1999.12.8(Wed)

科学技術諸々

 “地上で無重力状態を作る”装置を、東北大金属材料研究所と通産省工業技術院大阪工業技術研究所の共同チームが開発したとの報道あり。強力な磁力によって、重力と反対方向に物体を浮上させることで、合力0の状態にするらしい。
 東北大といえば、1989年だったかに、ジャイロの左回り(右回りだったかな?)のほうが軽くなるという研究結果を発表して驚かせてくれたのを思い出す。今回の研究が、安価に大規模なシステムとして完成可能なものなら、これはかなり画期的なことのように思うのだが、どんなもんなのだろう。

 “H-II 7号機、開発中止”の報道あり。やはり、という感じ。H-IIAに人とモノと金を集中したほうが、現実的なのは確か。それにしても、新聞各紙の科学担当記者が書いた記事の中に、H-II が先月のを含めて過去8回打ち上がったことになってるのがあるのは何故だ?基礎的な下調べもせず、適当な記事を書くだけで飯が食えるとはねぇ。

 関連してロケットシステムが大幅なリストラ策を発表。この会社がまだ設立されていなかったころ、研究室の教授に「設立当初から参加できれば、面白いよ」と就職先として勧められたことを思い出す。私が宇宙関連の仕事を指向していたのを、考慮してのことだった。結局、商社的な仕事には興味がなかったので辞退し、開発メーカーの道を選んだわけだが、あの当時、HOPE(宇宙往還機)の想像図がいたるところに登場し、まさに宇宙は未来そのものであった。より現実的になったということは、夢の実現に近づいた事でもあるのだが、このまま沈没してしまわないようにふんばらねばなぁ。


1999.12.6(Mon)

マーズ・ポーラー・ランダー!!

 いやな空気が漂っている。MPL本体からの信号が来ないのはともかくとして、着陸時に切り離したはずのディープ・スペース2の2機からも、信号が届かないというのは、最悪の事態を予感させてしまう。計3機から一切の音信が途絶えているということは、着陸そのものに失敗したのではないかと思わせるに十分なシチュエーションだ。

 ま、まさかとは思うのだが、着陸高度の単位系不整合で、着陸体勢に入る前に地表に激突しちゃったとか…………………。しかし、先の探査機が落ちたときに再確認のテストは地上でやってるはずだし、抜けがあったとは考えにくい。
 なんにしても現場が火星では、遠すぎて確認のための船を出すってわけにもいかないし。真相が明らかになるのは、下手したら人類を火星に送り込んだあとになるのかも。機能停止中のローバーを、“復活”させて極までえっちらおっちら走らせるわけにもいかんだろうしなぁ。


1999.12.4(Sat)

マーズ・ポーラー・ランダー!

 日本時間午前5時15分。地上波、衛星放送ともに、関連放送はなさそう。マーズ・パスファインダーのときとは、えらい違いである。民放には最初から期待なぞしていなかったが、こういう分野では最後の砦と思っていたNHKが、中継の1つもしないとは、やや意外。
 そういうわけで、Webで流されている NASA TV だけに集中する。公式サイトは、さすが気合い入れて構築したというだけのことはありそう。さくさくつながる。だが、こちらはあまり現在の情報がつかめない。

 さて NASA TV のほうである。日本時間午前5時30分すぎ。そろそろ着陸した探査機から信号が入るはず。だが、なにやらモニタに表示されているスタッフの表情が険しいではないか?いやな予感がする。私の“つたない”ヒアリング能力をフル稼働させて、NASA TV の音声を解読していたが、まだ信号が届かないらしいことがわかる。着陸直前までは、うまくいっていたはず。どうしたのだろうか。

 やがて NASA TV のほうも一段落。新たな情報は入らなくなってしまった。漠然とした不安だけが残る。

 ようやく午前7時になり、地上波のニュースで探査機のことが触れられるようになった。やはり、着陸後の信号が届いていないようだ。アンテナの向きが、ずれている可能性の指摘。

 正午まで、定時のニュースではその後、情報が得られなかった。進展がないということだろう。
 午後になり、探査機に対してコマンド送信が試みられたことを知る。おそらく探査機は、アンテナを移動させつつ地球を探しているはず(故障してさえいなければ)。待つしかない。それにしては時間がかかりすぎているような気もするが(セーフモードに入っている可能性も)。

 結局、今日中にこれ以上の動きはなかったもよう。明日に期待。


1999.12.3(Fri)

マーズ・ポーラー・ランダー

 マーズ・ポーラー・ランダーが、明日の早朝、火星に着陸(予定)。今夜は徹夜だのぅ。

 単位系の不整合で落ちたりしませんように…

 でも、航空機・宇宙機関連で使用する単位系って、あまり一般的ではないため、下請けに出したりすると、よく変換をミスっていたりすることがある。仕様書には単位を明記してあるにもかかわらず、つい、距離はメートル、速度はメートル毎秒というふうに、思いこみが優先してしまうらしいのだ。こういう不具合は、テストで明らかになってから修正ということになるけれど、すべての項目をチェックできたかといえば、なかなか完璧にはいかず………、で、さきごろ墜落した探査機のような事例が起きてしまう(のだろう)。
 成功しますように。


1999.11.15(Mon)

H-II 8号機打ち上げ

 って、おいおいおいおいおい、NASDAの速報ページ、ぜんぜんつながらんじゃないか。成功したのか、失敗したのか、気になって気になってもう………。
 あ、やっとつながった(午後4時40分)。なになに、最新情報は……!?

 なにぃぃぃ!!!!指令破壊したじゃとぉ!!!

 失敗したんかぃ!
 はぅぅぅぅ……。脱力。
 今度は何が原因なんかのぉ。また単純ミスじゃあるまいな。

 H-IIAへの道のりは、これでまた一段と険しくなってしまったのぉ。
 論評は、詳しい原因がわかってからじゃ。


1999.11.3(Wed)

かかみがはら航空宇宙博物館

 結局、徹夜してしまった。少しでも寝ておこうと思ったが、あまりに素晴らしい朝の日差しを見ていると、そんな思いも吹き飛んでしまう。太陽を浴びながらの庭仕事は、何事にも代え難い充足感を与えてくれるのだった。

 たっぷりお日様の力を吸収したあとは、午後からお出かけである。久しぶりに、岐阜方面へ熱帯魚・海水魚のショップ巡り。だが、クルマを運転していると、温かな気温と街路樹の影で定期的に遮られて明滅する太陽光が、まさに催眠術を施すように包み込み…、行きはなんとかたどり着けたが、ショップからの帰りはLicにバトンタッチ。私は助手席で夢の中。行き先はLicにお任せだ。

 サイドブレーキが引かれる音で目を覚ます。広い駐車場のようである。目の前には、見覚えのあるラブホテル。瞬時に、ここが“かかみがはら航空宇宙博物館”の駐車場であることを理解した。そういえば、お昼ご飯のあと、みこりんに飛行機見る?なんてLicが聞いていたのを思い出す。
 博物館内部に入るには入場料がいるのだが、屋外展示の各種航空機とアスレチックで遊ぶのは無料。小さい子には、博物館より、こっちのほうが面白いだろうし、ちょっとした休日の午後を過ごすにはもってこいなのだった。

 まずは売店チェック。館内に設置されているが、入館ゲートより手前にあるので、開館時間には誰でも入ることができる。かなり狭いのが難点だが、いろんな飛行機関連グッズが並んでいるので、好きな人が見ればかなり楽しめるはず。私もつい、精密モデルの前で釘付けになってしまった。もう少し種類があるといいのに。マニア受け度と、一般受け度との兼ね合いで、少し中途半端になっているような気もする。聞くところによれば、関東方面にも似たようなコンセプトの航空関連の博物館ができたらしく、ここの売り上げも落ちてきているのだとか。ここはひとつ、博物館の展示内容に合わせて、大型航空機、回転翼機、クラシック機、そしてT-4ブルーに、さらに特化したほうがいいかも(今でもT-4ブルー関連のグッズは充実してはいるのだが)。

 博物館の方も、バックアップしている川崎重工が宇宙関連には極端に弱いため、あえて航空宇宙と併記しないで、航空一本で攻めてみるのも手ではある。宇宙の展示スペースを、もっと別の航空機用にするとかね。でも、宇宙という響きは、それだけで未来志向のイメージがついてくるので、子供受けはするのだろう。営業戦略的に、外せないんだろうな。それに加えて、YAC(日本宇宙少年団)の存在。宇宙を切ってしまえば、名誉館長を松本零士氏にやってもらう理由づけが苦しくなる。一番いいのは、川崎重工が宇宙分野で飛躍的に伸びることなのだが、日産の宇宙部門を手に入れられなければそれも難しい。どうなることやら。

 みこりんは、ジャンボ機と空港車輌のミニカーがセットになったオモチャを手にとっていた。ミニカーに惹かれているらしい。買ってもいいかな、と思っていると、箱を置くみこりん。飽きたらしい。そのまますたすた店を出て行ってしまった。ではそろそろ、屋外展示のほうに戻るとしよう。

 普段見慣れない大型機に、みこりんはどう反応してくれるだろう。しかし、みこりんは目ざとくアスレチックのほうに滑り台があるのを発見。「あっちいく」と言って、もはや飛行機など眼中にないもよう。うーん、こいつはしまった。それでもなんとか興味を持ってもらおうと、操縦席を見せてやる。こういうメーター類が大好きなみこりんのこと、少しは見入ってくれるのではないかと思ったのだ。
 「お!」とみこりんが操縦席内部を指さした。その先にあるのは、操縦桿。いや、たぶんみこりんが気になってるのは、その脇にくっついてる操作レバーだろう。外見、戦闘機の操縦スティックになってるので、うちにあるジョイスティックとそっくりなのだ。みこりんは、ジョイスティックをマイクのようにして遊ぶのが好きだった。だが、興味を惹かれたのもつかの間、はやくも自分がアスレチックに行こうとしてたのを思い出したらしい。「いこ!いこ!」と、手を引っ張ってゆく。

 途中、内部が開放されたYS-11があったので、「飛行機に乗ってみよう」と誘ってみたら、嫌々しつつも少しは興味が出てきたらしく、ついてきてくれた。じつは私も旅客機の内部は初めてなのだ。これまで民間の飛行機には一度も乗ったことがないので、写真でしか見たことがない(もちろん軍用機でも、飛んだことはないのだが)。
 座席は昔の新幹線より狭かった。これがYS-11だからかどうかは、私にはわからない。Licによれば、今のジャンボでもエコノミーは大して変わってないそうだが。空の旅も、なかなか大変だ。みこりんも、座席に座って「ばぁ!」なんて遊んでいたのだが、急に思い立ったように席を降り、「おりよ!」と一言。アスレチックを忘れてなかったようだ。

 機体後部から降りると、その隣には大型輸送ヘリKV-107が、後部ハッチを開いて鎮座している。あれにも乗ってみようと、みこりんに言うと、「のれないよぅ」なんて答える。あれがヘリコプターであることは、みこりんもわかっているのだが、“乗るもの”という認識はないようだ。「乗れるんだよ〜」と手をひっぱっていくと、スタッフジャンパーを着たおじさんが2名、機体に接近してゆくのが見えた。閉館時間になったので、ハッチを閉めるらしい。ついでなので、ハッチを閉じる様子を見学する。外部電源を接続して、一連の閉鎖シーケンスが始まった。みこりんも、なんだか興奮しているようす。やはり動くモノには弱いらしい。

 さて、ようやくみこりん待望のアスレチック到着。駐車場が閉まる時間まで、遊んでしまう。
 来週は岐阜基地で航空祭だ。みこりんは、T-4ブルーの演技や地上展示を楽しんでくれるだろうか。基地内部にアスレチックはないので、今日のように気が引かれる事もないとは思うが、やや心配。みこりんが生まれた年に、じつは航空祭に連れて行っているのだが、その時はベビーカーに乗ったままの赤子だったし、記憶などももちろんあるまい。願わくば、大きくなっても一緒に航空祭に行ってくれるような女の子に育ちますように。


1999.9.14(Tue)

地球観測フェア’99

 募集イベント「夢の地球観測衛星」〜こんな衛星あったらいいな〜入選作品が、宇宙開発事業団のサイトで公開されている。

 まずは最優秀賞の堀口 綾乃ちゃん(11才)の作品から。救助衛星「それ行け!セントバーナード」、なかなかいいとこついてるね〜。ほほぅ、各部の説明付きかぁ、なになに…、温度感知センサーに温度分析装置、それに加えてサーマルブランケットとなっ!?うーん、11才って小学校5年生??恐るべし。

 優秀賞は浜口 智之君(14才)。おぉぉぉ、ミリ波発射装置がついとるじゃないか。侮り難し14才。
 しかしもっとも恐るべきは、佳作の「とりもの衛星」だな、やはり。浦野 正一(41才)さん、やるなぁ。これを佳作に推した審査員のみなさんも、すごいと思う。


1999.9.9(Thr)

ルナプロスペクター

 8月3日の日記“恐怖の大王”で、「ルナ・プロスペクターが月の極にペネトレータを打ち込んだ」などと書いてしまったが、メールで間違いを教えてもらっていたのだった。正しくは「ルナ・プロスペクターを月の極に落下させた」なので、遅れ馳せながら訂正しておこう。

 ここ最近は、NIFTYにアクセスしてなかったので、NIFの方のメールに気づいてなかったという…。


1999.8.19(Thr)

木星

 うちの実家は、なぜかやたらとベランダが広い。我が家の6畳間くらいなら、余裕で2間入るくらいスペースがある。部屋を増やすだけの資金がなかったのが真相だろうが、子供のころは、小鳥をたくさん飼うことができたので重宝したものだ。それと天体観測にも、役に立った。今でも当時買って貰った屈折型経緯台式望遠鏡は残っている。

 ちょうどベランダで洗濯物を干していたLicに、東の空で輝く黄色い星を指さして「たぶんあれが木星」と言ってみたところ、望遠鏡で見たいと言う。去年はたしか土星を望遠鏡で見ることができた。写真じゃなく、生で惑星の姿を見るのはぞくぞくするような興奮がある。
 望遠鏡をセットし、スコープの十字線の中央にくるように調整してから、レンズをのぞくと、まさしく木星の姿がぽっかりと瞳に飛び込んできた。大気のゆらぎで輪郭がちろちろ動くのがリアルだ。
 Licに替わった。じっとのぞき込んでいる。縞模様が見えると言った。プリズムレンズが使えないため、接眼レンズを覗くにはかなり無理な体勢になるのが辛い。

 木星を眺め倒したあと、Licは南の天頂付近にある明るい星を見たいと言った。たぶん恒星だから点にしか見えないよといいつつ、セッティングする。やはり遙か彼方の恒星であった。めらめらと輝くように燃えさかる姿は、神々しく、あまりに美しい。
 夜空をかすかに覆っていた薄雲が晴れていくと、Licが見たいと言った恒星が、夏の大三角形を構成していたことがわかった。よくよく目を凝らしてみれば、天の川も確認できる。岐阜ではほとんど見ることのできない夜空が、そこにあった。

 ふっと星が動いた気がした。流星だ。ペルセウス座流星群の名残だろうか。横でLicが悔しげに流星を探している。ところで、流れ星が消えるまでに願い事を3回言えた人って、いるんだろうか?ふとそんなことを思ってしまった夏の夜であった。


1999.8.11(Wed)

朝のひととき

 今朝も起きたら9時10分。毎度毎度、あわただしい朝の始まりである。
 フレックスのコアタイムは午前10時から。ぎりぎり間に合う微妙な時間。
 作業服を着て、デイパックをしょってたら、みこりんがおっきな瞳でこちらを見つめながらこう言った。「おとーさん かいしゃいくの?」

 “かいしゃ”の具体的イメージがみこりんにあるとは思えない。だが、“毎朝お父さんはどこに行ってるのか?”という疑問に対する自分なりの答えが、“かいしゃ”という抽象的イメージなのだろう。

 私の親父は、小学校の教員だった。なので、親父の仕事場やどんな仕事をやってるのかという事は、子供の私にもすんなり理解できたものだ。
 さて、みこりんはどうだろう。小学校に入ったら、今でも『はたらくおじさん』(これ、タイトル変わったんだったかな?)を見るのだろうか?でも、あれに出てくる“労働者”は、特殊技能職が多かった気がする。俗に言う『ホワイトカラー』は、いったいどんな紹介のされ方をしているのだろうか。

 TVドラマなどで登場するのは、ほとんど文系の職場だから、みこりんが理系技術職について知ることは、もしかすると一生ないのかもしれないな。どういうわけか文系の方々の理系に対する認識は、極端に偏ってるし…。
 まぁいい、みこりんが小学校に入る頃、望遠鏡を買ってやろう。そして宇宙空間に浮かぶ、巨大な宇宙ステーションを捉え、教えてやるのだ。「あれは父さんが造ったんだよ」と(たとえJEMの制御ソフトウェアの一部を設計しただけであっても、そんな細かいことは気にしない)。


1999.8.3(Tue)

恐怖の大王

 1999年7の月、あっさりと終わってしまったけれど、あれは太陰暦だから今月こそがヤバイとか、ユリウス歴なので8月15日までは気を抜けないとか、いろいろ情報が乱れ飛んでいる。いずれにしても季節が秋に向かうころには、ノストラダムスは過去の人になってるんだろう。

 ところで先頃ルナ・プロスペクターが月の極にペネトレータを打ち込んだ(訂正:ペネトレータを打ち込んだのではなく、ルナ・プロスペクター本体を月に落下させた)。氷の有無を確認する実験なんだけれど、一部の人に言わせると、これが“月人”に対する宣戦布告となり、戦争状態に突入するんだとか…。“月人”を信じる信じないはその人の勝手だけれど、“探査用の装置”と“兵器”の区別もつかない未開の民が、地球と戦争を始めるっていうのはかなり無理があると思うぞ。もっと知性溢れる神秘主義ってのに会いたいもんだ。


1999.7.30(Fri)

7の月

 さて、明日で1999年7の月も終了だ。ユーゴで空爆やってた時は、もしや?と思ったりもしたが、今となっては懸念材料は非常に少ない。でも、たしか昔のノストラダムス本からの知識によれば、7の月は始まりにすぎず、別に地球滅亡を意味してるわけじゃなかったはずだ。まぁ、世間がよりセンセーショナルな方を好むので解釈が変わってきたのかもしれないけれど。

 思えば私が中学のころは、惑星直列とグランドクロスが話題となっていた。ものすごい天変地異が起きるだろうと不安を煽るような文面が、『ムー』に載らない月はなかった。でも、惑星直列はそんなものがあったのかさえ今では記憶が怪しいのが現状だ。もちろん、惑星の配置がそうなったのは事実なんだが、結局何も起きなかった気がする。

 グランドクロスは、さて、どうなってるんだろう?時期的にはこの頃グランドクロスになって、地軸移動クラスの天変地異が起きることになってるけど??まぁ、夏だというのに雨が多いっていうのはあるけど、地軸が移動するほどの異常は起きてないなぁ。

 世の多くの新興宗教や、ノストラダムス本に代表される予言本と、その仲間達、明日を過ぎたらどんな事言ってるんだろうな。まぁ、我々の祈りによって地球滅亡は回避されたとかなんとか、都合のいい言い訳してるにちがいない。たとえば、このサイトでは、1999年7の月に何も起きなかったことをどう解釈するのか、ちょっと興味あるな。


1999.7.20(Tue)

月面着陸

 私が入社した年、新入社員研修の最終日もたしかこの時期だったと思う。理系社員だけ集められて、理工系の研修を春から3ヶ月にわたって続けていたのだ。そして最後の発表会の日。私は「ちょうど今日が人類が月面に到着して20周年になります」と切り出したように記憶している。あれからさらに10年の歳月が流れた。今年で、人類が月面に降り立ってから30年だ。

 仕事で国際宇宙ステーション開発に携わり、ゼロの状態から現在、ようやくフライトモデルが最終テストに臨むまでに仕上がった。10年かかった。だが、打ち上げは来世紀。30年前、人類が月に到達したことが、だんだん幻のように思えてくるから不思議だ。

 1999年、人類は外惑星探査用宇宙船を持たず、スペースコロニーもいまだ夢物語、月はあいかわらず荒涼とした無人世界。みこにゃんが成人するころも、きっと今の状況からそれほど変化はないのだろう。テクノロジーはさほど問題ではなく、“宇宙に出たい”という思いだけなのだが、現在、魂揺さぶるような冒険は流行らないらしい。火星有人探査計画、ぽしゃらずに実現してほしいなぁ。


1999.5.25(Tue)

SETI

 SETIといえば、Search for Extraterrestrial Intelligence の略称である。ちょっとでも宇宙に興味のある人ならば、ご存じであろう。地球外からの知的な電波の痕跡を探査するのが目的だ。

 先週あたり、一斉にニュースとして報じられたのが、その中でも我々でも参加できる可能性のある SETI@home プロジェクトである。カリフォルニア大バークレー校が運営するものなのだが、これの興味深いところはインターネットを通じて世界中のコンピュータを活用し、超分散処理で信号処理をやろうという点にある。UNIX用の解析ソフトは以前から公開されていたのだが、今回 Windows用と Mac用のソフトが発表されたため、一般人にも身近になったと思われる。

 SETI@home のサイトでダウンロードできるので、興味のある人はぜひ挑戦してみてはどうだろう。各国言語対応のサイトなので、英語が苦手という人でも大丈夫である(ただし、ソフトは英語版)。


1999.5.7(Fri)

H−IIA

 宇宙開発事業団(NASDA)が、JEMに続いて次期商用ロケットH−IIAの愛称及びロゴマークを公募していたのだが、今日が締め切りである。
 もちろん我々二人も応募した。Licは昨夜ロゴマークまで仕上げて気合が入っていた。当日消印有効なので、午前中に投函しておいた。

 JEMが先ごろ「きぼう」と決まり、日本の宇宙機器では「のぞみ」や「はるか」など未来指向的名称が続いている。やはり日本では宇宙開発といえば、まだ実用段階っていうイメージではないのだろう。
 だが今回のロケットH−IIAは、商用ロケットとなる。ばりばりの実用ロケットになるわけなので、ちょっと趣向をかえた名称を応募しておいた。
 発表は6月下旬だそうなので、決定したらどんな名前を書いたのか教えちゃおう。


1999.4.26(Mon)

JEM愛称決定!

 国際宇宙ステーションの日本モジュール(JEM)の愛称を宇宙開発事業団(NASDA)が募集していたが、ついに選考結果が発表された。(JEMって何??っていう人はここをクリック!

 それによると、JEMの愛称は“きぼう”。英語表記は“KIBO”。
 英語表記が“HOPE”にならなかったのは、やはり日本が現在開発中の宇宙往還機HOPE−Xとダブルからだろうなぁ。でも“KIBO”って、ネイティブはなんて発音するのかな?「きぼ」とか言っちゃったら、なんとなくロシアっぽいような。うーん、気になる。

 それはそうと、“きぼう”とはかなりオーソドックスな選考だった。2004年あたりのニュースではこんな感じになるのだろうか…、「今朝、“きぼう”で暴露部のマニピュレータ操作による実験が初めて行われ、無事終了しました。エアロックの把持機構のロック信号が一時検出不能という不具合があったものの、シークエンスはとどこおりなく進展し…」とか。仕事がら、JEMの呼称に慣れすぎちゃってるので、いまいちピンとこないけど、たぶんすぐに慣れるんだろうな〜。“きぼう”、“きぼう”か〜。日本初の有人宇宙構造物だから、希望をたくすってのは、一番しっくりくるのかもね。

 ついでにロゴマークも発表されてます。こっちは、デザインはともかく配色は、ちょっと勘弁してくれよ状態になってますねぇ。水色のバックに真っ赤の太陽って…。センス悪すぎ。船体の基本色が白なので、バックを白にできなかったという事情があるとは思うのだけど、もうちょいなんとかならなかったんかなぁ。例えば、バックの色をもっと薄くしてみるとか…。こんな感じに。

オリジナルの“きぼう”のロゴマーク

こっちがオリジナル

背景色を薄くしたロゴマーク

背景を薄くしてみました

 薄くしてもあまりよくなってないかも…。やはり日の丸ってのは白地に赤くなくちゃダメだ。というわけで、ロゴマークはカッコ悪いので船体には描かないほうがよいと思う。シンプルに、日の丸表示だけでいいんじゃないか?(ところでロゴマークって船体に描くのだろうか?)

 さて、選考も終了したことだし、私が応募してた愛称もお披露目しちゃおう。
 2つ、応募してたんだけど、まず1つめ。

 “未来(みらい)”
 読んで字のごとく。日本の有人宇宙開発の未来をたくす意味を込めてます。非常にシンプルに攻めてみました。採用されるのをいやらしく狙ってるのがうかがえますね〜。

 残りの1つ。
 “天照(あまてらす)”
 かなり趣味入ってます。まぁこれが選ばれる事は、まずないだろうとは思ってたけど。でも、私の中ではJEMは“あまてらす”なんです。船体の側面、白い外壁に黒字で“あまてらす 天照”って書いてあるのを想像するだけで、くらっときます。
 だって船体後部(というか先端)にどでかいエアロックがあって、暴露部に結合されてるJEMって、エアロックを全開すると漆黒の宇宙とつながっちゃうんですよ!(両方のドアを同時に開けるのは、ハードウェアとソフトウェアの双方で禁止されてるから、絶対無理なんだけど…。エマージェンシー時の手動開放では開くんだったような記憶はある)もー、宇宙とまさに一心同体。こんな特殊な宇宙を肌で感じられる船には、“あまてらす 天照”しかないでしょう!(誰もついてきてないってば…)
 いつかこういう名前の宇宙船が宇宙を翔けるのを希望しつつ…。

 それはそうと、肝心の国際宇宙ステーションの名前っていうか愛称を、はやく決めて欲しい。その昔、まだロシアが計画に参画するまえは、ちゃんと“フリーダム”っていう名称がついてたのに、いまじゃただの“国際宇宙ステーション”だもんなぁ。呼びにくいったらありゃしない。それに味もそっけもないし。略して“ISS”なんていうのが通だと思ってる人もいるかもしれないけど、これから宇宙ステーションなんか3つも4つも5つも6つも、どんどん建造しなきゃいけないんだから、最初のやつを“ISS”にしといたら駄目でしょ、やっぱ。
 まさか二号機は“ISS2”とか…。それはやめてほしい。


1999.4.21(Wed)

木星

ハッブル宇宙望遠鏡が写した木星の画像 ハッブル宇宙望遠鏡が写した木星の画像が公開されたのだが、あまりの美しさに身震いするほどだ。衛星がくっきりと木星表面に影を落としているさまも、スケールのでかさを感じられてよい。こういう映像を、ぜひ生で見てみたい…。


1999.2.5(Fri)

JEMの愛称

 以前の日記でも紹介したが、現在、軌道上で建造されている国際宇宙ステーションの、日本実験モジュール(通称JEM)に愛称をつけようということで、宇宙開発事業団が募集している。ほんとは先月末が締め切りだったのだが、諸般の事情で今月末までに延長された!

 私は応募しようと、ずーーーーっと名前を考えていたのだが、締め切りに間に合わなかったので諦めていた。しかし、期間延長ということで、改めて愛称を考えてみた。そして、ついに「これだっ!」というものを考え付いた!!

 速攻で募集のページに飛び、フォームに記入。送信〜。
 さて、採用されるかな。採用されたら、いいのにな。


1999.1.31(Sun)

日本ロケット協会

 『特命リサーチ200X』で、宇宙のことをやるとかLicが言ってたので、見てみる。
 月面ホテルに月面基地か、だいぶ昔に話題になってたのが、まだネタとして通用するんだなー、なんて妙なとこに感心しながら、見てしまった。
 ゼグラムの弾道飛行が出てきたので、“観光丸”も出るかなと思っていたら、出た出た、日本ロケット協会。

 この怪しげなネーミングは、けっこう好きだ。まぁ“観光丸”が実現したら、ぜひ乗ってみたいとは思うけれど、さて、間に合うかな。
 番組中、日産自動車の研究内容とかが結構、出てくるのでなんでかな〜、と思ってたけど、CMに入って理由がわかった。スポンサー様の意向に沿う番組造りにしなきゃね、やっぱ。


1999.1.20(Wed)

なんか似てる

 向井千秋さんのダンナさんの顔を、初めてTVで見た。
 第一印象「なんでここにOVA版『ガッチャマン』の南部博士が??」だった。

 うーん、なんてお茶目なんだ。


1999.1.12(Tue)

宇宙

 今日の『万物創生期』は、“重力からの脱出”だった。国際宇宙ステーションも時間をかけて紹介されたし、とてもよい作品だったと思う。もちろんビデオ録画した。

 スペースシャトル“チャレンジャー号”が爆発するシーンは、何度見てもやりきれない思いだ。管制室の、スタッフが呆然としている様子は、あまりに痛々しい。
 あれから10年以上経過し、今、宇宙では国際宇宙ステーションが建造中。まさに万感の思いがする。

 日本の実験モジュール“JEM”は、現在愛称をNASDAが募集している。私も何かよい名前はないかと考えるのだが、どうしても“雪風”とか、そういう系統に偏ってしまって、いまひとつよい案が浮かばない。締め切りまで、あとわずか。我が子に名づけるより難しいかもしれない。


1998.12.10(Thr)

国際宇宙ステーション

 日本時間8日午前8時10分からの7時間21分に渡る船外活動で、先にドッキングした“ユニティ”と“ザーリャ”のモジュール間を結ぶ40カ所の配線が結合された。
 これにより“ザーリャ”の太陽電池パドルから、“ユニティ”に電力が供給され、“ユニティ”の主コンピュータから“ザーリャ”の制御が可能になった。船外活動の終了後、“ユニティ”の主コンピュータが起動、国際宇宙ステーションに火が入った

 とうとうここまで来たなぁ。自分が入社して国際宇宙ステーション日本モジュールの制御ソフトウェア担当になってから、すでに10年。あのころは、計画の遅れに次ぐ遅れで、本当にこの宇宙ステーションは成功するのかどうかさえ、あやしかった。それがついに宇宙で稼動をはじめた。

 JEMがシャトルで打ち上げられるときには、アメリカまで発射を見に行こうと思う。


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