々見物。
表通りを、しずしずと進んでゆく御神輿と子供達。子供会の自作品なので本格的なつくりの御神輿ではないのだが、新興住宅地ゆえ、特に祭りの根拠もないし、このくらいのお手軽さがほどよく似合っているのだろう。
みこりんはどこにいるかな?と探していると、Licに「募金箱持ってるのがみこりん」と教えられて、見つけることが出来た。そういえば昨日、みこりんは自分で「ぼきん箱持ちたい」と言っていたのを思い出す(御神輿を担ぐには、まだちょっと身長が足りないらしい)。
子供達の姿が小さくなるまで見送って、布団に戻る。頭痛に加えて、なんだか脳の血管から血の気がなくなってるような感じに、意識がぼぉっとしてるのがなにやらおもろかしい。
お昼過ぎ、そろそろと起き上がり、階下へと。午後から模擬店の当番が当たっているLicを、祭り会場の公園までクルマで送っていった。
みこりん、まだ戻らず。会場撤収まで粘るつもりかもしれない。
ひとりきりの家の中で、しばらくころころしていたら、ぴーぴーと電子音が鳴った。洗濯終了の合図だ。頭痛も少しおさまってきたような気がするので、思い切って起き上がった。洗濯物でも干しておこう。
窓の外が真っ白に輝いて見えるほどの、いい天気。
日射にくらっときつつ、洗いあがったシーツをばさっと物干し竿にかけ。
ちらと視界に入った東側の庭が、緑一色に染まるほど、すさまじい勢いで雑草に覆い尽くされそうになっていた。…とてもまずい。しかし今日は体が動きそうにないので、見なかったことに。
やがてLic帰還。戦利品の焼きそばを、昼食代わりに食べ。
おやつの時間を過ぎた頃、みこりん帰宅。両手一杯にお菓子やらパンやら水ヨーヨーやらを抱えている。模擬店の引換券は、すべて使い果たしたようだ。13種類はあったはずだが、みこりん、お腹は大丈夫なんだろうか。Lic情報によれば、自分の財布も持っていってたらしい。現金売り可な模擬店もあったので、何か買ったのだろう。
お祭りを堪能しきった感じのみこりんだったが、1つだけ心残りなことがあるようだ。
それは、ビンゴで一度もリーチが来なかったこと。保育園な頃から、妙にビンゴには強かったみこりんだが、まぁこういう日もあるというわけで。
私の頭痛は結局、寝るまで続いた。
2006.5.22(Mon)
赤いクモ
みこりんと風呂につかっていると、タイルの壁に、クモがはりついているのに気がついた。体長およそ8ミリ程度、脚はそれほど長くはない。
うちには、わりとクモがいるので、風呂場に出たとしても不思議ではないのだが、今、目の前にいるクモは、ちょっと変わっていた。
特徴的なのは、その色だった。全身がほぼ一色で、模様等は入っていない。その色はというと…、みこりんが「赤いよ、もしかしてドクグモ?」と怖れるように、濃い栗色というか、赤紫色というか、不思議な艶があった。黒っぽいのだが、見る角度によっては赤く見えたりもする。
なんとなく日本固有のクモではないんじゃなかろうか、なんて思ったりもし。
みこりんは小さい頃からクモには弱かった。床の上を、ハエトリグモがぴょんぴょんしているだけで、もう近寄れないほどに。
今も不安そうにクモを見つめている。このクモが、少しでもあやしげな挙動をすれば(ぴょんと跳ねるとか)、即、逃げ出していきそうな雰囲気だった。「クモ、こっちにくる?」と言うので、クモはお湯の中に入ったら死ぬということを教えてやると、なんとなく安堵したような表情になった。
クモは、そろりそろりとタイルの表面を移動してゆく。何を目指しているのか、何処に行こうというのか。何もなさそうな風呂場の中だが、もしかして夜になると出るんだろうか、いろんな虫が…
風呂から出る頃、クモは天井にいた。その後、この変わった色をしたクモがどこに行ったのかは、わからない。
2006.5.23(Tue)
連絡網
夜、電話が鳴った。出てみると、学校の緊急連絡網とのこと。
今日、市内の駅で女性が男に刃物で刺されたらしい…、って、えぇぇぇ!?想定外の展開にちょっと驚きつつ。こんな田舎町で刃傷沙汰とは、物騒な。
まだ犯人が捕まってないので、今夜は外出に注意するように、ということだった。加えて明日は分団下校で帰る、と。
次に伝言を回す家が指定されて、電話は切れた。
みこりんに「連絡網って、もらってたっけ?」と聞いてみる。今年のやつは見た記憶がないのだが。
「もらってないよ」と即答するみこりん。そ、そうか。んー、困ったな。「○○君の電話番号ってわかる?」するとみこりんは、「ここに載ってるよ!」と、冷蔵庫の横に貼ってあった紙をうれしそうに指差してくれた。なるほど、去年の連絡網か。
みこりんの学年は2クラスしかないので、たいていのクラスメートの電話番号はわかるようになっているのだった。
さっそく電話してみる。さきほどの伝言内容を間違わないように繰り返し、次に伝言を回す家を……、ダメじゃん。連絡網は、まだ出来てないんだった。
連絡網が出来ていないのに、緊急連絡網が回ってくる不思議。うちに電話かけてきた人はどうやって、私が次に回すべき家を知ってたんだろう?
受話器の向こう側でも、困っている様子。と、そこへさきほどから聞き耳を立てていたみこりんが割り込んできて、「わかるよ!」と興奮気味に言った。
みこりんの推理によれば、うちに電話をかけてきたAさんと、今電話をしているBさんとは、出席番号で言うと、みこりんの前後の人らしい。「おぉ、なるほど!」やるじゃんみこりん。出席番号順か。
というわけで、無事、伝言は繋がった。
Licが戻ってきたので、ケータイに届いた学校からの緊急連絡メールを見せてもらった。学校にあらかじめメールアドレスを登録しておくと、このような緊急連絡がある時に、一斉に配信されるようになっているのだ。
メール内容は伝言内容とほぼ同じだったのだが、分団下校という文字はなく、代わりに「集団登校で」と書いてあった。
しばらくして、さきほど伝言を回した家から電話があり、「分団下校ではなく集団登校で」という情報も回っているとの報告が。…うーん、情報が錯綜しているようだ。
伝言ゲームの途中で、集団登校が分団下校にすりかわってしまったんだろうか。メールの方には集団登校って書いてるし。でも登校と下校を間違えるかな…?もともと朝は集団登校してるし…、うーん。
まぁとりあえず、今夜は戸締りをしっかりしておこうか。分団下校が正しいにしても、普段学童保育に行ってる子には関係ないだろうし、学童行ってない子はそのまま分団下校で帰るだけだし、大きな問題ではあるまい。
2006.5.24(Wed)
事件翌日
結局、分団下校はあった。犯人はまだ捕まっていないらしい。
学童保育がない可能性もあったので、みこりんと事前にどうすべきか決めてあったのだが、こちらは通常どうりだったので特に問題なし。
みこりんの持ち帰ってきたプリントによれば、犯人が捕まるまで分団下校を実施し、それに合わせて授業も特別編成になるようだ。そして集団登校時に、保護者の付き添いをお願いされてあった。物騒な事件の続く昨今、油断は禁物だ。私の場合は時差出勤を申請すればおそらく登校時の付き添いはできるだろう。でも普通に朝出勤してる人は、なかなか休めないんじゃなかろうか。そのあたりがやや心配。
ところで、報道によれば被害者の証言に不自然な点もあるらしい。もしかすると狂言の可能性もありやなしや。でもまぁ用心するにこしたことはあるまい。
2006.5.25(Thr)
この世の中
女を刺した男は、まだ捕まってはいなかったが、警察から教育委員会経由で学校に連絡があり、連続事件に発展する可能性が薄れたため、警戒態勢を解いてもよいとのこと。どうやら犯人の目星がついたらしい。あるいは事件そのものが狂言だった可能性もある。いずれにしても、当面の危険は去った。
明日から授業も通常の時間割に戻り、毎日の分団下校も取りやめになる。とはいっても、昨今の国内における物騒な事件続発に鑑み、もともとクラスあるいは学年単位の集団下校は日々実施中だったので、準警戒態勢は継続中ともいえる。
ただ、集団下校してても、玄関の前まで友達と一緒なケースは稀である。必ず一人になる区間が存在し、実際、そこを狙った事件は先週起きたばかりだ。家までわずか数十メートルの地点で拉致られたりするようでは、集団下校だからといって安心はしていられない。
なぜこんな時代になってしまったのか。考えることはいろいろあるが、この国の何かが壊れかけているのだろうという漠然とした思いはある。
親が子に間違ったことを教え、その子がさらに自分の子に…、と蓄積されてきた結果なのかもしれない。
2006.5.26(Fri)
人喰いネズミ
夜毎みこりんに読んで聞かせていた『ゆりくまさん』、読了。
物語後半、赤ちゃんがネズミに目をつけられてしまったあたりから、いい感じにホラーになってきて、個人的にはとても面白く読めた。
ネズミが赤ちゃんを喰いたくて喰いたくて、ついに襲い掛かってきて、ゆりくまさんがどうにか撃退したものの、今度は集団で襲いに来て、ゆりくまさんはズタボロに引き裂かれてしまう…。思わずみこりんも、「ゆりくまさん、どうなっちゃうの?」と心配してしまうほどに。
でもラストは、ほんわかとハッピーエンド。B級ホラーにありがちな、「じつは恐怖は終わっていなかったのです」的描写もなく、子供にも安心な読後感。単に擬人化されたぬいぐるみが主人公という領域を越えた、不思議なリアルさと安心感(描写こそ少ないが赤ちゃんの父母による絶対的な守護)に満ちたお話だった。
あと10年くらい経ってから、みこりんがこのお話のことをどんなふうに覚えているのか、ちょっと聞いてみたい衝動に駆られた。
2006.5.27(Sat)
生えていたもの
朝食の前、みこりんは自分の席について、なにやら口をもごもごとさせていた。ぐらぐらになってる下の前歯が気になるのかな?と思っていると…
「とれた!」と言って、みこりんが今まさに抜けたばかりの乳歯を見せてくれたのだった。自力で抜いてしまうとは。
これまで何度か「抜いたろか?」と聞いてみたことはあるのだが、そのたびに自然に抜けるのを待つと言ってたみこりん。何か心境に変化でもあったのだろうか…、ってそういや今日、歯医者さんに歯を見てもらう日じゃないか(学校の歯科検診で、虫歯の存在を指摘されていた)。
昨日だったか、みこりんに「歯をぬくのって、どうやるの?」と聞かれたことを思い出す。その時は「ペンチでつまんで、ぎゅぅぅぅって抜くんだよ」と答えておいた。
歯医者さんにそのぐらぐらの歯を見せたら、間違いなく抜かれる。みこりんはそう考えたのかもしれない。だから、ペンチでぎゅぅぅぅってされないように、自力で抜いてしまったんじゃなかろうか。
午後、みこりんはLicに連れられて歯科医院に向かった。
そして帰宅。軽い虫歯が少しあったとのこと。でもそんなことより、驚愕の事実が…
Licにみこりんの上唇をめくってみるように言われたので、そぉっとつまみあげてみると、「な、なんじゃぁこりゃぁ!」
歯茎の上の方に、にょきっと白い歯が顔を出しているではないか。ちょうど今朝みこりんが自力で抜いた下の歯の、1つ隣にある上の歯だった。もちろんまだ上の乳歯は抜けていない。早すぎる永久歯の出現。
まるで何かの冗談のように、歯は、そこにあった。歯茎の側面から、やや横向き加減に外に向かって突き出している。
毎晩、仕上げ磨きをしていたのに全然気付かなかったのは、それが唇と歯茎の境界付近というかなり上の方で起きていた現象だったからと思われる。だいたい学校の歯科検診でも、これは発見されていない。
しかし、これ、大丈夫なんだろうか。ちょっと上すぎなんじゃ…。しかも横向いているし。所定の位置まで移動するのに、たっぷり1cm以上はありそうな。
心配していると、みこりんが自室に消えたのを確認してから、Licがこそっと教えてくれた。
乳歯の方を抜かないとダメっぽい。右上4番目の歯といえば、形状は奥歯のよう。これの永久歯は、今の乳歯よりもさらにでかい。こいつを正常な位置まで移動させるには、早いうちに乳歯の方を抜いておかねば手遅れになるらしい。おぉぉ、おそるべし。
こんなに上にあって、しかも横向きになってるのに、ちゃんと正しい位置まで移動していくものなんだろうか。一度抜いて、植えなおさないとダメなんじゃないかと思えるほどに、不安な場所だった。
それ以上に心配なのは、みこりんが抜歯というイベントに耐えられるか、だ。今は歯医者好きなみこりんだが、抜歯の恐怖を味わってしまうと、歯医者嫌いになってしまうかもしれない。あぁでも事前に教えてやってた方が、心の準備ができていいのかも?Licは秘密にしておいた方がいいと言う。たしかに悶々と恐怖と戦いつつ抜歯までの幾日かを過ごすよりは、何も知らずにいて、当日、ささっと抜いてしまうのがいいのかも。
みこりん最大の危機かもしれない。
2006.5.28(Sun)
ドクダミとイチゴと蜂
目覚めれば、すでに昼。リビングでは、みこりんがイチゴ料理を作ったので見て欲しいと待機していた。
庭のイチゴは、今が絶好の収穫期だ。毎年、虫との競争になるのだが、今回みこりんは虫食いイチゴをあえて選んで、ままごと料理の素材に使ってみたらしい。激しく虫食いになってるイチゴは、食べるにはちょっとアレだが、ままごとに使う分にはぜんぜん問題なし。
ウッドデッキに並べられたお皿には、様々に加工されたイチゴが盛り付けられていた。ヨーグルトみたいになったのとか、刻んで葉っぱに乗せてあるのとか。あぁ、豪勢なイチゴ料理であることよ。
食べようとしゃがみこむと、ふっと視界に映りこんできた緑のジャングル。そうだった、東側の庭をなんとかせねば。
先週よりも、さらに緑の領域は増え、厚みを増し、地表はすっかり覆い隠されてしまっていた。足を踏み入れることさへ、躊躇われる有様である。
おもにドクダミで構成される緑のジャングル。年々ドクダミに占拠される領域が増えてきているような気が…。
最近、雨が降ったり止んだりと、まるで梅雨に入ったんじゃないかと思うような日が続いてたから、水分の好きなドクダミには絶好の環境がそろってしまったのかも。
とりあえず百里の道も一歩から。ドクダミの群生を、ばっさばっさと抜きにかかる。根っこが残るとすぐ再生してくるので、できれば根っこごとすぽっとやってしまいたいところだが、地下でどんな網目構造になっているのか、抜け方が今ひとつ中途半端だ。
でも時々、すぽぉっとキレイに抜ける時もあって、気持ちいい。
ドクダミが撤去されてゆくと同時に、徐々に現れてきた地表には、ヘビイチゴの赤い実が、そこここに。さっそくみこりんが、「それつかうー!」と走り寄ってきて、かごに摘んだ。このヘビイチゴ、おいしくはないのだが、形がちょっとまるまるっとしてて愛らしいので、いろいろ使いでがあるのだろう。
ナスやトマト、キュウリ等を植えた菜園部分は、野菜達の周りだけ真空地帯でもあるかのように、きれいにドクダミは避けて通っていた。野菜の根の方が強いんだろうか。
でもこの野菜達、日照不足で脇芽摘みの必要がないくらい、あんまり大きくなってない。これからが本格的な梅雨だというのに、今からこんなで大丈夫かな。
さて、ドクダミは順調に撤去が進んでいる。通路に積み上げたドクダミの束は、長さにして2mくらい、高さも50cmほどはある。これ全部乾燥させてドクダミ茶にしたら、ひと夏どころか一年分くらいもつんじゃないかと思われる。でも洗ったり乾燥させたりするのが大変そうなので、当分手出しはしない。
徐々に広がってゆく空間に、元から植わっていたパイナップルセージやらシュウメイギクやらが姿を見せ始めた。
みこりんもパイナップルセージが無事と聞いて、喜んでいる。また秋になったら一緒に蜜吸いしよう。
あらかたドクダミを抜き去り、ようやく東側の庭も、人間の住処っぽくなってきた。とそこへ、ぶぅぅぅぅん羽音も激しくだんだら模様の虫が!
スズメバチ!?…かと思ったが、どうも違うようだ。フタモンアシナガバチの方だった。このでかさはもしかして女王蜂かもしれない。
みこりんはすっかり怯えて私の背後で固まってしまっていたが、動かないようにしてたらたぶん大丈夫。巣を作る気なんじゃ…、という予感をひしひしと感じつつ、女王蜂の飛翔を目で追う。
ようやく女王蜂が庭に飽きたようで、いずこかへ飛び去り、私も残りの作業を一気に片付けて、東側の草ひき終了。
ウッドデッキに戻るとき、みこりんが「そこにはちのすあるよ」と指差してくれた。床に置いた石灰の袋の側面に、10部屋くらいのフタモンアシナガバチの巣があった。んー、この場所はちょっと危険。うっかり巣に触ってしまう可能性大。
残念だが、これは撤去だ。
巣の中を見て見ると、すでに幼虫になっていた。もっと早く気付いてれば卵の段階でどうにかできたのだが…
しばらくして、フタモンアシナガバチ、登場。さっきの個体とは、またちょっと違う様子だ。ゆっくりホバリングしながら、高度を落とし、目指してる先は、石灰袋の横。でもそこには、もう巣はない。
許せ、蜂の女王よ。
2006.5.29(Mon)
夏のキャンプ
学校でもらってきたという一枚のチラシに、みこりんが興味津々である。この地域のNPO主催で行われる小中学生向け“夏季キャンプ”の案内だった。
近辺の地方自治体が軒並み協賛になっているので、ある程度信頼のおけるイベントではないかと思われるのだが、なぜかうちの市の名前だけがなかった。…なにか、深い理由があったりして?
そのあたりちょっと気になりつつ、チラシに目を通してみる。
大きく分けて2つの拠点があり、片方が海、もう一方が山を主体にしたものであるらしい。そして、それぞれの拠点で実施されるキャンプには、様々なコースが用意されており、サバイバルコースとか、野人コースとか、海人コースとか、名称からしていかにもハードそうなものも。
きっとサバイバルコースでは、ナイフ一本渡されて、10日間、自力で生き延びてみよ!ってな厳しいものだったりするのだろう。
みこりんもそういうインパクトのある名称のコースに惹かれているようだったが、キャンプするのも初なら、親と離れて泊まるのも初なみこりんが、いきなりそんなコースは無理がありすぎる。ここはひとつ、この“ビギナーズコース”というのにしときたまえ。
いつのまにかすっかりキャンプに参加する気まんまんなみこりんは、熱心に説明を読んでいた。
「きもだめしって何?」「キャンプファイヤーって?」「カヌー乗れる?」「どこで寝るの?」「ごはんどうするの?」と、様々な質問をしてくるので、逐一みこりんにも理解できるように解説を施してやる。
普段、自分の主張を明確に表明することの苦手なみこりんだったが、今回は一味違っていた。「行ってみたい?」と問えば、すかさず「行きたい」とのお返事が。
2〜3日経ってもみこりんの決意が揺らがないようであれば、OKしても大丈夫かもしれない。とりあえず、この主催団体のチェックをしておこう。
さらっとネットで調べてみた限りでは、あやしい雰囲気はなさそうだ。できれば昨年このキャンプに実際に参加した子供あるいは親の書き込みがあれば、よりベターなのだが、こちらの方はちょっと見当たらず。
もう少し調べてみよう。
2006.5.30(Tue)
吸血
夕食前のひと時、目の前をふらふらっと何かが横切っていったのに気が付いた。な、なにやつ!?
大きく視線移動したら、それだけで見失いそうになるほどのちっこいもの。慎重にピントを合わせ、そいつの正体を探る。
不自然に丸っこい体つきだったので、すぐにはわからなかったが、どうやら蚊であろうと目星を付ける。たっぷりと血を吸い、どこか体を休める場所を探しているのかもしれなかった。
よたよたと床の上ぎりぎりまで降下してきたところを見計らって、手でパッチン。やはり誰かの血を吸ってきたところだったようだ。はい、これ誰の血?
Licの足元で寝転がっていたみこりんが、もぞりと動いた。
「…、ここ」と、自分の足を指し示す。「ん?」
赤いぽつぽつがあった。しかも3つ。血を吸われたのはみこりんか。
薬を塗ってやりつつ、「こんなに噛まれるまで気がつかんかったの?」と聞いてみたところ、みこりん、微妙に複雑な表情をしていた。蚊の吸血が上手すぎたんだろうか。
それにしても、蚊、どこから入ってきたのやら。一度庭周辺のボウフラ発生状況をチェックしておかねばなるまい。
2006.5.31(Wed)
イチゴのそばにいたもの
夕方、みこりんと一緒に、庭のイチゴ狩りをしてみた。
ウッドデッキの西側が、一番群生している場所なので、まずそこから。
いそいそと葉っぱをかき分け、イチゴを探し始めるみこりんだったが、突然手を止め、一点を凝視している。
「なんかおるよ!」と言うので、その指の先をつつつっと目で追っていくと…、ほどよく赤く染まったイチゴがあった。ふむ、イチゴだな。と思ったとたん、急にヤツの存在に気が付いた。な、なんじゃぁこりゃぁ!
イチゴに接するように置いてあったクワの柄の部分に、ヤツはいた。私の親指ほどはあろうかという、丸々と太った幼虫が。まさかそんなところに、そんなものがいるとは想像だにしていなかったので、咄嗟に気が付かなかったようだ。
で、でかい。長さにして10cmちょい。ヤツは頭部をきゅっと曲げて、イチゴに頬擦りしているような体勢。いったい何を……、「…喰っとる」
もしゃもしゃとイチゴを食べているのだ。
たぶん何かの蛾の幼虫だと思うのだが、そうか、幼虫もイチゴ食べるんだなと、妙に感心してしまった。みこりんは狙っていたイチゴを先に食われていたので、ちょっとショックを受けたみたいだったけれど、すぐに他のイチゴをたくさん見つけて立ち直っていた。
でもダンゴ虫が居座ってたり、ナメゴンに舐められてぴかぴかになってたり、今年もなかなか競争率は高そうだ。それでもザルに半分以上は収穫できたので、問題なし。
摘んだばかりのイチゴは、オレンジやバナナと一緒に、みこりんによって皿に盛り付けられ、今夜のデザートとなった。部分的にイチゴが包丁によって賽の目に刻まれているのは、みこりんの趣味らしい。なんでも小さくするのは、みこりんの習性のようなものなのかもしれない。
庭のイチゴは、まだ緑色をしたのがたくさん残っていたので、しばらくはイチゴ自給生活ができそうである。