1999.7.1(Thr)

今日は晴れ

 カーテンの隙間から差し込む光が心地よい。しかし、私の体は風邪のためかずしりと重く、意識もなんだか朦朧としていた。
 とにかく喉の痛みがひどすぎる。咳をすれば頭に響き、前頭葉付近が“ぽーーー”としてしまう。会社に行くのは無理っぽい。しゃがれ声で電話して、休むことを伝えてから、午前中のうちに病院に行っておこうと思い立ち、支度をはじめた。
 午後だと、どうしても混む。すいてるうちに、ちゃっちゃと診察を済ましてもらおう。この目論見は、狙い通りうまく行き、ほとんど待ち時間なしで診てもらえたのだが、胸部レントゲン撮影の結果、どうやら気管支炎になっているらしい。治るのに4〜5日かかると言われてしまう。出張日が7日なので、きわどいタイミングである。点滴とか注射とかしてくれるかなと期待したが、なかった。薬だけでなんとかなるものか、やや不安。

 不思議なもので、病院を出る頃には体のだるいのはだいぶましになっていた。あいかわらず喉が痛いのと、咳がひどいのは変わらないが、ずいぶんラクになった気がする。ちょっとよくなりはじめると、すぐいらんことを考えつくものだ。このとき私の頭に浮かんだのは、支柱をたててないレモンきゅうりのことである。この週末も雨が降るらしいので、今日を逃すと、もう手遅れになるかもしれない。…結局、帰り道、ホームセンターまで立ち寄って、支柱とネットを購入していた。これで一安心である。

 お昼ご飯を食べたあと、すぐにレモンきゅうりを植えてある菜園で作業を開始した。キュウリは、伸び放題にあっちこっちにからまっていたので、1つ1つ茎を折らないように気を付けながらほぐしていき、支柱に沿って張ったネットにからめていった。茎や葉っぱの細かな棘が、ちくちく手にささって痛い。みずみずしい茎や葉っぱは、やわらかく繊細で、2〜3本折ってしまったのだが、株数がもともと多かったので、それほど心が痛むこともなく作業は終了した。
 黄色い花がたくさんついていたので、あと1週間も遅れていれば、地べたで実が育つ最悪の状態になるところであった。週末ごとに雨ってのは、ほんと勘弁してほしいものだ。

 前回、ポット上げしたままになっていた巨大シシトウも、菜園のほうに移すことにした。菜園の土は、びっくりするぐらいほくほくで軟らかく、土壌改良の効果が目に見えて分かって驚いた。春に土壌改良材を入れたときは、まだ土は硬く、重かったのだが、今ではそんな面影はどこにもない。
 だが、シシトウ9本植えただけで、スペースがなくなってしまった。まだシシトウのポット苗は20本からある。どうしたものか悩んだ結果、コニファー前の痩せた大地に直接植え込むことにした。今年は他にも種から育てている花苗が多数あるので、それ用の植え付け場所も残しておかねばならず、狭い庭でレイアウトに悩んでしまった。つくづく庭づくりとは、事前の計画が大事だなと思い知る。来年は、ちゃんとレイアウトを下書きしておかなくては。

 菜園以外の庭の土は、まだまだ痩せて硬く、石がごろごろしているので、シシトウを植えた場所には、さっそく肥料をまいておいた。もっと根本的に土壌改良しないといけない気もするが、今年はもう無理なので、来年の課題だ。それにしても、長引く雨で、雑草が大繁殖していた。いったいどこから種が飛んでくるのか。それとも土の中に種が残っているのだろうか。雑草に埋まりそうなホウズキや花桃の苗付近だけ、とりあえずちょこちょこっと草を引いておいたが、GW明けのような綺麗さに戻そうと思ったら一日仕事では終わりそうもない。まさにガーデニングとは雑草との闘いである。

 午後、みこにゃんに会いに行った。私がいる間、ずっとみこにゃんはお昼寝中で、今日はみこにゃんと会話することはできなかったのだが、一緒にベッドで寝てきたので満足満足。みこにゃんの咳はだいぶおさまってきたらしい。このぶんだと、日曜くらいには退院できるかも。


1999.7.2(Fri)

まっくら

 病院のドアごしに、みこにゃんとLicの姿が見えた。待合室まで降りてきてくれていたのだ。みこにゃんも私に気づいたらしい。おっきな目でこっちを見ながら、イスの上を伝って近づいてこようとしてる。
 あ、点滴チューブが外れてる。みこにゃんが身軽なのは、点滴チューブがつながってないからだ。ということは、もう点滴しなくてもいいぐらい回復したのかな?
 みこにゃんの両手を持ってやると、今日もちゃかちゃかちゃかちゃかとその場駆け足を披露してくれた。最近、みこにゃんこの遊びにはまってるらしい。可愛すぎる。

 明日レントゲンで白い影が見えなかったら退院ということらしい。でも、夕方みこにゃんは「しんどい」と訴えていたらしい。熱が出かかっているのかもしれない。
 病室に戻って、検温。…う、やはり37.5ある。しかも、咳がぶりかえしつつある。風邪が治りきってないみたいだなぁ。。。明日、無事退院できるだろうか。微妙なところ。
 ところで、みこにゃんは今日、頻繁に「あ、まっくら」と言った。待合室の隅とか、廊下の奥とか、薄暗い箇所を見つめては、「あ、まっくら」。新しい言葉を覚えたので、うれしくて何度も使っているのかな?それとも暗闇に思い入れが強いとか。みこにゃんには、暗闇の向こうに何か見えているのだろうか。ちょっと気になる。

MP3

 レンタルビデオ&CD屋に寄ってみた。入り口のドアに、なにやら広告が貼ってある。「CDアルバム、1枚95円」となっ!うひょ〜、こりゃ借りなあかん。
 最新作は軒並みレンタル中だったので、旧作を物色する。急に借りようと思うと、すぐにいいのが思い浮かばない。しょうがないので、『あ行』から順番にサーチしていった。

 最近新作を聴いてなかったなと思ったので、まず浜田省吾の『初夏の頃』を手に取った。続いて Jungle Smile の『虹のカプセル』。最後に the brilliant green の『the brilliant green』。他にも、借りたいものは続々と見つかったが、また明日にしよう。今日はこの3枚をMP3に変換することにした。

 オーディオCDを、直接デジタルデータのままMP3に変換するソフトは、これまでNOVACが販売していた CCDMVP98plus ってやつを使っていた。だが、先月下旬、MP3変換エンジンが新しくなったニューバージョンが発売されたので、さっそくバージョンアップしておいたのだ。名前も新しく MP3 Jet-Audio Extention になったこのソフトは、インタフェースこそほとんど変化ないが、MP3への変換速度が高速化されているのがウリの1つだ。さっそく the brilliant green のCDをセットして変換開始。ビットレートは可変128kbps。

 をを!たしかにこいつは速い。見ている間に、1分2分3分4分…、1曲分が変換終了だ。体感的には4〜5倍、高速。アルバムすべて変換するのにわずか15分程度しかかからなかった。以前なら1時間はかかってたところだ。素晴らしい。
 これだけ変換速度が速いのならば、もうちょっとCD借りてきてても大丈夫だったなと思う。
 ところで浜田省吾のアルバムは、実行ファイルも入ってるタイプだった。70年代の彼のアルバム紹介とか活動履歴とかが参照できる。以前から、こういうタイプのアルバムが出ているのは知っていたが、実際に自分で見るのは初めてだ。けっこう便利かも。
 さらに付け加えるならば、このアルバムのラストの曲、収録時間が実際の時間とかなりずれて表示される。そのため、MP3変換時、エラーで止まってしまった。どうやら Jet-Audio は、終了条件に収録時間との比較をやってるらしい。エラーで止まったものの、曲データそのものは支障なく再生できたので、実害はなかったのだが、なんでこんな誤ったデータがCDに記録されちゃったんだろう。マスター作成時にチェックできなかったのかな…。


1999.7.3(Sat)

ふと買ったもの

 午前中、市の図書館に行ってみた。2週間前にLicが借りてきた本が、今日、返却期限になるので返さないといけないのだ。図書館は市役所の隣にできたと聞いていたが、今回初めて実物を見て、正直「こんな田舎にこんなにでかい建物いるんか?」と思ったほど外観は巨大だった。図書館のほかに、体育館やら児童館みたいなのも併設されていて、そうとうに広い。

 まずは返却をすませてから、館内を物色する。妙に書架に空きが目立つ。できて間もないので、蔵書が足りないのかも。あと気が付くのは、書架の間の空間がやたら広いことだ。図書館というと、狭苦しい棚の隙間をカニ歩きですり抜けないと…、という刷り込みがあるのだが、ここはまるで大型の本屋、いやそれ以上に贅沢な空間の使い方をしていた。2m離れて、背表紙を一望できてしまう。視力2.0の私にとっては、じつにありがたいレイアウトといえる。
 書架にある本以外に、倉の中にも蓄えがあるらしく、検索専用のPCなども置いてあった。「指輪物語」を借りようかなと思って、検索してみたかったのだがガキんちょが占領していたので、やめた。またの機会にしよう。
 検索をインターネットでも実行できるようにしておいてくれると助かるんだけどな。

 図書館のあとは、マーゴに寄ってちょいと買い物。今日、用があったのはフォトラボだ。狙いは無反射ガラス。写真用のフレームの高級品には、たいてい無反射ガラスが使われてるので、そいつを買おうというのである。
 無反射ガラスは、天井の蛍光灯なんかを反射させてみると違いが一目瞭然だ。普通のガラスだと、ぴかぴか鏡のごとく反射してくれるが、無反射ガラスだと写り込みがほとんどなくなるのだ。こんなものを買って何に使うか?そりゃもう…

退院

 午後、みこにゃんのお見舞いに行く。無事退院できるかな??
 病室に入ると、みこにゃんはお昼寝中だった。Licが、退院できるよと言った。よかったな〜、みこにゃん。
 ところでみこにゃんは病室などで見かける赤ちゃんに、とても興味を示していたそうである。みこにゃんもまだ1歳10ヶ月ちょいの幼児なんだが、自分よりちっちゃいサイズの赤ちゃん限定で、興味があるらしい。小さくて可愛いからだろうか。それとも、子供好きなのかな?

 今日はナースステーションに、生後2〜3ヶ月と思われる赤子が格納されていて、みこにゃんの好奇心を刺激しまくったようだ。にゃぁにゃぁと赤子独特の泣き方で、手足をばたつかせる様子を、みこにゃんはじっと見つめ、「あかちゃん ないてる」と言った。そのうち、看護婦さんがミルクの準備を始めると、なんだかみこにゃんまで期待に瞳を輝かせるのだった。
 んぐんぐとミルクを飲み始めた赤ちゃん。みこにゃんは今日で退院。看護婦さんたちに、ばいばいと手をふって、病室を後にした。

 今夜のご飯の材料がぜんぜんないので、帰りにスーパーに寄って行ったのだが、ここで面白いものを見つけた。「ざくろのヨーグルト」。ざくろがこれまで加工食品になったのを見たことはない。いったいどんな味になっているのかめちゃくちゃ興味がある。さっそく1つ買った。
 ふと、背後の棚を見て、さらに唖然となった。そこには「ざくろジュース」「ざくろ100%ジュース」のオンパレード!ざくろって、流行ってるのかな?ざくろがジュースになるくらいなら、そのうち「あけびジュース」なんてのも登場しそう。

 帰ってからさっそく「ざくろ100%ジュース」の味を確かめてみた。ん〜〜…、なんとも形容しがたい味。これまで飲んだどんなジュースとも似ていない。生で食べたざくろの味を思い出してみたが、それとも違う感じがする。こんなに甘くはなかったはずだ。正直、おいしいとは思わなかったが、まずいってのとも違う。これは食べ慣れない味だから、ちょっと拒否反応が出てるだけかもしれない。
 しばらく時間をおいて、再び飲んでみた。ん、後味というか喉奥にかすかに感じるこの苦み。たしかに“ざくろ”のものだ。このざくろジュース、しっかり冷やしておかないとおいしさを発揮しないみたい。


1999.7.4(Sun)

変身

 Licが髪をカットしに行くので、美容院まで送っていった。男の散髪と違って、女のヘアカット&ストレートパーマは時間がかかる。4〜5時間、みこにゃんと二人で放浪していよう。

 まずホームセンターに行ってみることにした。玄関左側の地べたに並べる煉瓦を買わねばならない。煉瓦といっても、昨今のガーデニングブームでエクステリアとしての煉瓦の価値は高く、いろんな材質、色、形のものが並んでいる。昔ながらのつるっつるのいわゆる煉瓦色したやつなど、もうどこにもない。
 いろいろ見てまわった結果、くすんだ茶色のアンティーク調な煉瓦がよさそうだったので、台車を持ってきて運搬準備。事前に煉瓦を並べる空間を計測してきたので、このサイズの煉瓦なら100個ほど必要なことがわかっていたのだが、いざ台車に積み始めるとその量がハンパじゃないことがだんだんわかってくるのであった。とてもじゃないが100個もは、運搬できない…。

 結局、今日は半分の50個だけ買うことにした。積んでる間、みこにゃんは「かいだん!」と言って楽しそうに上ったり下りたりして遊んでた。煉瓦がぐらつくので、見てるこちらは冷や冷やものだが、みこにゃんはそういうのも楽しいみたい。全部積み終わってから、重大なことに気が付いた。あと1種類、見忘れていた煉瓦があったのだ。
 積み終わったほうは1個198円。こっちのは98円!約半額である。心が揺れた。
 再生煉瓦と名札がついていた。色は4色揃っている。その中でも、明るい黄色というか黄土色というか、それっぽい色した煉瓦はじつに素晴らしく思えた。煉瓦っぽくない色と、明るい色彩は狭い庭でこそ映える気がした。

 せっかく積み上げた50個の煉瓦を、黙々と戻し始める。こういうエクステリアは、妥協してはいけない。徹底的に気に入ったものを追求しなければ、ぜったいあとで交換したくなるのだ。
 新しい煉瓦を、再び50個積み始めた。みこにゃんも手伝ってくれる。でも、煉瓦1個の重さはみこにゃんにとって、持ち上げるには重すぎたらしい。ちょびっと持ち上げた隙間に指がはさまり、身動きとれず。「…おとうしゃん」と助けを求めるみこにゃんであった。

 無事煉瓦を購入して、クルマに積み込み帰宅する。途中、みこにゃんが寝入ってしまったので、スーパーマイルド・ドライビングモードに移行した。Licのカットが終わるまで、お昼寝してくれるのなら大助かりである。
 ところが、家に着いて煉瓦を降ろしていると、猛烈な頭痛が襲ってきたのである。なんだか体も寒気がする。風邪の前兆っぽい。貴重な自由時間だが無理は禁物。煉瓦を降ろしたあとは、みこにゃんと並んで布団で横になっていた。最近、休日のたびに寝込んでいるような気がする。どうりで庭仕事やら部屋の掃除やらが、滞ってしまうわけだ。

 Licからお迎えコールがあったのが夜の7時。ちょうどみこにゃんも起きて、泣き始めたので、ただちにお迎えに参上する。クルマに乗るとみこにゃんはごきげんになるのだ。
 さて、Licの髪型はさっぱりすっきりになっていた。去年の夏の髪型は、大胆不敵にも藤原紀香ヘアだったのだが(私がリクエストした)、今年は特に指定はしなかったらしい。みこにゃんも、髪型が変わった“おかあさん”をちゃんと認識できたようである。めでたしめでたし。

フレンズ

 最近、REBECCAの『フレンズ』がリバイバルしている。やはりドラマの主題歌に使われた影響は大きい。『フレンズ』が世に出てからすでに13年。当時0歳だったやつらも、いまや中学生だ。彼らがREBECCAの曲に触れるチャンスが増えたことの意義は大きい。REBECCAの曲は、それほど価値あるものだと私は思っている。

 リミックス版のシングルCDが出ているのは知っていたが、のっこ名でアコースティックバージョンが出てたのは、レンタル屋で見つけるまで不覚にも知らなかった。即、レンタルしてきたのは言うまでもない。
 Creamy版の『フレンズ』、歌い方が初期REBECCA時代のNOKKOに戻ってるような感じがした。あ、でも名前を“NOKKO”から平仮名の“のっこ”に替えてからの歌い方も、こんな感じだった気もするので、最近はずっとこうなのかもしれないけど。こういう雰囲気の声のほうが好きなので、ありがたい。
 オリジナルの『フレンズ』の印象からは、がらっと変わってしっとりバラード系になっちゃってるけど、こういうのもありかな、と思わせてしまうのでよしとしよう。REBECCAのアルバムには、こういうリミックス版が過去にも多数あったが、土橋安騎夫の曲はオリジナルが完成版っていうのではなく、たくさんの曲イメージを膨らませて1粒で3度でも4度でもおいしい仕上がりにしてあるのではないだろうか。

 もし今、『フレンズ』だけでなく『May be tommorow』がリミックスされたら…。のっこはどう歌ってくれるだろうか。ぜひ、聴いてみたい。


1999.7.5(Mon)

魔の月曜日

 起きたら体が動かせなかった。背骨がきりきりと痛み、筋肉から水分がなくなってしまったかのように体がきしむ。頭もひどく重く、目の奥がじんじん痛む。最悪な朝だ。
 Licも、同様にしんどいらしい。時間は刻々と出勤リミットの10時に迫る。だが、この状況では起きるのもままならない。やむなく休暇をとることにした。
 みこにゃんも熱っぽいので、家族そろってダウンである。5月のGW明けから病気づいてる我が家は、まだ全回復には至っていないらしい。もう夏がくるというのに困ったものだ。

 昨日に引き続き、今日も外はいい天気。土曜の土砂降りが、梅雨の最後の抵抗だったのか。梅雨明けしたのだとしたら、今年の夏は長くなりそうである。例年ならば、7月下旬ごろまで雨がぐずつくのだが、そんなじめっぽい夏とはおさらばできるのかと思うと、よけい体調が思わしくないのが悔しいではないか。

 ようやく動けるようになったのが夕方である。せっかく休暇をとったのだから、天気もいいことだし庭いじりでもしたい。昨日買ってきた煉瓦を並べよう。
 50個の煉瓦は、地表に並べてしまうとあっけないくらい少なく見える。最初の計算で導出した100個では、とてもじゃないが足りない感じがする。といって、このまま煉瓦だけで埋めてしまうのも、変化に乏しい気もしてきた。

 Licがウッドパネルを置こうと言った。煉瓦だけより面積を稼げるし、変化も出てくる。さっそく買いに行くことにした。ホームセンターの閉店時間19時半が迫っていたので、かなり焦りつつ到着してみると、いつのまにか閉店時間が20時に延長されていた!なんだかものすごく得した気分。
 ウッドパネルは4枚セットで1980円のやつを選んだ。もっと高価なものもあるが、大きさ以外にいまひとつ違いが見いだせなかったので一番安いやつにしたのだ。2セット8枚のウッドパネルを併用すれば、煉瓦の追加購入も少なくて済みそうである。
 あとは時間まで園芸コーナーを見倒していたのだが、観葉植物コーナーにとても気になる鉢植えが並んでた。最初見たときは、作り物じゃないかと思ったのだが、どうやらすべて本物らしい。その鉢植えには“ジャックと豆の木”とラベルがついていた。高さ15cmくらいで、根本にどでかい玉が2つくっついている。どうやらそれが豆というか種の部分らしかった。でも、普通植物の種って、芽をだして大きくなるにつれてしわしわにしぼむものだが、こいつはつやつやに張りがある。なんとも妙な植物である。Licも気になるらしい。よし、買いだ。あまり背の高くなってないのを選んだ。

 “ジャックと豆の木”は、夏の直射日光はダメらしい。というわけでリビングのワーディアンケースに収まってもらった。この棚には、すでにトックリラン・ノリナとミリオン・バンブーがいる。変わった植物ばかり増えてゆく今日この頃。

おばけ

 夏も近づくこんな季節は、毎年恒例の訪問者がやってくる。細長い体に、無数の脚。百足の恐怖が、今年もまた始まる。

 そいつを発見したのはLicだった。トイレの中に追い込んだらしいが、Licは脚のたくさんある生物全般がたいへん苦手であった。うちの家には殺虫剤の類は常備していない。砂ネズミやら水槽やらが置いてあるため、そういう薬剤を迂闊に使えないからだ。
 そこでいつも私が素手で格闘することになっている。去年などは体長15cm級のムカデザウルスを3匹ほど倒したものだ。今夜出現したやつは、体長6cm、可愛いものである。ティッシュ2枚手にとって、すりつぶしにかかった。
 しかしムカデというやつは、相当にタフな生物である。頭をつぶしたくらいでは絶命しない。瞬殺するには全身を同時に粉砕しなければならない。が、脚で踏みつぶせる屋外ならともかく、狭いトイレの中ではやはり手で確実に仕留めなければならない。

 ムカデはティッシュ攻撃を受けて、のたうちまわる。その様子をじっと見ていたみこにゃんが言った「おばけみたい こわいよ〜」。
 みこにゃんは恐ろしいものを“おばけ”と抽象化できるようになっていた。妖怪モノのビデオで教育したわけではない。“おばけ”といえば、みこにゃんの絵本に出てくる伝統的オバQスタイルが唯一のものだ。みこにゃんはどこで“おばけ”を“怖いもの一般”と結びつけることを憶えたのか。そういえば、このまえみこにゃんはLicに怒られてるときに、ぼそっと「おばけ…」と呟いてたなぁ。


1999.7.6(Tue)

『リング』

 映画版『リング』、昨夜深夜にようやく見た。『リング』の映像化作品として初めて、2時間のTVスペシャルとして放映されたドラマを見たのが、私のリングとの出会いであった。偶然チャンネルを変えていたら、なにやら妙な雰囲気のドラマをやっていたのでつい見てしまったというわけだ。“呪いのビデオ”というこれまでにないアイテムもよかったのだが、貞子がこのような呪いのビデオを残すに至った過程を丹念に発掘してゆくさまは、昔の金田一シリーズを彷彿とさせ、久しぶりに見応えのあるドラマを見たなぁという感想を持ったものだ。
 現在映画版『リング』を評してよく言われるような“ホラー”としての要素はそれほどなかったのだが、私にはそれでも十分に楽しめた。もちろん日本の心霊モノは嫌いじゃない、いや、かなり好きなので、怖い怖いのホラー系なドラマであったにしても十分楽しめたとは思うのだが…。

 さて、映画版『リング』である。松島奈々子は、個人的嫌いな女優トップ5に入っているので、それだけでも魅力半減(これまで映画『リング』を見ようと思わなかった理由もコレ)。だが、一時期スプラッタムービーなどで流行った、やたらと人肉やら血しぶきをあげるシーンが一切ないのは評価できる。欲を言えば、おぞましい目玉とか、そういう“怖いだろう”という見え見えの表現も、全部やめて雰囲気だけで怖がらせてほしかった。見開いた目が、ばばん!と大写しになっても、「あぁ、またこんなもので怖がらそうというのか…」という醒めた見方をしてしまって、他に良い部分があっても相殺されてしまうのだ。

 TV画面から貞子がはいずり出てくるシーンは、たしかにナイスである。ゆるやかにはいずってくるっていうのが、じわじわと恐怖をかきたててよい。日本の恐怖映画には欠かせない白装束に長い髪の女という定番も、こういう場面ではじつに効果的だ。あの“目”を見せなかったら、もっと高評価になるのだが…。
 しかし私が「こいつは怖い」と思ったシーンは別にある。呪いのビデオを見た人を、写真に写すと顔がゆがんで写るっていうやつだ。呪いのビデオを見てしまった松島奈々子をポラロイドで撮るシーン。ゆがんだ顔は、めちゃめちゃ怖い。写真というあまりに身近なアイテムに潜む恐怖心を、見る者に思い出させる素晴らしい演出である。
 誰でも子供の頃見た心霊写真のTV特集などで、少なからず写真とそれに写る怖いモノに、潜在的に恐怖を刷り込まれているのではなかろうか。肩から伸びた別の腕とか、、、いない場所に移ってる女の顔とか、、、。肉眼では見えないのに写真だと写ってる怖さ。なんだかずっと見えないまま付きまとわれているという怖さ。そういうものが写真に写る怖いモノにはある。その写真で、自分の顔がゆがんで写ってしまったら…、想像するだに恐ろしい。
 残念なのは、貞子役の女優が怖さを全面に出したために、最初のドラマで貞子を演じた少女のように美しくなくなったってところである。美少女バージョン貞子のイメージが強いため、不細工貞子は気持ち的に拒絶してしまう。美少女がやったほうが、逆に怖さは増すように思うのだが。かなり残念な部分である。


1999.7.8(Thr)

東京ビッグサイト

 じつに久しぶりに、東京出張である。“第2回 組込みシステム開発技術展”が東京ビッグサイトで開催されるので、参加するのだ。
 組込みシステムとは、クルマやエアコン、炊飯器から宇宙ステーションに至るまで、今やありとあらゆるところで密かに活躍している内蔵コンピュータシステムのことである。これほど身近に組込みシステムは溢れているというのに、世間一般の組込みシステムに対する認知度は、かなり低い。ソフトウェアの世界でも、組込み系ソフトウェアはあまり表舞台に登場することも少なかった。そもそも大学の情報処理系学科などで教えてくれるソフトウェア工学は、いわゆる事務処理系システムが多く、組込みシステムは趣味でやってるか、会社で機械制御などの仕事を担当しない限り接点がないのが原因に違いない。

 それでも、HONDAのP2、P3やSONYのAIBOなどの登場で、組込みシステムに対する見方は、多少変化しつつある気もする。ロボットや機械には、昔からコンピュータが内蔵され、当然ソフトウェアも走っていたのだが、やはりメカニズムのほうに興味の重点が置かれやすかったのではなかろうか。ところがP3の二足歩行はメカニズムが素晴らしいのもさることながら、ソフトウェアによる優れた二足歩行アルゴリズムがなければあのような滑らかな動作にはならなかった。初めて、組込みソフトウェアの威力が分かりやすい目に見える形で披露されたと思う。エアコンがファジー&ニューロ制御しても、人間にとってはなんだかよくわからないが、人型ロボットが怖いくらいリアルに2足歩行しちゃったら、じいちゃんばあちゃんでも「ひょえぇぇぇぇ!」とのけぞったことだろう。

 さて東京ビッグサイトである。幕張メッセに代わるものということで、昨年だったかに堂々オープンしたこの施設、行くのは今日が初めてである。臨海副都心線に乗って2駅目で到着、電車内の人混みはラッシュアワーほどではないが、身動きできない程度には詰まってた。気になっていたのはスーツ姿の男女に混じって、セクシー系の肌の露出が多い女の子がかなりいたことだ。東京ビッグサイトに、いったい何の用事があるというのか?
 ホームを出て、人の流れに乗って歩いていても、その場違いな姿の女の子達が気になってしょうがない。あれこれ考えを巡らせているうち、ついにビッグサイトに到着した。たしかにでかい。見渡す限り人工物である。そういえば駅からここまで土がなかったような気もする。高い天井を見上げつつ、人波に流されるように目指す組込みシステム開発技術展へと向かった。
 他にも5〜6つの違う展示会が開催されていたのだが、どれもビジネス用途である。セクシー系女の子は、しかしここにもいた。謎は、会場内に脚を踏み入れて氷解する。

 まさか組込みシステム開発技術展などという地味なものに、バドガールもどきのコンパニオンが大量に動員されているとは思いもよらなかった。先ほどの女の子達は、交代要員なのであろう。控え室の方に消えていく。モーターショウやゲームショウでは見慣れているが、技術展のコンパニオンといえばスーツ姿のイメージが強い。いつのまにバドガールが一般的になったんだろう。しかもその姿で、「リアルタイムJavaは」とか「システムLSIに組み込まれた…」などと、あやしげなイントネーションでしゃべるのである。うーん、似合わない。
 やはりこういう空間では、レモンイエローや水色などの明るめのビジネススーツ(もちろんスカートは程良いミニ)の女性のほうが似合ってると思う。色気は露出の割合に比例するもんじゃなくて、たぶんその場の雰囲気と想像力によるところが大きい。なんでもかんでもバドスーツじゃぁ、かえってうんざりしてしまう。…でも、世間一般ではどこでもいつでもバドスーツのほうがいいってことになってるのかな?

 展示会の中身のほうは、有名なベンダー以外にあまり魅力的な商品がなかったのがちょっと残念に思った。こういう多数の企業が出展している場合だと、技術力はあるが弱小企業ってのに出会うチャンスもあるから楽しいのだが、今回はそういう隠れた逸品は見あたらない。全体的に展示方法がうまくなかった感じだ。じっくり眺めても、いったい何を展示してるのか分からないのでは、まずいだろう。プレゼンテーションが下手なのは、こういう展示会に慣れてないからだろうか。組込みシステムといえば、顧客の範囲は限られてくるから積極的に商売しなくてもなんとかなったのかもしれないが、このままじゃ先がないかもねと思うようなベンダーがかなりあったのは気がかりだ。

 Windows-CE を、ちらほらと見かけたが、来年、“窓”一色の展示会になってないことを心から祈りつつ、会場をあとにするのであった。


1999.7.9(Fri)

東京ビッグサイト II

 昨日に引き続き、今日も朝から東京ビッグサイトで展示会&セミナーに参加。
 ところで昼食だが、駅近くのコンビニでカツ丼を買って持ち込んでいたので、それを食った。だだっぴろいロビーというかエントランスの窓際には、ベンチがずらっと用意されているので、そこの1つを陣取り、窓の外を眺めながらのランチタイムである。もちろんビッグサイト内部にはレストランが数軒入ってはいるが、あまりの人の多さにとてもそんなところで食べる気にはならなかったのだ。

 カツ丼を平らげ、ペットボトルの緑茶で一服してから、午後のセミナー会場に向かう。昨日のセミナーはリアルタイムJavaについてだった。今日のは組込みシステムに特化したソフトウェア開発手法についてだ。こういう話題は、アカデミックな雰囲気からはちょっと遠いため、なかなか勉強する機会がないので、かなり期待している。

 専門書などにのっているようなソフトウェア開発手法は、ほとんどが事務処理系を想定しているので、組込みシステムみたいにリアルタイム性がシビアに要求されて、ハードウェアとの絡みが多い場合は、使いにくい。しかも設計仕様書などの文書類は、ウォーターフォール型の開発を前提にしていることが多いので、頻繁に仕様変更が入る組込みシステムには不向き。最近、ようやくアメリカ国防総省の開発標準が見直され、馬鹿げた書類の山を要求されなくなったのは、唯一の救いだ。

 セミナーでは、社内で独自に開発した開発支援ツールが多数紹介されていた。まさしくこういうのを待っていたのだというほど、現場指向のツール群だ。こういう開発支援のためのソフトウェアツールを、長期にわたって専門プロジェクトで研究・開発させてくれる企業がうらやましい。私が勤務する会社では、従来からハードウェア重視で、ソフトウェアの開発環境なんてのはほとんど考慮されることがなかった。ハードとの結合試験の必要性をいくら説明しても理解できない上司だらけだったのだ。
 おそらく日本の重厚長大産業では、大部分が似たり寄ったりであろう。ハードウェア畑の部長クラスはいても、ソフトウェア屋はせいぜい課長どまり。だから社内でもソフトウェアの理解はなかなか得られない。ハードウェアの不具合を、なんでもソフトウェアの修正で対処させようとする。ハードのように形あるモノではないので、いくらでも治せると思っている。etc.etc.…

 篠原重工では、レイバー用OSを独自開発していたが、たぶん現実の日本の重工メーカーでOSを独自開発できるところはないだろう。高度なソフトウェアはたいがいソフトウェアメーカーに外注だ。護衛艦、戦闘機、戦車、追尾ミサイル…、内部をあけてみると、メカニズム以外はほとんど外注ってことは当たり前。システム統合メーカーとして生き残るのも1つの道ではあるのだが、ブラックボックスだらけってのはなんだか気色悪い。そのうち、管理職だらけの重工メーカーになってしまわないか、ちょっと心配である。


1999.7.10(Sat)

鳥羽へ

 今日から2日間、鳥羽方面へ家族旅行である。事の発端は、鳥羽水族館が募集していた「クラゲ飼育教室」に応募したことから始まる。日曜午後からの部を希望していたのだが、あいにく定員いっぱい、しかし午前の部なら空いているということだったので、それなら前日から泊まりで行こうじゃないかということにしたのである。

 JTBの家族3人プランだと、会社の提携保養所と同じくらいの低価格で一泊二日が可能だったので、申し込んでおいたのだった。みこにゃんがJTBで「かえるのうた」を2度も歌ってきたのは、こういう理由があったのだ。
 岐阜は関市から三重県鳥羽市まで、通常国道を行けば半日はかるくかかってしまう。そこで今回は全行程高速道路を選択した。今日は、イルカ島に行く予定である。できるだけ早く鳥羽に着く方がいい。

 車中、みこにゃんはお気に入りの「かえるのうた」を何度も歌ってくれた。が、どういうわけか、出だしの歌詞が「かぼちゃのうたがきこえてくるよ」になることがある。最初はこちらが聞き間違えたのかな?と思ったが、何度か「かぼちゃの」と言うのを聞いたので、間違いなくみこにゃんは「かえる」と「かぼちゃ」を歌い分けているらしい。
 しかし、動物である「かえる」と、野菜の「かぼちゃ」にいったいどんな共通点があるのかわからない。「かぼちゃ」が歌うという発想からして、すでに我々の理解を越えている。共通点といえば、どちらもみこにゃんが好きなものということと、「か」で始まる言葉ってことくらいか。だが、好きなものは他にもいっぱいあるのだ。なぜ「かぼちゃ」なのか。みこにゃんに真相を聞いてみたいが、きっと数年後にはそんなことみこにゃんは忘れてしまっているのだろうな。

 鳥羽には約3時間で到着した。なかなかの好タイムである。お昼をすませてから、さっそくイルカ島へと向かう船に乗った。みこにゃんが好きそうなイルカの形をした“ちゃっぴー号”は、本日稼働していなかったのがちょっと残念。乗ったのは、浦島太郎の竜宮城をモチーフにした船であった。
 みこにゃんが船に乗るのはこれが初めてである。乗り物系はなんでも好きなみこにゃんなので、船も堪能しているようだった。だが、海はまだよく認識できないらしい。あまりに広いため、それが全部“水”というのがわかっていない感じだった。

 イルカ島では、イルカのショーがある。開演まで時間があったので、海水浴場まで散歩することにした。みこにゃんに波打ち際を見せたかったのだ。奥行きのやたら狭い砂浜だった。波がすぐそばまで迫ってくる。みこにゃんを砂浜に降ろして遊ばせようとしたのだが、「こわい、こわい」と抱っこされたまま降りようとしない。プールやお風呂は大好きなのに、ざっぱーんとやってくる波はみこにゃんにとって“こわいもの”らしい。
 カニかヤドカリでもいたらいいんだけど、と探してみたが見つからず。打ち上げられたミズクラゲを発見したので、棒でつついていたら、みこにゃんもつつきたいらしい。
 棒を持たせてやると、自分から砂浜に降りて、つつきはじめた。何か別のことに熱中してしまうと、波も怖くなくなるようだ。
 でも結局みこにゃんは波と仲良しになることなく、波打ち際初体験は終了したのであった。

 夕方、旅館へと到着。晩ご飯まえに、さっそくお風呂タイム。男湯は他に誰もいなくて、貸し切り状態。湯船に思いっきり体を伸ばしてリラックスする。あらゆる骨が伸び伸びして、疲れが湯気とともに出ていく感じがした。
 みこにゃんはLicと女湯に入っていたのだが、お湯が熱かったらしくLicが体を洗う間もなくお風呂から逃げ出していたらしい。私が「ちょっと早かったかな?」と思うくらいにお風呂を出て、脱衣所で扇風機をあびてたらみこにゃんが呼びにきたのであった。

 待ちに待った晩ご飯!刺身が岐阜で食べるのとは全然違うのに感動する。海が近いっていいねぇ。。。かなり皿数があったのだが、Licと二人でほとんど食ってしまった。みこにゃんはおつけものをがんがん食べた以外、あまり食欲を見せなかった。初めて船やら海やら体験したので、疲れていたのかもしれない。布団が敷かれると、あっというまに寝てしまった。
 時間のたつのがやたらゆるやかに感じる土曜の夜であった。


1999.7.11(Sun)

鳥羽へ II

 今朝も、とてもいい天気だ。クラゲ教室が10時から始まるので、早めに旅館を出て水族館に向かう。2度目の鳥羽水族館になるが、エントランスの巨大水槽は圧巻。ナポレオンフィッシュが2匹、優雅に泳いでいるのを見たら、こういう水槽を自宅にも欲しくなってしまった(無理に決まってるけど)。
 クラゲ教室が始まる前に、売店で気になるTシャツを見かけたのでさっそく1枚買った。アンドンクラゲのようなものが2匹泳いでるやつだ。みこにゃん用にラッコのTシャツを買ってやろうと思ったのだが、あいにくサイズが合わない。来年には着ることができるようになってるかな。

 午前10時、クラゲ教室が始まる。みこにゃんは、おとなしくいい子にしててくれた。約1時間の講義終了。クラゲ飼育のプロに、いろいろ質問できたのはとても有意義であった。

 あとは館内をゆったり鑑賞する。しかし、みこにゃんはだんだん飽きてきたらしい。水槽部屋に入ろうとすると「あ、だ・め〜だ」と出てゆこうとする。ちょっとでも気をひこうと、珍しい魚を見せてみるも、みこにゃんはそんなものよりは広い廊下を走り回るほうが楽しいらしい。それでも、すぐに脱走したがるみこにゃんを巧みに誘導して、しっかり全水槽を見て回ったのであった。ジュゴンのプールでは、セレナのお友達、カメのかめきち君がいたが、これはみこにゃんにも興味津々だったようだ。みこにゃんは、カメさんが大好きなのだ。

 一回りしたあと、再び売店で物色する。来る前から買おうと決めていた絵本『いつでもふたりは友達』を買った。ジュゴンのセレナとかめきち君の、実話に基づくお話である。あとは、『川魚入門』をゲット。そしてやはりTシャツである。クジラ、イルカ、サメ、どれもこれも欲しくなるが、値段が値段だけに厳選して1枚、満月をバックにジャンプするイルカにした。
 みこにゃんはジュゴンのぬいぐるみに興味を示していたが、これは家にあるので却下。家ではそれほど興味を示してなかったのに、なぜここでは気に入ったんだろう。やはり実物を見たせいかな?

 鳥羽水族館のあと、微妙に時間が残っているので二見シーパラダイスにも寄っていくことにした。閉館まで1時間だったが、ここはもともと海獣類をメインにしているため、魚水槽を見るのにそんなに時間はかからないのだ。
 ちょうど「あっかんべー」をするので有名なあっかんべーあざらしがパフォーマンスしていたので、みこにゃんにも見せてやる。
 ミナミゾウアザラシの巨体に、みこにゃんかなりびびったようす。いまにも泣きそうである。極めつけにセイウチと記念撮影。体長7mくらいある巨大なセイウチは、口をばくばくさせてみこにゃんを怖がらせてくれた。たまらずみこにゃん泣く。
 広場で自由にアザラシやセイウチに触れるのがこの水族館の魅力でもある。身長80cmのみこにゃんにとってみれば、どの海獣も信じがたい巨体に見えるだろう。大人にしても、もろに体当たりでもされたら手も足も出ないのだから。

 こうして鳥羽をたっぷり満喫した2日間の旅は終わった。一日一日が、ほんとうに長く感じられた。最近、忙しい日々だったので、なおさらそう思えたのかもしれない。次は名古屋港水族館と、南知多ビーチランドに行ってみようと思う。


1999.7.12(Mon)

食器洗い乾燥機

 家電量販店で、食器洗い乾燥機をチェック。Licが以前から欲しがっていたこのマシンは、最近薄型の新型が登場して、我が家の狭いキッチンにでもそれほど場所をとらずに置けそうなので、ぐぐっと購買意欲が高まる。
 専用の接続蛇口込みで7万4千円ほど。一括で買うにはちょっと厳しいが、分割ならなんとかなりそうである。幸い、我が家のローンは今期で細々したものがほとんど終わる。

 食事のあとの食器洗い作業はやりたくない家事ベスト3に入るほど、なかなか面倒な作業である。このマシンを使えばそんな家事から解放されるのだ。しかし、乾燥してお茶碗に貼り付いた米粒も、本当に綺麗になるものなのかいまひとつ疑問も残る。また、こうした電化製品の常、新製品が出るごとに機能アップしてて悔しい思いをするため、買い時期を決めるのが難しい。
 でも、結局買った。外観がスリムになってたというのが大きい。従来の不細工なまでにでかいタイプのは、ちょっと引いてしまってたのだが、これならば置いといてもいいかなと思わせる。他の家電がすでに外観勝負の時代にあるのに、この食器洗い乾燥機は長らく外観美の追究からは置き去りにされていた感がある。それほど技術的に難しい部分があるようには思えないのだが、ネックになっていたのはやはり普及台数だろうか。旧型機の値段ならば、すでに4万程度で買えることを考えると、あまり普及しないのは家事を省略することへの罪悪感みたいなのがあるからか。真相は如何に。

イデオン

 SkyPerfecTV! の チャンネルNECOで、『テッカマン』のあと『伝説巨神イデオン』TV版の放送が始まった。今日は1話と2話の放送なので、さっそくS−VHSで録画しておいた。

 ベスの声、最初はこんなに下手だったのかと意外な思いだ。劇場版のころのイメージとは、ものすごい開きがある。でもそんな違和感も、エンディングを聞けばすべて吹き飛んでしまった。やはり、このエンディングは劇場版『発動篇』で何種類もアレンジを変えてBGMとして使われただけある。来るべき終末をかすかに予感しながら、なすすべない無力感に取り込まれてしまうのを精一杯強がってみせている。『イデオン』を見る者が、どこに惹かれるかということを、このエンディングはすべて語っているのではなかろうか。

 チャンネルNECOで『イデオン』の放送が決まったのは、先だって劇場版を放送した影響で、リクエストが殺到したかららしい。昔の本放送時は不人気ゆえ、途中で打ち切りになってしまったのとはえらい違いである。ところで、番組からのプレゼント告知が入るのだが、そのナレーションの女性が“でんせつきょしん いでおん”と繰り返し発音するのが、どうも気にかかってしょうがない。“でんせつきょじん いでおん”と発音するのが正しいのではないかな?「巨人」と「巨神」をかけて“きょじん”と読ませるのだと思っていたのだが、もしや“きょしん”が正解??ん〜、なんかしっくりこないぞ。


1999.7.13(Tue)

はずかし〜

 今夜は海水魚屋さんのAPNにお出かけ。展示水槽見たり、店の兄ちゃんと話してるうちに、店長の娘さん(みこにゃんと1ヶ月違い)がひょっこり登場した。
 みこにゃんと同じくらい言葉を操るようになっていた。さすが1歳から2歳への成長途上にある子供は、進化がめざましい。Licに抱っこされて、なにやらお話しているようす。みこにゃんは、というと、なぜか視線を合わそうとしない。抱っこして近くに持ってゆくと、いかにも恥ずかしいといった表情でにが笑い(?)しながら、もじもじする。

 最近、みこにゃんは“なんでも恥ずかしい病”らしい。ぜんぜん知らない人には、あいかわらず人見知りするのだが、多少知ってる人だと、以前なら平気だったのに、今では恥ずかしいのが先に立ってしまって困っている感じ。このまえ入院してたとき、保育園の先生がお見舞いに来てくれたらしいのだが、その時もベッドの柵にかきついて、恥ずかしがっていたそうな。

かき氷

 今年はとうとう“かき氷マシーン”を買った!今夜は、初のかき氷たいむである。
 製氷器の氷をがらがらと投入し、いざハンドルを回す。懐かしい音が響き始めた。

 しゃこしゃこしゃこしゃこ。

 かき氷など、ここ数年食べてなかったので、出てくる氷の白さと薄さに「ほんまにこれで大丈夫か?」という不安を抱きつつも、完成した。
 メロンの蜜をかけ、1つのどんぶり鉢に入ったかき氷を、3人で同時につつく。…をを、まさしくこれはかき氷!記憶されている夏祭りの思い出が、瞬時によみがえってくる。
 買って良かった“かき氷マシーン”。みこにゃんの記憶にも、夏はやっぱりかき氷ってのが植え付けられてゆくのだろうな。


1999.7.14(Wed)

ぜりー

 みこにゃんは“ぜりー”が大好きだ。今日もバローでお買い物の途中、杏仁豆腐のカップを発見、さっそく手にしたみこにゃんは「ぜりー、たべる!」と宣言した。
 杏仁豆腐は、みこにゃんが小さいころLicお手製のやつを食べさせたことがあるのだが、口にあわなかったらしくすぐ吐き出していた。大丈夫だろうか。みこにゃんは手に持ったそれがゼリーではなく、杏仁豆腐ってことには気づいていないみたいだし。

 しっかと手に持ったままのみこにゃんは、自分でレジのお姉さんにピッしてもらってた。買い方は、もうすっかり憶えたらしい。Licがお金を払うのを確認すると、再び「ぜりー、たべる!」と言い出したので、「おうちに帰ってからねー」となだめながらどうにか帰宅。晩ご飯をちゃっちゃと食べてから、待望のぜりーたいむ!

 蜜を入れて、クリームをかけ、みこにゃんにどうぞすると、付属のスプーンで上手に食べ始める。それが杏仁豆腐であることなど少しも気にとめることもなく。
 ゼリーも杏仁豆腐も、似たような口当たりである。みこにゃんは満足げに“ぜりー”を食べ終えた。そういえば、プリンを食べても“ぜりー”って言うなぁ、みこにゃんは。


1999.7.15(Thr)

発表会

 今日は会社で私の所属する研究グループの、研究成果報告会があった。例年ならば、順番に一人一人15分程度で発表をするのだが、今年はがらりと趣向を変え、ポスターセッション方式を採用、午後2時から4時半までの間、興味をもって立ち寄ってくれる見学者に毎回説明するというスタイルであった。
 こちらのほうが、興味を持った人だけに説明できるので手応えがあるのと、対面で説明できるため、質疑応答も細かにできて、充実した感じがする。2時間半、ずっと立ったまま、しゃべる時間も多いので疲れるけれど、リラックスムードで対応できるのはとてもありがたい。壇上での発表は、緊張しまくって大変だが、ポスターセッションならば大丈夫。来場者アンケートでも、従来方式より好評だったことがうかがえる。やはり面と向かっていろいろ話が聞けるのは魅力的なのだろう。問題があるとすれば、一人に対応しはじめると、他の人が待ちに入ってしまうことだ。そうなると、ちょっと興味を惹かれたので見に来たという人だと、我慢できずに他に流れていってしまう。結果、専門家ばかりが残るという感じである。これを改善しようと思えば、同じポスターでの対応者を増やすか、我々の側でうまくそういう人も取り込んだ説明をするかだが、対応者を増やすのは無理なので、やはり対応能力を上げる以外になさそうだ。

 去年までならせいぜい20〜30人来ればいいほうだった発表会だが、今年はなんと倍増以上の70人強が訪れてくれた。社内イントラネットの掲示板で告知した効果だろうか?それともポスターセッションっていうのに興味を惹かれた人が多かったのかな。でも、情報処理&電子技術系の発表だったにもかかわらず、ソフトウェア開発担当部署からの見学者がいなかったのが気になるところだ。

夕涼み会

 今夜は、保育園で夕涼み会というものがあった。私は仕事で行けなかったが、みこにゃんとLicは、お揃いの浴衣を着ての参加である。
 この時期、このあたりの保育園&幼稚園ではどこも夕涼み会というイベントをやるらしい。私が幼稚園に行ってたころは、そういうのがあった記憶はない(実家は四国のほうなので、こちらとは風習もだいぶ違うとは思うが)。というか、父母参加型のイベントそのものがそんなに多くはなかった気がする。せいぜい運動会くらいだ。

 春から新学期(というのか?)が始まって、はや4ヶ月、その間にもいろんなイベントがあった。すでに3〜4回はLicも一緒に参加してたような気がする。ずっと保育園で任せっきりになるよりはいいかなと思う反面、父母参加イベントがこれだけあったら子供にとってそれはもはや特殊なイベントにはなり得ないんじゃないかなと言う思いもある。みこにゃんがもうちょっと大きくなったら、いろいろ聞いてみよう。

 さて、夕涼み会では、ぴかちゅうのお面と、ドッジボール、それに金魚などをゲットして持ち帰っていた。お面は、事前に各家庭2枚づつ配られ、色を塗ってもっていっていたものだ。我が家への割り当ては、キティちゃんと、獣神ライガーだった。Licが塗ったのだが、ライガーが難問であった。名前は知っていたが実物を見たことがないので、どんな色なのか想像もつかなかったのだ。ウェブを検索して、どうにか発見した原作本の表紙によれば、金色らしい。そこでLicは黄色に黄土色やら茶色やら混ぜて、マニアックに彩色したものを提出したのだった。
 他のお母さんたちも、ライガーの配色には迷ったようで、できあがったライガーのお面の色は、さまざまだったらしい。でも、青系のライガーが多かったのは、無意識に男の子向けには「青」という刷り込みがあるからだろうか?それとも、ライガーのTV版って、原作とは違って青なのか?いやいやそんなことより、ライガーがどうして大量にお面になってるのかってのも謎だ。もっとメジャーなキャラはあるように思うのだが。保母さんに、ライガーファンがいたにちがいない。

スノーピーク

 アウトドアカタログで注文していた品が届いた。スノーピークのカタログから選んだ2品。1つはフライパンである。シルバーストーン加工が施され、うちで使ってるフライパンよりも高級品だ。これまで野外では中華鍋を使ってきたのだが、使うのにコツがいる鍋では家族向けアウトドアにはちょっと向かない。簡単便利ということで、今回新調したのだった。持ち運びに便利なように、取っ手部分がネジにより着脱可能ってとこもポイント高い。

 もう1品は、ちょっと変わった焚き火台である。ピラミッドを逆さにしたような形状で、平面に折り畳み可能。これまでの焚き火台は、持ち運びに不便だった。それが一気に解消できる。まさにアイディアの勝利といった感じの品だ。
 折り畳みのメカニズムは、非常に単純で強度が犠牲になっていないのも素晴らしい。組み立てた場合でも、構造的に上からの力に強く、力がかかればかかるほど安定するのだ。焚き火の上では巨大鍋をかけることが多いので、この頑丈さはありがたい。

 先週は、ビクトリノックスのツールナイフ“ソルジャー”も到着したし、これでいつキャンプってことになっても大丈夫だ。特に今年から来年にかけては、なにがおこるかわからない2000年問題がある。1週間は自給自足生活できるようにしておいて、損はあるまい。

見つめられる

 夜、みこにゃんが「ねんねする」というので寝室まで連れていかれた。ころんと布団に横になっていると、「えほんよんで」と3冊ほど持ってきたので、順番に読んでやっていると、ふいに視線を感じてみこにゃんのほうをみたら、じぃぃぃぃっとこっちを見つめているではないか。絵本のほうを見てるとばかり思っていたので、どきりとする。

 みこにゃんはチェックしているのだ。ちゃんと絵本を読むのに集中しているかどうかを。じつは私が絵本を読むとき、TVを横目で見ながらということが多い。きっとみこにゃんは、それに気が付いているにちがいない。
 一緒に遊んでいるときでも、私がちょっとでも他のことに気を取られていたりすると、みこにゃんはただちに「おとーさん!」と注意喚起する。そばにいるだけではダメで、遊びをしっかり見てくれているかどうかが重要らしい。遊びとは、自分一人が楽しいだけではだめなんだな、と、新鮮な感動を覚えるひとときである。


1999.7.16(Fri)

到着

 食器洗い乾燥機が、我が家に到着した。箱から取り出し、シンクにセット。奥行きが薄くなっている分、背が高いのだが、隣が冷蔵庫なので特に気にならない配置である。
 最後に取水ホースを接続しようとして問題が発生した。レンチ1つでは、アダプタを外すことができないのだ。もう1つ固定用の工具がいる。しかし、うちのクルマには車載工具が付属してないし、バイクの工具では小さすぎる。結局、今日接続するのは諦めるほかなかった。

 さて、みこにゃんはといえば、空き箱のほうに興味津々であった。「おふろみたい〜」と言って喜んでる。入るというので、だっこして入れてやる。しゃがむと、すっぽり箱の中に隠れてしまうので、蓋をしてやった。箱の中では、みこにゃん狂喜乱舞中のようである。真っ暗かつ狭い場所で、怖い思いをさせてしまうと暗所恐怖症の閉所恐怖症になりはしないかという心配をふとしてしまったが、これだけ喜んでたら大丈夫だろう。
 箱の側面には取っ手用の穴が開いている。そこから中をのぞき込むと、みこにゃんの目がこっちを見てた。ふぅ〜っと息を吹き込んだら、大受けした。さらに、手を入れてみると、もうしんぼうたまらんというくらいみこにゃんは喜んでくれたのだった。

おもちゃ

 にゃんきち君が甘えた声で鳴く。みこにゃんはあいかわらずにゃんきち君が怖いみたいだが、怖いといいつつもそばに寄っては「かわいい〜」と言ったりもする。
 Licが袋をごそごそやって、赤い物体を取り出した。どうやらにゃんきち君のおもちゃを買ってきたらしい。

 ケージにおもちゃ投入。鈴のついた“起きあがりこぼし”であった。
 にゃんきち君は、怪訝そうに見たあと、おそるおそる手を伸ばし、そしてちょんと触っていたが、それが動かないのを確認すると、やや大胆にちぇいちぇいとじゃれつき始めた。鈴がそのたびにちりりんちりりんと鳴った。

 その夜、鈴の音は、いつまでもちりりんと聞こえていたのだった。


1999.7.17(Sat)

ガーデニング

 今日から第一陣の夏休み!庭仕事はたまってるし、水槽の水換えもしなくちゃならない。6日間は短い。有意義に使わねば。

 まず気になっていた赤オクラの収穫である。かなり前から実がなっているのに気づいていたのだが、なかなか時間がとれずにそのままになっていた。固くなっていないだろうか。
 幸い、赤オクラは4本収穫できた。残りの2本は種取り用にそのままにしておく。それにしても赤オクラって、めちゃくちゃ巨大になるのに驚く。長さ15cmはラクにある。しかも天を向いて実がつく。カルチャーショックだらけである。
 収穫した赤オクラは、夕食に登場。粘りが普通のオクラに比べて少ないような感じだが、味はオクラそのもの。ややしゃきしゃき感が強い。生で食べるよりは、茹でたほうがいいのかもしれない。

 昼からは、ポットに植わったままの千日紅、サルビアの地植え作業である。すっかり育ってしまって、千日紅なんか花まで咲いてしまっていた。南側の花壇を耕して、1つ1つポットから外して植え込んでゆくが、なにしろ100を越えるポットである。炎天下、汗だくになりながら作業が続く。雑草がものすごいので、雑草抜きもやりながらのため、よけいに時間を食ってしまった。
 千日紅は奥に固めて、サルビアは前面に。サルビアはまだ花が咲いてないが、いっせいに開花するとサルビアの絨毯になる予定。

 レモンきゅうりは収穫できるかな、と畑を見てみたが、花はたくさん付いてるのに実が見あたらない。そんな馬鹿なと、さらにじっくり観察してみて、ようやく見つけた。地面すれすれに2個発見。プリンスメロンのように、薄黄色の丸い実がついている。なるほどレモンきゅうりである。キュウリなのにまん丸で黄色い実がついてる図ってのは、かなり怪しい。2つのうち、1つはまだ小さかったので、大きいほうだけ収穫した。
 棘がかなり鋭い。Licが棘を取ってから、洗って包丁で輪切りにしてくれた。さっそくとれたてをそのまま食べることにする。

 匂いはキュウリそのもの。形が丸いのにキュウリの匂い…。とことん不思議な光景である。さて、味は。とってもみずみずしい。歯触りが心地よい。やはりキュウリの味がした。キュウリほど苦みが少ない気もする。ウリに近いかも。何もつけなくてもおいしいのは、とれたてだからかな。
 もっと収穫できればいいんだけど、受粉がうまくできてないのかも。昆虫が少ないのかな、このへんは。人工授粉してみようか。

レモンきゅうりが成ってるところ

下の方に成ってた!
とてもキュウリに見えないなぁ。

レモンきゅうりはこのくらいの大きさ

重さ100グラム、大きさ握り拳より小さめ。

レモンきゅうりを切ったとこ

輪切りにしました。断面はキュウリそのもの。

エクステリア物色

 夕方、エクステリア専門店に出撃した。何を調査しているかといえば、サンルーム&ウッドデッキである。狙い目はエクシオールの品だ。
 このエクステリア専門店は、おしゃれな展示で以前から気になっていた。土曜ということもあり、家族連れが3組ほどうろついているのが見える。手に手にかき氷らしきカップを持っていた。売店でもあるのだろうか?気になりつつ、店に入る。

 浴衣のお姉さんが、すかさずかき氷を3つ持って来てくれた。なるほどサービスで配ってるのか。歩きながらかき氷をしゃくしゃくすると、めちゃめちゃリラックスしてしまうじゃないか。こうして油断させて買わそうという作戦だな。

 エクシオールのサンルーム(ウッドデッキ付き)の実物展示を見た。値札の組立費&工事費だけで30万近くしてるのに度肝を抜かれる。カタログではモノの値段しか書いてなかったので、工事費がいくらするのか気になっていたのだ。予想より、かなり高い。
 しかしである、今日はどうやらセール期間中らしい。本日限りの札には、工事費込みでなんと“88万円!”の文字が。間口2間で奥行き7尺の品が、この値段はかなり安い。しかもすべて込みである。かなりぐらっときた。Licも同様らしい。
 店員さんにいろいろ質問するLicと私。ついに見積もりをしてもらうことになった。

 ウッドデッキ部を、若干延長して和室までデッキが来るようにして、階段つけて、ラティスで柵もつけてと、いろいろ追加してもらいトータルで100万(税込み)になったところで契約。予算内ですべてが収まるとは思ってなかったのでお買い得感が強い。買うつもりで見に来てたのだから、チャンスがあれば逃すことはない。
 工事はお盆前には完了するらしい。まだ実感わかないのだが、ついにサンルーム装着である。リーフタンク(珊瑚をメインした海水水槽)を置きたい!!…が、Licに却下されているのであった。うむぅ、残念至極。


1999.7.18(Sun)

天気予報は雨

 昨日のTVで見た天気予報では、今日は雨のはずだった。起きて外を見てみると、若干土が湿っていたのだが、雨は止んでいた。でも空は鉛色。いつ降ってもおかしくない様子である。
 玄関脇の煉瓦張りが途中のままになってるので、やってしまいたかったが途中で雨が降っては面白くない。そこで今日はパソコンショップに、新しいマシンの物色に行くことにした。そう、ついに新型に買い換えようというのである。

 現在我が家にあるPCは、6年ほど昔のPC98が2台、AT互換機が1台、4年ほど昔のAT互換機ノート型が1台という有様である。ノート型にはWin95がインストールされているが、常用するにはあまりに動作が重く使い勝手が悪い。私が仕事で使ってるマシンは去年の機種なので、これを持って帰ってるときだけは快適環境。でもそうそう頻繁に持って帰ってはこれないので、うちのサイトの更新も滞りがちになってしまってる。

 最近のマシンだと、7〜8万もだせばそこそこ満足できる性能のものが買えるので、買い換えを決意したというわけである。だが、今日訪れたパソコンショップは、メーカー製のものばかりで、どれもこれも20万オーバーの品ばかり。ショップオリジナルのPCがあるという噂だったのだが、影も形もなかった。別の系列店のことだったのかもしれない。PCは見るものはなかったが、YAMAHAのダイアルアップルータの実物を見ることができた。Licがそろそろ通信の快適環境が欲しいらしく、ISDNに興味を惹かれているのだ。我が家の通信環境は、いまだに14.4Kなので、終末の夜などダイアルアップ接続しても重すぎてとてつもない忍耐力を要求されている。重いページは、私ならあとで会社の休み時間にでも見ることができるが、Licの職場はまだ社内LANが伸びていないので、家で見るしか手がない状況だ。少ない投資で56Kflexモデムというのも選択肢の1つだが、マシンごとにいちいち繋ぎ変えるのも面倒。どうせならルータがいいんじゃないかと、そういうことらしい。

 YAMAHAのルータは黒のキュービック状。やけに軽いのが気になるが、背後の接続口の多さに、これならば我が家の家庭内LAN程度なら十分いけそうに思える。4万円は、ちょっと高いのだが、ボーナスも出ていることだしここは思い切ってみるか?…でも即決するのは待って、もう少し悩んでみることにする。

 ショップオリジナルPCを探して、別のPCショップに向かう。
 今度の店は、メーカー製マシンはどこにもない。あるのはマザーボードや、筐体などなど。予算に応じてボードをそろえてくれるようだ。しかし、5万というこちらの提示金額に対して、やや期待薄の反応だった。単体マザーボードも、MPUが載っていないにも関わらず高価な印象。15万も出すのだったら、メーカー製の中古でも買った方がましだ。やはり通販に頼るしかないのか。

ブレーカー落ちる

 リビングは15Aのブレーカー1つが割り当てられている。それ1つで、水槽のモーターやクーラーやらライトやらに加え、通常の家電、冷蔵庫とか電子レンジをまかなわなければならない。水槽は2mサイズあるため、モーターの消費電力だけでも400W近くあり、ライトも300Wの強力タイプだ。当然、よくブレーカーが落ちる。

 昨日、ようやく接続できた食器洗い乾燥機が稼働するようになったので、落ちる割合はさらに増してしまった。今日も夕食後、2度ほど落ちた。リビングの電気系統を分けるのは、緊急を要する課題になった。明日にでも住宅屋さんに行ってみよう。以前、ちらと聞いた話だと、工事は2万から3万でできるらしい。出費は痛いが、今のままでは不便すぎる。ブレーカーの落ちない生活が、ささやかな夢である。


1999.7.19(Mon)

ママ?

 最近みこにゃんは、私やLicに「まぁーまー」と言うことがある。どうやら“ママ”と言ってるらしいのだが、我が家では“おとーさん、おかーさん”と呼ぶように躾けてきたし、その甲斐あってみこにゃんはちゃんと「おとーさん、おかーさん」と言ってくれる。どうやらみこにゃんは“ママ”という単語を別の意味に勘違いしているようだ。

 どんなときに「ママ」と言うのか観察してみたところ、強く自分の主張を訴えたいとき、簡単にいうと駄々っ子状態の時が多い。おそらく保育園で他の子供が親に言ってるのを聞いていて、憶えてしまったのではないかと思う。このあたりでは、どうやら“ママ、パパ派”が多いようなのだ。みこにゃん連れで買い物などに行ったら、店員さんが私やLicを指して言う時、決まって「パパ or ママ」になってしまうことからも現状がわかるというものだ。

 「ママ、あれ買って!」「ママ、お菓子欲しい!」などなど、みこにゃんの周囲にはそういう会話が溢れている。間違って憶えてしまっても不思議ではない。
 だいぶ会話できるようになったとはいえ、高度な文章になったらみこにゃんの思考回路はショートする。瞳があらぬ方向に向き、まるで時間が止まったかのようにしばし静止するので、「あ、今みこにゃんに理解不能な言葉をしゃべったのだな」とすぐにわかるのだ。そういう段階だから、繰り返し憶えた言葉を訂正するのは、なかなか難しいかもしれない。しかし、「ママ」と言われるのは居心地が悪すぎる。地道に修正していかねばなるまい。

お買い物

 今日が返却期限のビデオ『踊る大捜査線 the movie』を速攻で見る。小泉今日子が演じるアブナイ女、『沙粧妙子』に出てきそうなキャラだ。こいつをもっとストーリーにからめればよかったのに、と少々残念に思う。見終わったあと、急速に記憶から薄れていったドラマであった。

 ビデオを返却してから、店内の棚をしばし物色。セール中で、今日まで1本190円で借りられるのだ。こういうときは、普段見ないようなものを借りるのが私の常である。迷った末に、怪しげな宇宙刑事もどきのバトルスーツがパッケージにちょこっと載ってた『スターハンター』を借りた。こういうB級SF(と思われる)は、確率は低いがごくまれにとてつもない作品が埋もれていたりするので、宝探しの気分である。
 あとは『クイーンエメラルダス』のOVAを2本。1本の時間が短いため、通常料金の450円で借りようとはなかなか思えなかったやつだ。そりゃ、収録時間が短くても凄い作品はあるのだが、やはり貧乏性というか、30分で450円はちょっと勇気がいる。

 ビデオ屋をあとにして、今日はジーンズを買って帰ることにした。私の愛用ジーンズはすでにあちこちほつれができてて、このままだと空中分解しそうだったのだ。試着してみて、自分のウエストが予想よりもプラスだったのにショックを受ける。うーん、このままじゃいけない…


1999.7.20(Tue)

お手伝い

 みこにゃんとの意志疎通は、近頃とってもうまくいく。今日は、リビングの水槽を大掃除。強力水中ポンプで中の海水を抜こうと脚立に上ってから、テーブルタップを下に置いたままなのに気づいた…。みこにゃんは、脚立の下から興味深そうにこちらを見上げている。思いついて、みこにゃんに「そこのコンセント取って」と言ってみた。ほとんど冗談のつもりだったのだが、なんとみこにゃんは躊躇することなく床のテーブルタップを持ち上げて、手渡してくれた。なんておりこうさんなんだ、みこにゃん。

 夜、布団でごろごろ。手近にあった肌掛け布団をかけていたら、Licに「お父さんの布団はあっち」と、取られてしまった。私の布団は、手を伸ばしても届かない位置にあったので、布団で遊んでいたみこにゃんにお願いしてみた。「みこにゃん、その布団取って」。はたして、みこにゃんはちゃんと私の布団を引っ張ってきてくれた。しかも、お腹の上に広げてかけてくれるのである。うーん、素晴らしい。

 今日でみこにゃんはちょうど1歳と11ヶ月。なんと来月は2歳である。これからもますます進歩してゆくみこにゃんに驚かされることになるのだろう。

月面着陸

 私が入社した年、新入社員研修の最終日もたしかこの時期だったと思う。理系社員だけ集められて、理工系の研修を春から3ヶ月にわたって続けていたのだ。そして最後の発表会の日。私は「ちょうど今日が人類が月面に到着して20周年になります」と切り出したように記憶している。あれからさらに10年の歳月が流れた。今年で、人類が月面に降り立ってから30年だ。

 仕事で国際宇宙ステーション開発に携わり、ゼロの状態から現在、ようやくフライトモデルが最終テストに臨むまでに仕上がった。10年かかった。だが、打ち上げは来世紀。30年前、人類が月に到達したことが、だんだん幻のように思えてくるから不思議だ。

 1999年、人類は外惑星探査用宇宙船を持たず、スペースコロニーもいまだ夢物語、月はあいかわらず荒涼とした無人世界。みこにゃんが成人するころも、きっと今の状況からそれほど変化はないのだろう。テクノロジーはさほど問題ではなく、“宇宙に出たい”という思いだけなのだが、現在、魂揺さぶるような冒険は流行らないらしい。火星有人探査計画、ぽしゃらずに実現してほしいなぁ。

古本探索

 ずっと内田美奈子のコミックを探していた。『赤々丸』、『BOOM TOWN』、『BLIND』あたりは持っているのだが…

 ウェブで、古本の検索ができるというので試してみたのが3日前。“スーパー源氏”というのが、それである。
 内田美奈子で検索!2件ヒット。をを、『百万人の数学変格活用』があるじゃないか。さっそくオンラインで注文しておいた。もう1冊は、これちが届いてから考えよう。

 そして今日、無事に品は到着した。古本とは思えぬ美品である。定価の2倍の値というのも納得できる。もう1冊のほうも、ただちに注文した。着々と内田美奈子の蔵書が増えるのはうれしいことだ。それにしても『BOOM TOWN 4』の発表からずいぶん月日が経ったように思うのだが、新作はいつ出るのか。やはり来世紀になってしまうのか。悶々としながら待つとしよう。


1999.7.21(Wed)

お掃除

 ここのところ雨模様の天気ばかりでうんざりしてたが、今日はようやくからっと晴れた!
 せっかくの夏休み、いつもこうありたいものだ。

 いい天気なので、砂ネズミ達のケージを掃除することにした。やつらもじめじめ梅雨を越したチップじゃ気持ち悪かろう。
 チャッピーとクロだけなので、パインチップは1本あれば足りる。みこにゃんに手伝ってもらいつつ、水でケージを丸洗い。しばし太陽で乾燥させてから新しいチップを敷いて終了。ほくほくのチップは、やはり気持ちいいのかチャッピーもクロも、がしがし掘って遊んでる。

 ついでなので、ピーコの小屋もお掃除。太陽に当ててやると、さっそく水浴びを始めた。小鳥の水浴び風景って、ほんと気持ちよさそう。

 さらについでに玄関もお掃除お掃除。靴箱の下を片づけて、ホースで水を流し、きれいさっぱり。ふと、チャッピー達を見やると、これ以上伸ばせませんというくらい、伸び伸びな姿勢で、お昼寝の真っ最中。見てるこっちまでほんわか気分になってしまうくらい、ほよよん状態である。砂ネズミのどこが可愛いって、やはりこういうほよよんな姿が一番だと思う。

木製おもちゃ

 ホームセンターに、煉瓦の追加を買いに行く。今回も50個だ。
 煉瓦をクルマに積み込んだあと、店内をいろいろ物色。みこにゃんが木製の消防車のおもちゃを見つけて、遊び始めた。そういえば、この手の素朴系玩具は、うちにはなかったなぁ。みこにゃんにとって、新鮮な感触だったのか、帰ろうと言ってもおもちゃを放してくれない。
 そこで買ってやることにしたのだが、木をボンドで組み合わせて造るタイプのおもちゃだったため、売り物のほうはその見本の品とは似ても似つかぬ外見であった。みこにゃんは、私が持たせてやったそれを見て、しばし沈黙したのち、「だめだ…」と一言ぽつり。ぱたっと床に落としてしまった。うーん、困った。組み立てたら同じになるんだよって言っても、みこにゃんに分かるはずもなく、結局抱えるようにしてみこにゃんを連れ出さねばならなかった。

 夜、消防車を組立にかかる。みこにゃんは、木ぎれを組み合わせて、さっそく何かを造りはじめた。私はみこにゃんに邪魔されつつも、なんとかボンドを塗り(時にはみこにゃんにボンドを塗ってもらいつつ)、設計図どおりに組合せ、完成させることに成功。乾くまで、みこにゃんに発見されない場所で保管する。

 みこにゃんは、一緒に買ってきてた木ぎれセットで、せっせと遊んでる。ボンドを塗るのが楽しいらしい。フローリングに付きはしないかとはらはら。
 あっ、消防車がみこにゃんに見つかった!すかさず手に取るみこにゃん。一瞬ひやっとしたが、幸いボンドは硬化したようだ。みこにゃんの激しい遊びにも耐えている感じ。
 みこにゃんは、木ぎれ1つでも楽しそうに遊ぶ。でも、プレステやN64も大好き。カメラも好きだし、コンピュータも好き。庭でムシムシを見つけるのも好き。将来、どんな子になるのか、とても楽しみである。

怪猫

 「んなぁぁぁぁっぁぁごぉぉぉぉっぅぅ〜ふぎゃぅぅぅ〜」

 突然、響き渡るにゃんきちくんの怪しげな声。真夜中のことだ。
 たまたま、みこにゃんがお茶飲むというので、リビングに降りてきていたのだが、みこにゃんにとってその声はあまりに怖かったらしい。さささささっと私の足下に隠れるように取り付くと、じぃぃっと廊下の向こうの闇に瞳を凝らすのであった。

 にゃんきちくんにいったい何が起きたのか!?確かめるべく、廊下のほうに行こうとすると、みこにゃんが放してくれない。どうやら独りで残るのはダメらしい。仕方ないので、抱っこして連れていった。

 にゃんきちくんのゲージの前に来ると、みこにゃんは言った。
 「にゃんちくん どうしたの?」
 をを、みこにゃんにはあの声の主がにゃんきちくんだとわかっていたのか!?しかも、なにか異変があったらしいと気づいている。すっ、すごすぎるぞみこにゃん。
 でもにゃんきちくんは、涼しげな顔で、「なーーー」と伸びをしただけであった。ただの気まぐれだったのかもしれないなぁ。


1999.7.22(Thr)

水族館へGO

 今日もいい天気!というわけで、名古屋港水族館に出かけることにした。
 今回もクルマ。可能なかぎり高速を使ったので2時間で着ける…、はずだったのだが、一般道に降りてから迷子になってしまった。それでもLicの素晴らしい野性的勘により、なんとか到着。4時過ぎからの入館だが、この季節、ナイト営業をやっているため午後8時までOKなのだ。

 水族館内部の感想などはお魚日記のほうに書くとして、ひととおり展示水槽を見たあとはお約束の売店でグッズ漁りだ。貝殻を売っていたので、うちのやりやり君の新居用にどうかなと見てみたが、骨貝とか、そういう装飾系な貝ばかりだったのでやめておく。やりやり君が身動き取れなくなっては困る。
 ここでもTシャツを売っていたので、いいのないかなと絵柄を確かめてみたが、クマノミのが気に入った。しかし、襟元がちょっとやわそうなので断念。
 みこにゃんは、最初、カメさんのぬいぐるみを気に入って放さなかったのだが、木のおもちゃ(棒を立てていくやつ)を見つけてからは、それに釘付け。どうも木製おもちゃがみこにゃんの心にしっくりくるらしい。Licも気に入ったようで、木製おもちゃ1つゲット。だが、Licはどうしてもみこにゃんにカメさんのぬいぐるみも買わせたいらしく、何度かぬいぐるみを持ってきては気を引こうとがんばってた。ついにみこにゃん根負けしたか、カメさんのぬいぐるみを抱きしめる。そのままレジに連れていき、無事購入となった。

 お腹もすいてきたので、館内レストランで食っていくことにした。学生は夏休みに入ったらしいが、世間一般では今日はド平日である。館内もがらがらだったが、レストランも先客が1組だけで、ほとんど貸し切り状態であった。
 さて何を食おうかとメニューを見たところ、“オストリッチの香草ポワレ”がお薦めらしい。オストリッチって何だっけ??と考えていたら、その下に小さく「ダチョウの肉です」と説明が。ダチョウの肉を食うのは産まれて初めてである。私とLicの2人分、注文した。みこにゃんには、我々のをちょこっと分けて上げることにする。

 スープと野菜サラダを食べ終わる頃、ダチョウ肉登場。焼き加減はレアである。見た感じ、子牛の肉みたい。
 一口食べる。けっこう淡泊で、かつジューシー。不思議な味だ。鳥というより、やはり味も子牛か何かに近い気がする。
 みこにゃんは、Licが切り分けてくれる焼いてある部分の肉を、がんがん食べていた。みこにゃん的には、ダチョウの肉はかなりヒットだったらしい。臭みが少ないのがよかったのかも。

 結局、閉館時間ぎりぎりに水族館を出て、帰路につく。帰りは迷うことなく、スムーズに高速に乗れた。運転はLic。私よりも方向感覚はいい。
 途中、川島SAに寄ってみた。ここは淡水魚のミュージアムができるとかで、バーチャル水族館を併設したレストランが近頃オープンしたばかりなのだ。どんな感じなのか見学である。
 SA全体ができて間もないため、小ぎれいにまとまっている。まだ、レストランとゲーセンと売店しかできてなかったが、敷地そのものはかなり広いらしい。完成が待ち遠しいものだ。
 売店では、岐阜の名産品などを置いてあったのだが、普段見ないようなローカルな品ばかりで、つい変なもの好きの血が騒ぐ。でも、買い始めたら収拾がつかなくなりそうだったので、やめておく。みこにゃんが「あいすくりーむたべたい」と言うので、アイスだけ買うことにした。

 アイスといっても、そこはローカル限定品、あやしげなモノが並んでる。悩んだ末に買ったのは、トマトのアイスクリーム。冷やしたトマトはおいしい、だからアイスになってもおいしいんじゃないか?と思ったんだけど…、みこにゃんは黙々と食べてたが、私は一口で降参した。やはりトマトは、生をかぶりつくのが最高だ。

 帰りは2時間ちょっとで到着。さて、鳥羽、二見、名古屋港と水族館を制覇した。次はやはり閉鎖のキケンが待っている南知多ビーチランドだ。今年中には行ってみたいものである。


1999.7.23(Fri)

夏休み終了

 昨日で第一陣の夏休みが終わってしまった。結局、梅雨開けしたのが、休みも終わりの日ということで、雨ばかり降ってた感じだ。いつからだろう、こんなに梅雨明けが遅くなったのは。私が学生のころは、もっと早くに夏が来てた記憶がある。この時期の海辺のキャンプは、毎年かんかん照りだった。それが今では雨の心配の方が大きい。

 第二陣の夏休みは、世間一般の休暇と同じくお盆休みのため、どこにいくにも人混みは避けられない。しかも海には、もはや土用波が押し寄せ、クラゲの大群が待ちかまえている。お盆休みとは、短い夏をはかなむための休暇なのかもしれないな。

『クイーン・エメラルダス』

 借りてきてた『エメラルダス』のOVA全2巻を見た。彩色が某アニメーション学園っぽい感じだった。落ち着きが無く、派手なだけという。うーん、安っぽいつくりだ。こういう仕上げは、勘弁してほしい。
 あと目に付くのは、メカ描写が軽いってことかな。重量感がみじんも感じられない。動きもまるで紙細工のよう。うーーーん、もっとましなメカ作監いなかったんかぃ。

 それと、ゲームで使われるレベルの下手なCGの多用も、ぜんぜん作品世界にマッチしてなくて最悪。このくらいの動きなら、手書きでちゃんと描こうね。
 悪い部分が目立ちすぎるので、エメラルダスがちょこちょこしゃべる台詞が、多少格好良くても、いまひとつ浮いてる感じがした。あぁ、なんてもったいないことしてるんだろう。素材は、そんなに悪くないはずなんだが、肝心のアニメーション部分がすべてを台無しにしちゃってるなぁ…。ラジオドラマにしたほうが、よかったんじゃなかろうか。

 ひさびさに映画版999(もちろん1作目と2作目)を見たくなってしまった。

気が付く

 夜、布団でごろごろしてたら、みこにゃんが私の指にできた“ささくれ”を発見した。みこにゃんの指はちっちゃくて細い。どのくらい細いかといえば、チューブ入りの傷薬を、指でほじって取れるくらいなのだ。
 “ささくれ”が気になってしょうがないみこにゃんは、その細い指でつまんで取ろうとしてくれる。「ちょっきんな、せんとあかん…」と呟きながら。

 “ちょっきんな”とは、爪切りのことである。みこにゃんは、爪切り大好きなので、自分のでも、人のでも、切れそうなものがあったらすぐに「ちょっきんな」してしまうのだ。でも、私のささくれは微妙な長さだった。爪切りで切るには短すぎる。でも、みこにゃんの指だと、しっかとつかめてしまう。しばらくそうやってささくれで遊んでいたみこにゃんであったが、そのうち飽きたらしい。ふぅ、助かった。ささくれは、自分以外に触られていると、いつ“ぴっ”といっちゃうかわからない怖さがあって、落ち着かない。

 まだ布団でごろごろ。絵本を読んでやっていたら、みこにゃんがふいに私の歯を指で触り始めた。何が気になるのか、人差し指で、にゅぃぃぃぃっと輪郭をなぞるようにする。そのうち、「おくちよごれてる、きれいきれいせなあかん」と言い始めた。歯磨きしてきたばかりだったので、どこがそんなに汚れているのかと疑問に思っていたら、みこにゃんはどこからともなくタオルを持ってきた。そして、私の口元をごしごし拭きはじめたのだった。
 「おくちきれいきれい」みこにゃんは、そう言いながら、念入りに拭いてくれる。でも、何度拭いてもキレイにならないらしい。「おくちよごれてる」と、怪訝そうに言うみこにゃん。ここに至って、ようやく私にもわかった。みこにゃんには、無精ひげが汚れに見えているのだ。朝、ひげ剃りしても、寝る前にはだいぶ伸びてしまう。みこにゃんは、一生懸命、ふきふきしてくれるのだが、取れるはずもなく、さてどう説明したもんかなと私が考え始めたころ、これまたふっと諦めたようだった。ころんと横になって、再び絵本を読んでくれるようせがむ。
 絵本の中では、スープをこぼした動物たちを、順番に拭いてあげる様子が描かれていたのだった。もしやこれに影響されたのかな?


1999.7.24(Sat)

PC注文

 結局、いろいろ探した結果、オーテックの韋駄天シリーズに落ち着いた。この時期は、PIII600MHzあたりの予約受付なども始まり、旧型機の値段も、さらに下がってきているのも狙い目だった。
 約7万円の構成にしたが、激しいゲームもたぶんやらないし、動画の編集もきっとしないので、このくらいでも十分だろう。

 6年前、初めてPC/AT互換機を買った時は、DOS/Vにスーパードライバーズを組み込むことで高解像度の広い画面になるというのが、最大の関心事だった。Vzエディタや、松や、花子を使うとき何が不満だったかといえば、640×400ドットというくそ狭い画面だった。まるで潜望鏡で覗きながら、広大なワークスペースを彷徨っているいらだたしさが仕事のストレスを倍増させたものだ。

 スーパードライバーズは、たしかに素晴らしいソフトウェアだった。
 今回の買い換えでは、何が最大の関心事だろうか、と考えるに、特に思い当たるものがないことに気付く。強いてあげれば、Windows95 が快適に動けばいい、くらいだろうか。最近は、ぜひとも動かしてみたいっていうソフトウェアがほとんどないからなぁ。

スターハンター

 映画『スターハンター』は、出だしから金かけてないぞっていうのがありありわかるような創りだった。物語の背景説明が、ばばんと登場した時点で、やや期待薄。それでも、ワンシーンでも凄いのがあったら許可しようと思って見続けたのだが…。

 殺戮者に追いつめられる緊迫感もなく、追跡者もなんだか存在感がなく。ただ一つ、よかった点といえば、主人公グループの女の子の一人が、そこそこキュートなとこくらい。これさえも、後半、雨に降られてさらさらの髪がべたついてしまい、台無しになっちゃってて、もったいないことこのうえない。この子をもっと活かすシナリオにしとけば、まだ見られたかもしれないのだが。
 下手にマトモな映画を目指してるところが、結果的に敗因になっている感じだ。今回のビデオ選択は、失敗してしまった。


1999.7.25(Sun)

ルーターを買う

 PCも注文したことだし、今日はLicが欲しがってたリモートルータを買いに行った。地元のパソコンショップで買うことにしたのだが、ISAバス用LANボードもついでにレジに持っていったとき、私は店員の言葉に耳を疑った。
 ISAを“いさ”と言っちゃダメだろう。素人でこういう間違いする人は昔からいたけど、いちおうパソコンショップの店員なんだから…。この店員がこれまでずっとISAのことを“いさ”と呼んでこれたっていうのも、不思議すぎる。普通、他の店員にチェックされると思うんだが。もしや、このショップじゃ誰もISAの正確な名称を知らないのではないか?…それとも、ウェブページのことを、ホームページと誤って呼ぶのが一般的になってしまったのと同じく、いつのまにかISAを“あいさ”ではなく“いさ”と誤用するのが通常になったというのか。
 まぁいずれにしても、来年あたりになればこの問題も、問題じゃなくなるんだろうな。ISAバスそのものが消滅すれば、呼ぶこともなくなるだろうから。

ゆーらんこー

 Licがふと思いついた遊び。みこにゃん用毛布を、ハンモックのように両端を私とLicで持ち、みこにゃんを寝かせて、思いっきり「ゆーらんこー」と揺らすのだ。
 これがみこにゃんのツボにはまりまくったらしい、今日はその後、何度も何度も「ゆーらんこーしたい」と言ってきた。

 みこにゃんの体重は10kgくらいなので、ちょうど米袋を持って振り回すくらい体力を使う。「一回だけよ〜」と何度も念を押しながら、ゆーらゆーら激しく揺らしてやるのだが、だんだん握力が怪しくなってくる。みこにゃんを放り出してしまう前に、「おーしまい」するのだが、みこにゃんはまだまだ足りないらしく、「もういっかい!」とせがむ。
 体力消耗しないようにソフトに揺らすと、みこにゃんは「もっともっと」と、激しい動きを要求するのだった。みこにゃんて、絶叫マシン系が得意なのかも。


1999.7.26(Mon)

ISDN申し込み

 今日はふとしたことから有給休暇である。午前中、みこにゃんを保育園に連れていったあと、そのままNTTに直行した。郵便局に用事があったので、そのついでだ。
 さっそくINSネット64の申し込みをしておく。手続きはあっけないほど簡単であった。申込書に、詳しくルータの諸元を記入するのかと思っていたのだが、そういうのはなかった。もしかすると、あとから郵送されてくるのかも?

 我が家の電話回線は、1階と2階に分岐してあり、それぞれにモジュラージャックがついている。現在は、1階でPCを使うことが圧倒的なので、2階では電話をたまにかけるくらいだ。今回ISDN化するにあたり、2階の回線をどうするか迷ったのだが、結局、当面使わないことに決めた。2階でPCを使う必要性が高まったら、LANケーブルでも這わせればいい。電話は、子機を持って上がっておこう。みこにゃんが、自室にPC欲しいと言い出すのは、まだまだずっと先のことだろうし(もしかすると、PCに興味なんかない女の子になるかもしれないし)。

 今は14.4Kなんていう骨董品的モデムでつないでいるから、INS64で得られる64Kはかなり体感速度も速く感じられることだろう。しかし、たかが64Kという感じも否めない。会社では常時512Kで接続されているが、これでもまだまだ重いと感じるときが多いのだ。
 やはり官僚組織と成り下がったNTTに、これ以上を期待するのが間違っているのだろう。何事も独占状態は、悪い方向にしか行かないものだ。そういう意味で、SONYなどが先頃発表した無線LANの全国展開の試みは面白そうだ。NTTが、そのくらいで目を覚ますとは思えないが、なにも選択肢がない状況に比べればはるかにマシと言える。

ハーブを探して

 午後のお茶を、今日はちょっと変わったところで楽しむことにした。
 Licが、以前仕入れてきてた耳より情報に、うちの近くでハーブティを飲ませてくれるカフェがあるらしいのだ。店の名前は『ローズマリーの丘』。住所だけを頼りに、いざ出発。

 どうやら道路沿いにはないらしい。一度、行き過ぎてしまい、戻りつつ脇道へ入って探す。広大な畑をつっきるように伸びる農道が1本。こんなところにあるのか?トウモロコシ畑の上を、ざざざざざと夏の風が渡っていった。

 遠くに、おしゃれ系の民家が見える。木造なのだが、伝統的日本の木の家とはまるで違う外観は、そこだけ地中海沿岸の雰囲気である。まさかとは思いつつクルマをゆっくり走らせて近づいてみると、目立たぬように木の看板が立っていた。そこにはまさしく『ローズマリーの丘』の文字がある。ここがどうやら目的地らしい。

 オープンガーデンの美しい庭が広がっている。家のたたずまいは、しかしどう見ても普通の民家だ。ちょうど家人と思われる女性が水やりをしていたので、Licが聞きに行った。しばらくして、Licがクルマを駐車場に入れるよう手招きするのが見えた。やはりここで間違いないらしい。

 クルマを降りると、爽やかな風に包まれる。名前どおり、ローズマリーが何本も植えられていて、その香りが辺り一面に漂っているのだ。ブラックベリーのアーチをくぐって、店のドアまでやってくると、ようやくそこがカフェらしいことがわかる。ウッドデッキの上にも、たくさんのハーブが植えられていて、すがすがしい。
 店内は、まだ新築の独特の香りが残っていた。木のテーブルに木のイス。とことんナチュラルにこだわっている感じだ。

 窓際のテーブルを選んだ。他にお客の姿はない。午後3時半、昼下がりまっただ中。
 お約束の手書きのメニューは、小冊子に綴られていた。ティーの種類は、それほど多くはない。ブレンドティがほとんどだった。しかし、種類がありすぎても選ぶのに迷うだろう。このくらいあっさりと分けてあるほうがハーブ通ならいざしらず、普通のお客にはありがたい。
 フレッシュティで、ミント系を私は選んだ。Licは、レモン系。お手製のシフォンケーキもあったので、それも注文。
 お店の女の人が、籠をかかえて庭に出ていった。もしやとは思っていたが、摘みたてのハーブでお茶をいれてくれるらしい。それで庭に、あんなにたくさんの種類のハーブが必要なのだ。

 出されたハーブティは、ポットに入っていた。ガラス製のポットで、中が透けてみえる。とても涼しげな感じ。
 カップに注いだだけで、ミントの香りが濃厚に広がった。家でフレッシュハーブティをいれても、こんなに香りが立つことはない。やはり入れ方にコツがあるみたい。

 シフォンケーキには、ブラックベリーの果実が1つ乗っていた。おそらくアーチのところで実を付けていたものだろう。木イチゴ系を食べるのは、何年ぶりだろうか。子供のころ、山で遊んでたころは欠かせないおやつだったものだが。噛み応えのある食感と、甘酸っぱい果汁に、昔の記憶が一気に蘇る。やはり暑い夏の午後。友達とコジュケイを追っかけていたあの頃。

 午後4時をまわり、お客さんがぽつぽつやってくるようになった。そろそろみこにゃんを保育園に迎えにいかなければならないので、店を出る。
 ローズマリーの香りを胸いっぱい吸い込んでから、クルマに戻った。また来よう。そう思うに十分な魅力を秘めたお店だった。


1999.7.27(Tue)

電話

 以前から電話にただならぬ関心を寄せていたみこにゃんであるが、最近は実際に電話をかける魅力に取り付かれているらしい。受話器を私に持たせて「電話するのぉー」と言ってる。
 そこで今夜は、私の実家のほうに電話をかけてやることにした。ちょっとまえは、Licの実家に電話したみたいなので、順番だ。

 呼び出し音が鳴ったのを確認してから、みこにゃんに受話器を渡す。うれしそうに受話器を耳にあてるみこにゃん。しばらくじっと聞き入っていたようだが、「みこちゃんです」「あめいっぱいふってきた」「うん」なんて会話してるようす。反応を見る限り、電話の声にちゃんと受け答えできているらしい。しかも、相手が“ばぁば”であることも認識できてる感じ。
 ぬいぐるみやお人形と会話できるみこにゃんだから、受話器から“ばぁば”の声が聞こえてくるのも当たり前のように受け入れることができるのだろうか。いつかは『どうして電話機からは、おばあちゃんの声がするのだろう?』なんて疑問に思う日も来るのかな。でも、ひょっとしたら当たり前の“自然現象”として、疑問に思うことさえない可能性もあるなぁ。

 私と電話器との出会いは、いつのことだったろうか。おそらく幼稚園年長組の時に引っ越した時点で、新しい家に備わっていた電話機が初めてだったと思う。呼び出し音のけたたましいやつだった。滅多にかかってくることもなかったが、それゆえに呼び出し音が鳴った時って、かなり“びくっ”としたものだ。遠くの人の声が聞こえるという現象を、子供の私がどのように感じていたか、もはや記憶にない。ただ、電話というとやけにドキドキして緊張した感覚だけはかすかに残っている。…ということは、私は電話嫌いだったのかもしれないな。
 みこにゃんはおそらく電話好きだ。おしゃべりも大好きだから、長電話魔になること間違いない。電話代が電気代を追い越すのも、時間の問題だろう。


1999.7.28(Wed)

むしむし

 座敷にベビージムを置いてあるので、みこにゃんは座敷で遊ぶことが多い。数日前、部屋の隅にゴキブリがいるのを発見してからというもの、みこにゃんは座敷に行くと、必ずゴキブリの有無を確認するようになった。

 “虫”は基本的に好きらしいのだが、ゴキブリだけは怖いみたい。別にゴキブリに飛ばれたとか、カラダを這われたっていう恐怖体験があるわけじゃない。やはり、あの黒光りする姿は、本能的に“やばい”と思わせるのかも。
 今夜もみこにゃんは、隅っこの安全を確認してからジャングルジム遊びに興じている。一番上に手をかけて、“ぶーらんこー”するのがお気に入り。あ、そうそう今日はまだテーブルの機関車トーマスを動かしてなかった。みこにゃんが遊んでる間、ずっと機関車トーマスがレールを行ったり来たりするのが常なのだ。みこにゃんは、さっそくトーマスのスイッチを入れに行った…。

 「むしむし おちてる」と下を指さすみこにゃん。覗き込んでみると…、ををっ、ゴキブリの死体だ。テーブルの下に、ゴキブリの死体が落ちている。

 「むしむし」。何度も指差しては、それが動かないか、やや不安げなみこにゃん。だが、雰囲気的に、そいつが動きそうにないことを察知しているっぽい。ティッシュをやや多めに引っぱり出してきて、私はそいつを始末した。
 ゴキブリがいなくなっても、しばらくみこにゃんはテーブルの下が気になる様子だった。

似ている

 槇原敬之の新作『Hungry Spider』のプロモーションビデオを見るたび、つくづく思う。似ている。これほど似ているやつがいままでいただろうか。似てるなんてもんじゃない、本人そのものといってよい。まさに生き写し。

 誰に似てるかって?“ドバ総司令”に決まってるじゃない。『イデオン』を実写で撮るなんて企画があったとしても、ドバ総司令だけは人選に困ることはないだろう、きっと。


1999.7.29(Thr)

NTT

 INSネット64の申し込み時、工事の日にちをあとから連絡すると言っていたのだが、今日ようやく電話がかかってきた。「来月の5日あたりではどうでしょうか?」と言うのだが、そんなド平日がOKなはずもない。土日はダメなのか?と聞いてみたが、平日、しかも夕方5時までしかやってないという。おいおい、いまどき平日定時まで以外に選択肢がないサービスって、探すのが難しいぞ。

 独占企業は、どんなにあこぎな商売をしようとも、ライバル会社に顧客を奪われる心配がない。NTTも、分離分割されたはいいが、所詮独占状態が改められたわけじゃないから、気楽なもんだ。競合会社が参入してきたら、平日しか工事はしないなんて殿様商売はあっというまに改善されるんだろうな、と思う。
 そういうNTTの高ビーな姿勢が如実に現れていたのが、数年前に放送されてたCMだ。たしか、“離島にもちゃんと電話がかかるのは誰のおかげだ”みたいな、信じがたいほど押しつけがましい内容だった。ああいうエリート意識というか、『俺達が電話をひいてやっているんだ、おまえらは有り難く使わせてもらって文句言うな』的おこがましさは、今でも累々とNTT社員の中にはあるんだろう(全員がそうとは思えないが)。そうじゃなければ、サービス業の本分を忘却しているとしか思えないしな。NTTが、まともなサービス業に転換するのは、いったいいつになることやら。

にゃんきちじゃれる

 夜、にゃんきちくんのお遊びタイム。2階を探検したり、みこにゃんのトーマス君が動くのを不思議そうに見つめてみたり、まだまだ仔猫的雰囲気漂うにゃんきちくん。

 Licが、どこから摘んできたのか通称“ねこじゃらし”の草を持ってきた。これでじゃらして遊ぼうというわけである。
 目の前でゆらゆら振ってやると、にゃんきちの目はきらっと光り、しゃかしゃか首を振って見逃すまいと必死の形相。そのうち、我慢しきれなくなったか、猫ぱんちが繰り出されるようになる。

 ぱしっ、ぺしっ、しゃごっ!

 今日の“ねこじゃらし”は、ちょっと茎が短かった。猫ぱんちが数発、私の手にもヒットする。思いっきり伸ばした爪が、さくっと刺さる。痛い。痛いが、にゃんきちくんの楽しそうな顔を見ることができるなら、安い代償である。


1999.7.30(Fri)

変な天気

 梅雨明けしたというのに、最近の天気はどうしたことか。夕立ならば、夏の風物詩だが、五月雨は季節はずれもいいとこだ。異常気象?しかし、こんなに続けて(しかも最近は毎年)天候不順だと、それは異常なんじゃなくて、夏とはこういう雨続きの季節という定義が必要になってきたのかもしれない。
 嫌すぎる。

 蒸発しそうなほどのカンカン照りに、真っ白の巨大入道雲がなきゃ、夏じゃない。どんより鉛色の空なんか、冬だけで十分だ。
 子供の頃は、夕立があった。だが、最近の記憶で夕立に遭遇したことはほとんどない。いったいぜんたい日本の夏はどうしてしまったのか。これが地球温暖化のせいだとしたら、私が大往生するまでもう2度と子供のころのような夏空は帰ってこないってことになる。
 なにもかも、遅すぎたのかもしれない。

7の月

 さて、明日で1999年7の月も終了だ。ユーゴで空爆やってた時は、もしや?と思ったりもしたが、今となっては懸念材料は非常に少ない。でも、たしか昔のノストラダムス本からの知識によれば、7の月は始まりにすぎず、別に地球滅亡を意味してるわけじゃなかったはずだ。まぁ、世間がよりセンセーショナルな方を好むので解釈が変わってきたのかもしれないけれど。

 思えば私が中学のころは、惑星直列とグランドクロスが話題となっていた。ものすごい天変地異が起きるだろうと不安を煽るような文面が、『ムー』に載らない月はなかった。でも、惑星直列はそんなものがあったのかさえ今では記憶が怪しいのが現状だ。もちろん、惑星の配置がそうなったのは事実なんだが、結局何も起きなかった気がする。

 グランドクロスは、さて、どうなってるんだろう?時期的にはこの頃グランドクロスになって、地軸移動クラスの天変地異が起きることになってるけど??まぁ、夏だというのに雨が多いっていうのはあるけど、地軸が移動するほどの異常は起きてないなぁ。

 世の多くの新興宗教や、ノストラダムス本に代表される予言本と、その仲間達、明日を過ぎたらどんな事言ってるんだろうな。まぁ、我々の祈りによって地球滅亡は回避されたとかなんとか、都合のいい言い訳してるにちがいない。たとえば、このサイトでは、1999年7の月に何も起きなかったことをどう解釈するのか、ちょっと興味あるな。


1999.7.31(Sat)

西瓜が

 そろそろウッドデキ&サンルームの工事が始まりそうなので、該当個所の草引きをした。手でちまちまむしっていたが、やがて諦めた。こいつは除草剤を使うしかない。
 どうせウッドデッキの下に隠れるのだ。除草剤を使ってもさして支障はないだろう。

 庭の木々や草花を見て回る。巨大シシトウが、ようやく生長に加速がかかってきた感じ。はたして本当に全長30cmもの実がなるのか興味津々である。

 さて、西瓜の実だ。遅々として大きくならないのが気がかり。どうなってるの手にとって調べてみる…。ががん!腐ってるじゃないか。しかもよりによって黄色い西瓜のほう。割れた中身を見てみると、なんか熟しすぎてダメになったっぽい。うーん、まだ直径10cmくらいしかないんだけど…。まさかこのサイズで、もう食べられたんだろうか。小玉西瓜じゃないはずなんだがなぁ。
 残りの赤い西瓜の実は、大丈夫だった。でも、こっちもすでに食べ頃だったりして。まだソフトボールほどの大きさしかないが、黄色西瓜のこともある。でも、割ってみてまだ熟れてなかったら、それもショック。悩ましい、悩ましすぎる。

 みこにゃんが、てててと寄ってきて「あ、すいか!?」とうれしそうにぺたぺた触ってる。うむむ、食うべきか食わざるべきか…、決断のしどころである。
 結局、もう1週間待ってみることに決めたのであった。

本屋へGO

 本屋に注文してた平井和正の『虎精の里』と『ブーステッドマン』が届いたと知らせを受けていたので、受け取りに行く。
 この2冊は、もともと角川文庫から『狼のレクイエム 第1部』『狼のレクイエム 第2部』として出版されていたものだ。ヤング・ウルフガイ・シリーズの佳境の部分である。
 不死身で無敵のウルフガイ、しかし平井和正の描くヒーローは、『エイトマン』や『サイボーグブルース』に代表されるように、強靱なボディを有するがゆえの苦悩に、ぎりぎりとはらわたを絞られる。そういう“弱い部分”に、どっぷりと感情移入できるところが魅力だと思う。

 以前持ってた文庫は、友達に貸したっきり戻ってこなかったので、今回は私の蔵書を補完するための買い直しである。角川文庫版は古すぎて入手不可だったので、遺憾ながら新書版での注文となった。じつは私は新書版の本って、あまり好きじゃない。まぁ、文庫の値段が跳ね上がってる昨今だから、新書だからといって身構えるようなことも少なくなってきてはいるが、本棚に収納しようと思ったらやはり文庫サイズのほうがしっくりくる。新書版って、どこか中途半端な気がするのだ。ハードカバーは所有する満足度があるし、文庫はコンパクトさと読みやすさがイイ。新書版のメリットって、すぐに思い浮かばない。昔、平井和正は文庫で本を出すことのメリットや意義を何かに書いてたけど、『黄金の少女』をごついハードカバーで出したあたりから180度転換してしまった。イラストレーターの泉谷あゆみを得たのがその理由だったと記憶しているが、個人的にはイラストはどうでもいいから、最初から文庫版で出して欲しいんだけどな…。けして彼女の絵が下手なわけじゃないんだが、自分のイメージしてきた“犬神明”との違いが大きすぎるから。たぶん、誰がイラスト描いたとしてもこの違和感が消えることはないだろう。小説とイラストの関係って、相乗効果でプラスになる組合せも中にはあるんだろうけど、平井和正の小説には、イラストって向かない気がしてしょうがない。

 ちなみに平井和正の小説は、このサイトでオンライン版を入手することも可能だ。所有する楽しみはオンライン小説にはないが、絶版を気にする心配がないのと、置き場所に困らないというメリットは結構いいかも。ただ、寝転がって読むのに適した携帯型電子ブックが未だ出ていないのが、玉に瑕かな。

 本屋では、ついでに新刊コミック『BIRTH 2巻』を買った。山口譲司の最新刊だ。1巻は、もろに“菊池秀行”の世界だったが、2巻はなんだか『スプリガン』な印象を受ける。ん〜、ちょっと中だるみしてる気が。悪い予感がする。

明日の予定

 休日恒例のお買い物。Licと、明日の予定について話す。
 南知多ビーチランド案と、長良川で川遊び第2段案が浮上。迷った末に、長良川案に決定。平日の雨が嘘のようにいい天気なので、ビーチパラソルが欲しいというLicのために、ホームセンターへ立ち寄った。

 これまでビーチパラソルを欲しいと思ったことがなかったので、値段を気にしたことはなかったのだが、意外に安かったので驚く。1980円といえば、普通の傘と同じくらいじゃないか。
 展示してあるパラソルの柄が、いまいちピンとこない。唯一、青いバックに白い雲の『クラウド』シリーズには、ぐぐっと惹かれたのだが、あいにくメーカー品切れ中。こういう巨大なグッズは、妥協して選ぶとあとで後悔する。今日のところは無理に買うのは止めておいたほうがいい。

 さて、長良川といえば、やはり釣りである。上州屋にも寄って、籠釣り用仕掛けを買うことにする。どの針サイズにしようかな、と迷ってたらLicが竿を抱えて見せに来た。自分用の釣り竿を買う気らしい。をを!そうこなっくっちゃ。値段と相談しながら、結局1000円以内のやつに落ち着いたらしい。長さも4m台とお手頃サイズ。では、Lic用にも籠釣り用仕掛けを、と思ったら、そんな仕掛けじゃなくて一本釣りがいいという。大丈夫かな〜、餌触れるのかな〜…と、ちょっと心配しつつ、糸と針を購入。針は、なんと9号。かなりの大物狙いである。豪快なLicであった。

『栄光と伝説』

 今日は平成のウルトラセブン最新巻のビデオをレンタルしてきたので、さっそく見ることにした。前回借りた平成セブンは、やや期待外れだったので今回はダメもとで見始める。

 月基地壊滅のシーン。異星人によるマインドコントロールなのか、疑心暗鬼による同士討ちなのか、分かりにくかった。が、フルハシ参謀の死は、大きな節目を印象付けるのに成功している。オリジナルセブンからのつながりとして、フルハシ参謀と、モロボシダンの2人が配置されて平成セブンのドラマは存在しているが、今回、フルハシが殉職し、ダンさえも、ラストの演出を見る限り、新しい隊員の肉体に移ってしまう(?)。もはや、オリジナルセブンとは、一切の決別を付けるかのようなシナリオ。だが、セブンそのものは、昔のままのセブンという設定。変身前のキャラクターと、変身後のキャラクターを、今後どう違和感なく描くかに注目である。

 今回のセブンは、頻繁に変身解除をしてみせた。モロボシダン=セブンであるというイメージを、強烈に見る者に植え付ける演出といえる。そこをあえて新しい肉体に変更というのだから、よほどの理由付けが必要である。今回の“自己犠牲”は、少し動機としては弱い気もしたが、評価は次回以降まで待ってみようと思う。
 前回悲惨なデキだった特撮部分は、今回だいぶ改善されていた。セブンの着ぐるみが、妙にテカテカしてるという問題も、全体を艶消し塗装に変えたことで違和感なくなったし。欲を言えば、ティガなどのようにマスク部分をもっと小さく変更してくれればと思った。デザインを変更することは、大きな賭けには違いない。昔からのファンをごっそり失うことになるかもしれない。でもあえて、平成に復活させるのであれば、思い切ってデザインを現代の味付けにしてもよかったのではないかと思う。セブン21のようになっちゃ目も当てられないが…、スマートな新セブンを見たい気持ちは強い。
 あ、そうそう変身解除の時は、やっぱりウルトラアイをつけたまま人間の姿に戻ったほうがいいと思うぞ。


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