1999.6.3(Thr)

『DARK CITY』

 明日がビデオの返却期限なので、急いで『DARK CITY』を見た。今夜は、夜9時から新スタートレックがあるので、それまでに見なければ、また夜遅くになってしまうのであった。

 冒頭、異星人がなにやら絡むらしいというのがわかり、これはもしやSFなのだろうか?と思ったのだが、すべての記憶が偽りであるというのが雰囲気的にわかってきたところで、物語はSFというよりは、どちらかというと押井守が一時期はまっていた「夢」と「現実」の区別の付かなくなった世界での出来事に近いかなと思い始めた。『赤い眼鏡』とか『ビューティフル・ドリーマー』のような。

 主人公の途切れかけの記憶にある、「シェルビーチ」、海辺の太陽溢れるこの場所に、どうしてもたどり着けないというあたり、まさに亀の背中の友引町で、どうしても町から出られないメガネや面堂達を強烈に思い出した。
 そしてついに、シェルビーチの看板が行く手をふさぎ…、壁を破壊する主人公と渋い刑事。砕け散った壁の向こうにあったものは!?…巨大な亀の背に乗った町が出てきても、ぜんぜんおかしくなかった。が、現れたものはそれに非常に近い光景だった。宇宙を漂う人工の町。

 とらえられた主人公に、ある記憶が注入されると、ストーリーは一気に大友克洋調になった。チューンという念動力(?)の応酬戦で、度派手に破壊されてゆく町。異星人の長老との互角の戦いは、なかなか見応え十分。ただ、いいところで午後9時になってしまったので、続きを午後11時まで待てるはずもなく、みこにゃん用テレビデオで再生を再開した。

 主人公の勝利に終わり、ダークシティに太陽が昇る瞬間は、爽快な気分にさせてくれる。ここらへんのラストシーンは、『赤い眼鏡』よりも『ビューティフル・ドリーマー』っぽいなと思った。

 謳い文句にあったような『未来世紀ブラジル』とは、かなり趣向も違うし、狙ってるとこも遠いような気がする。でも、いわゆる普通のSFアクションモノとは、違うんだぞというのは、たしかにそうだな、と思った。記憶のあいまいな住人達の描き方は、P.K.ディックあたりの世界観を彷彿とさせる。なかなかうまい盛り上げ方だと思った。「チューン」の力によって、町がどんどん流動的に変化してゆくさまも、一時として確実なものがないのだという不安感を、強烈にアピールするのに役立っている。

 ジェニファー・コネリーが、はまりすぎなくらい場面にあっていて、美しかった。このビデオは借りてアタリだったと思う。


1999.6.5(Sat)

『イデオン発動篇』

 夕方、風邪が治らないので病院に行こうとしていたら、宅急便で何かが届いた。
 送り主を見て、すぐに開封したかったのだが、病院の診察時間が迫っていたので、ぐっと我慢。

 病院から戻って、わくわくしながら封をきった。中から出てきたのはCDである。タイトルは『伝説巨神イデオン 発動篇 サウンドトラック』。
 さっそくオーディオにセット。サラウンドはシネマスクリーンに設定変更して再生。まさに、待ち望んでいた音楽が部屋に満ちたのである。

 4リピートほどしたところで、Licが「ボリュームもうちょい小さく」と言ったので、ようやくボリュームを絞った。Licはあまりこういう系の音楽は好きではないらしい。やはり、サウンドトラックは本編見てないといまいちなのかな?
 私は『イデオン発動篇』、台詞を覚えるくらい繰り返し見ているので、音楽聞くだけでそのシーンが頭に再生されて、懐かしさのあまり、我を忘れそうになるのだが。

 このCDは、ウェブで展開中の“アサヒレコード”で検索・注文したものだ。このサイトの売りの1つに“CD-SEARCH”という機能がある。これまで発売されているすべてのCDが網羅されているとかで、実際私が“イデオン”で検索した時も、かなりヒットしていた。廃盤以外でも、入手困難なものをゲットするのにかなりの自信をみせているので、いずれ活用してみたいと思っているところだ。

新スパロボ・コンプリート

 先頃、宇宙編を終わらせたところだが、地上編もようやく「ファイナル・バトル」を迎えた。あいかわらず、ストーリーはいまいちわからず、ぜんぜん盛り上がるところもなく、淡々と気が付いたら最終話というのは、宇宙編と同じであった。
 攻略本なしでやっていたので、ライディーンにゴッドボイスは結局装備されなかった。せめてヒントだけでも、本編の中で語られてもよかったのではないかなぁ??

 さて、地上編のラストが終わると、真のエンディングにむけての最終話が始まった。
 改造の引継が問題になるのはSRXと真・ゲッターだけのはずだが、他の機体もかなり数値が変わってしまっていて、困った。特にシュラク隊のお嬢様方の機体が、ノーマルに近い状態に戻ったのは、致命傷になりかねないだけにやめてほしかった。

 最終話は、3パートに分かれていたのだが、最初よく考えずにエース級ばかりで1パート突破してしまい、2パート目に2戦級しか出せず、ここは少し苦労してしまった。必中を持ったキャラが残ってなかったので、ル・カインや死鬼隊のやつらが、分身でかわすかわす。何回リセット攻撃したことか。ようやく分身を発動させずに、破壊できたときは夜もだいぶ更けてしまっていた。
 そして、ついに3パート目。本当のラストである。もはやストーリーなど、どうでもよくなって、ただいかに効率よく敵を破壊するか?ってことだけを考えていた。デビルガンダムが4形態まで変化するのは、だいたい予測がついていたので1ターン内でケリをつけることに専念した。

 「魂」の必殺技攻撃の威力はすばらしく、2形態目を破壊した時点で、どのキャラにとどめをやらそうか考える余裕すらあった。結局、最後はドモンのゴッドガンダム「魂」攻撃2連発でおしまい。
 スタッフロールのあと、なにか映像があるかな?と期待してたのだが、なんとなく『メガゾーン23パート2』のエンディングのような引き方だったなぁ。シナリオがめちゃくちゃだったので、『メガゾーン23』の時のような清涼感はみじんも感じなかったけど。

 さて、ようやく新スパロボも終わったので、心おきなく新しいゲームを始められる。『エースコンバット3』をやるまえに、PCの『STRIKE COMMANDER』で練習してみるかな。
 ところで、『エースコンバット3』では、視線移動の機能を売り文句の1つにしているのだけど、それまでプレステのゲームでは、この機能をもったソフトは無かったのか。PCのゲームだと1993年の時点で、複数のソフトが対応してたのに比べると、やはりプレステとPCでは、ゲームの対象年齢層というか、ゲームの得意分野が違うのだなぁとしみじみ思った。


1999.6.6(Sun)

「やめてくれぇ〜」

 というのが、最近みこにゃんが覚えてきた言葉である。
 どういうときに、その言葉を使っているか観察してみると、“私やLicに、ほっぺたをはぐはぐと食べられているとき”、“私やLicに、耳をがじがじとかみつかれているとき”などであった。おおむね、正しい用途で使われているのがわかる。

 最初、ちっちゃい声で、遠慮がちに「やめてくれぇ〜」と言っていたので、「舐めてくれ(?)」と言ってるのかと思い、さらにぼっぺたとはぐはぐしてしまった。
 みこにゃん、この言葉、きっと保育園で覚えてきたんだろうな〜。
 ますます可愛さに拍車のかかるみこにゃんであった。

「しらーん」

 というのが、みこにゃんの操る否定形の主要な語彙の1つになって久しい。
 「だめっ」「やーめーて」「おーしまい」「しらーん」という感じで連続使用されることが多い。先の3つは意味もわかって使っているようなのだが、「しらーん」だけは、どうもみこにゃん意味を間違ってインプットしているようだ。どっちかというと「イヤ!」という場面で、必死に「しらーん」「しらーん」と連呼するのである。
 見てると、つい笑ってしまう。
 みこにゃんが「しらーん」と言ったら、最近は「あかーん」とこたえるようにしている。

 ところで、この「しらーん」だが、Licの口癖を聞いてて覚えたらしい。Licに怒られるときに、よく言われてるので、みこにゃんも、そういう雰囲気の時に使うものだと思ったらしい。意味を正しく理解したとき、みこにゃんは自分が「しらーん」といってたのを思い出して赤面したりするのだろうか?それが気になってしょうがない。

クコの剪定

 庭の東南のすみに植わっているクコは、春の剪定のあとも、ものすごい生長力で再び周囲を枝まみれにし始めていた。葉っぱが“うどんこ病”だというのもあるのだが、今日はそれらの枝をさらにコンパクトに剪定することにした。
 新芽なので、通常の園芸用ハサミでも簡単に作業できたのがうれしい。春の剪定のときには、巨大バサミを使ってもまだ大変だったのだ。
 ばっさばっさと枝を落とし、健康そうな芽だけをちょこっと残して終了。ふたたびクコ周辺は、さっぱりとこじんまりと収まってくれた。

 Licが、クコの植わっているあたりを指さしながら、「ここに池造ろう」と言った。睡蓮とか蓮とかの水中植物を育ててみたいらしい。私もそういうのは大好きなので、池を造ることに決定した。ただ、どうやって造るかとなると、ちょっと調べなくてはならないことがある。しばらく調査してみよう。


1999.6.8(Tue)

本屋さん

 帰り道、本屋さんに寄ることにした。みこにゃんに毎月絵本を定期購読してあげていて、その今月号がそろそろ入荷しているからだ。しかも、クレジットカードの特典で図書券3000円分が財布にあるというのも、大きな理由である。

 本屋につくと、みこにゃんはなんだかとてもうれしそうだった。店内に入るやいなや、私の手をとって「とーさん、いこよ〜。とーさん、いこよ〜。」と、どんどん奥の方へ進んでゆく。
 みこにゃんの目指す先には、絵本コーナーがある。いわゆるちっちゃい子向けの、絵本やら音の出る本などを置いてあるのだが、みこにゃんは本屋に来ると、ここでいつも遊ぶ。長椅子を置いてあるのも、気に入っているらしい。みこにゃんはイスが大好きなのだ。

 今日は、みこにゃんサイズの子供が他に二人ほどいたので、みこにゃんはなんだか興奮気味だった。シャイなくせに、ちっちゃい子はとても気になるらしく、自分から寄っていったりする。そういえば、最近みこにゃんを保育園に朝、連れていくと、同じ組の子をグランドで見つけてたったか寄っていこうとしてた。“お友達”との遊びができるようになったのだろうか。
 でも、みこにゃんはスーパーなどで保育園のお友達に遭遇しても、なぜだかお互い他人のフリをする。これはもしかして“照れ”というやつかな?

 さて、本日の本屋さんでの収穫は、お菓子の本1冊、ゲームの週刊誌1冊、みこにゃんの絵本1冊であった。高橋留美子のコミックが出ていたので、かなり惹かれたのだが、古本に出るのを期待して今回はパス。図書券がもっとあれば買ってたのだが…

落ちた

 夜、寝るまでのくつろぎのひととき。みこにゃんがPCデスクによじ登ろうと、奮闘していた。
 「じじ、かく。じじ、かく。」と繰り返すみこにゃん。どうやら色つきペンを取りたいらしい。みこにゃんは、お絵描き大好きなのだ。

 イスを踏み台にして、なんとかよじ登ろうとしているが、イスに乗ってるクッションが邪魔で、うまく登れないらしい。みこにゃん、そろそろ癇癪起こしそう。
 次の瞬間、「どた」という音とともに、みこにゃんの姿が消えた。見てた私もびっくりしたが、みこにゃんはもっとびっくりしたのだろう。声が聞こえてこない。

 みこにゃんはイスから落ちていた。うつぶせになって、じっとしてる。抱き上げると、安心したのか大声で泣き始めた。
 しばらく泣いたあと、「どこで打ったの?」と、みこにゃんに聞いてみると、「ここ!ここ!ここでうっちゃった。わーーーーーん(以下大泣き)」と、PCデスクのテーブル部分をしきりと指さし、ぱしぱし叩き始めた。みこにゃんは、どこで打ったかちゃんと報告してくれるので、状況を推測するのに役に立つ。

 イスの高さは60cmほど、テーブルで打ったのだとしたらそれほど衝撃は加わっていないだろう。ただ、うつぶせに落ちていたのがちょっと気になるが、外傷もなく、みこにゃんの様子も特に変わったところがないようなので、様子をみることにした。
 頭とか打ったあとって、しばらくたってから異変が出やすいのでちょっと心配しつつ、その夜は、寝た。


1999.6.9(Wed)

かわったもの

 帰りに、スーパーで夕食の材料を買っていった。そのとき“かわったもの”を発見してしまったので、つい衝動的に買ってしまった。
 その“かわったもの”とは…、“ポテトチップス レモン味”である。夏季限定商品らしい。こういう“限定”という文字に、どうも弱いのである。

 それにしてもレモン味のポテトチップスとは??なんだかどきどきである。味が予想できないというか、怖い予想が現実になることの怖さがあるのか。じっくり楽しんで食べようと思っていたが、みこにゃんに発見されてしまった。
 「おかし、いる。おかし、いる。」と袋を持って行き、みこにゃんの席につくと、しきりとあけようともがいている。私も、「では食うかな」と心を決めて、みこにゃんが開けてくれるのを待ったが、やはりみこにゃんの力では袋を開けるのは無理だったらしい。「あけて」と袋を渡されてしまった。

 いざ、開封!う、なんかすごい匂いがする。一瞬、躊躇している間に、さっさとみこにゃんに1口目を食べられてしまった。が、みこにゃん最初の一口の段階で固まってしまった。「ん?どうしたんだみこにゃん」と、私もレモン味ポテチを口へ…

 あぁ、この味をなんと表現したらよいだろうか。まさにサラダである。生ポテトと、キュウリをレモン汁かけて食べている感じが一番近いかも。口の中に広がる酸味は、まさにレモンそのもの。後味が強烈に残る。ポテトにレモンって…、相性悪いかも。ポテト好きなみこにゃんでさえ、2口目が出ないポテチ。かなり強烈である。

ジャングルジム

 みこにゃんがまだ1歳になりたてのころ、室内用遊具“ベビージム”を買ってあげた。小さな滑り台と、ジャングルジムがセットになってるやつなのだが、みこにゃんは滑り台大好きで、よく遊んでいる。
 ところがジャングルジム部分では、あまり今まで遊んでいるのを見たことがない。たまに一番低い部分の1角に入り込んで、「ばぁ!」とかやってるときもあるのだが、ジャングルジム遊びというには、いまいち消極的な使い方だった。

 そこで、試しにみこにゃんの体を水平に抱えて、ジャングルジムの2段目の空間を通過させてみたところ…、これがみこにゃんのツボにはまったらしい、さっそく新しいジャングルジム遊びに目覚めてしまった。
 2段目の中から入り込み、向こう側まで手足で空間移動。さらには、最上部の3段目の上に立つという技まで披露してくれた。何度も何度も。「もういっかい。もういっかい。」と言いながら、みこにゃんは連続で30回ほど、ジャングルジム遊びに夢中になっていた。

 今まで遊んでなかったのが嘘のような光景だった。…もしやこれは、いままでジャングルジムの部分に、ずっと洗濯物を置いてたから遊べなかっただけなのだろうか。みこにゃん的には、ジャングルジムで遊びたかったのかも??
 でも、Licが以前、同じようにジャングルジムで遊ばせようとしたときには、みこにゃんは「こわい〜」といって、遊ばなかったそうである。うーん、何かみこにゃんの中で転機があったのかな。

ロケット

 5月に入ってから種まきしたハーブの1種“ロケット”は、いまではずいぶん立派に生長した。一見、ほうれん草かと思うくらいの大きな葉っぱをつけている。
 夕方、庭の植物に水やりしてるとき、ちょうどロケットの鉢植えのところで、みこにゃんが水やりを手伝ってくれてたので「その葉っぱは食べれるよ」と言ってみたところ、みこにゃんはロケットの葉っぱを無造作にちぎり、ぱくっと食べた。…が、しばらくして口から出し、そのまま私のほうに葉っぱを向けて「どうぞ」と言う。どうやらみこにゃん的にはおいしくなかったらしい。

 みこにゃんが差し出してくれたロケットの葉っぱを受け取って、さもおいしそうに食べていると、みこにゃんはもう1枚、葉っぱをちぎって、また自分の口に入れた。でもやっぱりおいしくないらしい。再び私に渡してくれた。
 そうやって5〜6枚の葉っぱを食べたところで、みこにゃんは花壇に植わってる別の葉っぱをちぎって、あっというまに口に入れてしまった。見た目、そっちのほうがおいしそうなのは確かなんだけど…。でもジュリアンの葉っぱは、苦い。みこにゃんは、ロケットを食べた時とは比較にならないほど、まずそうな顔をして、葉っぱを吐き出してた。
 こうやって食べられる葉っぱと、そうでない葉っぱを学習してゆくのだろうか。それまでに庭の葉っぱが丸坊主になってなければいいんだけど…


1999.6.10(Thr)

にんじん

 みこにゃんは“にんじん”が大好物だ。今夜のおかずは「肉じゃが」だったのだが、まっさきに“にんじん”に手をのばし、どんどん食べる。そして「もういっかい」と催促するのだ。
 お鍋には、“にんじん”があと7切れほど残っていたが、全部みこにゃんは平らげてしまった。“にんじん”がなくなると、「じゃがいもたべようかな〜、おにくおいしいね〜」と言いつつ、残りの野菜と肉に手をつけるみこにゃんであった。

 みこにゃんは、食べ物の好き嫌いはそれほど激しくない。一般的に子供が嫌うとされている、“にんじん”“ぴーまん”“ほうれん草”なども抵抗無く食べてしまう。このまま“にんじん”大好きなまま大きくなってくれればよいのだが。
 でも最近、みこにゃんはお米をあまり食べなくなった。おにぎりにしてやっても、海苔ばかり食べて、お米の部分はそのまま残ってしまうことが多い。どうやったら、おいしくお米を食べてくれるかなぁ…

ニッセンのカタログ

 私もLicも、通信販売が、たぶん好きなのだと思う。今回は、ニッセンのカタログで家の中を片づけるモノを、いろいろ注文していたのだが、その第一陣が今日到着した。
 ビデオ収納ケース3台と、本棚1セット、それに米櫃と押入収納棚。ビデオ収納ケースは、引き出し式のタイプで、1台に約200本ほど収納可能だ。

 さっそく箱から出して、キャスターを取り付け、散らかり放題のビデオテープを整理しながら収納していった。まずはスタートレック関連だけを並べていったのだが、どうやらこれだけで軽く1台埋まりそうだ。『TNG』は完結しているからいいものの、元祖『スタートレック』と『ヴォイジャー』は始まったばかりなので(『DS9』は幸か不幸か、今月で放送がいったん終了してしまうのだ)、今後の増大分を考えると、ちょっと怖い。
 あとは邦画、洋画、SF関係、みこにゃん関係などと分類して終了。βのテープは、かなり処分したのだがそれでもまだ多い。でもデッキがないので見ることができないのが哀しいところ。

 ところでビデオの分類をしているときに、Licは「にーまるいちまる」と『2010』をわからないふりしてたが、きちんと『ボディジャック』をアニメに分類していたのを私は見逃さなかったのである。SFモノの血は、そうそう隠せるものではない。

 次は本棚の組立である。Licの本が溢れているので、その収納用に買ったものだ。薄いが高さがあり、廊下のちょっとしたスペースに置けるのがうれしい。
 組立中、みこにゃんが「みこちゃんも!みこちゃんもする!」とドライバーを片手に手伝ってくれた。なんでも自分でやりたい年頃なのだ。

 組立は簡単だった。ただ、ドライバーが使い慣れないやつだったため、指に豆ができて、さらにそれがつぶれてしまいちょっと痛い。
 転倒防止金具が、きちんと装備されているのは感心である。これで壁に固定して、完成。真っ白の本棚なので、壁紙にとけ込むように、すんなりマッチしている。高さが2m以上あるのだが、それほど圧迫感もないのは、この色に助けられている部分が多いと思う。
 全面には扉が装備されているため、本を収納しても美観を損なうこともないのがうれしい。さっそく溢れている本やらコミックやらを、新しい本棚に移動だ。最初、Licの本を置く予定だったのだが、なぜか私の本をLicが運んでくる。はて?と思いつつも、格納してゆく私。
 一時休憩で、みこにゃんをお風呂に入れてから再開したのだが、お風呂の間にLicがようやく自分の本の片づけに着手したらしく、本棚の半分ほどがすでに埋まっていた。

 片づけても片づけても本はどんどん出てくる。もしかすると、全部収納するにはこれ1台では無理があるかもしれない。しかも本は毎月10冊ペースで増えてゆく。本棚から溢れた本は、部屋のいたるところに無造作に積み重ねられて、そのままになってしまうことが多く、本棚の重要性は増すばかり。もう1台、買わないとダメかもしれないなぁ。


1999.6.11(Fri)

障子

 どうしてそうなってしまったのか理由は定かではないのだが、我が家の座敷2間にある障子紙が、以前から破れてそのままになっていた。別にみこにゃんがいたずらして破ったわけでもなく、気がついたら真ん中から下半分がびりびり状態になっていたのだ。
 雨が降り込んだらそんな感じになるかな、という具合だが、雨を降り込ませたこともなく…。Licは、冬の結露でそうなったのでは?と言っているが、かすかな記憶をたどってみるに冬より前からそうなっていたように思える。
 原因は謎だが、結果としてそこだけ廃屋のごとき破れた障子があるのは事実なので、貼り替えることにした。

 新しい障子紙は、普通の和紙ではなく“強力”タイプを選んであった。こっちのほうがなんとなく長持ちしそうだったから。手触りは、なんだかナイロンの皮膜でもあるかのような感じ。防水加工されているかと思うような感じだ。
 さて、障子紙の貼り替えといっても、これまでまったく経験がないので買ってきた紙についてた取り説を見ながら試行錯誤である。まず、障子戸を外す…。これが一苦労であった。畳の厚みが邪魔になって外れないのだ。しょうがないから畳を一時的に撤去することにしたが、“畳を上げる”というのも初めてのことだったので、どうやって持ち上げるか一瞬悩んだが、手っ取り早くマイナスドライバを使ってこじ開ける感じにひねってみたところ、あっけなく上がった。
 畳の重さを改めて実感しながら、2枚ほど外して、無事、障子戸を外すことができた。でも、畳をどかさないと障子戸がはずせないってのは、なんだか不便だ。この家建てた大工さん、気が付かなかったのかな?

 外した障子戸は全部で4枚。2部屋分だ。次はリムーバーを念入りに枠に塗りつけて、紙をはがす作業。リムーバーといってもただの界面活性剤(いわゆる洗剤)なのだが、障子紙専用のが売っていたので、今回はこれを使ってみた。
 手で剥がしても、やはり枠には紙がしぶとくこびりついてしまうので、濡らした雑巾でくまなく拭いて、紙を落とす。床には、ぽろぽろになった紙屑が散らばり、足の裏などにくっついてなんだか気持ち悪い。
 戸板が乾いたら、新しい障子紙の貼り付けである。
 “強力”障子紙には、専用の糊がついてきていたので、それをお湯で溶いて使う。だが、糊をどれくらいの柔らかさにすればいいか見当もつかないので、気持ち堅めくらいでチャレンジしてみた。刷毛を使って枠に塗ってゆくのだが、これがなかなか大変である。うまく糊がのってくれず、かといって糊をつけすぎるとべたべた余分なところにもたくさんはみ出してしまう。うーん、もしや糊が濃すぎるのかな?

 Licと二人で分担しながら糊を塗ってみたが、Licの塗った部分はやや薄目、私のほうは豪快にたっぷりという感じになってしまった。さて、障子紙を貼り付けて…、をを!なんかぜんぜん接着力がない。プラスティックの板を糊で木にくっつけている感じがする。じつに頼りない貼り付き方は、かなり不安だ。
 私とLicの糊付け方法は、結局、たっぷり糊をつける私流のほうがよいということが、わかってきた。ちょびっとだけだと、ぜんぜんくっつかないのだ。この“強力”障子紙の特性かもしれない。普通の和紙だと、たぶん問題なくくっつくレベルでも、このぱりっぱりの“強力”タイプは、すぐ剥がれてしまう。コーナー部分とか、かなり修正しなければならなかった。
 それでも4枚も同じ作業してると、最後の方はだいぶうまくなってきたりする。1枚目を触る手つきは、二人ともこわごわ壊れ物でも扱ってる感じだったが、3枚目と4枚目はそれぞれ一人で貼り付け作業をこなしてしまった。

 新しい障子紙にすると、部屋がびしっと締まったような感じになる。紙の色もやや青みがかったタイプなので、蛍光灯でいうところの昼光色みたいな爽やかな風合いになるのだ。これで、お客さんがいつやってきても大丈夫である。


1999.6.12(Sat)

げへげへ

 天気もよかったので、砂ネズミ達の小屋掃除をすることにした。
 みこにゃんが、いろいろ手伝ってくれるのだが、以前よりだいぶ使える(?)ようになっているのに驚いた。ちゃんとケージの蓋をとって、古いチップをゴミ袋に捨てる一連の作業をよどみなく手伝ってくれたのだ。
 新しいチップを入れる作業が、特にみこにゃんのお気に入りらしく、小さい手で握っては入れ握っては入れ、楽しそう。でも、ケージを交換する間、古いチップに手を出して、下にいっぱいこぼされるのはちょっと困った。「これはゴミだからね〜」と言っても、みこにゃんには古いチップと新しいチップの違いは、いまひとつ理解できないらしい。

 全部のチップ交換が終わったあと、ふと思いついて“チャッピー”のケージの中に、木でできた滑り台のおもちゃを入れてやった。これは今は亡き“ジジ”が愛用していたものだ。
 みこにゃんは、その滑り台が妙に気に入ったらしく「しゅぅ〜、はいってる」と指さして喜んでいた。そのうち、“チャッピー”が滑り台によじのぼると、さらに期待に瞳を輝かせる。
 チャッピーは、滑り台にのぼったあと、しばらく悩んでいたようだが、ついにみこにゃんがもっとも楽しみにしていた遊びを始めてくれた。そう、滑り台を滑ったのである。

 みこにゃんは、チャッピーが滑るたびに「しゅー!」と声をそろえ、着地すると「げへげへげへげへ」と笑った。奥で掃除をしていたLicが思わず「みこにゃん?」と言ってしまうほど、変わった笑い声であった。

植え替え

 玄関脇右側の庭では、こぼれ種で増殖しまくったクローブ・ピンクがようやく花を咲かせていた。だが、ちょっと草引きをさぼっただけで、もう一面雑草にまみれてすごいことになってしまっていたので、今日は徹底的にその部分だけ雑草抜きだ。
 壁際に植えてある山椒の木や、月桂樹の木の下にも背の高い草がたくさんあって、見た目暑苦しそうなので、もう大胆にばっさばっさ抜いた。ちょっと手元が狂って抜いちゃいけないスミレとかも少々抜いてしまったが、その甲斐あってさっぱりすっきりになった。

 雑草がいなくなったあと、乱雑に花を咲かせているクローブ・ピンクを整理して、植え替える。根っこがあまり張らないタイプの植物だったので、もしかすると開花中の植え替えってやってはいけなかったのかもしれないが、時既に遅し。
 たっぷり水をやっておいたが、根付いてくれるかどうかはちょっと心配。

復活

復活したトックリラン・ノリナの新芽 春先に、屋外に出してあったトックリラン・ノリナの大株は、私がガーデニング(当時はそんな言葉すらなかった気がする)にはまるきっかけともなった観葉植物である。購入してからはや6年が過ぎ、名前の由来ともなっているトックリ状の株も、充実して立派になっていた。

 ところが、先月あたりに葉っぱ部分がすべて根本からとれてしまっているのに気づいたのである。まさか枯死!?と、がっかりしていたのだが、そのまましぶとく様子を見ていたら、最近になって新しい芽がトックリの上のほうに多数出ているのを確認した。生きていたのだ。まるいワッカ状に、新芽が吹き出しているので、このまま生長するとどんな姿になってしまうのか、ちょっと気になるところだが、生きていたのがなによりもうれしい。

到着

 夕方、ちょっと買い物に出て戻ってみると、留守電にメッセージがあった。どうやら、うちの実家から両親が到着したらしい。そう、今日から来週の火曜まで、うちの親がはるばる孫のみこにゃんの顔を見にやってくるのである。
 先日からビデオ収納ラックやら本棚やら買ったり、障子紙を貼り替えたりしていたのは、まさにこのためである。突貫工事で1階部分を片づけて、ようやく見れるようになったのが今日の夕方。最後のキメに、ゴミを一時的に収納しておくダストBOXを買いに行っていたのだった。
 Licが最後の片づけに取りかかると、私は“じじばば”を迎えに行った。こちらまでクルマで来ているのだが、我が家は、かなり田舎のはずれにあるためダイレクトに到着するにはまだ熟練が必要なのだった。

 ついに“じじばば”到着。ガレージにクルマを並べて入れていると、みこにゃんがピコピコと音の鳴るサンダルを履いて、一人で玄関から出てきてくれた。今年の正月以来、顔を合わせるじじばばを、みこにゃんは怪訝な目つきで見ていたが、人見知りはかなり改善されつつある気配。以前ならば、近寄られたら泣いたものだが、今日はそういう素振りも見せず、物珍しさのほうが勝っている感じ。
 そしてじじばばは、そろって「じじばか」「ばばばか」になっていたのであった。

 その夜、みこにゃんはいつにないハイテンションで、家の中をおもちゃのカートで爆走していた。じじばばにもすっかり慣れて、一緒に遊んでもらってる。じじばば対策で、1階部分を大掃除したのも、みこにゃんの遊ぶスペース確保につながっているらしい。
 真夜中、遊び疲れたみこにゃんは一度も起きることなく熟睡したのだった。


1999.6.13(Sun)

バラ園

 起きたらお昼だった。天気予報では、今日あたり雨のはずなのだが、微妙なところで雨雲は見あたらないようだ。
 今日の予定としては、“長良川で魚取り”、“花フェスタ記念公園でバラを見る”という2つの案があったのだが、釣り餌の準備とかを始めるのはちょっと時間が遅いというわけで、花フェスタ記念公園コースとなった。この公園には、日本一のバラ園があり、今の時期、ちょうどバラが見頃になっているのだ。2年前に、みこにゃんがまだLicのお腹にいたころ、出かけたことがあった。

 クルマで約30分。午後2時半という時間もあってかそれほど混んでなかったのがうれしい。以前来たときは、駐車場に入るだけでもかなり待たなければならなかったのだ。
 JAF会員割引で、ちょっとだけ安く園内に入れた我々は、さっそくバラ園に向かった。ここは敷地面積もかなりあるので、みこにゃん用に、ゲートで無料貸し出ししていたベビーカーを借りていった。

 バラ園では、岐阜がバラ産地日本一という事情もあって、ここにしかないという品種も多数植わっており、バラマニアにもOKな造りになっている。もちろん素人目に見ても、十分美しさを実感できる素晴らしい植え込みだ。少々難があるとすれば、バラの品種名が、部分的にしか明示されてないことと、花殻摘みが不十分なくらい。あ、そうそう、それと剪定した枝を自由に持って帰れたら、言うこと無いんだけど(種苗法で保護されている品種もあるので、そりゃ無理なのだが)。

花フェスタ記念公園の日本一のバラ園

花フェスタ記念公園の日本一のバラ園

 バラを堪能したあと、みこにゃんが上のほうに巨大滑り台があるのを発見して「すべりだい、のる」と呟くように繰り返しながら、黙々とアスレチック区画を目指し始めたので、みんなでついてゆくことにした。
 途中、花のアイスクリームとやらを売っていたので、しばし休憩しつつ花のアイスを食ってみた。ラヴェンダーのアイスは、たしかにラヴェンダー色していた。味は…、溶けてきたやつは相当濃い緑臭さが残っていたので、溶けるまえに一気に食うのがいいみたい。
 休憩終了して、みこにゃん待望の巨大滑り台到着。いざ滑り台を目の前にすると、みこにゃんの足が止まってしまった。でかさに圧倒されているのか?
 Licに連れられて長〜い滑り台にトライするみこにゃん。レール部分に、“ころ”がついてて、めちゃ滑るタイプだったため、ものすごいスピードで降りてきた。かなり面白かったらしく、ごきげんなみこにゃんであったが2回目を要求しなかったところを見ると、ちょっと怖かったのかも?

トックリラン・ノリナの幼苗 みこにゃんが一通り満足すると、次はちょっと歩いて花の売店まで行くことにした。ここで手触りのいい植物として以前からLicが目をつけていた“朝霧草”を売っているのを発見したので、さっそく3株購入。草丈15cmほどなのだが、その先端部分はとても柔らかく、つい何度でも触ってみたくなるほど気持ちいい手触りなのだ。以前ホームセンターで見かけたときは、1鉢1000円ほどしてたのだが、今回ポット200円だったので3ポット買った。
 あと、観葉植物コーナーで、トックリラン・ノリナの幼苗が売られていたので、これも1鉢購入。ノリナの苗は、球体部分が痛んでいるものが多いので、なかなかコレというのを見つけるのは難しかったのだが、ここで売ってたやつはどれもこれも美しい苗で、今日まで待った甲斐があるというものだった。鉢も、綺麗な陶器製で、おそらく鉢代だけでも200円はしてそうだったが、1鉢500円という値段設定も、なかなか安くてグーである。最近見かけた別の園芸屋さんでは、小汚いプラ鉢に入ったやつが600円してたのでかなりお買い得かもしれない。

 帰りのクルマの中で、みこにゃんはぐっすりお眠りタイム。太陽を浴びると、みこにゃんはよく眠ってくれる。


1999.6.14(Mon)

もんきち

 朝、夢うつつな状態で、階下の声をなんとはなしに聞いていた。
 そろそろ起きないと会社に遅れるのだが…、と思いつつも、眠くて眠くてなかなか起きられない。そのうち、なんか気になる言葉が…。

 ジャンガリアン・ハムスターの“もんきち”が、どうにかなったような気配である。ちょっと不安になりつつ、まだ起きられずにいたら、Licが上がってきてこう言った。「もんきち君が死んだみたい」
 え!?昨日の夜、餌をあげたときには元気そうだったのに?と思いつつ、階段を降り、もんきちの入ったケージを調べてみると、確かにもんきち君は、ぴくりとも動かなくなっていた。

 眠るように冷たくなっていた。手に取ると、硬直が始まりつつある。死因を調べようと思ったが、外観からそれと分かるような異常はみられない。買ってきてから2年と3ヶ月ほど。もしかすると寿命なのかもしれない。
 ティッシュに大好きなヒマワリの種ときゅうりを一緒に包んで、庭の歴代ハムスター達のお墓に、埋めてやった。結局、冬に白くなる血筋を残せなかったのが、心残りである。


1999.6.15(Tue)

じじばば帰還

 今朝、じじばばが実家に帰っていった。たっぷりとみこにゃんを堪能していけたようで、なによりである。
 みこにゃん以外にも、にゃんきちくんが可愛くてしょうがなかったらしい。実家では、すでに犬を飼っているので、猫を飼ったら犬がヤキモチ妬くかな?などと、そんなところまで話が飛躍していた。

 にゃんきちくんはといえば、じじばば到着の日こそ、手を近づけただけで「フーーー!!」と怒っていたのだが、翌日にはすっかり慣れ、なでなでされていたのであった。
 でも考えてしまう、、、うちだとケージ飼いだが、実家に行けば家の中、自由気まま生活になるのだ。にゃんきちくんは、はたしてどっちが幸せだろう、と。…でも、私の顔を見て、ごろごろ甘えてくるにゃんきちくんを見てしまうと、やはりここが一番居心地がいいのかも、と思ってしまうのだ。

だんだんまともになってゆく

 春になってから、政治の世界ではいろいろと重要法案が成立もしくは成立する見通しである。戦後、いびつなまでにゆがんだ日本という国が、これから少しずつまともな国になってゆく感触を、ようやく得ることができたのは感無量である。

 “新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案”。踏み込みはまったく不十分だが、成立したことには意味がある。憲法改正をタブー視せず、きちんと集団的自衛権の行使には何が必要か法整備が急がれる。

 先の北朝鮮船領海侵犯事件でも露呈したように、直接的侵略行為を受けても、今の日本では満足に自衛隊が活動できない問題点は残ったままだ。有事法制の速やかな議論が待たれるところだ。それにしても、有事法制よりも周辺事態関連法案が優先するという異常事態は、なんとかならないのだろうか。備えあれば憂いなしと、昔から言うとおり、今、直接的に脅威が見あたらないといって、法整備が必要ないという議論はまったくもって笑止千万である。

 “通信傍受法案”。この法案に反対してメリットがあるのは、犯罪者かその予備軍だけである(合法的に政権交代のできる日本においては、そう断言してもよい)。そう思えば、今反対しているメンツを見ると、なんとなく納得できてしまう(なかには、ファッション感覚でハンターィと言ってる場合もあるようだが)。
 警察をことさら「悪」の権化のように言うのは、自分にうしろめたいことがあるからだろう。そういえば、朝日新聞記者は、以前「盗聴」をしようとして未遂に終わった事件がある。自分達の“盗聴”はOKだが、警察による捜査手段としての通信傍受には反対ってのは、虫が良すぎる。
 プライバシーの侵害と言うが、現在において、電話、インターネットを流れるデータなど、「盗聴」しようと思えば警察でなくても、ちょっと知識があれば簡単にできるのだ。いまさら警察が合法的に盗聴するからといって大騒ぎするのは、ひどく間抜けなことに思えてしょうがない。法律ができたら、メールが覗かれるのが心配?んなことは、今現在でも世界のどこかで覗かれてるって。
 この法案に反対している人たちは、反対しない人間のことを「民度の低い馬鹿」「何も行動を起こさない無能者」のように言う。自分らがいかに高尚な目的で反対しているか、とうとうと説く。自意識過剰というか、傲慢というか。まぁ、自意識過剰だから、自分が警察に盗聴されるかも??などと思うのだろう。それほどの価値ある存在であると思うことで満足しているのかもしれないが。

 “国旗・国家法案”。わざわざ法制化しなければいけないほど、アカ教師どもの主張が常識外れしてきたということだろう。学校で国旗・国家を尊重する、また、尊重するよう教育するのは当然である。学校は、反日活動家養成所ではない。
 ところで、国旗をトイレに捨てた非常識な教師が、その処分を不服として提訴したという。
 県立学校の教師ということは、地方公務員だ。税金で飯食わしてもらっている公務員が国旗を尊重できないなら、そんな公務員は不要である。とっとと教員をやめさせるべきだ。
 それ以前に、自分の気に入らない国旗だからといって、学校の備品である国旗を“トイレに捨てる”という行動は、そうとうに異常である。あまりに反社会的・暴力的な行動だ。こういう人物が、「教育」を語るとは、世も末である。
 提訴の理由も、自分勝手な理屈で凝り固まっている。曰く「教職員の思想信条の自由を侵害した行為」なのだそうだが、それならば国旗を尊重しようとする生徒達やその他教師達の思想信条の自由をどう考えるのか?ということだ。教師、生徒全員一致で国旗掲揚に反対したのか?おそらくそうではあるまい。自分のことばかり主張し、教師という役割を放棄したこのような非常識な輩は、教育の場にまったくそぐわない。


1999.6.16(Wed)

製造中止

 先週の土曜のことだ。フェザーをちょいと移動させようとして、後輪の空気が抜けているのに気が付いたのは。ばたばたしていて、じっくり調査していないので、何が原因で空気が抜けたのか判明していないのだが、困ったことになってしまった。空気を入れ直して復活すればいいが、抜け方を見た感じ、これはどこかに傷ができてそこから空気が一気に抜けたと思われる。タイヤ交換すればいいではないか?と思われるかもしれないが、事はそんなに簡単には片づかないのである。

 というのも、このフェザー、生産が中止になって10年以上。フェザーが採用していたタイヤも、今ではほとんどが製造中止になっており、いわゆるハイスペックなタイヤは入手不可能な状況なのだ。私のフェザーは、買った時からミシュランのタイヤだが、もはや現在ではミシュラン製のタイヤは手に入らない。
 ノーマル仕様のタイヤならば、ダンロップとブリジストンからそれぞれ1種類OEM品が残ってはいるが、タイヤに限らずグレードダウンというのは悔しすぎる。どうしたものか…。

 古いバイクを維持してゆくのは、交換パーツが一番のネックになる。今から、こつこつ中古を探して1台分作れる程度のパーツストックを始めたほうがいいのかもしれないな。
 それに加えて、ガレージの防犯対策もしなければ。最近、この団地ではバイクの窃盗が多発しているらしいのだ。ハンドルロックかけているとはいえ、持ち去れない腹いせに傷でも付けられたら大変だ。

見えないもの

 夜、みこにゃんが急に「おばけおった」と言い始めたらしい。私はにゃんきちくんと遊んでいたので、どういう状況でみこにゃんが「おばけ」を見つけたのか不明なのだが、ついに我が家にも「おばけ」がやってきたかと、ちょっとうれしく思った。

 みこにゃん定義による「おばけ」とは、いったいどのようなものだろうか?みこにゃんに、単語として「おばけ」を教えるものといえば絵本だけだと思われるので、絵本をちょっと探ってみよう。
 みこにゃん愛用絵本棚の中の1冊に、「おばけ」の出てくるものが1冊だけあった。中で描かれる「おばけ」は、シーツを頭からかぶったような“Q太郎”もどきである。足はない。絵本のラストでは、その「おばけ」に子供がおばけにされて連れられて行ってしまうという、けっこう怖い内容であった。

 みこにゃんには、家の中にその「おばけ」がいるのが見えたのだろうか?この家を建ててからすでに5年が経過しているが、座敷童子とか、自縛霊とか、いわゆる目に見えない系の存在を関知したことは一度もない。あ、母方の祖父が亡くなった時だけは、濃厚な気配を一時的に感じたこともあたが、それはすぐにいなくなったようだ。

 みこにゃんにしか見えない「おばけ」。一人遊びしているときに、ふと見たらみこにゃんの周囲に“積み木”が浮いていたとか…、あったらすごいな。

ネットアイドル

 なるものの特集を夜中のTVでやっていたので、つい見てしまった。ネットアイドルの定義は、どうやら自分でウェブページを創り、公開している女で、一日のヒット数が1000くらいある、というものらしい。

 番組的には、コンテンツの紹介がほとんどされなかったので、一日1000ヒットを数える優秀なコンテンツの概要をうかがい知ることはできなかったのだが、アイドルというからにはビジュアル面を売りにしているのだろうことは想像できる。文才で売ろうとするなら、アイドルとは言わないだろうしなぁ。
 ビジュアル面で見る限り、私にはいまいちピンとこなかった。私のストライクゾーンはかなり広いと思っていたのだが、それにもかすらなかったというのは、なかなかすごい。うーん、、、、、一人くらい「お!」と思うような女性が登場してほしかったのだが、これは番組制作者の趣味と、私のそれが大幅にずれていたのだと思うしかない。

 アイドルで売りたい女性が、自分の画像を大々的に表現するのは少しも違和感はないのだが、時々その自己主張が鼻につくほど自分の顔写真を多用するサイトってやつに出くわすことがある。自分に自信があるのは結構だが、ちょっと待てよと思ってしまうのだ。
 飼い主の親ばかで飼ってるペットの可愛い写真がちりばめられているとか、気に入ったイラストが挿入されているとか、そういうのとはまったく方向性が違う印象を持つ。なにゆえ自分の顔を公開するのか?タイトルバックに、顔写真。意味なく挿入されるカットに顔写真…。そこまで顔を出したいなら、いさぎよくギャラリーでも創ったほうがよさそうに思うのだが、そういうのは何故かない。私が胡散臭く思うのは、その中途半端さにあるともいえる。美しい女性の写真ならば、そんなオマケみたいなカットで見るより、でかい画像で、心ゆくまで堪能したいものだ。


1999.6.17(Thr)

『雪風』

 昨日も本屋に行ったし、最近コンスタントに本屋巡りをしていたのだが、ぜんぜん気が付かなかった。なんと神林長平の『戦闘妖精・雪風』の続編が出ていたのである。

 こちらの本屋ではSFが不遇な扱いで、新刊を置くスペースも狭く、発売日近辺を逃してしまうと、注文しない限り二度と本屋では入手不可能というありさまなのだ(まぁ、この状況はSFに限ったことではないようだが)。
 5月に発行されているようなので、おそらくもう本屋にはないだろう。もしかすると、SFのハードカバーってことで入荷すらしなかったかもしれない。さっそく注文しておかねば。

 SFの新刊情報を事前にチェックできなくなったのは、SFマガジンなどその手の情報誌を読まなくなった影響が大である。学生時代は貧乏だったので、買いはしなかったが本屋でしっかり立ち読みし、情報だけは更新していたものだが、就職してからというもの、さっぱり情報更新がおろそかになってしまった。そもそも近所の本屋ではSFマガジンがないってのが痛い。
 そこで今更ながら、“日本SF作家クラブ”や“早川書房”のサイトをチェックすることにしたのである。本屋で、事前情報なく新刊を発見してドキドキするのも捨てがたいが、入荷しなかったら元も子もないからなぁ。

夜の水族館

 鳥羽水族館の夏のイベントが目白押しである。その中でも、「真夏の夜の夢!人魚と眠る?」というのは、最高だ。なんと、ジュゴンの『じゅんいち』が泳ぐジュゴンプールの横で、一晩一緒に過ごせるのだから。なにより、夜の水族館っていう状況からしてそそるではないか。欲をいうならば、簡易ベッド以外に、新聞紙に雑魚寝かシュラフに寝転がってというのも選べたらよかったんだけども。

 映画『ビューティフルドリーマー』で、ラムちゃんが水族館に一人たたずむシーンがあるが、あれを見て以来、夜の水族館というものにはある種、特別な思い入れができてしまった気がする。10代のころに、そういうシチュエーションを体験してみたかったが、果たせず、今まで憧れるだけだったが、今回チャンスが訪れた。これを応募せずにいたら、きっと一生後悔するだろう。
 さっそく往復はがきに必要事項を書いて、ポストに入れた。抽選に当たりますように。


1999.6.18(Fri)

録り忘れ

 毎週金曜日は、SkyPerfecTV! のスーパーチャンネルで『宇宙大作戦/スタートレック』を放送しているので録画しているのだが、今朝タイマー録画しようとしてはたと気が付いた。第7話を録り逃がしている!!

 画面に表示されている番組表では、今日放送されるのは第8話ということだった。しかし私の7話8話録画用120分テープは新品のままになっている。どうして7話を録り逃がしたか、しばし悩んでみたのだがどうしても思い出せない。たかが先週のことだというのに、なんてこった。記憶力が衰退してきているのだろうか…。

 原因がわからぬまま、時間が来たので出勤したが、ずーーーーっとそのことが気にかかってしょうがない。録り逃がしたのは、もうしょうがないので諦めがついている。思い出せないのが悔しいのだ。結局、夜になっても思い出せず、帰宅してから番組ガイドを見直して、ようやく気が付いたのだった。

 先週は、たまたま初回放送時の金曜日に『宇宙大作戦/スタートレック』は放送されなかったのだ。たぶん何か特別放送が入ったのだろう。だから7話は、その後のリピート枠だけで放送された。私は、リピートで録るのを忘れていたというわけだ。
 習慣から外れた行為を覚えておくのは難しい。いつもならば、こういう録画時間変更はリビングのカレンダーに書き込んで、忘れないようにしていたのだが、今回は記憶力をあてにして書き込んでいなかった。失敗である。

 3回もリピート放送があったというのに、ことごとく思い出せず、録画できなかったのだ。なんとも悔しいことである。こういう状況になると、近頃話題のハードディスクに録画できるTVというやつが欲しくなる。プログラムガイドに従って、録画設定しておけば延々とハードディスクにため込んでくれるので、あとからテープ媒体に整理しなおすだけでよい。
 今のテープだけで録画する方法というのは、いわゆる一発録りだから、テープをセットしておくのを忘れたらそれでおしまい。テープを忘れないようにセットすればいいじゃないか、という話になるが、なかなか録画する番組の数が増えてくるとどうしても忘れてしまう場面が出てきてしまう。
 テープの最長録画時間が20時間とかいうのができれば、そういう心配もないのだろうが、実用的長さで2時間とか3時間という現状では(3倍録画は滅多に使わないのだ)、ハードディスクへの長時間録画というのはとても魅力的だ。ただ、デジタル録画でなければこの場合意味がない。

 日本でも、はやく登場してほしいものだが、EPGが完備されてないとかの理由で当面出ないらしい。電波にのっけてプログラムガイドを新たに送信するのは、いろいろ大変だろうから、電話回線でなんとかならないものか。1週間なり1ヶ月なりの番組データをサーバから勝手に落としてきて、見かけ上のEPGを実現するのだ。定期的にベリファイして、更新してればほぼ実用に耐えるのではないか?松下さん、なんとかならないかなぁ。

『雪風』

 会社帰りに、本屋に立ち寄り、『雪風』の新刊を探した。
 じっくり見て回ったのだが、SFハードカバーは海外モノは目に付いたけれど、国産SFはちっとも見あたらない。新書コーナーにもないし、いったいどこにあるというのか。もう一回りしてみてから、自力で探すのを諦めた。注文することにしたのだ。
 アルバイトらしい店員さんに、注文票を書き込んでもらっていたら、店長らしきおやじがふっとタイトルをチェックして言った。「雪風は入ってたはずだよ」

 そのまま新書コーナーに歩み寄り、しばらくして戻ってきたその手には、しっかり『グッドラック−戦闘妖精・雪風』があった。まるで魔法のようである。私がさんざん探して見つからなかったというのに、どこから生えてきたのか。
 さらに、ついでに注文しようとしていた『宇宙(そら)からの帰還』までも、「あるはずだよ」と探しに行き、発見して持ってきてくれたのである。うーん、本屋のおやじ、なかなかやるな。在庫をすべて記憶しているというのか。

 しかしここで問題が。アルバイト店員に注文するまえ、私はすでに別の本を先に買っていたのである。その時点で、財布の中身は限りなくゼロに近い状態になっていたのだ。やむなく『雪風』は取り置きしてもらうことになった。明日こそ、連れて帰ってやるからな、雪風。

 見に行こう見に行こうと思いつつ、今年も6月下旬を迎えようとしている。蛍の最盛期は過ぎつつあるはずだ。早く見に行かないと、また見逃してしまう。
 ところが夜、会社まで私を迎えにきたLicは、「蛍見てきたよ」と言うではないか。いったいどこで??「団地の下の川で」…、との返事に、私はかなりショックを受けた。なぜならば、その川には2年前こそ川魚もいたが、去年から排水で汚れ、魚の姿も見えなくなっていたからだ。それに、この団地に越してきた5年前、蛍探索をしたのだが結局見つけられず、「ここには蛍はいない」と結論づけていたからだった。

 いるのか?蛍が。なんだかまだ信じられない思いだったが、川岸にクルマを止め、ヘッドライトを消した闇の中に、あの懐かしい緑とも黄色ともつかない明かりが点々と散らばるのを見たとき、それまでの疑念は永遠に消滅した。
 川岸に沿って、かなり向こうのほうまで蛍の灯りは続いていた。乱舞というほどではなかったが、見える範囲だけでも20や30はいそうだった。こんな近くに蛍がいたことが、素直にうれしく思える。この川は、まだ死んではいなかった。

マシュマロ

 マシュマロを買っていたのを思い出し、食べることにした。袋の表面には、キティちゃんの似顔絵が描いてある。みこにゃんは、袋を握りしめて「きてぃちゃん!」と嬉しそうだ。
 だが、袋を開けてやってもみこにゃんは何故か自分では食べようとしない。1つずつつまみ出しては、私の口に持ってきてくれるのだった。マシュマロの一気食いは、かなりハードである。「とーさんもうお腹いっぱいだから、おーしまい」と言ってはみても、みこにゃんは少しも意に介せず、黙々とマシュマロを口に運んでくれる。その動作を止めるのは、もはや誰にも不可能に思えた。みこにゃんは、何かに集中するととことんやってしまうタイプである。

 私は、結局マシュマロ一袋一気食いしてしまった。お腹ぱんぱんである。みこにゃんは、満足げな表情であった。
 さらに追い打ちをかけるようにLicの言葉が。「スイカ食べるよ〜」
 私はスイカ大好きなのだ。ぱんぱんのお腹をいたわりつつ、スイカを流し込んだのであった。


1999.6.19(Sat)

ビクトリノックス

 昨日、取り置きしてもらってた『グッドラック−戦闘妖精・雪風』を受け取りに本屋に行った。ようやく手にすることができた『雪風』は、かなり分厚い本であった。これだけボリュームのあるハードカバーを、最近読んだことがない。なんだか身構えてしまうが、神林長平はこれまで読んで失敗したと思った作品のない貴重な作家である。今回も十分楽しませてくれることだろう。楽しみである。

 さて、『雪風』をゲットしたあと、ちょっと目的があってナイフマガジンを探したのだが、これのバックナンバーを常設している本屋のほうが少ないのだろう、置いていなかった。そこで代わりに、コンバットマガジンをはじめとする、ミリタリー系モデルガン系の雑誌を漁ってみて、ようやく目的のモノを見つけた。
 何を探していたかといえば、ナイフの通販ページである。ビクトリノックス製“ソルジャー”、このシンプルかつ実用性抜群のアーミーナイフを買うのである。じつは私がこのナイフを買うのは初めてではない。大学1回生のとき、サークル仲間と海までキャンプに行く計画をたてたときに、便利だろうと思って買ったのが最初である。以来、そのナイフは実によく働いてくれた。栓抜き、缶切り、アイスピック、ナイフと4種類のブレード(?)を収めた手のひらサイズのステンレスとアルミでできたナイフである。十徳ナイフほど、ごてごてしていないが、実用上これで不便を感じたことはない。機能を絞った分、ケースもスリムにできているため、握りやすく、タフである。

 この手のナイフだと、あの赤いボディのやつを思い浮かべる人のほうが多いと思うが、ビクトリノックスの“ソルジャー”は、アルミ地金、鈍い銀色のボディを持つ。個人的な好みでいえば、赤よりもこっちのほうが渋くて好きだ。
 ところが一昨年、このナイフをうっかり錆び付かせてしまったのだ。ブレードをペンチなどで強引にひっぱれば、ボディから引き出すこともできるかもしれないが、それをやってしまうとかなり深刻な傷ができてしまいそうなので、このナイフはそのまま眠らせてやることにしたのだ。

 2代目アーミーナイフも、やはりビクトリノックス“ソルジャー”以外に考えつかなかった。これほど必要にして十分な機能を持つナイフが他に見あたらないのは不思議な感じもするが(私の探し方が悪いのかもしれないが)、対抗機種の出現を諦めさせるほどデキがよいということか。
 この夏も、“ソルジャー”はその力を十二分に発揮してくれることだろう。

『DS9』

 今日の放送分で、『スタートレック DS9』が終了した。まだ最終話ではなく、しかも前後編の前編の回だというのに、終了なのである。いったいどうしたことか。
 視聴者の評判が芳しくなかったための打ち切りだろうか?それとも単なる時間枠不足からの一時停止だろうか?前者ならば、二度と続きが放送されることはないのだろう。しかし、日頃からスタートレックシリーズに熱心だったスーパーチャンネルのことだ、きっと後者のような理由にちがいない。なにしろ“スタートレック全シリーズ同時放送中”を売りにしていたのだから。すると、また続きが復活する可能性は高い。いや、絶対復活するだろう、復活してほしい、復活すべきだ。

 その日が来るまで、ビデオテープラックは開けておくので、頼むよスーパーチャンネル!

謎の“ごめんね”

 みこにゃんとお風呂に入った。熱いお湯が苦手なみこにゃんは、今日も洗い場のほうで遊んでる。そのうち、空のシャンプー容器にお湯を入れて、ちゅぅぅぅぅっとかける遊びを始めたので、私も手でお湯をぴゅぴゅっととばしてやった。
 ふと、そのお湯がみこにゃんの顔にかかった。みこにゃんが、ふいに何事か呟いて頭をぺこっと下げた。ん??なんだなんだ??みこにゃんの行動の意味がつかめず、ちょびっと不安になる。

 その後、みこにゃんは変わりなく遊びを再開したので私も、なんとなく気になりつつまたお湯をかけて遊んでいたのだが、再びみこにゃんの顔にかかったとき、今度こそはっきりと聞き取ることができたのだった。みこにゃんは「ごめんなさい」と言っていた!そして頭をぺこっと下げる。みこにゃんが私の顔にお湯をかけたのならば、意味が通じるのだが、自分にかけられたのにみこにゃんのほうが謝るとはどうしたことだ??
 Licに、なんでこうなるのか聞いてみたところ、みこにゃんはどうやら「ごめんなさい」という場面は理解できているのだが、それを誰が言うべきなのかまではわかっていないらしい。そこで、そういう場面になったら自分から「ごめんなさい」と言うらしいのだ。たとえば、廊下ですれ違うときに肩がぶつかったとしよう。みこにゃんは、どっちが悪いに関係なく「ごめんなさい」と言うのだ。

 そういえば保育園ではプールが始まった。その時、お友達の顔に水をかけたら「ごめんなさい」と言うよう、先生に教えられているのだろう。ごめんなさいのシチュエーションだけは理解できているみこにゃんは、それがたとえ「自分」に水がかかったのだとしても、「ごめんなさい」と言うのではなかろうか。みこにゃんの言葉の発達にはいつもいつも驚かされることばかりである。


1999.6.20(Sun)

シロ

 ここのところ様子がヘンだった砂ネズミのシロが、今朝冷たくなっていた。
 最初、我が家にやってきた砂ネズミは、灰色の“おやじ”である。じつはこのとき、ショップに入荷していた中に、“シロ”と“クロ”もいたのだが、Licの好きな毛色ということで灰色の子を1匹だけ買ったというわけだ。

 ところが、そのショップでは、その後も砂ネズミはぜんぜん売れず、ずーーーっと売れ残っていた。そしてとうとうケージつきでシロとクロ合わせて“3000円”という値段になってしまったのである。そこでうちに連れ帰ってきたというわけだ。
 長いショップ生活で、汚れ、喧嘩の生傷は絶えず、栄養不足による成長不良など、最初から普通に飼うには難のある子たちだった。早いうちに買ってきた“おやじ”が、艶々の毛並みで丸々してるのに比べて、あまりに見劣りがした。

 だが運命とはわからないものである。健康優良児だった“おやじ”は、“ちゃっぴー”とのお見合いで失敗し、その傷が元で昨年の秋に死んでしまった。砂ネズミの繁殖は、コミック『動物のお医者さん』などに描かれているように、非常に簡単ですぐ増えるイメージが広まっているが、じつはかなり難しい。正しいペアリングの仕方を、獣医さんに後で聞いて知ったのだが、その時、獣医さんが言うには素人が砂ネズミのペアリングをするのはあまりお勧めしないとのことであった。たしかに子供のうちから同居しているのでもない限り、ペアリングを行うのはかなり技が必要だと思われた。

 シロとクロは、相変わらず毛並みも悪く、大きくなることもなかったが、毎晩のご飯に飛びついてくるくらいには食い意地もあり、健気に生きていた。でも、どこか憂いを含んだその瞳が、いつも何かを訴えかけているような気がして心が落ち着くことはなかった。シロが死んでしまった今、残った砂ネズミは2匹。クロとチャッピー、寿命まで長生きしてくれることを祈って止まない。

植え替え

 梅雨の晴れ間である。久々に晴れたので、懸案だった苗床の苗達を、ポット上げ&植え替えすることにした。ほんとはもっと前にやらないといけなかったのだが、ここのところ週末が忙しくてできないでいるうちに、どんどん生長してしまい、ひょろひょろに育ってしまいつつある。今日がタイムリミットだ。

 巨大シシトウ“ユニコーン”と、サルビア3種、こんもり丸くなるバジルに、黄色いペチュニアにメキシカン・チューリップポピーと、次々にポット上げしてゆく。絡み合った根をできるだけ切らないように細心の注意をはらいつつ、時には取捨選択しながらポットに植え込んでゆくのだが、弁当箱程度の苗床1つでも、密集した苗の数はあまりに多い、予想外に時間を食ってしまった。苗床は全部で6個。そのうち5つをポット上げした時点で、夕方の6時近く。朝の11時ごろから始めてこれだ。

 最後の苗床には、ケイトウが育っていたがこれは移植を嫌うため、そのまま地植えにした。根を切らないように気を付けながら…。赤い花をつけるケイトウは、茎の赤っぽく、黄色い花のケイトウは茎も黄色。まんべんなく色が偏らないように、南側のコニファーの前に植え込んでみた。枯れずに根付いてくれるといいのだが。

 ポット上げした苗は、ナメゴンにやられないようにみんな南側の棚の上に移動させた。気温が高く、日差しも強いので植え替え直後からへにゃへにゃになるものが続出して焦ったが、たっぷり水をやっておいたら夕方には徐々に復活してきてくれたので、一安心。それぞれ30ポットずつくらいは苗が残ったので、この夏は色鮮やかな庭になるだろう。

 植え替えが終わったあと、ちょいと他の植物の手入れなどしてみたのだが、ロケットの鉢植えを見て驚いた。いつのまにか青虫がわんさとついていたのだ。たしか先週見たときはいなかったはず。ところでこの青虫、やはりモンシロチョウの幼虫なんだろうか。ロケットはまだ種がたっぷり残っているので、青虫たちを殲滅することなくどんな蝶になるのか見守ってやることにする。それにしても、ロケットみたいにスパイシーなハーブでも、青虫は平気でばりばり食べるんだなぁと、妙に感心してしまった。一緒に植わってるリーフレタスには目もくれずに…。

 朝顔用のネットを屋根からつるしてみた。今年はがんがん肥料をやっているので、2階まで届くかもしれない。去年はたかだか1mくらいにしか伸びなかったのだが。
 ネットといえば、畑のレモンきゅうりがものすごいことになっていた。さすがに地植えにすると育ちが違う。葉っぱなど、すでに一枚で大人の手のひら2枚分はある。土が見えないくらい、地上をのたくっていた。はやくネットをたてて上に伸ばしてやらねば。

 ミニトマトだと思って植えたミニトマトに、待望の実が2つなっている。が、こいつはどうみてもミニじゃない。どんどん大きくなる。今やみこにゃんの拳くらいはある。うーん、ミニトマトって書いてあったと思うんだけど…。まぁ、ミニでもそうでなくても、トマトは好きなのでいいんだけど。
 梅雨の雨と、高い気温で、庭の植物たちは、生長著しい。雑草の生長もすごいので、草引きにも気合いが入る。でも今日は植え替えで体力使い果たしたので、また来週だ。


1999.6.21(Mon)

 時計の針は、刻々と10時に近づいてゆくのに、体を動かすことができなかった。全身の倦怠感。ハンパじゃない強烈なやつ。
 ようやく起きあがれたのは、10時半すぎになってから。フレックスのコアタイムをオーバーしてしまったので、今日は午前中だけ休暇にした。

 みこにゃんが、昨夜からなんだか風邪っぽいので、Licも仕事をお休みである。ひさびさにゆっくり朝食がとれる。朝ご飯は、みこにゃんの大好きな“ちゅっちゅる〜”。今日の“ちゅっちゅる〜”はパスタである。ミートソースをからめて、みんなで“ちゅっちゅる〜”した。
 今日も、昨日に引き続きいい天気である。正午をまわったので会社に出かけたが、こんな日は一日庭いじりでもしていた気分だ。

 会社から戻ったのが、夜の9時。遅い夕食のあと、みこにゃんと遊んだ。
 ジャングルジムと滑り台。みこにゃんのベビージム大活躍である。今日は、思いついて追いかけっこをしてみたが、みこにゃんはちゃんと追いかけっこで遊べるようになっていた。

 ベビージムの周りを、ぐーるぐる追いかけっこで何周かして遊んだあと、みこにゃんが「うさぎさん、ぴょんぴょん」と言いながら、ジャンプし始めた。みこにゃんはちゃんと地上から両脚が離れるほどジャンプできる。1ヶ月ほど前には、まだどちらかの足が残っていたのだが、すごい進歩である。
 今日でみこにゃんは1歳10ヶ月と1日。もうじき2歳になる。ちゃくちゃくと成長してゆくみこにゃんであった。


1999.6.22(Tue)

多数決

 昨年、IBMのコンピュータに破れたチェス世界チャンピオンが、今年はインターネットで世界を相手に対戦する。舞台がMicrosoftのサイトってのが、なんとなく嫌味っぽいね。でもそれ以上に気になるのは、その対戦方法である。

 インターネットを介して、世界中からチャンピオン相手に次の一手を打つことができるのだが、その決定には多数決が使われるらしい。詳細な説明が見あたらないので、じつは多数決といいながらも局面に応じて重み係数が変わるとかそういう細工があるのかもしれないのだが、ただの多数決だと1つの優秀な手よりも、凡百のあまり優秀ではない手が優先してしまうのではないか?
 たしかに3人よれば文殊の知恵と、昔の諺にもあるけれど、烏合の衆って言葉も、また存在する。基本的に多数決ってシステムは、ものごとの平均ラインを越えられない。優秀すぎてもダメ、くだらなすぎても却下になり、誰にも平均的に納得できる策が残される。
 と考えれば、この勝負、チェスチャンピオンの圧勝と私は予想するが、結果を楽しみに待つとしようか。


1999.6.23(Wed)

狂い咲き

 玄関先には、休眠させずに夏越しすることにしたシクラメンの鉢植えがあるのだが、なんと花芽をつけて、ついに今日、開花してしまった。気候的には、すでに夏の気配濃厚な真夏日も続く日々もあったのだが、梅雨の影響で若干気温が下がっているのが影響しているのだろうか?それにしてもシクラメンには苦手なはずの、この湿度過多の季節、よく開花したものだ。

 さらに、シクラメンと並んで冬の花の定番であるプリムラ・ジュリアンの地植え株までも、開花してしまったのである。初夏を迎えようかというこの季節、冬の花はちょっと似合わない(いや、かなり似合わない)。このまま花を咲かせていてもいいものか思案中である。

でゅわ!

 みこにゃんが、アンパンマンばかり覚えてくるので、ウルトラセブンも教えなくてはと思ってから数ヶ月。教育の成果は確実に現れ始めていた。
 粘土で眼鏡のように輪をつくって、それを目にあて、高らかに「でゅわ!」と叫ぶというのを、みこにゃんはマスターしたのである。眼鏡状のものでなくても、紙の切れ端とか、粘土のかたまりとか、そういうのでもみこにゃんにかかればすべて“ウルトラアイ”になってしまうのだ。今日は、粘土の切れ端で、「でゅわ!」していたらしい。

 これはもう、本物の“ウルトラアイ”を買ってやらねばなるまい。
 「でゅわ!」の次は、神仮面ファラオン版「はざーどふぉーむ!」ってのも、教えてやらなければ。動作は同じでいいので、覚えやすくてグーである。で、Licも一緒に「はざーどふぉーむ!」(こちらはロゼッタ版のやつ)すれば、親子ヒーローの誕生である。ぜひ見てみたい。


1999.6.24(Thr)

古いカセットテープ

 夜、カセットテープを収納してある本棚を探っていた。おそらく、日本全国で同じように古いカセットを探した人数は、いつもより多かったのではないかと思う。
 ラジオニュースで簡単に流れたアーティストの死。ずっと忘れたままになっていた懐かしい名前だ。“放課後の校庭”というフレーズが、まさしく現実のものだった時代、彼の音楽は心にしみ込んで何度となく記憶の中でリピートしていたものだ。歳月を経て、いつのまにか思い出の奥底に沈んでしまっていたが、今夜、古いカセットテープを再生してみると、なんら変わることなく純愛の叙情詩と切ないメロディで溢れていた。

 たまには古い音楽を聴くのもいい。記憶していることを忘れ果ててしまわないように。

げげげげげげげげがっがっが

 みこにゃんが、最近よく口ずさむ歌がある。それは「かえるのうた」だ。
 一時期、「ぞーさんのうた」にはまっていたみこにゃんだが、近頃ぜんぜん歌ってなかった気がする。しかも「ぞーさんのうた」は、“ぞーさん ぞーさん”というフレーズだけしか歌えなかったのに対して、今度の「かえるのうた」はフルコーラスすべて歌えるのだ。ものすごい進歩である。

 どんなときに「かえるのうた」を歌っているのか観察してみたが、特にトリガーとなるようなイベントは発見できなかった。ところがである、昨日、今日と、みこにゃんはLicとJTBにお出かけしたのだが、みこにゃんはJTBの店内に入ったら必ず「かーえーるーのうーたーがー」と歌い始めるのだそうだ。2日連続で、「かえるのうた」を歌う幼児を連れて入ったら、さぞや目立ったことだろう。JTBのお姉さんも、笑いをかみ殺すのに苦労したのではないだろうか。JTB店内に、なにか「かえる」を連想させるような物体が展示してあるのかもしれないな。

 ところで、「かえるのうた」といえばやはり輪唱せねばなるまい。みこにゃんが「かーえーるーのー」と始めたら、1小節ずらして「かーえーるーのー」と続けてみた。が、みこにゃん歌うのを止めてしまった。何度かチャレンジしてみたが、まだ輪唱はみこにゃんにとって高度すぎる技らしい。もうちょい特訓してから輪唱を完成させたいものである。

「あぁ!」

 近頃、TVを見ていて妙に耳に焼き付いて離れないフレーズがある。それは「アスパラ」のCMだ。あの、怪しげなおっちゃんが瓶の背後から“にょっ”と現れ、「あぁ!」「すぱらっ」と“きしょい声”で言うやつである。
 これだけでもそうとうインパクトはあるのだが、ここでだめ押しの「いっぽんいっとく?」ときたら、忘れようったってそうそう忘れられるものではない。
 日常の何気ない状況で、ついつい頭の中では「いっぽんいっとく?」のフレーズがこだましてしまうのである。茶色の瓶を見かけたら、背後から「あぁ!」とおっちゃんが出てきそうだし…。これはもう十分、“あすぱら症候群”と言えるのではないだろうか。

 さらに最近の私の究極の遊びである、「みこにゃんに言わしてしまおうプロジェクト」でも、この言葉を採用した。みこにゃんとのおしゃべりの合間に、必ず「いっぽんいっとく?」というのを挟むようにしたのだ。なんでも覚えたがりのみこにゃんが、この作戦にまんまとはまるのも時間の問題と思われたが、ついに今日、みこにゃんが自発的に「いっぽんいっとく?」のフレーズを何度も口にするに至ったのである。作戦は大成功であった。


1999.6.25(Fri)

『ザ・ロック』

 今夜は地上波で映画『ザ・ロック』をやっていたので、もちろん見ることにした。『ザ・ロック』は一昨年末にWOWOWでやってたのを偶然見て以来、ここ数年でもっともお気に入りな映画になっているのだ。WOWOWの放送後、オンラインでLDも注文してしまったほどだ。

 その時にWOWOWで放送したのは、日本語吹き替え版だった。買ったLDは字幕スーパー版。どっちがより感動したかといえば、日本語吹き替え版のほうだった。最初にそっちのほうを見たから、というすり込み現象もあるのかもしれないが、字幕スーパーではどうも雰囲気が出てないと思ってしまった部分があるのだ。その部分というのが、映画の中でもかなり気に入ってるパートだけに、よけい気になってしょうがない。

 ハメル准将(エド・ハリス)率いる海兵隊が占拠しているアルカトラズを奪取するため潜入したSEALの部隊。指揮官はアンダーソン中佐(マイケル・ビーン)だ。彼らがシャワー室で待ち伏せにあい、降伏勧告するハメル准将と、それを拒絶するアンダーソン中佐との鬼気迫る言葉のやりとり。この部分が、字幕スーパーだと、互いの台詞がかぶる箇所など重要なポイントがリアルタイムで字幕として表示されないため、間延びした感じになってしまう。WOWOWの日本語吹き替えは、まさに手に汗握るシーンであった。

 今回の地上波での放送分は、日本語吹き替え版だったが、どうやら独自に翻訳作業を行ったようで、WOWOWの吹き替えとも微妙に違っていた。なんだかしっくりこないものを感じながら、問題のシャワー室のシーンへと突入。…うーん、やはりなんか違う。あまりにあっさりしすぎ。WOWOW版ほどの緊迫感は感じられなかった。WOWOW版の吹き替えは、今、発売されているVHSの吹き替え版と同じなのかどうかは未確認だが、一度見ておいたほうがいいかなと思った。もしかするとWOWOW吹き替え版は、WOWOWオリジナルの可能性もある。もう一度、WOWOWで吹き替え版のほうをリピートしてくれるといいんだけどな。


1999.6.26(Sat)

 ひさびさに晴れた休日だったが、あいにく今日は休日出勤である。職場の窓から見える青空をうらめしく見やりながら、淡々と仕事をこなし、ようやく終了。Licとみこにゃんが待ってくれている正門へと向かった。
 みこにゃん、今日は浴衣を着せてもらっていた。とっても涼しそう。だが、額には冷えぴたシートが貼ってある。急に熱が出始めたらしい。みこにゃんは、ぐったりして元気がない。急いで家に戻ったが、みこにゃんの熱は上がる一方で、40度近くなってしまったので座薬を使った。

 月曜から、扁桃腺が腫れてたみこにゃんだったが、この熱はどうやら風邪っぽい。しかも変な咳はあいかわらず出てる。病院でもらった薬を飲んでいたのだが、効かなかったらしい。しばらく様子をみていると、だんだんみこにゃんの動きが活発になってきた。いつもよりハイテンションかもしれない。座薬で熱が下がったようだ。

 薬で熱が一時的に下がってるだけだから、おとなしくしてないとだめだよみこにゃん、と言ってもわかるはずもなく、みこにゃん絶好調にベビージムなどで遊び回ってる。でも、そのうち疲れたのか、お昼寝布団で横になって寝てしまった。熱は?と額に手をあててみると、熱かった…。
 寝ながら、時々激しく咳き込むのが、ちょっと気にかかる。

『沈黙の陰謀』

 昨夜借りてきていたビデオ『沈黙の陰謀』を見た。セガールの沈黙シリーズは、過去に数回見ているが、彼独特の体術と、一人で圧倒的な敵を片づけてゆくさまはなかなか爽快なアクションで、まぁまぁ気に入っていた。
 今回の新作は、はたしてどんな感じだろうか。予備知識が皆無に近いので、不安と期待を込めて見始めた。

 カルト武装集団のボスって奴が、いまいちスケールが小さい感じ。なのでキケンなウイルスが蔓延する危機感も、どことなくスケールダウンしてしまって、ちょっと物足りない。セガールのアクションも、今回ほとんどなし。これまでの沈黙シリーズとは、だいぶ雰囲気が違う感じだ。

 代わりに生化学のエキスパートとしての役回りに重点が置かれている。ワクチン開発の切り札として、アメリカ先住民の知恵が役立つところなど、セガールらしい。ラストで防護服の兵士たちが、ワクチンとなる野草を摘むシーンはなかなか意表を突いていて面白い。惜しむらくは、こういう従来にないシチュエーションが、後半までほとんどなかったってことだ。セガール風味付けと、従来アクション映画のノリとが、いまいちアンバランスにうまくかみ合ってない感じがする。
 ま、でも個人的にはセガールの奥さん役(だと思うのだが、違うかも)で登場した女性が、非常に美しいのでこの映画は“あり”ということにする(をいをい)。


1999.6.27(Sun)

食う

 はっとして飛び起きた。時計の針を見て、“急がなきゃ!”と起きかけて気づく。「今日は日曜だ…」

 ほぅぅぅっと全身脱力して、再び布団にまるまって心地よい休息を楽しんでいると、みこにゃんがむくっと起きだし、私のお腹のうえにのっかってくる。
 「ぱんぱんか!」みこにゃんはそう言いながら、激しくお腹の上で上下した。「ぱんぱんか」とは、馬のことである。みこにゃんの絵本の中に、しまうまが駆けてくシーンで「ぱんかぱんか」という表現があって、以来、みこにゃんは馬が走る場面では「ぱんぱんか」と言うようになっているのだ。スーパーのメリーゴーランドもみこにゃんは「ぱんぱんか」と言う。最近、みこにゃんは私が横になってると、こうやって馬乗りになって「ぱんぱんか」遊びをすることが多いのだ。

 この元気さを見る限り、みこにゃんの熱は大丈夫そうだ。でも、今日は私がなんか体がだるい。みこにゃんが下に降りるというので、いったんはリビングまで降りてみたのだが、どうもいけない。体の奥底から休息を要求する指令が出ている感じで、たまらず布団に逆戻り。そのまま長いお昼寝に突入する。
 ふと気づくと、みこにゃんとLicも一緒に昼寝してた。外は小雨が降っている。物憂げな昼下がり。

 夕方になって、ようやく体を動かせるようになったので起きる。Licが、通称“16m道路”沿いにできた新しいレストランに行ってみたいというので、みこにゃんの熱も平熱のままだし、家族揃って出撃することにした。
 そのレストランは、煉瓦と土壁を効果的に使った外観をしていた。オープンする前から、おしゃれ系な装いに、ちょこっと惹かれていたところだ。何屋さんなのか知らずに食べに行ったわけだが、看板には“欧州家庭料理”と書いてあったので、それほど予想が外れていたわけでないことを知って安心する。

 入り口までのエントランスには、枕木やテラコッタをうまくアレンジしたハーブガーデンになっており、心地よい。ガーデニングブームなので、ハーブガーデンも珍しいものではなくなったが、この店のガーデンはきちんと手入れがされており、おそらく店のスタッフにガーデニングのことがわかった人がいることをうかがわせる。ブームだけで作ったというのではなさそうなところがよい。
 店内も木と土の雰囲気は損なわれず、うまく造ってある。メニューを開くと、前菜・ピザ・パスタ・メインディッシュ・サラダというふうに分かれている。お腹具合は絶好調ではなかったのだが、ついつい前菜2種類に、ピザ、パスタ、メインディッシュと豪勢に注文してしまった。コース料理というわけではないので、1皿ずつ出てくるなんてことはなく、次々到着する皿で、テーブルはあっというまに埋まってしまった。
 味のほうは、なかなか旨かった。みこにゃんも、大好きな“ちゅっちゅる〜”があるので、がんがん食べていたが、ふいに鼻が痛いと泣き出した。なんだろう?と思ってると、鼻からパスタがにょ〜と顔を出すではないか。どうしてそうなったのか不明だが、みこにゃんはパスタを鼻に入れてしまったらしい。それは確かに痛いだろう。

 みんな快調に食べていたが、前菜2皿のあと手を着けたパスタの途中で、私のお腹が悲鳴を上げ始めたので、遺憾ながら食うのを止めた。ちょうどみこにゃんもお腹いっぱいになったらしく遊び始めたので、あとはLicにまかせることにした。

 Licの食欲はすごかった。ピザ1皿、パスタ残り、メインディッシュ1皿とあっというまに片づけてゆく。ほぼLic一人で片づいたような感じ。この店には、体調万全な時に、再び来ようと思った。

『バブルガム・クライシス TOKYO2040』

 『バブルガム・クライシス』といえば、私がまだ大学生だったころにOVAとして発表された作品だ。当時、『ガルフォース』なども同じくOVAリリースされていたりと、園田健一デザインは、けっこう目に付いた。だが、今日借りたのは1999年になって新しく創られたほうだ。1本のテープに4話入ってるお得さに惹かれて借りてみた。たしか昔のやつは、1本1話だったはずだ。

 ハードスーツ原案にこそ園田健一の名前がまだクレジットされているが、キャラデザも一新され、声優も代わり、昔のイメージはほとんどない。プリスの顔、昔よりも戦闘的でよくなった気がする。声優も、大森絹子よりはうまい。大森絹子のプリスも、歌の時だけはそこそこ聞けたのだが、普通の台詞はさすがに素人丸出しで、ちょっと難がありすぎた。当時、大森絹子の出しているアルバムを、友人が探し出してきて聞いたことがあるのだが、いわゆる普通のアイドル系な歌だった。それがどうしてバブルガムだと、激しいロック調の曲になったのか謎だが、もともと彼女はこういう系統の曲がやりたかったが、事務所の方針で、アイドル路線のアルバムばかりなのだと、したり顔で友人は言ってたな。

 そういえば、今度の新作の音楽監督は是永巧一である。どっかで聞いた名前だなと思った瞬間に思い出した。そう、あの REBECCA でギター弾いてた人だ。意外なところで、意外な名前を見た気がする。いつからアニメ関係にタッチするようになったんだろう。
 さて、肝心の作品の中身だが、大まかな設定は踏襲しているものの、この先、新たな謎が出てきそうである。めちゃすごいというものでもないが、なんか気になる感じだ。個人的には、エンディングの背景で流れるアニメーションに、だいぶ惹かれている。作品とは直接関係なさそうなシュール系イメージアニメだが、動きとデザインに「お!」と思わせるものがある。このクオリティが本編に生かされていれば、もっとポイント高いのに。


1999.6.28(Mon)

入院

 昨夜、再びみこにゃんが熱を出したので、また病院に連れていった。Licは先週ずっとみこにゃんの世話で会社休んでしまっていたので、今日は私が会社休んで行くことにした。私も風邪気味だったから、ついでに病院で診てもらおうという魂胆である。

 いつもの小児科では、咳が気になるというので胸部X線写真を撮ってもらったのだが、できあがり写真は素人目にも左肺にうっすら影が見えた。どうやらみこにゃんは肺炎になっているらしい。飲み薬の治療があまり効果を現していないので、入院設備のある病院で一度診てもらってほしいと言われ、紹介状を書いてくれた。
 正午ぎりぎりで、総合病院にたどりつき診察してもらったのだが、やはり気管支肺炎とのこと。即座に入院ということになってしまった。一日中点滴をしないとダメらしい。

 入院前検査をみこにゃんがされている間に、会社のLicに電話をかけて状況報告する。自分一人で入院準備と、みこにゃんの世話を同時にするのは、いくらなんでも無理すぎた。
 看護婦さんに病室に通されると、みこにゃんがちょこんとベッドに座って、泣いていた。左手には、点滴用の固定木が包帯でぐるぐる巻きになってて、すでにチューブが接続されていた。看護婦さんにもらったのか右手にはキティちゃんのシールを握りしめている。泣きやまないみこにゃんの気をそらすために、シールをことさら大げさに発見して、「あ、キティちゃん!」と言ってみたところ、みこにゃんはようやくはっとしたように泣きやみ、「きてぃちゃん、おる」とシールに集中してくれた。でも、熱が下がっているみこにゃんは元気いっぱいで、すぐにベッドから降りて遊びに行こうとするので、点滴チューブがねじれて外れそうで冷や冷やものであった。そのうちLicが到着して、みこにゃんもなんだかほっとした感じに見える。

 これから1週間、みこにゃんは入院。ずっと点滴チューブがくっついてるというのが、大変かもしれないが、はやく治るといいね、みこにゃん。


1999.6.29(Tue)

風邪

 昨日の夕方、病院で診察してもらったのだが、今朝起きたら喉のいがらっぽさがさらに激しく、咳もひどくなってしまってた。本格的に風邪をひいてしまったらしい。なんだか5月からの風邪がずっと治らずに潜伏してて、再発したような感じである。
 来週は出張があるので、なんとしてでも今週中には治さねばならない。それにしても咳っていうやつは、お腹が気持ち悪くなるわ、体力消耗するわで、やっかいなシロモノだ。しゃきっと咳の止まる薬があればいいのだが…

 会社が終わって、入院中のみこにゃんの様子を見に、病院に寄った。みこにゃんはプレイルームで遊びに熱中しているところだった。点滴チューブはつながったままなので、遊びにくそうだったが、どうやら熱もなく元気そうである。そばに言ってみると、私に気が付いたみこにゃんが「とーさんもいっしょにあそぼ」と、ちぎった紙屑を一緒に拾うように言う。元気ありあまってる感じだ。これだけ元気があれば、回復も早いかな?と期待するのだが、咳はまだ止まってないらしい。やはり呼吸器系は、私に似て弱いのかも。

 面会時間が終わるころ、みこにゃんは私の腕の中で、ぐっすり眠ってしまっていた。明日もまた来るからね、みこにゃん。

 夜更けから、外でびょうびょう風が鳴りはじめた。雨戸がぎしぎし音を立て、まるで台風でも来たかのようである。梅雨どきに、これほど激しく風が吹くのも珍しい。庭に並べているポット苗のことが気にかかる。

 明日で6月も終わり。しかし、この雨はまだ当分続きそうである。今年の梅雨は、いつまで続くだろうか。始まりが早かった分、明けるのも早いといいんだけどな。


1999.6.30(Wed)

ちゃかちゃかちゃか

 みこにゃんの様子を見に病院に寄る。今日もプレイルームで遊んでいる最中だった。
 私を発見したみこにゃんが、たたたたたっと駆け寄ってくる。だが、廊下との境界線を示す金属板のところでぴたりと止まった。ここから素足で出ては行けないとLicに教えられているのだろうか。

 “にかっ”とみこにゃんが笑った。「ん?」

 ちゃかちゃかちゃかちゃか…

 軽やかなステップである。みこにゃんは、その金属板の上で、駆け足をしていた。
 ちっちゃな足が、しゃしゃしゃしゃと動くさまは、じつに可愛らしい。みこにゃんが編み出した新しい遊びだろうか。それとも何かのメッセージか。頭をなでてやったら、そのまま足にかきついてきたので、抱っこした。そろそろ病室に戻らないといけないようだ。

 今日は、Licがいったん家に戻るので、その間、私がみこにゃんと病室のベッドで一緒に寝た。みこにゃんは、咳もだいぶおさまっていてぐっすり寝てくれたので、助かった。小児科病棟の消灯時間は早い。午後9時には明かりが消える。空調はあまり効いてないのだが、汗がにじみ出ることもなく、いわゆる健康的な温度設定になっているらしい。さすが病院だ。

 静まり返った夜の病院。ナースステーション付近から、なにかのモニター用と思われる電子音が定期的に響いてくる。ふいに、今この瞬間にも生死を彷徨っている人が、この場所にいるのかもしれないという思いが強烈に浮かんで、なかなか消えなかった。
 そういえば病院の入り口は、真夜中もずっと開いているのだ。いつ急患が来ても大丈夫なように。警備員が常時詰めているわけでもなく、ちょっと怖い考えになってしまい、またしても眠れなくなってしまった。こういう時に限って時間の過ぎるのがヤケに遅く感じてしまうものだ。Licが戻ってくるまでたっぷり3時間ほどかかったような気がしたが、実際はその半分しか経っていなかったのである。


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