2008.2.1(Fri)

毒ギョーザとインフルエンザ

 中国で製造された冷凍ギョーザに毒物が混入していた問題について、昨日から地元自治体や学校の緊急連絡メールで何通か経過報告が来ていたのだが、幸いなことに、みこりんの学校では問題の製品は使われていなかったようだ。ただ、みこりんの話しによると、お友達の家ではまさにその毒入りギョーザを夕食に食べるところで、危機一髪、報道により該当製品であることが判明したので、難を逃れた例もあるらしい。
 とまぁそんなわけで、教育委員会から本日届いたメールによれば、安全が確認されるまでの当分の間、問題の会社製品を含む全中国製冷凍食品を給食に使用しないことが決定されたそうである。死んでしまってはしゃれにならないので、当然の決定といえよう。

 中国産食品の危険性は、今回に限らず以前から問題になっていた。だから個人的には、野菜や果物、魚など、ナマモノについては、これまでもスーパー等で買い物するときに、いくら安くても中国産は意識的に買わないようにしてきたが、冷凍食品の一部にこっそり使われてたりするものまではチェックできないので、まだまだ油断できないあたりがもどかしい。
 自国の農産物自給自足率は、国家的課題。供給を絶たれたら死活問題になってしまう分野のものは、極力、ルートを分散する等して安全寄りにしておかねばならないのだけれど、どうもそのあたりの意識が希薄すぎて安易に中国製にばかり頼ってきたツケが回ってきたというところだろう。
 この際、よい機会なので、供給ルートを見直すべし。あるいは、自国の農業を、しゃきっと蘇らさねばいかんだろう。荒れ放題の田畑が延々と続くってのは、あまりにもったいなさすぎる。

 *

 これは毒ギョーザ絡みではないのだが、昨日、みこりんの隣の席の子が、突如、発熱していた問題。結局、インフルエンザだったらしい。ようやく休む子供の数も減ってきて、収束するかと思われたのだが、まだまだインフルエンザの猛威は衰えてはいなかった模様。
 席が隣ということで、みこりんにインフルエンザが感染する可能性は低くはない。ワクチンでなんとか撃退してもらいたいところだが、この週末が勝負である。


2008.2.2(Sat)

『神戸在住 (10)』

『神戸在住 (10)』(作:木村 紺) 『神戸在住 (10)』(作:木村 紺)、読了。
 一気に読むというよりは、何度かに分けて、じっくりと自分の中に浸透させつつ読む、という感じに読んだ。そうしないと所々に散りばめられている、心の奥底からぐわっとくる唐突な激しい衝撃に耐えられそうになかったから。

 じつに、静かにおだやかに、うまい終わり方だと思った。

 『神戸在住』では、全巻を通してヒトの死に関するエピソードが何度か出てくる。家族の死、大切な人の死、大震災の時の圧倒的な死、etc...
 残された人は、それでも生きていくために、それぞれの思いを胸の中にしまいこんで、乗り越える。淡々と語られる1つ1つのシーンに、強いメッセージが発せられているわけではないのだけれど、すっと心の中に入り込んで、あとからじわじわっとくることが多かった。こうしてすべてを読み終えたあとで考えるに、強烈な“生”への渇望のようなものが込められているような気がする。…考えすぎかもしれないけれど。

ジュリアン

プリムラ・ジュリアン ふと気付けば、玄関先に置いてある鉢植えが、枯れ枯れになっていた orz...
 夏に咲く花達だったので、2月ともなればこうなってしまうのは当たり前といえば当たり前なのだが、ちょっと前に見たときにはまだ緑色してたような気がするのは、月日の経つのが日ごと早くなっていく老化現象のなせる技に違いあるまい。

 というわけで、今更ながら、冬の花“プリムラ・ジュアリン”を買ってきたわけである。もとから花色の多い品種だとは思っていたけれど、なんだか今年はそれに輪をかけていろんなのが売られていたような気がする。それらの中から、微妙に色違いなのを5株ほど。
 枯れたものを撤去して、さくさくと土をスコップで柔らかくしたのち、ポットから抜いてずぼずぼっと植え込んでみた。本当なら土ごと新しいのにしなければならないところだけれど、ちょっと手抜き…

 真ん中の赤いのが少々きつそう。この鉢の大きさだと、やはり4つくらいが丁度いいようだ。しかしながら、数字的に“4”だと、ちょっとあれだし。かといって1つ減らして3にすると、今度はすかすかすぎるだろうし、なかなか悩ましいところである。


2008.2.3(Sun)

メタル

AKAI製カセットデッキ“GX-R60” 昨日買ってきたカセットデッキ用のヘッドクリーニングキットを使って、キーボードの前に置いてある、今は無きAKAI製のGX-R60のヘッドやらローラーやらをキレイに掃除した。なにしろ30年前20年前(←2008.2.8修正。30年前って…、10年も計算まちがっとるし orz...)のシロモノゆえ、壊れたらおしまいである。押入れで眠っている、いまだカセットテープのまま保管された曲を、PCに吸い上げ終わるまでは、なんとしても生きていてもらわねば。

 クリーニング液が乾いた頃を見計らって、今日PCに取り込むカセットテープを選ぶ。まだまだ大量に残っている中から、厳選して5つ。

  • 井上陽水『9.5 CARATS』
  • チャゲ&飛鳥『黄昏の騎士』
  • 浜田省吾『Sand Castle』
  • 尾崎亜美『lapis lazuli』
  • 岡村孝子『After Tone』

 音楽テープからのPCへの取り込みは、いろいろと手間がかかるので(入力レベルや、左右バランスの調整、1曲ごとの切り出し等)、一日まるっとお休みの日曜日といえども、このくらいが限界であった。

 それにしても驚かされたのが、メタルテープの凄さである。カセットデッキとほぼ同じくらいの年月を経ているというのに、ほとんど音の劣化もないし、ノイズも増えていない。これがノーマルテープとかハイポジションのテープになると、微妙に音の劣化や、ノイズが増えたことに私の耳でも気付いてしまうのだが、メタルテープは録った日のままの状態をそのままに再現しているような気さえする。やはり値段の違いは、伊達ではなかったか。ノーマルテープのほぼ倍くらいの値段だったので、よほどのお気に入りにしか使えなかったのだけれど、メタルにしておいてよかったと30年経った今にして思うのだった。

“整形式チェッカー ver.1.0”

 “ひみつ日記ファイルジェネレータ ver.1.0”によって、“ひみつ日記”のデータをすべて1つのファイルにまとめることができたので、次は遅ればせながらこれを“整形式チェッカー ver.1.0”にかけてみることにした。
 基本的な骨格をなす部分のxhtml文法のチェックは、Another HTML-lint gateway等で確認していたのだが、日々増えてゆくファイルのそれぞれを厳密にチェックはしていなかったので、終了タグが抜けているとか、誤記はありそう。ブラウザで見て一目瞭然な誤記は発見次第修正してはいたものの、ブラウザのエラーチェックが人に親切すぎてエラーでも普通に表示してくれちゃったりする場合もあり、誤記に気付かないままなんてことも…。

 1つのファイルにしたことによって、チェックすべき対象が1個に減ったというのは気分的にかなり楽。ちなみに“整形式チェッカー ver.1.0”は、今回、突貫で自作してみた。突貫のため、属性部分のチェックはしない。要素を、次の4つに分類して、それぞれが正しく記述されているかどうかだけをチェックする。厳密に言えばこれ以外にも種類はあるけど、そういう間違いはないと仮定して、むりやり4つに絞り込んだ(ロジックがややこしくなるので手抜きしたとも言う)。

  • ブロック要素
  • ブロック要素を含むことのできないブロック要素
  • インライン要素
  • 空要素

 チェック対象のxmlファイルは、独自要素で日々の日記を識別しているため、そういう独自要素もどれかに含めてチェックする。4つのファイルに、それぞれ分類した要素を列挙しておき、実行時にその内容を読み込んで使うようにしてあるので、俺様仕様のxmlでもあまり難しく考えずにチェック可能だ。
 では、“Start”ボタンを、ぽちっとな。

 Error...
 やはりあったか。p要素の閉じタグ忘れ。
 指し示された行番号付近で誤記を修正して、再度チェック。
 またエラー。今度のはp要素の開始タグと終了タグの間に、p要素の開始タグだけがはさまってる。おそらくbr要素をp要素に変更しようとして、途中で忘れたのだろう。
 そんな具合に次々にチェックを繰り返し、誤記を修正、修正、修正。

 6メガバイトのファイルに対して、約30個の誤記というのは、多いのか少ないのか微妙によくわからないが、とりあえずエラーは出なくなった。エラーのほとんどがp要素とbr要素に関するもの。文章のどこで区切るか迷ってるうちに、修正し忘れたというパターンが多いようだ。

 エラーがなくなったところで、ファイルジェネレータ起動。変更箇所のあった日付を含むファイルが次々に更新されてゆく。これらをまとめてどどっとアップロードして、寝た。だが、このときすでに眠気で頭がぼーっとしていた私は、恥ずかしい間違いに気付かないままだったのである。それは…


2008.2.4(Mon)

悪寒

 朝からなんとなく寒気がするなと思い、仕事場でも分厚く着込んだその上から、さらにひざ掛けまで使ったにもかかわらず、寒気はますますひどいことに。これは絶対熱が出る前兆とは思ったものの、その他のポピュラーな諸症状、例えば喉の痛みとか鼻ずるずるとか、咳とか、くしゃみとか、頭痛とか、関節の痛みとかはまったくといっていいほどなかったので、とりあえず残業1時間ほどして帰宅。

 心なしか、頭がぼーっとするような気もしつつ、体温計で測定してみると…
 37.5度 _ノ乙(、ン、)_
 とっとと寝なきゃと思ったのだが、先ほどLicが見つけてくれた、この日記のRSSの文字化けをなんとかしてからにしないとダメだダメだダメだ。

 RSS用のファイルだけ文字コードを変えてあるので、いつもはファイルジェネレータで作成したあと、秀丸エディタを使って文字コード変換することになっていた。が、昨日はその文字コード変換を忘れたまま、アップロードしてしまったのだった。

 というわけで、文字コード変換して、速攻でアップロード。…でも、ファイルジェネレータ側で文字コード変換も一緒にやっちゃった方が絶対便利だよなぁ…、と思いつつ。

 そのあとは、布団の中で“く”の字に丸まって七転八倒。身体を横たえたとたん、それまでの寒気がただの冗談だったかのように、本格的なブリザードとなって襲い掛かってきたのだった。加えて猛烈な頭痛と全身の痛み。足先が、氷のように冷たい。

 丑三つ時、あまりの空腹に、10秒メシをちゅるちゅるやりに階段を下りてきたついでに、体温を測ってみると、38.6度。…うーむ。上がり方が急だな。みこりんは幸い激しく発熱はしてないようだけれど、もしかして私の方が先にしてやられたのだろうか。
 空腹が少し満たされると、ほんの少しだけ身体に生気が戻ってきたような気もしたが、やはりそれはほんとうに気がしただけだった。布団に潜り込むと、またしても苦痛が全身に襲い来る。

 長い、とても長い夜だった。


2008.2.5(Tue)

ただの…

 万が一にも熱が下がっていたら出勤できるように、目覚まし時計のセットは忘れずにしておいた。…のだが、けたたましくベルが鳴り響くよりもかなり前に、ふっと目覚め。
 起きた瞬間に熱が下がってないのは分かっていたけれど、念のため体温計で測定開始。これの液晶パネルの電池マークが、からっけつになってるのが昨日から気になっていた。どう見ても“電池切れます”あるいは“もうダメ”を表わすサインと思われる。果たしてこれで正確な計測ができているのだろうか。
 そんな不安をよそに、約30秒で予測検温終了。結果は…、38.5度。3回ほど計測して平均をとってみたところ、やはりそのあたりの数値で妥当らしい。たしかに、起き上がってもふらつくし、体中は相変わらず痛いし、釘を埋め込まれたかのようにきりきりと痛む頭や、この寒気からして、体温計の数値は信頼できそうに思われる。

 出勤は無理と諦め、しばし布団で“ゆ”の字に身体を丸めて、ひとしきり休息を…。

 午前10時、銀行のATM利用手数料がゼロになった頃合を見計らって、病院に行こうと準備をしていると、みこりんとLicが寝ているのに気が付いて、ちょっと驚く。聞けば、みこりんも発熱しているらしく、今日は学校を休んだそうな。ふむふむ、激しく熱は出ていないようなので、インフルエンザではなさそうな感じか。ちなみに、みこりんは昨日、病院で診察してもらっている。

 *

 病院にて。火曜の午前中、しかも小さな個人病院とはいえ、この季節、かなり混んでいた。激しく咳き込んでる人が、マスクしてないのにはかなりまいったが、こちらも体がしんどいのでひたすら精神集中。うっかりしてるとすぐに暗黒面に落ちてしまいそうだ。

 1時間ほど待って、名前をコールされたので診察室へ。
 昨夜からの状況と、学校でインフルエンザの子の隣にうちの子が座ってて、今も熱出してることを伝えると、やはりインフルエンザ検査となった。
 ベッドルームに移動し、鼻の奥を綿棒でぐりぐりぐりーっと。相変わらず好きになれない検査である。でも、溶連菌検査のように喉の奥をぐりぐりやられるのに比べると、まだこっちの鼻の奥の方がマシ。私はとにかく喉が弱いから。

 気になる検査結果は、陰性。つまり、白だったってことだ。
 インフルエンザではなかった。ふつーに、風邪ひいてるだけらしい。
 ほっと安心。

 帰宅してからは、ひたすら寝。猫のように。なんだかとてもSFちっくな夢を見ていたような気もするのだけれど、もったいないことにまったく覚えていない。
 目覚まし時計は、再びセットしておいた。


2008.2.6(Wed)

『とある科学の超電磁砲 (1)』

『とある科学の超電磁砲 (1)』(原作:鎌池 和馬 作画:冬川 基) みこりん共々、熱が下がりきってなかったので休暇とする。でも昨日よりは体調が回復しつつあるので、買っておいたこの本、『とある科学の超電磁砲 (1)』(原作:鎌池 和馬 作画:冬川 基)を読んでみることに。
 なぜ買おうと思ったかといえば、タイトルに含まれている“超電磁砲”という言葉に尽きてしまう。超電磁とくれば、超電磁ヨーヨーとか速攻で思い浮かべる年代には、あまりに強力すぎるタームである。ちなみに、この本は『とある魔術の禁書目録』の外伝ということになってるらしいのだが、私はそっちの方はまったく読んだことがないので、予備知識ゼロ。だから、超電磁砲を、字面のまま“ちょうでんじほう”と脳内変換していたので、実際は“レールガン”と読ませるのだとわかったときには、少なからずショックを……orz...

 まぁそういう些細な問題はおいといて、本作は、『とある魔術の禁書目録』を知らなくても大丈夫っぽい作りになっているようなので安心だ。もしかすると内輪ネタなどが隠されているのかもしれないけれど、それに気付かずとも話の中身がわからなくなったりしないあたりは、かなり親切な部類に入るのではないかと思う。

 “学園都市230万人の頂点、七人の超能力者(レベル5)の第三位”であるところの、御坂美琴お姉さま(といっても中学生だが)がメインキャストとなっているので、タイトルに彼女の二つ名“レールガン”が入っている、と。
 レールガンつながりでふと思い出したのだが、たしか最近、米海軍だったかが本物のレールガンの試射実験をやってて(参考:“米海軍が実験成功した『レールガン』とは”)、その弾丸の初速が2000m/secを超えていたような…。美琴お姉さまは、初速1030m/secの“弾丸”を撃ち出せるらしい。約半分、それでも十分物騒なことに変わりはないけど。それほどの電流を自在に操れる彼女は、たしかに超能力者に違いあるまい。

 読後感は、とてもよかった。なんかこう、ふっと気持ちがラクになってしまいそうになる感じに。突き抜けた爽快さがある。病気のときには、まさにうってつけ。これで背景の作画と、メカ系のデザインがもうちょっと上手ければ5つ星なんだが、じつに惜しい。人物描写、コマ割り、台詞回しに非凡なるものを感じさせるだけに、よけいに目立つのだなぁ。
 次巻が出たら、間違いなく買い。


2008.2.8(Fri)

死神

 ちょっと前に、たまたま地上波で流れていたCMを見て以来、みこりんは“死神”が怖くてたまらなかったらしい。ぐわっと裂けた口とか、ぞろりと剥き出しになってる鋭い牙とか、たしかにインパクトは強いかもしれない。
 ところが今夜は、それまで話題にするのも怖がるほどだったというのに、自らその死神が出てくる映画を見るのだと宣言した。最新作『L change the WorLd』が劇場公開されるのに併せて、地上波で前作の後編が放送される。それを見たいというのである。いったいどんな心境の変化が……、あ、もしかしてみこりん得意の怖いもの見たさというやつかな。

 ちなみに、私は『DEATH NOTE』系に触れたことはないので、予備知識は無いに等しい。だからいきなり“後編”でも大丈夫なんだろうかという一抹の不安はあった。それはみこりんも同様だったみたいだが、なぜか大まかな設定は知っている模様。ひょっとすると学校の友達の間で、話題になっていたのかもしれない。

 というわけで、久しぶりにみこりんと共にTVの前に寝転んで、鑑賞中…

 最初に出てきた死神が、白くて怖くない系だったのも幸いしたのだろうか。みこりんは順調に見進めている。
 前編を見てないため、最初はやはり状況把握はあまり出来なかった。が、さすがに1時間経過する頃には、徐々に物語の背景なんかもおぼろげながら分かってきて、ほうほうふむふむと納得しつつ見ている自分がいた。
 みこりんはどうだろうか。ちゃんとついてきているかな?ん、なんとか大丈夫っぽい。

 がしかし、1時間半を過ぎたあたりで、なにやらみこりんの動きが止まった。
 「みこりん!?」
 そっと体をゆすってみる。

 応答なし。

 みこりんは夢の世界へと旅立って行ってしまった。
 今宵は格別に冷える。半纏を着たままで、もこもこ状態のみこりんをお姫様だっこして、布団の中に包み込む。黒い方の死神の夢でも見て、真夜中起き出さないといいんだけれど…

 天気予報によれば、明日は雪。道理で冷え込んでいるはずだ。
 灯油の残量がちょっと気になったが、幸い、エンディングまでもってくれたようだ。
 見終わったあとの感想は…。現実問題として、例えば危険な運転で子供を何人も殺したとしても、たった数年しか服役しなくてもOKな法律には、激しく違和感を覚える。私刑の代わりに法で裁くことの大前提として、そういうどう考えても変だと思うような状況をなくしていける道が、誰の目にも明らかとなっていなければならないだろう。そうでなければ、私刑を止める事はできまい。今は、とてもそうなっているとは思えない。だが、独裁も、非常に怖い。過去の歴史を振り返るまでもなく、現在進行形の近所の独裁国家のありようを見れば、言わずもがな。

 もやもやっとしたものが胸の奥につかえたままだ。
 みこりんは途中まで見て、どんな感想をもっただろうか。あとで聞いてみようと思う。


2008.2.11(Mon)

『12DEMONS』

 この連休の間中、奇妙に微熱が続き、のど飴なしでは喉が痛すぎてどうにもならないという状況だったので、家の中でもマスク常備で昼間も寝て過ごす。しかし、あまりに退屈なので、買い置きしておいた本の中から一番上に乗っかっていたやつを取り出し、布団の中でしばし読んでみた。

 が、寝ながら読むと布団から出した手が猛烈に寒いので、30分ほどで切り上げ。階下からストーブでも持ってくるかな…、などとぼんやり考えているうちに、いつのまにか寝てしまっていたようだ。

 ふと何かの気配を感じて目が覚めた。
 もぞもぞと布団の中で、なにかが動いている。どうやらみこりんが退屈して様子を見に来た模様。
 そっと耳をすませてみると、定期的に“ぱさ… ぱさ…”という音が聞こえる。紙をめくる音。枕元に置いた、私が読みかけの本を、みこりんも読んでみているらしい。
 ふむふむ、特に危険な本じゃないので、大丈夫かな。

『12DEMONS』(著:御堂 彰彦) ちなみに、読んでいた本とは、『12DEMONS』(著:御堂 彰彦)。私もまだ1/3くらいしか読んでないけど、文章はテンポよく回り、情景描写も違和感なし。とても読みやすいと感じた。とはいえ、小学4年生のみこりんに、はたして中高生を主人公としたライトノベルは受け入れられるのだろうか。ちょっとドキドキしながら、雰囲気をそっと窺ってみる。

 12人の悪魔の部位を持つ少年少女が、その日その時、同時に集ったことで異空間へと飛ばされ、無人の学校内で部位の争奪戦を行う…。というのが基本的なストーリー。ゆえに、やや怖い表現なども出てきそうな気もするのだが、みこりんは順調に読み進めている模様。途中、私が睡魔に意識を持っていかれている間も、黙々と読み続けていたらしく、次に私がみこりんに肩を揺すられ目覚めた時には、1冊まるっと読破してしまったあとだった。
 登場人物名が、かなり難解な読みと漢字を使っていたのでそのへん、大丈夫だったかどうか聞いてみたところ、難しくて読めない名前は、AやBに置き換え、脳内変換しつつ読んだらしい。なるほど、別名参照を駆使したのか。私も外国人の長い名前等が出てきた時には、よく使う手だ。
 その他の漢字には、特に問題はなかったようだ。よっぽど難しいやつには、ふりがなも振ってあったから、大丈夫だったのだろう。

 で、感想は、「最後の方がちょっと怖かったけど、面白かった」らしい。
 どうやらみこりん的には、このくらいの本ならば全然大丈夫っぽい。やはり図書室をよく利用しているのは伊達ではなかったということだろうか。

 *

 夜、私も残りを一気に読んでみた。
 ほぅほぅ。徐々に悪魔の部位争奪戦が盛り上がってゆく…、と思ったら、“つづく”だった…。そういえば、これ、全2巻だったな、たしか。1巻目でつまならかった時のために、2巻はまだ買ってない。
 早急に、2巻目も入手せねばなるまい。


2008.2.13(Wed)

もしかして花粉症

 相変わらず微熱がおさまらず、頭痛に喉の痛み、関節の痛み、鼻ずるずるといった風邪の諸症状に酷似した現象がみられる。みこりんも昨日は同じく微熱を出していて学校を休んだが、今日は元気に出かけていったらしい。私の方は、まだまだ続きそうな…

 昨日、病院でもらってきた抗生物質入りの薬を飲みつつ、それにしてもちょっと妙だなと思い始めていた。いくらなんでも微熱がずーっと出続けるって、変じゃないか。どかっと高熱が出るというなら、まだわかるのだが…。特にそういうのもなく、じわじわと蝕まれていくようなこの気色悪さ。それがもう、かれこれ1週間くらい続いている。

 ………、もしかして、これって風邪なんかじゃなく、あの…、花粉症ってやつなのではあるまいか。
 私の花粉症の症状は、風邪にとにかくよく似ているので厄介だった。微熱が出るところとか、頭が痛いところとか、喉が痛くなったり、全身の倦怠感があったり、もちろん鼻ずるずる。まだ2月も半ばということで、その可能性を除外していたが、風邪というにはあまりに長すぎる症状の継続期間に、もはやこれが花粉症によるものであることは、考えれば考えるほど疑う余地はないように思えてしまうのであった。
 今回たまたまタイミング悪く、本物の風邪と重なってしまったこともまずかった。あれで花粉症の可能性というのを無意識のうちに除外してしまっていた。…ふ、不覚。

 とっとと花粉症の薬をもらってこなくては。それにしても、今年はえらく花粉の飛散が早いような…。またこれで当分、外に出るのが苦痛になる。寒い冬を抜け、やっとこさ庭いぢりの季節になろうかというのに。残念すぎる。


2008.2.14(Thr)

春巻き

 夕食後、みこりんが奥の部屋からトレイに乗せて、おごそかに捧げ持ってきたもの。アルミ箔で覆われた、オーブントースターの皿らしきものがそこにあった。

 こ、これは…。もしかして、チョコ?今日14日だし。
 はらりとアルミ箔が取り除かれると、その下から出てきたのは“春巻き”だった。春巻きの上には、なにやら茶色っぽい粉がまぶされている。やや焦げ目がついていて、なんだか香ばしい、おいしそうな匂いがする。

 一切れつまみ、かぷっと食べてみる。中には、チョコが入っていた。それと、なにやら果物系な食感がする物体が混ざっているようだ。テーブルの上に残されているバナナの房から想像するに、これはバナナに間違いないのだろう。

 チョコバナナの春巻き、ミロの粉末掛け焼き。

 みこりんとLicでこっそり作っておいてくれたらしい。ありがたやありがたや。


2008.2.15(Fri)

『バトルスター・ギャラクティカ 第4話“悔恨の祈り”』

 さて今週の『BATTLESTAR GALACTICA』は、第4話、“悔恨の祈り”。
 とあるパイロットの1000回着艦で賑わう、着艦デッキ。おそらくそのほとんどが同僚のパイロットなのであろう。ワゴンに乗ってぐーるぐーるしている画面にまじって、カメラがそのすぐそばに保管されている武器と思しきものを映し出す。…ま、まさか。
 悪い予感通り、武器(ミサイルっぽい形状をしていたが、ドローンだったらしい)のフックが壊れて暴発。パイロット達目掛けて突き進む。

 ただでさえ少ないパイロットの数が、半減とまではいかなかったものの、大幅に減り、保有戦闘機数(40機弱)よりも少ない事態になってしまった。そういえば、元祖ギャラクティカでも、パイロットの数が足りなくなってしまい、急遽パイロット養成をしなければならないはめになってたエピソードがあったなぁ…、なんてことを思い出す。

 新装版の『BATTLESTAR GALACTICA』でも、同様にパイロット養成を行うことになるのだが…。教官に選ばれた“スターバック”は、以前、婚約者であり、訓練生でもあった彼を、パイロットの適正がないのを知りつつテストに合格させ、結果、事故で失うことになった過去がある。という伏線が、以前すでに張られていたので、いつかはこれが使われるのだろうなぁと思っていたら、今回このような形で出てきたか。確かに、これはちょっとドロドロ。死んだのがアダマ司令官の息子であり、“アポロ”の弟であるということから、最初からその辺の確執が描かれていたし。でもすでに“アポロ”はその事実を、“スターバック”本人から懺悔のような形で伝えられて知っており、彼はそのことを乗り越えたように思われるが、アダマ指令官はまだそのことを知らない。

 息子の死の真相を知ってもなお、“スターバック”を信頼することができるだろうか。…そのあたりの苦悩も、きっと乗り越えてゆくのだろうけれど、今回はその“スターバック”が候補生の教習中に、敵機と遭遇。1(+1)vs8で勝利したものの、機体は撃墜した敵の機体と接触し、動力停止。眼下の惑星の重力に引かれて、落ちてゆく。

 怖すぎである。宇宙空間から、大気圏突入、摩擦熱で焼けてボロボロになってゆく機体から、脱出。ものすごい高さである。高所恐怖症の人なら、これだけでショック死するであろう。
 脱出したはいいけれど、宇宙戦闘用の装備なのに、パラシュートは付いてるんだろうかという不安もあり。背中にしょったバックパックがなんとなくそれっぽいが…。
 次回も見逃せない。

落ちてゆくバイパー・マーク2


2008.2.17(Sun)

サンドウォーム

 サンドウォームといえば、『DUNE 砂の惑星』の方をとっさに思い浮かべてしまう私だったが、昨年末、追加ディスクが発売になったファイナル・ファンタジーXI『アルタナの神兵』にも、同じ名を持つモンスターが追加されたというので、いつか実物を見てみたいものだと思っていた。しかし、普通に生息するモンスターではなく、特殊なモンスターという設定らしいので、そうそう簡単に遭遇できるものでもないようだ。出現条件なども、あまりよく知らないし。
 そんなわけで、特に張り込んだりしてたわけではなかったのだけれど、たまたま過去世界をいつものようにカンパニエに参加しようと歩いていたら、“Sandworm見つけました!”というシャウトが!!

 さっそく指定された座標地点に駆けつけてみると…、いた。

サンドウォーム

 荒涼とした大地の上を、ゆるゆると巨体をゆすりながら進んでいく。かなりでかい。
 が、『DUNE』のサンドウォームほどにはでっかくなかったのが、少々残念。まぁ、でかくしすぎるとモデルが複雑になりすぎて大変だろうとは思うので、このへんが妥協点だったんだろうけど。

 こういう特殊なモンスターは、アクティブ(発見されたら襲い掛かってくる)なことがほとんどなので、慎重に接近してみる。
 念のため、聴覚遮断と視覚遮断の魔法で、自分の音と姿を隠しておいた。ただ、それでも見破るタイプのヤツもいるから油断大敵。隣で画面の中のサンドウォームを、同じく感慨深げに見つめていたみこりんが、「倒してみて!」と言っている。い、いや、それたぶん即死するから無理。
 ソロで闘うには、ちょっと相手が悪すぎる。

 そーっと接近して、画面をズームしてスナップショットをぱしゃぱしゃ。
 ズームしてると遠近感がよくわからなくなるので、ちょっとどきどき(あとで調べてみると、聴覚感知の敵らしいので、聴覚遮断さえしてればどれだけ接近しても大丈夫っぽい)。

サンドウォームに近づいてみたところ

 胸あたりに生えてる小さい腕のようなものが、なかなか不気味。体を伸縮させて移動するので、虫というよりは、軟体動物系な雰囲気が…。うぅぅ。

 こいつを倒すと“サンドウォーム・キャッチャー”とかいう称号が与えられるらしい。でも、ドロップ品がたいしたものではないようなので、出現から十数分が経過しても、誰も狩りに現れなかった…。でもまぁ、出現と同時に狩られてしまうほど人気のモンスターになってしまうと、こうしてゆっくり観察することもできなくなるので、ほどほどに放置気味の方が、異世界っぽい雰囲気を堪能する分にはちょうどいいかもしれない。

 このあと、サンドウォームがどこにいったのかは、定かではない。


2008.2.19(Tue)

『神様のメモ帳』

『神様のメモ帳』(著:杉井 光) 『神様のメモ帳』(著:杉井 光)、読了。
 本を開く前は、帯に書かれた“その冬、僕はニート探偵のアリスと出会った”という一文の、“ニート探偵”という単語に、若干引いてしまった部分はあったのだけれど、冒頭、私のお気に入りの本上位3位以内に20年経った今でもランクされるジェイムス・ティプトリー・ジュニア著『たったひとつの冴えたやりかた』からの引用文が、どどんと輝いており、かなり複雑な思いで読み始めたのだった。思いっきり外しているか、相当な良作か、両極のいずれかになるであろうと予想しつつ。

 文章のテンポがとても上手い。打てば響くような感じに、言葉が紡ぎ出されてくるような具合。しかし、さらさらと読み進められる軽快さに反比例するように、お話の中身は徐々に重い方向へ。でも、これはこれで悪くない。むしろ、意外性があって、個人的には非常にツボをつかれまくりな作品となった。

 危険なドラッグと、彼女の自殺(植物状態)。平凡な一高校生だった少年が、苦悩し、そして“たったひとつの冴えたやりかた”を選択するに至る心理描写、情景描写等、とてもリアルに臨場感溢れるものだった。感情移入というには、私はもう歳が離れすぎているが、それゆえに、少年時代の郷愁もひとしお。…く。目頭がやけに熱い。

 ラスト、絶望の中で、一条の光が天からぱぁっと射し込んできたかのような、思わせぶりな終わり方。そうだった、これ2巻があるのだ。でも、話的には1話完結なので、続きが気になってしょうがない病になってしまうことはない。…けれど、じつはもう2巻目は買ってあるので、あとは読むだけだったりする。

 これは、良作であった。


2008.2.20(Wed)

地球儀

 夕方、地球儀で“ドイツ”の場所を探しているみこりん。なにか学校でドイツについて習ってきたのだろうか。くーるくーる回して、ようやく発見したようだ。そんなみこりんに、一昔前には、ドイツは西と東に国が分かれていたんだよ、なんて事を話して聞かせつつ。
 そのうち、みこりんは地球儀の表面に沿って弓なりに設けられている枠に、なにやら目盛りが打ってあるのに気が付いたようだ。これは何かと問うので、地球表面の座標を示すものだと教えてやると、次に北極点と南極点にも、同様な目盛りがあることに気が付いたらしい。そうそう、その2つと、あとは高度がわかれば地球上どこでもその数値で表現できるのだよ。
 みこりんは瞳を輝かせて、いろいろな国の座標を調べ始めた。ドイツは北海道よりちょっと上あたりの緯度であることとか、中国が日本よりも何倍もでかいこととか。

 やがて、みこりんは言った。「この地球儀、どうして傾いてるの?」
 地軸の傾きが気になり始めたようだ。
 待ってました。そう聞かれるのを、父はもう何年も待っていたんだよ。

 というわけで、さっそく地球儀で地球の自転と公転について、石油ファンヒーターを太陽になぞらえて、ゆるゆると動かしてみせてやる。
 今は冬。つまり、日本は太陽から遠ざかっているので、この角度ね。ふんふんと、うなずいているみこりん。「じゃぁ、北極ってあんまり太陽あたってないんやね」と、納得している模様。そう、その通り!
 逆に、一番暑いのはどこかと問えば、正確に赤道付近を指差して、「ここが一番暑くなりそう」と答えてくれた。そう、そうだよみこりん。

 か、感動である。
 もはや思い残すことなし…って、まだまだたくさんの不思議を伝えてやりたい今日この頃。


2008.2.21(Thr)

イージス艦

 ふと、みこりんがこんなことを言った。「いーじすかん、って何?」
 今日このタイミングでイージス艦といえば、私はこっちの“スパイ衛星を1発で撃破。米国防総省正式発表(第2報)”という、アメリカのイージス艦“レイク・エリー”から発射のSM-3ミサイルで、制御不能に陥っていた人工衛星を高度243キロで破壊したことの方が興味あるのだけれど、きっとみこりんが知りたがっているイージス艦は、日本の“あたご”のことなのだろう。とりあえず、戦闘する船なのだよと言ってみると、「ミサイルを打ち落とすやつ?」と聞き返してきたので、もしかするとみこりんも人工衛星撃墜のニュースを見たのかもしれない。あるいはテレビで、イージス艦の説明してたのを小耳にはさんだか、どっちかだろう。

 というわけで、日本のイージス艦と民間漁船の事故のことだが…、いい加減、こういう海のもの、陸のもの、空のものすべての移動物体について、GPSによる相互の位置情報交換機能を有する装置の標準化をしてみてはどうか。私も仕事でそれに類する装置に携わっていたが、結局、新しい電波の取得の難しさ、他メーカーとの共通仕様化の困難さ、端末機器の高価さなどで、普及には至らず。もっとも簡単な部類に入る、クルマ用の相互位置通信でさえ、メーカーや車種が異なると接続できないありさまだし…。
 こういうのこそ、国が主導してきちっとまとめてしまえば(搭載義務付け)、見落としで衝突なんて事態は、今後、避けられることであろう。空、海、地上に限らず、あらゆる場所で。

 考えなきゃいけないことは山とあるのに。


2008.2.22(Fri)

『バトルスター・ギャラクティカ 第5話“帰還不能”』

 さて今週の『BATTLESTAR GALACTICA』は、先週からの続き、サイロン機との交戦で勝利したものの機体を損傷した“スターバック”が、月(先週は惑星かと思ったのだが、衛星の方だったようだ)の重力に引かれて落下していったところから。
 どうやら無事にパラシュートで着地できた模様。大気内でも飛行可能なバイパーゆえ、常にパラシュートは装備しているという設定なのかもしれない。だがここの大気に酸素はなく、バックパックの酸素ボンベが空になったら即、死である。バイパーは落下の時に焼けてボロボロ、おそらく再起不能。救助を待つしかないのだろうか…。しかし、先週ラストの落下シーンを、今一度思い出してみると、“スターバック”が撃墜したサイロン機も、同じように落下していったはず。あれが何かの伏線になってそうな予感がひしひしとする。

 一方、ギャラクティカの方では、行方不明になった“スターバック”の捜索が続けられている。酸素ボンベの残り時間が迫り、捜索に保有戦闘機のほとんどと、哨戒機も使い、さらには民間船も加わっているため艦隊がばらけて、今ここでサイロンに襲撃されたら危険なのではないかという大統領からの(ある意味当然ともいえる)指摘等もあり、次第に追い詰められてゆくアダマ司令官と“アポロ”。そしてついに時間切れ。
 しかし、「予備の酸素ボンベがあるはずだ」と、捜索続行を指示するアダマ司令官。もし行方不明になったのが“スターバック”ではなかったとしたら…。死んだ息子の婚約者だった“スターバック”だからこそ、司令官は私情を優先させているのではないか…。そしてついに堪忍袋の緒が切れた大統領が乗り込んでくる事態に。

 アダマ司令官には、生き残ったわずか4万数千人の人類を守る義務がある。“スターバック”の捜索打切りを指示するアダマ司令官の、苦渋に満ちた演技が大変渋くてよい。
 だがしかし、今回の見せ場は、やはりなんといっても、サイロンの戦闘機の秘密が一部明らかになったことであろう。

 月で不時着しているサイロン機を発見した“スターバック”。弾丸はモノアイ付近に命中しており、なぜか血液らしきものが垂れている。機体の損傷はそれくらいで、他に目立った外傷もない。ここまでの展開から予想できることといえば…

  • 機体からサイロン兵が分離して襲い掛かってくる。
  • この機体を操縦(?)して帰還する。

 の、いずれかであろうと思われる。
 しかしここで重要な疑問が…。サイロン兵って、この機体そのものじゃないん?

 最初の放送で、宇宙空間に曝露された赤いモノアイを見たときから、私はサイロン機って機械化された戦闘機だとばかり思っていたのだけれど、穿たれた穴から垂れている血液らしきものを見るにつけ、“ヒトとそっくりなサイロン”という、今作の新しい設定を思い出すことになる。
 “スターバック”が機体側面のボタンを押すと、機体のパネルが開き…、そこにあったのは“肉”であった。

 ぱっと見、人型をしているようにも思えない。一部しか画面に映ってないし。でも、何らかの有機生命体(あるいは機械との融合生命体とでもいうべきもの)が、この機体を操縦していたことは間違いなさそう。
 穴をふさぐ“肉”を、ナイフでざくざくと切り開いてゆく“スターバック”。そしてついに、コックピット内部へと潜り込むことに成功。“脳”と思われるパーツを、がこっと取り外し、機体の外へぽーい。なかなか豪胆である。

 コックピット内には、なにやらパイプがぞろぞろと垂れ下がっている。たぶん、このパイプが内部のパイロットと思われる物体に接続されていたのだろう。なんか血糊でべとついてるし…。そして重要なポイントは、機内には酸素供給用のパイプもあったということである。酸素を必要とするあたり、いよいよ生物と機械の融合生命体を彷彿とさせる。でもこのおかげで、酸素切れの危機は切り抜けることが出来た。
 ところで機体の操縦だが、いわゆる操縦桿らしきものはないのだが、どうやるのだろうか。“スターバック”は、おもむろに垂れ下がったパイプを捻ってみている。

 機銃発射。
 ふむふむ。なんかよくわからないけど、パイプに力を加えることで操作できるっぽい。“スターバック”は、おそるべき野獣の勘で、機体の操縦方法を身につけてしまっていた。さすが一騎当千のパイロットである。

 ギャラクティカが、まさに超光速航行に入ろうという時、“敵機発見”。それはもちろん“スターバック”の操縦するサイロンの戦闘機なわけだが、事情を知らないギャラクティカ側から見れば、当然、敵襲である。
 出撃する“アポロ”。
 “スターバック”は、どうやって自分が敵ではないことを知らせるのだろう。私が中学生の頃に見た『マクロス』でも、やはり同じように敵機をぶんどって帰還するシーンがあったのだが、あの時は、機体を左右に振って味方であることを知らせていた(と思う)。でも今度のは、そんな方法が通用するようにも思えないが…。

 結果的に、“アポロ”は、その機体に“スターバック”が乗っていることを知ることになる。その方法とは…。
 あまりにわかりやすく、しかも意表をついていたので、よし。
 来週、サイロン戦闘機ば詳細に分解調査されることになるのだろうか。あるいは“魔女狩り”というサブタイトルから想像するに、これまで極秘だった“ヒトにそっくりなサイロン”の存在が公にされるのかもしれない。
 期待して待つとしよう。


2008.2.23(Sat)

『バイオメガ』

『バイオメガ (3)』(著:弐瓶 勉)
『バイオメガ (4)』(著:弐瓶 勉)
 『バイオメガ (3)』『バイオメガ (4)』(著:弐瓶 勉)、読了。この人の作品は、『アバラ』が初見で、個人的にはかなりツボを突かれまくったため、この『バイオメガ』にも以前から興味はあった。でもなんとなく手を出しがたい雰囲気も五分五分といった感じで、迷っていたりしたのだが、幸いにも先月、1巻2巻を古書店でゲットできたため、一気に読み、どっぷりとはまってしまった。

 物語の背景は、“DRF(技術文化遺産復興財団)”が火星より持ち帰ってきたウイルス“N5SV”によって、地球上の人類が、死してなお蠢くドローン(N5SV感染者)で満たされつつあるという状況。DRFはこの状況下において“人類総改換計画”を発動、その大きな流れの中で、東亜重工製の合成人間“庚 造一”は、その計画の要と思われるN5SV適応者、イオン・グリーンを救出すべく、重バイクとAI“フユ”と共に、闘いに臨んでゆく…。

 作画力の著しい向上と、本来のド迫力な情景描写、アクションなど、絵的に魅せる部分がとても多い。キャラのデザインには、結構好みが分かれそうな気もするが、少なくとも私にとっては『アバラ』よりも、とっつきやすかった。『ヘルレイザー』ばりの黒い装甲服とか、肉職人を思わせる白くて長い前垂れとか、身体改造とか。どっちかというと、ぐちゃぐちゃずるずる系の身体改造なので、これもまた好みが分かれそうな気もするが、私はこっち系も全然OKなので、問題なし。

 続く3巻4巻は、新品で購入(古本屋になかなか出てこなかったというのもあり)。今日すべてを読み終えたわけだが、正直、これはすごいと思った。

 特に4巻。地球を覆いつくした謎のウイルスというか物体が、突如、地球を離れてゆく。誰かの願いを聞き届けたかのように。とてつもなくでかくて長い紐のようなものが、宇宙を奔る。造一は、その紐の末端に重バイクで取り付き、捨て去られる地球から、からくも脱出。そのばかでかい構造物と共に、未知宙域に飛ばされた。

 謎の物体における描写。遠く未知の宇宙空間にて…。その物体のスケールが途方もない。直径100kmというのは、まぁ昨今、それもありかなという感じだが、その全長が48億kmに至ると、もはや私の想像力の限界を超えている。いったい何この物体、というか生物?(ちなみに海王星の軌道半径がだいたい45億km)

 しかもこの超巨大な物体の中にも、DRFの影が…。そして出会った原住民は、おそるべき身体改造の果てに、自ら増殖可能な“人間”となっていた。

 これからどんな展開が待ち受けているのか。次巻にも期待。


2008.2.24(Sun)

『ブラック・ジャック』

 『ブラック・ジャック』を初めて読んだのは、たしか私が小学校の高学年の頃だったかと思う。友達が漫画を大量に持っていたので、その子の家に遊びに行くたび、順次読み進め、結局、そこにあったものはすべて読破してしまっていた。読んでいる途中は、早く続きが読みたいというある種の魔法にかかったかのような感じになり、しばらく触れていないと禁断症状が出てしまうかと思われたほどだった。

 そして時は流れ…
 今、みこりんがちょうどそんな状態に陥っている。

 我が家にある文庫本は、全部で16巻。秋田書店から発行されたものである。それを一日に多いときで4冊くらい読んでしまっており、もうじきすべての巻を読み終わってしまいそう。
 もともと子供向けの医療関係の本や、ドキュメンタリーには、かなり興味を示していたみこりんだったが、ここまで『ブラック・ジャック』にハマるとは、ちょっと予想外だった。

 そこで、「どんなところが面白い?」と聞いてみたところ、「ピノコがかわいい」のと、いろんな病気やら怪我やらを治してしまうところに興味を引かれているらしい。ちなみに、みこりんお気に入りの小道具は、ブラック・ジャックが手術室以外の場所で手術しなければならない時によく登場する、あの大きくて透明で風船みたいな簡易手術室。たしかにあれは便利そうだ。

 ただ、『ブラック・ジャック』のお話には、ちょっと怖い部分もあるのだが、その辺は大丈夫なのか聞いてみたら、逆に私はどこが怖かったかと問われたので、「人面疽のやつ」と即答したところ、妙に納得していたので、きっとみこりんもあれはちょっと怖かったに違いない。私も最初にあの話を読んだ時には、自分にも“人面疽”が出来てやしないかと、しばらく気になって気になって仕方がなかったことを思い出す。

 みこりんが本の続きはもうないのかと言うので、作者の人が死んでしまっているから、もう新しいお話はないんだよと答えると、心底がっかりした様子だった。私も残念だ(再度調べてみたら文庫本の17巻が出ていたらしい。買い足しておかねばなるまい)。
 代わりといってはなんだけど、OVA版『ブラック・ジャック』を見てみたいと言うので、今度借りてくる予定。


2008.2.26(Tue)

雪と青リンゴ

 2月も終わろうかというのに、朝方からしんしんと雪が降り積もる。三日前に満タンにした灯油のポリタンク(18リットル)が、はやくも空になってしまった。今季の灯油の値段はかろうじて1680円/18リットルと、1700円を切ってはいるものの、こうも早く補充しなければならなくなると、ちょっと痛い。
 春待ち遠しい今日この頃。

 *

 夕方、雪が雨に変わる頃、ポケットの中のケータイがぶるぶると震えて着信を告げた。振動時間が長かったから、メールではなく、電話であろう。しかもこの時刻。おそらくみこりんからに違いない。
 仕事部屋である大部屋を抜け出し、廊下の突き当たり、外の景色が見渡せる窓の前までやってくると、ケータイを取り出し、着信履歴をチェック。
 まちがいなく、うちからの電話だった。というわけで掛けてみると、みこりんが出た。ここで、にゃんちくんが電話に出たらさぞや面白かろうと思うのだが、まだそこまでの妖力はないらしい。

 みこりんがケータイに電話をかけてくる時というのは、にゃんちくんが何か粗相してしまってた場合か、オンラインゲームで質問等がある場合な事が多い。今回は後者だった。曰く、「“野菜村”で新しいキャラが発売になったのだけど…」
 今度の新キャラは、既存キャラの良い特性をほぼ網羅しているらしい。経験値獲得率アップだとか、攻撃速度アップだとか、採掘率アップだとか、そういうステータスが軒並み上昇しているという。ほぼ無敵状態にも思えるキャラの出現に、みこりんはやや興奮気味に、いかにそれがすごいことか説明してくれた。

 これでみこりんの用事が、だいたいわかった。“野菜村”はアイテム課金のオンラインゲームである。つまり、今度の新キャラも、ゲットするにはリアルマネーが必要ということだろう。それでしかも期間限定で特殊アイテム等が付いて来たりするのだろう。さらにその特典が先着何名様とかになってたり。
 アイテム課金の怖いところである。

 案の定、みこりんはそのキャラが欲しいらしい。自分のお年玉で買いたいというのだが、アイテム課金用にチャージするには、私が操作しなければならない。しかしながら、“野菜村”運営母体のネットマーブルのサイトは、IEでしか見ることができないため、私のケータイのフルブラウザ(Opera)からは操作不能だ。
 というわけで、詳しい話は、帰宅してから聞くということにして電話を切った。

 *

 みこりんは何か欲しいものがあっても、自分から積極的に「欲しい」とはなかなか言わない傾向がある。そのみこりんをして、わざわざ電話までかけてくるほどの魅力的な新キャラとは、いったい何者か。帰宅後、私はその正体を知って、「え、ほんとにこれでいいの?」と思わず確認してしまったのだった。
 新キャラは、青リンゴの“リンゴロー”。名前から容易に分かるとおり、これは男の子キャラである。みこりんの使ってるキャラは、すべて女の子。……いいんだろうか。
 私のそんな心配は、しかし、みこりんにとっては些細なことでしかなかったようだ。みこりんに言わせると、この“リンゴロー”は、とても可愛いらしい。男の子キャラであることも、なんら問題ではないという。ふむふむ、そういうものかのぅ。

 まぁ自分のお年玉で買うというのだから、よしとしよう。
 数分後、みこりんは新キャラ“リンゴロー”を手中に収めたのであった。


2008.2.27(Wed)

カレンダー

 帰宅してみると、みこりんがタブレットを使って何やら熱心に絵を描いていた。背景にトレース用と思われる薄い色で表示されているのは、3月のカレンダー。どうやらオリジナルのカレンダーを作りたいらしい。
 でも、日にちの数字を描くところで、ちょっと困っている様子。たしかに1〜31までの数字を、すべて手描きするのは大変だ。果たしてみこりんはこの事態をどう乗り切るだろうか。あえて口を出さずに見守っていると、今使ってるタブレット用のお絵かきソフトに、テキスト入力の機能があることを発見したようだ。
 「これ使えばできるかも!?」と、ちゃかちゃかと数字を入力。ぺたっと貼り付け。OK!

 みこりんは同様の手順で31までの数字と曜日を、それぞれ色を変えたりなんかしつつ入力完了。あとは余白に好きなイラストを描くだけとなった。

 ここはやはり昨日買ったばかりの“リンゴロー”のイラストがよかったみたいで、ゲーム画面のスナップショットを、トレース用に読み込んでみている。だがしかし、画像のサイズが合わなかった。今作っているカレンダー(全画面 1024×768)よりも、ずいぶんと小さい。しばらく悩んでいたみこりんだったが、今度は“野菜村”を起動して、スナップショットを撮り直すつもりのようだ。全画面モードにしてスナップショットを撮れば、画像サイズも大きくなるんじゃないかと思ったらしい。ふむふむ。

 がしかし、“野菜村”のスナップショットはウインドウモード時のサイズで固定っぽく、全画面モード時に撮影しても、画像のサイズは変わらなかった。発想は良かったんだが、ソフトの仕様にしてやられた感じ。
 がっかり気味のみこりんに、「小さければ、拡大すればいいんじゃよ」とアドバイスしてみる。

 「え!?どうやるの?」と問うので、私が愛用している画像ビュワー“IrfanView”(日本語版はこちらのサイトにあり)をインストールし、リサイズの手順を教えてやった。このソフトはビュワーといっても、色調補正やらサイズ変更など、簡単な加工ができるので、ちょっとした画像データの編集には重宝している。
 ただ、うっかりメニュー表示を英語のまま使ってしまったので、みこりんは「むずかしぃー」と言っていたが、そのうち自由自在に使いこなすようになっているであろう。こういうのは慣れが一番(あとで表示言語を日本語にしておかねば)。

 こうしてみこりん自作のカレンダーの骨格は、徐々に出来上がっていったのだった。完成した暁には、学校に持っていってみんなに発表することを目標としているらしい。
 どうやら日直になると、何か1つ芸を披露せねばならないようで、そのネタとしてカレンダー作りを思いついたということみたい。なかなか最近の日直も大変である。


2008.2.28(Thr)

暖をとる猫の図

ストーブの前で丸くなるにゃんちくん 近頃のにゃんちくんの定位置は、このように赤々と燃えさかるストーブのまん前である。ヤカンが沸騰してガタガタいうのが気になるのか、たまにちらっと上を見るものの、基本的に微動だにせず、一心不乱に眠っている。

 熱くないんだろうか?

 そう思って、そろりと手を伸ばし、にゃんちくんの毛皮に触れてみると、焼きたてのパンみたいな具合にあつあつである。
 焼き猫になりはしないかとちょっと心配になってしまうのだが、にゃんちくん的には特に気になる様子もなさそうだ。…毛皮はヒトでいうところの衣服みたいなものだから、地肌そのものはさほど熱くなっていないのかも。

 で、私がそろそろ寝ようかとストーブを消す午前0時過ぎ。いつのまにかにゃんちくんは、ストーブの前を離れ、自分のソファに移動しているのである。まるで私の行動を見透かしているかのように。もしかすると、おそるべき獣の勘で「そろそろ寝る時間だにゃ」と思っているのかもしれないが、なかなか猫の行動は見ていて飽きがないというか、愛らしいというか、独特の雰囲気があるものだなと思う今日この頃。
 ちなみに、私が一番気に入っているにゃんちくんのポーズは、餌を期待してる時の、ちょっと前屈みの姿勢で、しっぽをぴんと立てて、そいつの毛をぶわっと膨らませ、左右に小刻みにぷるぷるぷるぷるって振ってるやつ。悶絶しそうなほどにプリティ。時々、夢の中でそのイメージが再現されてしまうほどに。いつかその瞬間を映像として残しておかねば。


2008.2.29(Fri)

『神様のメモ帳 (2)』

『神様のメモ帳 (2)』(著:杉井 光) 『神様のメモ帳 (2)』(著:杉井 光)、ようやく読了。
 前作のような爽快感がなく、やや状況設定というか物語の主軸を見失ったような感じがする。登場人物が前作とはぜんぜん関係の無い、まったく別物の物語というのであれば、それなりに読める作品なのだが、いかんせんニート探偵と、ニート達である必然性がないのが、とても痛い。問題解決の方法を、主人公である高校生が考え付くというのも、今回のはかなり無理があるし…

 2巻目は、なかったことにした方がいいのかも…。


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