2008.10.1(Wed)

猫ベッド

 会社帰り、ちょっと遠回りしてペット用品専門店へと立ち寄ってみた。かなり以前、ウズラ用に鳥専用の餌を買いに来ていた店だが、そのウズラを野良アライグマに虐殺されて以来、足が遠のいてしまっていた。
 記憶にある通りの建物が、当時の面影のままにあるというのは、懐かさと同時に、ほっと安心するものなのだなとしみじみ思う。

 店に入り、さっそく猫用のソファ(“ベッド”と称するのが一般的らしい)を探す。店内のレイアウトも当時のままらしく、入って左手方向に犬猫用のアイテムがたくさん置いてあった。その棚の一角に、目指す品を発見。
 カマクラ型、マット型、箱型、と各種ベッドが取り揃えられている。やはり専門店だけのことはある。じつは昨夜、インターネットのオンラインショップで猫用ベッドを少し調べてみたのだけれど、送料の高さと、自分の欲しいタイプの品揃えの少なさに、ちょっと凹んでいたところだったのだ。

 端っこの方に、蛸壷型というかシュラフ型というか、いわゆる潜り込むタイプを置いてあって、とてもとても心惹かれた。…が、にゃんちくんは、自分のベッドの上で、仰向けに伸び、長々と四肢をうーんとするのが好きなことを思い出す。あれをやるには、この形ではきっと不便、というか出来なさそう。
 というわけで、無難に箱型(屋根のついてないタイプ)を買った。サイズは、にゃんちくんに合わせてSで。色はブラウン。ほのぼのと暖かな色彩だった。

 *

 帰宅後、さっそくリビングの床に置いてみたところ、まっさきに駆けつけてきたのは、にゃんちくんではなく、みこりんだった。
 もこもこの手触りが心地いいようで、猫用ベッドを撫で回している。
 にゃんちくんが姿を現したのは、それから30分後くらい。じつに慎重だ。

 はじめは、新しい猫ベッドなぞ眼中にないかのように、悠然と私の傍に寄ってきて、膝の上で丸くなっていた。ながーく伸びたり、踏み踏みしたり、ひとしきり膝の上を堪能すると、ようやく猫ベッドの方へとしずしずと接近してゆく。
 ふんふんと、匂いを嗅いでいる様子。鼻面をくっつけるようにして、何度も匂いを確認したのち、おもむろにベッドに入るのかと思ったら、また私の膝の上で丸くなってしまった。
 うーん…。やはり新品だと匂いがダメなのかも。

 というわけで、中のクッションを取り出し、膝の上のにゃんちくんもろとも、ぎゅぅぅぅっと抱きかかえてみた。その体勢で、しばらく凝固。にゃんちくんは、ふごふごと鼻を鳴らして満足気である。

 そろそろいいかな?
 クッションを、元のベッドの中に戻しておく。厚さは5cm以上はあろうかというシロモノ。これなら、踏み踏みのやり甲斐もあるだろう。

 でも、にゃんちくんはその後も新しい猫ベッドはアウトオブ眼中だった。
 去年新しいのを買ってきた時には、すぐ入ってくれたのに…。

 この買い物は失敗だったかと思い始めた頃、いつのまにかにゃんちくんが膝の上からいなくなっていた。
 妙に静かだ。
 はっとして猫ベッドの方を見やると、そこにはもこもこの上でくつろぎまくっているにゃんちくんの姿があった。

 よ、よかった…

『宙のまにまに (5)』

『宙のまにまに (5)』(作:柏原 麻実) 『宙のまにまに (5)』(作:柏原 麻実)、読了。
 他校の天文部との合同合宿の続きから。自前の望遠鏡を持ってない弱小天文部の美星達だったが、お父さんの遺品のアイピースだけはいいものが揃ってる。そんなわけで、他校の望遠鏡を貸してもらい、土星を導入。小さくてもリングを持つ独特の姿が確認できた瞬間の感動は、私にも覚えがある。
 図鑑等で土星の写真を見てはいるものの、実際にその姿をリアルに望遠鏡で捉え、自分の目で土星のリングを確認した時の、ぞくぞく感は、今でも忘れられない。120倍程度の倍率だと、最初は小さな点にしか見えないのだけれど、目を凝らすにつれ、輪っかが見えるようになる。ほんとうに宇宙にはこんな星があるんだと、飽きる事なく見つめ続けたものだ。

 さて、今巻で路万部長、卒業。巻数を重ねるごとに、キャラが安定してきたというか、あいかわらず病弱ネタで笑わせてくれるのだけれど、それだけじゃない部分が描かれることで、深みが増したキャラ。今後もちょこちょこと登場して欲しいなぁと思ったり。

 卒業と言う事は、新しい春到来ということで、新入生勧誘の季節でもあり。
 新入部員として入ってきた2名、特に女子の方、なかなか濃ゆいキャラでいい具合。
 寡黙だけれども、内側で静かに燃えてる鉱物“命”の炎とか、ものすごくマイペースなところとか、そのキャラ設定にはなんだかとても既視感が……。どこかでこんな感じの子が出てくる小説だかコミックだかを読んだ記憶があるんだけれど、それが何なのかもやもやーっとして、思い出せず。
 『ARIA』の登場初期頃のアリスかとも思ったのだけれど、別の作品でもっと雰囲気似てる子がいたような気がして仕方がない。

 まぁそれはそれとして、全般的に天文ネタに集中してきたのは、よい傾向だと思う。学園ラブコメなら、巷に溢れているが、天文ネタの作品はそうそうないから、ある意味貴重。今後もこの路線維持で、ぜひお願いしたい。


2008.10.2(Thr)

“Kiss Me Good-Bye”

 音楽教室から戻ってきたみこりんが言うには、次の課題曲を『FINAL FANTASY XII』の挿入歌である“Kiss Me Good-Bye”にしたのだそうだ。これで『FINAL FANTASY XII』からの選曲は、通算3曲目のはず…。最初は“交響詩「希望」第三楽章 ロード・オブ・ホープ”、その次は“帝国のテーマ”、そして今回の“Kiss Me Good-Bye”。
 みこりん自身は、『FINAL FANTSY XII』をプレイしたことはないのだけれど。というか、我が家にそのゲームソフトが存在すること自体、忘れていたみこりんなのだが、サントラはしっかり記憶に焼きついていたということだろうか。

 というわけで、さっそく“Kiss Me Good-Bye”を聴きたくなったみこりんは、Webで検索し、YouTubeでアンジェラ・アキのPVなどを見つけて聞き入っていた。でも、よくよく考えてみると、以前レンタルしたサウンドトラックのCDの中身は、吸い上げてハードディスクの中にしまってあったはず。私もすっかりその事を失念していたところが、とてもやばい。記憶力に優れたLicが覚えていたおかげで、無事、いい音で再生することが出来たのだった。

 ところで、元々ボーカル曲として創られた音楽を、エレクトーンだけで演奏すると、どんな感じになるのだろうか。そのへん、ちょっと興味深いところである。


2008.10.4(Sat)

仔猫

 夢うつつで、みこりんが“猫”について話すのを聞いていた。瞼が重い。
 昨夜…、というか今朝寝たのが夜明け過ぎだったから、まだ2時間くらいしか経っていないはず。
 それでもどうにか、みこりんの説明がだんだん頭に入ってくるようになってきた。どうやら庭に猫がいるらしい。それも、仔猫3匹連れ。
 裏庭の秋明菊が植わってる奥に勝手口があって、そこにちょいとしたコンクリートの足場があるのだが、仔猫たちは、その上でじゃれあっているとのこと。
 とても見たい。…でも、体が動かない。眠すぎる………

 みこりんはその仔猫たちの愛くるしい動きに魅了されてしまったようで、母猫に威嚇されても動じることなく観察してきたのだそうだ。ついでに、自分のケータイで仔猫の写真も撮って来てくれていた。
 瞼をどうにかこじ開けてその姿を確認する。一緒に写ってる母猫の姿は、私にも記憶があった。たしか2週間前にも庭で見かけたやつだ。その時にはウッドデッキまで上がりこんできていて、網戸越しににゃんちくんが「にゃぁにゃぁ」と声をかけていた。

 庭を囲った『完璧な防壁』に、新たな穴が開いたことは確かだったが、それがどこなのかは今もって確定していない。仔猫連れで入り込んできているということは、日常的にうちの庭を遊び場にしているということなのだろう。

 そろそろ起き上がれるまでに覚醒してきたので、着替えてみこりんと共に裏庭に回ってみることにした。私の身長くらいまで伸びた雑草が、密林のように行く手を塞いでいる。足で雑草をなぎ倒しながら進んだ。獣道のように通路が出来上がったので、みこりんも入り込みやすくなって喜んでくれた。が、雑草抜かなきゃダメだなこれは……

 目的地に到達。がしかし、すでにそこには仔猫たちの姿はなく、母猫もいずこかへと消えていたのだった。

 がっかりするかと思いきや、みこりんはすかさず「隣の空き地に移動したのかもしれない」と言い残し、仔猫捜索の手を緩める事はなかった。
 おそるべき執念。仔猫パワー威力絶大である。

 冷えたリビングの床の心地よさに、再びうつらうつらし始めた私。その時、傍らで充電中のケータイが唐突に着信を告げた。アクエリオンの曲ということは、みこりんからだ。
 ケータイにでてみると、がさがさという草のこすれる音も生々しく、みこりんが「仔猫見つけた!」と言っている。やはり隣に移動していたのか。あそこは以前から猫天国になってた場所だから、そこをねぐらにしているのだろう。なにしろ空き地の下の家に住んでる人が、自治会からの再三の注意にもかかわらず野良猫に餌を与え続けているので、猫が居つくのだ。
 野良猫に餌を与えるなら、最後まで自分が責任をもって避妊手術するなり、家の中で飼うなりしてほしいのだが、何を言っても無駄なのは過去の経験から分かっているので、どうにもならない。まったく…。うちの前の道路でクルマに轢かれて死んだ猫の処理を、私は過去に2回やったが、ああいう悲惨な最期を想像することすらできないのだろう。

 *

 やがて戻ってきたみこりんは、自分のケータイで撮影した仔猫の動画を再生してみせてくれた。母猫似の、黒に白ぶち柄の仔猫が、ちょろちょろと走り回っている。ちょこまかとした動きが、じつに愛くるしい。
 「仔猫飼いたいなぁ…」と、みこりんは言うのだが、「仔猫が仔猫でいられるのはほんの数ヶ月で、すぐにうちのにゃんちくんくらいの大きさになるよ」と指摘すると、複雑そうな表情をしていた。
 それはそうと、みこりんは『完璧な防壁』の侵入経路と思われる部分の写真も撮って来てくれていた。ただ、本当にそこなのかどうかは、写真だけでは判断がつかない微妙なネットのたわみ方だ。明日にでも裏庭の雑草抜きと合わせて、チェックしておかねば。


2008.10.5(Sun)

“Nintendo DSi”

 “Nintendo DSi”の発売がリリースされたが、案の定みこりんもどこからかこの情報を入手したらしく、先ほどから“DSi”がどのくらい優れているかを、私に熱心に説明してくれている。みこりん的には、DSi用にネットからゲームがダウンロード可能になるところと、SDメモリスロットが新設されたところが重要っぽい。

 既存のDSでも、インターネット接続されたWii等を通じてゲームをダウンロードすることは可能だったが、あくまでもそれは“お試し版”であって、正式なゲームではなかった(電源切ったら消えるし)。それが、正式版もダウンロード可となれば、カートリッジを複数持ち歩かなくてもよくなるのではないか、とみこりんは思ったようだ。たしかにそれは便利かも。みこりんがマジコンをうらやましがっていたのも、それだったし。
 で、私はてっきりSDメモリカードにダウンロード可になるのかと思ったのだが、どうやらそっちにはゲームの保存はできないようだ。Wiiのような内蔵メモリスロットを搭載するとのことなので、メモリ媒体を経由した貸し借りなんてのは出来ないのだろう。それができたら任天堂公式のマジコンになってしまうしなぁ…

 そしてそのSDメモリカードに保存可能なのは、もっぱら画像とか音楽とか。しかしこれが付いた事で、DSが携帯音楽プレーヤーにもなる。
 2画面液晶モニタ、しかもタッチパネル付きという元祖DS仕様はそのままだから、いろいろと楽しげな事ができそうな予感。DSiがあれば、もう「iPod欲しい」なんて言わなくなるかと思うと、ちょっと安心ではある。

 みこりんがサンタさんにDSiをお願いする確率は、かなり高いといえよう。入手難易度が如何程のものか…、そのあたり要チェック。

『鉄腕バーディー (20)』

『鉄腕バーディー (20)』(作:ゆうきまさみ) 『鉄腕バーディー (20)』(作:ゆうきまさみ)、読了。
 連載誌がオトナの事情で休刊(廃刊)になるというのを聞いた時でも、『バーディー』なら引く手あまたと思って、あまり心配はしてなかったのだけれど、その通りになってめでたしめでたし。とはいえ、その裏ではいろいろ大変だったろうとは思うが…。
 個人的には、移転先が見つからず、最悪、同人誌、しかもコピー誌になっちゃったとしても、買うけれど。というか中間マージン抜かれまくりの紙媒体の本じゃなく、ゆうきまさみ本人によるWebによる単独連載という形態を、ちょっとだけ期待してたりもした。

 まぁそれはそれとして。
 この作品世界では、バーディー側の人が何気なく大量にさくっと死んでしまうシーンが割りとあったりする。生々しい描写はないけれど、かえってそこが想像力を刺激して、怖い。今巻でも、おそらくは爆発したと思われる大型宇宙船の乗組員数は、数百人レベルじゃないような気がするし。
 高度なテクノロジーを有していても、起きていることは現在の地球上における“破壊”と“人の死”と、なんら変わらない。人の業みたいなものを感じて、しみじみとする。

 その一方で、バーディーを取り巻くローカルな人間関係は、二心一体の秘密も明らかになって、より強まった感もあり、今後の展開が気になるところ。ところであのねずみ型の捜査官達は、もっと登場させて欲しかったりもするのだけれど、次回に期待。
 それにしても、だいぶ前から登場しなくなっている捜査官のカペラは、一体どこで何をしているのか。まさか作者にも忘れられていたりは…………


2008.10.6(Mon)

“いっぺん死んでみる?”

 みこりんお気に入りの声優さん、愛生ちゃんつながりで、みこりんがすっかりはまってしまっているアニメーションは、『ウミショー』の他にもう1つあって、それは『しゅごキャラ!』。日曜早朝から始まる放送は、欠かさず見ている徹底振りだ。平日もこの早起きを継続してくれたらと思わずにはいられない。

 その『しゅごキャラ!』のコミック版が連載されている雑誌を、みこりんは今日、買ってきていた。そろそろ『小学五年生』は卒業か…
 で、その雑誌には、『地獄少女』も連載されているので、ちょっと驚く。
 私は第1期目のアニメ版しか見たことはないのだけれど、けっこう怖い(というかシリアスで生々しい)シーンもあったような。

 ぱらぱらとページをめくっていたみこりんが、「“いっぺん死んでみる?”って、『地獄少女』?」と言った。
 いかにもそうだと私は答え、どういうシーンで使われるのかを説明してやった。……それにしても、なぜみこりんがそんな台詞を気にするのだろう?

 謎に思っていると、みこりんが言う事には、愛生ちゃんのブログに、その台詞が題名になってるエントリーがあって、ずっと不思議に思っていたのだそうな。いったいこの言葉の意味は何?って感じで。
 どうやら愛生ちゃんは、『地獄少女 三鼎』にゲストキャラで声を当てた回があるらしい。その時のエントリーに、“いっぺん死んでみる”が使われていたようだ。

 そんなわけで、『地獄少女』にも興味が出てきたらしいみこりんであった。


2008.10.8(Wed)

仔猫

 夕方頃、みこりんからのメールがケータイに届いていた。曰く、「仔猫って飼える?」。どうやら、近所のお友達が、仔猫を飼ってみたくなったようだ。仔猫とは、おそらくうちの庭を遊び場にしている例の3匹の仔猫のことだろう。

 いつ産まれたのか定かではないが、まだ母猫と一緒に行動しているくらいだから、さほど月日が経っているとは思えない。あまり早く親から離すと、いろいろ問題ありという話も聞くし…、という事を返信しておいた。

 とはいえ、続いて送られてきたみこりんからのメールによると、仔猫はキャットフードを食べたらしい。たぶん、うちにあったやつを食べさせてみたのだろう。カリカリを食べるなら、もしかすると大丈夫なのかもしれない。
 このまま野良にしておくのか、それとも飼い猫にするのかで、仔猫の将来は大きく変わる。このあたりの野良猫は、よく子供を産むが、猫そのものの数はさほど増えたりはしていない。つまり、まともにオトナまで育つ仔猫の数はとても少ないというわけだ。
 野良アライグマやカラスといった天敵はいるし、クルマに撥ねられたり、病気になったり…。飼い猫にすれば、少なくともそれらの危険は排除できる。

 仔猫を飼いたいと言ってるお友達というのが、カナヘビを飼ったりしている子らしいので、単に可愛いからという思いつきで飼いたいと言ってるだけでもなさそうというのが心強い(生餌しか食べない生物を飼うのは、かなり手間がかかる)。ただ、カナヘビと違って、猫を飼うには、資金がそれなりに必要だ。親が同意していなければ難しい。そのあたりをクリアしているのならば、ぜひ飼ってやってほしいと思う。

『マクロスF』第24話“ラスト・フロンティア”

これでいい
もう思い残すことはない
あとは燃え尽きるだけ
今あるのは 音楽と そして あたし
だから…… あたしの歌を聴けぇーーーーー!

第24話“ラスト・フロンティア”より、シェリルの決意の台詞

 明らかになってくるランカの過去。グレイスの野望。あとがないフロンティア船団の、決死の降下作戦。いよいよ大詰めな雰囲気が伝わってくる、良作だった。

 生身でも宇宙空間で生きられる虫達なのに、彼らの母星が、なぜ人類の生存に最適なタイプの惑星なのか。ちらっと見えた虫達の女王が、どうみても虫ではなさそうな外観をしているところとか。第117調査船団・団長がマオ・ノームであることとか。鳥の人(というかプロトカルチャー)が何か関係してそうなところとか。“フォールドの波は因果律と時を超える”という台詞がすごく気になるところとか(彼が逢いたがっているのは、もしかして……)。虫達のために歌うランカの“愛・おぼえていますか”が、異様に怖くて、それでいて美しすぎるところとか。
 そんなことより、機体に直撃を食らって爆散するアルト機をモニター越しに見つめるシェリルの悲壮な声と表情が健気すぎる件とか。

 秘孔つかれまくりである。

 プロトカルチャーの時代から、人の営みは時代を超えて変わらないというあたり、『愛・おぼえていますか』世代には懐かしすぎるシチュエーションだった。

 ところで、虫達の航跡(光跡)が、青と赤の2種類いるのには何か理由がありそうに思うのだけれど、そのあたりも気になるところ。そして過去のマクロスシリーズでは通常、青い光跡で描かれていた統合軍のバルキリーの噴射炎が赤になってる(?ような気がした)ところもなにやら意味深(記憶違いかもしれないけれど)。それに対してSMSのVF-25は青だったような…。

 それはそれとして…、バルキリー乗りに「そこかっー!」とか「ちぃっ!」とか言わすのは、止めて。ガンダム系はもうお腹一杯。


2008.10.9(Thr)

『マクロスF O.S.T.2 娘トラ☆』

『マクロスF O.S.T.2 娘トラ☆』 『マクロスF O.S.T.2 娘トラ☆』到着。さっそくPCに吸い上げ、MP3に変換の後、ウォークマンに転送。

 落ち着いたところで、PCにて再生してみる。

 1曲目。“Prologue F”、じわっとくる。一緒に聞いていたみこりんが、「それってFFの曲?」と質問してきたので、「『マクロスF』のだよ」と答えておく。今週は夜毎、第24話をPCで繰り返し視聴している私の姿をみこりんも目撃しているため、ちょっとだけ『マクロスF』に興味を示しつつあるのだ。

 “真空のダイアモンドクレバス”が収録されていたのが、私的には、とてもうれしい。第22話、シェルター内で打ちひしがれている人達に向けてシェリルが歌ったバージョンのやつ。美しすぎる。

 “愛・おぼえていますか〜bless the little queen”。このアレンジは第24話でランカが虫達に歌ってるやつ。オリジナルのリン・ミンメイの方と聴き比べてみると、こちらの曲調がどれほど哀しみに満ちているかが、いっそう際立ってくる。
 でもこの曲って、もともとは遠い昔のプロトカルチャー達の流行歌(ラブソング)という設定。ということは……

 “アイモ O.C.”。ランカアタックで使用された曲。原曲とはかなり雰囲気も歌詞も変わってしまっている。闘いの歌詞が、これから起きる哀しい出来事を予感させてついつい目頭が熱くなってしまう。

 本放送ではすでに最終話を放送し終わってるので、歌詞カードの後ろについてるあの二人による対談を読めば、フロンティアやランカが無事だったことがわかるのだけれど、シェリルはいったいどうなってしまったのかが猛烈に気になる。
 最終話を観る前に、こっちを読んだのは失敗だったか orz...


2008.10.12(Sun)

近頃みこりんがはまってること

 東京ゲームショウにて、みこりんが贔屓にしている声優の豊崎愛生ちゃんがパーソナリティを務めるインターネットラジオの、公開録音があった。みこりんはもちろん行きたがっていたのだが、幕張メッセはあまりに遠い…。しかも当日の様子を伝えるニュースサイトの写真によれば、ものすごい人混みである。開始数分で入場制限とか、もしも私がそこに混じっていたとしたら、たぶん人波の熱気にやられてものの数秒でダウンするのは確実。果たしてみこりんに耐えられるのだろうか。
 そう思って、私が見ていたサイトの記事を読ませてみたところ、みこりんはけろっとした表情でこう言った。

 「ぜんぜん平気!子供の方がちっちゃいから、動きやすいし」

 ………
 好きな事のためには、ナニモノも障害にはならないということか。これが、若さと言うものなのか。
 ちょっとうらやましく思ったりもし。

 「ところでみこりん。愛生ちゃんて、CDとか出してないの?」と、聞いてみる。近頃の若手声優さんといえば、大概、CDの1つや2つや3つくらいは出しているのではないか。と思ったのだけれど、みこりんはその可能性についてはノーチェックだったらしく、「え!?」と、しばし固まっていた。
 しかしそのあとの行動は素早かった。あっというまにサーチエンジンで検索し、該当する曲を探し当てていたのである。

 どうやらそれぞれキャラの声をあてている『しゅごキャラ!』で“にじいろキャラチェンジ!”、『ウミショー』で“虹色すぷらっしゅ!”を、歌ってるらしい。
 ふむふむ。
 みこりんはその音源をどこからか探し当ててきており、じっとヘッドフォンで聞き入っている様子。そのうち、紙とペンを持ち出してきて、さらさらと何かを書き始めた。
 いったい何を書いているのだろう。みこりんに質問してみると、耳で聞いた歌詞を書き写しているのだという。しかも、コーラスになってるので、それぞれのパートごとに分けて書いている念の入れよう。

 部分的に聞き取りにくい箇所などは、まずカラオケバージョンで音楽だけを聞き、その後で歌詞入りのを聞いて差分をチェックすることで、言葉を推測・抽出するという技まで使っているらしい。うーん、おそるべし。さすがエレクトーンで鍛えた耳の良さを誇るみこりんだけのことはある。

 書き写した歌詞は、バインダーに挟んで丁寧に保管することにしたようだ。それぞれの歌詞の最初のページには、『しゅごキャラ!』と、『ウミショー』の手描きイラスト付きである。
 このはまり具合、なんとなく自分の子ども時代にも似たような記憶があるなぁ…。自作の昆虫図鑑とか、手描きの世界地図とか、鉱物の一覧表とか etc...
 たぶんオトナから見ると、なぜそこまでと思ってしまうような行動だろとは思うのだが、子供にしてみれば、ものすごく真剣。というか、おそらく意識せずに全力で集中してしまうものなのだろう。

 なんにしても、興味の対象があることはいいことだ。私も愛生ちゃん情報を、追っかけてみるかなと思った秋の夜のことであった。


2008.10.15(Wed)

『マクロスF』第25話“アナタノオト”

あれは恋の歌よ
バジュラが何万年、いいえ何億年かに一度
他の銀河に住む群れと出会い、交配するために呼びかける
恋の歌よ
アイモ アイモ
あなた あなた、って…

ランシェ・メイが幼いランカに語り聞かせたこと

 初代マクロスTV版、劇場版『愛・おぼえていますか』、『プラス』、『ゼロ』あたりを通しで見てきた世代には、まさに“なにもかもみな懐かしい”シーンが満載。でも、最終話に詰め込みすぎた感はある。ところどころ説明口調なのが、もったいないと思ったが、まぁそんなことはささいなことだ。結局、今夜だけで3回繰り返し見た。時間があったら、夜通し見たかもしれないくらい、はまった。明日が平日なのがじつに悔やまれるところだ。

 人差し指から薬指までを揃えてぴんと伸ばし、親指と小指をきゅっと左右に広げて“ひこーき”を形作るのは、『プラス』を見て以来なぜか自然と体が覚えてしまって、みこりんが小さかった頃から、その“ゆびひこーき”でよく遊んだものだ。だから、アルトが自分のVF-25を呼び寄せるべく遠隔操作するシーンにその“ゆびひこーき”が使われていたことには、感動すら覚えた。やはり空に憧れる男なら、それやらなくちゃね。

 バトル・ギャラクシーへの連携攻撃もなかなか。もともとデストロイド・モンスターはお気に入りのメカデザインなので、今作のケーニッヒ・モンスターが最後に見せ場を作ってくれたのはうれしい限り。敵機体上に胴体着陸しつつ砲撃というパターンは、『愛・おぼえていますか』ラストで見せたブリタイ艦の、あのシーンを思い出さずにはいられない。あれより若干スケールダウンしているとはいっても、好きなパターンだ。
 ただ、マクロス・クォーター程度の大きさならまだ目立たないものの、バトル級のどでかいCGモデルは、ちょっと形状が単純すぎな点が残念なところ。昔の手描きだったら、職人技がいかんなく発揮されて恐ろしいまでの迫力があったと思われるのだが…。
 それに加えて無人機ゴースト同士の戦闘シーンは、もうちょっと見せて欲しかった……。リミッター解除状態のルカのゴーストと、ギャラクシー搭載のゴーストは、果たしてどっちが強いのか。じつに興味深いテーマだったのに。

 それはともかく、アイランド1への攻撃を庇って散ってゆく虫達の姿は、何度見てもぐっと来る。個々と言う概念がなく、集合意識で結ばれた生命体。なんとなくスタートレック・シリーズにおけるボーグのような存在を思わせる虫達。その頂点に位置する(グレイスによって乗っ取られた)クイーンの意識に反する行動をとったのは、ランカやシェリルのフォールド波を放つ歌の影響も、もちろんあるのだろうけれど、ひょっとすると虫達には個々の意識があるのではないかという気がしてしまう。そのあたりの話は、今後予定されている映画版で何か語られたりはするんだろうか。

 ところで前回、“フォールドの波は因果律と時を超える”と言っていたゼントラーディの爺さん、あの手の中にあった写真は、たぶんリン・ミンメイ。するとこの爺さんは、いったい何者。ブリタイだったりは………、と思ったものの、それにしては歳とり過ぎてるような気もする。うーん。謎だ。謎が残りすぎ。でもシェリルが無事だったので、すべてよし。

 『マクロスF』、期待以上だった。


2008.10.18(Sat)

オンラインゲームいろいろ

 以前、MMORPGの『エミル・クロニクル・オンライン』を、無料期間のオープンβで遊んだ事のあるみこりんだったが、最近、ハンゲームにも新しく追加されているのに気がついたらしい。
 今なら30日間無料というわけで、さっそくインストールしてキャラ作成中の模様。みこりんにとって、ゲームのキャラ作成というのは、何にもまして楽しい時間らしいので、念入りに表情やら髪型やら目つきやらをチェック中。

 キャラを作成し終わったみこりんが降り立ったゲーム世界は、オープンβの頃とあまり変わってないような雰囲気。なにやら懐かしい。
 ところで、みこりんはこの他にも、声優の豊崎愛生ちゃんと遊べるというので、『アークロード』と『アラド戦記』でもレベル上げしてるわけだが、『野菜村』がどうなったかというと…、じつは背後でしっかり今も起動中なのである。

 ただ以前とちょっと違うのは、『野菜村』はもっぱらチャットソフトと化しているようで、称号クエストやらレベル上げなどはまったくやっていない様子。よくよく画面を見てみれば、取得経験値のバーは、最大表示の100%になっている。これ以上は称号クエストを完了させないと進まない仕組みらしい(内部では経験値が積算されてはいるらしい)。
 そのことをみこりんに聞いてみたところ、クエストを進めていない理由が判明した。単純明快、「飽きた」からだそうな。飽きっぽいみこりんが、珍しくあれほど熱中していた野菜村だったが、さすがに限界を感じたようだ。

 まぁその気持ち、私にはよくわかる(私のキャラはレベル90くらいで稼動停止中)。なにしろ、野菜村のクエストはやたらと必要アイテム数が多い。400個とかはざらにあるし、さらに上位の称号クエストになると数千個なんてのも存在してるらしい。こうなってくると、もはやゲームというよりは、作業である。
 それでも、そのクエストを終了させている人もいるわけで、そんな人達はどうやったんだろう?と聞いてみると、リアルマネーで買えるアイテムの中に、クエストのアイテム必要数を半減させたりするものがあるとのこと。…なるほど。アイテム課金らしいやり方だ。

 まあしかし、幸いといえばチャットソフトとして使う分には基本無料なので手間がかからないことかな。
 みこりんの当面の目標は、愛生ちゃんがパーソナリティをやってるネットラジオ内の企画で、『アラド戦記』内の愛生ちゃんのキャラを護って戦うコーナーに出ることらしい。あれは生電話スタイルで音声も流れるため、「ヘッドフォンみたいなやつで電話できるのない?」と聞かれたのだが、残念ながら我が家にヘッドセットはない。果たして、みこりんは無事に愛生ちゃんを護ることができるのだろうか…、というかそのまえにそこまでのレベル上げに耐えられるだろうか。
 気になるところだ。


2008.10.19(Sun)

講演会『国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の建設』

 年に一度、この季節、市の文化行事の一環として、宇宙関係の講演会が開かれる。去年は、水谷仁氏による『月の起源と進化』というものだったが、今年はJAXA(宇宙航空研究開発機構)からJEM運用プロジェクトチーム サブマネージャの横山哲朗氏が招かれ『国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の建設』についての講演が行われる。
 約一ヶ月前、学校から申込用紙を持って帰ってきていたみこりん自身も、「行ってみたい」ということだったので、参加申込をしておいた。申込人数が多ければ抽選ということだったのだが、後日あっさりと参加証をゲットすることに成功した。
 おそらく抽選という事態にはならなかった模様。これはこれでいいのか悪いのか、少々複雑な気分ではある。

 今日がその講演会当日。定刻の30分前に家を出て、会場を目指す。
 10分前に到着したものの、かなり広い駐車場はぎゅうぎゅうで、停める場所を求めて彷徨う事、約5分。どうやら講演会以外にも、運動系の大会やら、会議なんかも併設された建物で開催されてるらしい。

 どうにか空きスペースを見つけてクルマを停め、会場へ。時間的にはけっこうぎりぎりだったためか、座席にはあまり余裕がなく、わりと後方に着席。とはいえ、そんなに巨大なホールではないため、プロジェクタで映し出される文字が見えない程ではない。
 ほどなくして横山哲朗氏による講演が始まった。対象が小学生をメインとしているので、国際宇宙ステーション計画の生い立ちや、現在までの道のり、そして日本モジュールの概要など基礎的な事を、わかりやすく話されていた。途中、与圧部の組み立てミッションの動画映像など交えつつ。
 やはりスペースシャトル打ち上げから、ブースター離脱に至るシーンは、かっこいい。有翼の宇宙船が漆黒の空間に浮かぶ姿は、それだけで好奇心を刺激する。これを見ている子供達も、同じような気分を味わっているのだろうか。隣に座っているみこりんの様子が、なんとなーく夢の世界に旅立ってそうな雰囲気を時々感じるのがちょっと気がかりだが、それはほんの一瞬で、しっかり手元のパンフレットを読んだり、プロジェクタの方を見つめているようなので、たぶん大丈夫…

 それら一連の話が終わったあと、横山哲朗氏が「今日一番話したかったのは、ここからです」と、プロジェクタが新しいパートを映し出す。それは、地上でミッションを支える裏方のメンバー写真と説明画面だった。
 JAXAの筑波で撮影された管制室の写真には、背後のスクリーンにNASA管制室の中継画面と、宇宙ステーションからの中継画面が一緒に映しこまれており、日本モジュールの打ち上げというミッションの、具体的な姿というかリアルな雰囲気が伝わったのではないかと思う。NASA管制室の映像は、映画でも結構使われてたりするので割とポピュラーだけれど、日本のそれは、あんまり一般の目には触れてなかったような気もする。小惑星探査機“はやぶさ”のタッチダウンの時にインターネット放送されてた映像も、たぶんマニアな人しか見てないと思うし…
 こういう映像は、ぜひ各種動画サイトに置いて欲しいのだが、JAXA広報の中の人にはぜひ検討いただきたいところだ。

 講演最後の質問タイムには、子供達の手が活発に挙がっていたのが印象的だった。その質問の1つに、「流れ星は宇宙ステーションにぶつかりますか?」というのがあったのだけれど、横山哲朗氏は地表から見た流れ星という前提で返答されていて、それゆえに、「流れ星は宇宙ステーションから地球を見下ろしている時には見えます」となっていたのが、個人的にちょっと気になった部分。おそらく、質問した子供の真意はそこではなくて、いわゆるデブリの類が宇宙ステーションに衝突することはあるのか?ということを聞きたかったんじゃなかろうか。
 実際、デブリを避けるために軌道変更した事例もあることだし。ステーション外壁は何重構造にもなった防弾チョッキみたいになってることとか…。でも実際のところ、地表から肉眼で流れ星に見えるほどの粒子が、宇宙ステーションに衝突したら、どうなるのか。既知のデブリと違ってあらかじめ軌道計算できない場合は…。このあたりは確率の話になってくるのかな。

 さて、質問タイムも終わり、最後にNASA編集による与圧部組み立てビデオ映像を見て、講演は終了した。
 出口にて、参加証に刻印されたシリアル番号で景品が当たるという話があり、さっそくみこりんと確認してみたところ、1枚当たっていた。おぉぉ、なんてラッキーな。
 いそいそと景品と交換してもらったみこりんは、パッケージに書かれた“MITSUBISHI PENCIL”というのを目敏く見つけ、「これきっと中は鉛筆かボールペンよ」と言っていたのだが、果たして中身はその通り、3色ボールペンだった。限定品大好きなみこりんにとっては、このボールペンは宝物になることだろう。


2008.10.20(Mon)

ガサガサいう音

 みこりん達が音楽教室に行ってる間、しばしトイレ休憩。ケータイのフルブラウザで某掲示板なぞ読みつつ、一日の疲れを癒していると、唐突に右側の壁から“ガサガサ”という音が聞こえてきて、一瞬どきりとする。
 何か小さくて硬いもので木をこするような音。………、ヤツだ。ヤツが壁の中を移動している音にちがいない。

 ガサガサガサガサガサガサ

 ヤツは、右側の壁から、背後へと回りこみ、そして上へと移動している様子。でもなんとなく、以前よりも発する音が小さくなってるような?今夜のヤツは、まるでドワーフハムスターが木の上を移動しているかのような、軽めのガサガサだ。

 代替わりでもしたか…、あるいはヤツの子供か…。それともまったく新しいヤツが棲みついたか…。

 考えをめぐらしている間に、いつのまにかヤツの気配はいずこかへと消え去ってしまっていた。
 再び静寂に包まれる空間。
 にゃんちくんが、時々、じっと聞き耳を立ててあらぬ方向を凝視していることがあるのだけれど、あれはたぶん、ヒトには聞こえないほどのヤツが発する微音を聞き分けていたのだろう。

 これまで一度もヤツの姿を実際に見たことはないけれど、なんというか妙な愛着とでもいうべきものがいつのまにか生まれてしまっているような…。困ったことである。


2008.10.21(Tue)

ガサガサいう音その2

 夕食時、ガサガサという音が唐突に聞こえてきたので、ぴたりと動きを止め、音源を探る。もしかしてヤツがついにリビング内部にまで入り込んできたのではあるまいか。そんなことを一瞬考えたりもした。

 同じく音の正体を探っていたみこりんが、突然けたけたと笑い始めた。指差す先を見てみれば、にゃんちくんがゴミ箱に頭を“ずぼっ”と突っ込んでいたのだった。たしかにその姿を見れば、笑いをこらえきれないのも無理はない。
 あぁぁしかし、そんな野良猫みたいにゴミ箱漁りするなんて、ちょっとショック。普段、にゃんちくんはゴミ箱に興味を示すことなぞほとんどなかったというのに。一体何がそんなに気になったのか。

 みこりんがにゃんちくんの背後にそっと忍び寄り、「にゃんちー」と声をかけても、にゃんちくんは微動だにせず、ゴミ箱に頭を突っ込んだままだった。おそるべき集中力。
 よっぽど興味を惹かれる何かが、その中にあるにちがいない。でも、それに該当しそうなものを、そこに入れた覚えはないのだけれど…。

 にゃんちくんがゴミ箱から離れるのを待ち、内部を確認。
 エンゼルパイが入ってた小分けの袋とか、パンが入ってた袋の他は、ただの紙くずしかないように見える。にゃんちくんは、ヒトの食べるお菓子にはまったく興味を示さない猫なので、エンゼルパイの甘い匂いに誘われたというのは考えにくい。どっちかというとチョコの匂いは苦手なはず。以前、チョコの匂いを嗅がせてみたら、心底いやそうな表情で立ち去ったしなぁ…

 結局、にゃんちくんが何の匂いに興味を惹かれたのかは分からずじまい。何がゴミ箱の中にあったのか、あるいは何の匂いが残っていたのか、気になるところだ。


2008.10.22(Wed)

『バトルスター・ギャラクティカ 第19話“地球への道(前編)”』

 前回の第18話“ファーム”は、タイトル通り、なかなかグロかった。まさに産む機械扱いなところが、ギーガーの描くバイオメカノイドを彷彿とさせて、ちょっと懐かしかったりもしたが…。
 サイロン(♂)×ヒト(♀)の受胎には成功していないのに、サイロン(♀)×ヒト(♂)がOKなのには、やはり何か理由があるのだろう。いまだにその子供の姿がどんなものなのかが意図的に明らかになっていないところが、結構怖かったりもするのだけれど。
 そしてラスト、“ブーマー”の死体を見て泣き崩れているアダマ司令官が、坂上二郎さんに見えた事も、忘れないように記しておこうと思う。自分を撃った“ブーマー”、サイロンだった“ブーマー”、でも2年間、ギャラクティカのクルーとして信頼していた“ブーマー”、アダマ司令官の脳裏にはそうした様々な思いがぶわっと渦巻き、感極まったのであろう。でも二郎さんに見えてしまったのでせっかくのしんみりした場面が、いろいろ台無し orz...(二郎さんが悪いわけじゃないだけに、ちょっと悔しい)

 そして今回、第19話“地球への道(前編)”。大統領側とギャラクティカ側に分かれた船団の、それぞれの事情。個人的には数話前に大統領を牢屋にぶちこんだあたりから、アダマ司令官の判断にしっくりこない何か違和感のようなものを持っていたのだが、あれは大統領と神話を結びつけるための製作側による前振りだったような気もしてきた。違和感は、そこに至る必然性が、あまり感じられなかったからだと思う。もうちょっとうまいシナリオを用意すればよかったのに、少々残念な気もする。

 しかしまぁ、最後にアダマ司令官が元に戻ったのが救い。アダマ司令官ほどの人物でも、時には判断を誤り、苦悩するのだというのを見せたかったのだろうなと、良い方向に解釈しておく。


2008.10.24(Fri)

チケット到着

 最近みこりんがハマっている声優さんの、豊崎愛生ちゃんが所属する事務所は、“ミュージックレイン”という。その事務所所属の4人の声優さん達(もちろん愛生ちゃん含む)によるイベントが、文化の日に東京であるのだけれど、今日、そのチケットが無事、届いていた。
 申し込んだのは先週末。以前、みこりんが空席状況をチェックした時には完売状態だったらしい。ところが今回は運がよかったのか、幸いにして空席ありのステータスになっていた。今年の夏は、特にこれといって遠出もしていないし、いつのまにか秋になってるし、みこりんも行きたがっているし、チケット代も異様に安いし(映画館の料金と同じくらい)、買っておくか…、というわけで、申し込んでおいたのだった。

 オンラインですべて手続きを済ませたので、みこりん的には本当にチケットが届くのか、ちょっと不安だったらしい。「もし、届かなかったらどうしよう…」なんて言ってたのだが、これで一安心だ。

 会場は池袋にある池袋サンシャイン劇場。みこりんはすでに Google Map でその所在地も確認済みである。サンシャイン60の隣の隣。…サンシャイン60といえば、私がみこりんくらいな時に、一度水族館を見に行ったことがあるなぁ…、なんてことを話して聞かせ。
 会場の公式サイトで、チケットに表示された座席番号がどのあたりに位置するのかも、みこりんは抜け目なくチェックしていた。一階席、後方、舞台に向かって右より。けっこう大きなホールだから、ちょっと舞台が遠いかなと思ったけれど、みこりんは2階席よりは1階席の方が良かったらしいので、満足げだ。

 開場が12時だから、日帰りも不可能ではなかったが、今回は余裕をみて前泊に決定。愛生ちゃんが出演しているインターネットラジオの放送が行われている文化放送も、みこりんは見たがっているので、そっちもついでに連れてってやろうかと思う。
 それにしても、ここ数年ほど東京出張行ってない間に、営団地下鉄が東京メトロ表記になってて、ちょっと浦島太郎な気分…


2008.10.25(Sat)

人恋しい夜

 昨夜から降り出した雨は、いまだ止まず。私の体調も陰鬱な天気に呼応するかのように、喉の痛みは増し、頭痛はよりいっそうひどく、変な汗が出てくる始末。
 そんなわけで、午前中、かかりつけの病院に出かける。みこりんは、何かやることがあるようで、お留守番だ。どうやら愛生ちゃん系な話題を自分のブログに書いた繋がりで、ネット友達も新たに出来たっぽく、アメブロのメッセンジャー機能を使ってチャットなどやってるらしい。そして午後からは、リアル友達がうちに遊びに来るようだ。なかなか多忙なみこりんであった。

 お昼前、風邪薬をゲットして帰宅。これからやってくる予定の、みこりんのリアル友達が変に気を遣わないよう、私は自室へと引き上げ、眠りの中へ。この風邪を週末までに治してしまわねば、何かと不便だし。

 *

 夜、微妙に熱が上がってきたので夕食後、再び布団に戻る。
 そうやって布団の中で丸まっていると、階段をとたとた上がってくる軽やかな音。
 にゃんちくんだ。
 二階の壁で爪でも研ぎにきたのかな、と思っていたら、おもむろに「にゃぁ…、にゃぁ…」と鳴き始めた。
 なにやら物悲しげな鳴き声だった。

 鳴きながら、うろうろと廊下を往復している気配。時折、寝室の襖の前で立ち止まると、そっと前脚で押してみているのか、「ぎし」と音が聞こえる。
 すでに10分以上過ぎていたが、にゃんちくんが立ち去る様子はない。

 さらに10分ほど鳴き続けていたので、私は起き上がり、襖を開けた。
 じっと私の顔を見上げるにゃんちくん。手を伸ばすと、待ってましたとばかりに横になって、うにょーんと伸びをしてみせてくれた。
 なでなでと、背中や腹やら小さな額やら首のところなどを撫でてやると、満足げにごろごろと喉を鳴らしている。そして私は理解した。今日は昼間、みこりんのお友達が来ていたから人見知りなにゃんちくんはずっとどこかに隠れていたはず。午前中は私が病院に行ってていなかったし、夕方も私は寝室で寝てたから、にゃんちくんは今日一日、私の姿をほとんど見てないのだ。

 冬毛に生え変わりつつあるにゃんちくんの毛皮は、とても手触りがよく、温かかった。


2008.10.26(Sun)

冬の気配

 つい先週までは職場でも窓全開&Tシャツ一枚で十分大丈夫だったというのに、週末から急速に冷え込んできて、もはや今日なぞ外出するのにセーター必須という有様である。なんという気候急変。
 部屋の中にいても、半纏着込んでないと耐えられないほどの寒さ。猫ベッドの中で丸まったにゃんちくんの背中も、普段より一段とぎゅっと小さく丸まってるように見える。

 そして夜に突入。
 灯油買ってこなかったのを後悔した。
 ただ、最大の謎は、私がそんなに寒がってるのを尻目に、みこりんは普通に薄着で過ごしている事だ。寒くないのだろうか。そう思って聞いてみたところ、「ぜんぜん」と即座に返されて、さすが子供は風の子よのぅと思うのであった。


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