2006.8.25(Fri)
地区大会
前回のエレクトーン発表会からおよそ2ヶ月、いよいよ今日が地区大会の日だ。この地区大会には、かなりの強豪がひしめいているらしいのだが…。みこりん達も、衣装のハッピを新調し、気合十分で臨む。
残念ながら私は仕事のスケジュールがきついため、今日は一緒に参加できない。付き添いのLicにしても、月末締め切りの多忙な時期なので、明日の土曜日に振替出勤となっている。
スケジュール表によれば、午後からの演奏ということになっていたはずだが、そろそろ終わったかな?仕事の合間に、そっとLicにメールしてみたり。
やがて、「いま、おわった」とメールがあった。
惜しくも入賞は、逃したようだ。Licがビデオに撮ってくれているので、あとでどんな様子だったのかチェックしておかねばなるまい。
ちなみに来週末には、はやくも次の発表会が控えている。なかなかみこりんも忙しい。
2006.8.1(Tue)
VANGELIS
CDレンタル半額の日、到来。さっそく以前から目を付けていたヴァンゲリスと喜多郎のアルバムを、それぞれ1枚ずつ借りてきた。いずれも、みこりんにシンセサイザー音楽がどんな感じなのか聞かせてみるためである。
仕事で遅くなってしまったので、肝心のみこりんはすでに熟睡中。とりあえず自分のために、ヴァンゲリスから。
鑑賞中…
…鑑賞中…
まだまだ鑑賞中
な、なにもかも、みな懐かしい。
映画『炎のランナー』のテーマなんか、中学の頃、テープが磨り減るほど聞いたなー。でもいまだに映画本体はちゃんと通しで見たことないけど。
加えて映画『ブレードランナー』から“愛のテーマ”と“エンドタイトル”。これは大学の頃、夜通し映画見ながら何度も何度も繰り返し聞いた。
この曲を目を閉じて聞いていると、記憶だけ一瞬にしてタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。うーん、まんだむ。
週末、さっそくみこりんにも聞かせてみよう。
2006.7.18(Tue)
古きよきシンセサイザー
今月始めのエレクトーン発表会にて、来月の地区大会進出が決まったみこりん達だが、そのすぐあとの9月初旬にはソロの発表会が控えていた。イベント目白押しである。
地区大会は同じ曲を演奏するからまだいいとして、問題は9月のソロの方だった。1ヵ月半で、仕上げられるのだろうか。演奏曲は、みこりんの強い希望で『君を乗せて』(映画『天空の城ラピュタ』より)に決まったようだ。20年近く昔の曲だが、今でも学校ではよくかかるらしく、みこりんも映画本編を見たのは過去1度きりなのに、よく覚えていた。
『君を乗せて』に決まる前には、FFXIの中で使われている曲(ナシュモという街のBGM)にもかなり興味を惹かれていたみこりんだったが、楽譜がないので、自分で耳コピー&エレクトーン用にアレンジしなければならないという巨大な壁に立ち塞がれ、断念したもよう。小学3年生でも、地区大会常連組みたいなすごい子ならば、それも可能らしいのだが、みこりんにはまだちょっと難しいようだ。
昨年、同じくジブリ作品から『人生のメリーゴーランド』を発表会で演奏していたので、その時に買った楽譜の中に『君を乗せて』もあった。ただ、これはグレード9のアレンジ。みこりんは今グレード8なので、ちょっと物足りないかも?しれない。
でもあと1ヶ月半という練習期間を考えると、このくらいの方が安心はできる。
9月が無事に終わると、次は冬の発表会だ。YMOの『ライディーン』を知ってしまったみこりんのために、Licは同じくシンセサイザーつながりで、喜多郎の曲を聞かせたがっているようだ。
最近の人は喜多郎といっても知らない人の方が多いかもしれない(同じ“きたろう”でも『ゲゲゲの鬼太郎』とはまったく関係ないので注意)。YMOがブレイクした頃よりもちょっと後、当時NHKで放送が始まったドキュメンタリー『シルクロード』のテーマ曲で一躍脚光をあびたシンセサイザー奏者である。
この人の曲もFMでエアチェック(死語か?)していろいろ持っていたのだが、いつのまにか無くしてしまった。レンタル屋さんで探してこなければなるまい(個人的にはジャン・ミッシェル・ジャールの曲も捨て難いのだが)。
2006.7.3(Mon)
ら、ら、らっ、らっ、らっ、らっ〜
昨日の発表会には、みこりん達の先生は都合で来られなかったのだが、レッスンから戻ってきたみこりんが言うことには、「何かの賞はもらうと思っていた」らしい。先生には確信があったのだ。うーん、さすが。
ところで昨日の全演奏曲の中に、みこりんが新たに気に入った曲が、2つあるという。
「らいでぃーん?っていうやつと、最後に弾いてくれた、ぺこりないと」
な、なにもかも、みな、懐かしい…。『ライディーン』か。たしかに弾いてた子がいた。さっそくみこりんに「とーさんが中学生のとき、イエロー・マジック・オーケストラというグループがいてね…」と説明を始めると、すでにLicに教えてもらっていたようで「知ってる〜」と言われてしまった。でも一応最後まで話して聞かせる。みこりんがオトナになった頃、何かの拍子にふっと思い出すかもしれないし。
『ペコリナイト』も、原曲の『Saturday Night』は70年代後半。時代は繰り返すというか、いいものは何十年経っても人を惹きつけるものなのだろう。
中学生の頃、真夜中、FMラジオで流していたYMOのライブを録音したカセットテープは…、残念ながら失くしてしまったようだ。とっとけばよかったな。
2006.7.2(Sun)
発表会当日
エレクトーン発表会は、市内のいつものホールではなく、ここからさらに山奥の、車で片道約30分の場所にて行われることになっていた。はじめて行く場所だ。いったいどんなところなのだろう。案内の紙の裏に書いてある、手書きの地図だけが頼りであった。
持ち物チェック終了後、出発。集合が9時5分なので、どこかで迷子になってしまったら即アウトという、なかなかスリリングな展開である。
方向感覚が異様に優れたLicの適確な指示と、迷うほど道が交差していないという田舎特有の事情により、山を越え、谷を越え、やがて目的地が見えてきた。
山中に突如出現した、場違いなほど巨大な建造物。いつものホールの2倍か3倍くらいありそうだ。なんでこんな山の中に…。みこりんもびっくりだ。
建物の規模の割に、妙に狭い駐車場にやや不安を覚えつつ、クルマを停め、入り口と思われる場所までひたすら歩く。歩いている途中で、ところどころに口を開けているドアから中を覗いてみると、広大な板張りの体育館のようなものが…。そこではカーリングっぽい競技が、まさに行われていたのだった。建物の構造からして、その大部分がこの体育館で占められているようだ。ということは……。
やがてエレクトーン発表会の受け付けと思われる場所に到着。その向こうにある区画が、ホールになっているようだ。外観から推測するに、いつもの小ホールと同程度の大きさらしい。
…、ちょっと安心。
みこりんとLicが着付けのためにどこかへと消え、私は大きな扉の前で順番待ち。人込みに酔うほどの人数でもなかったので、わりと気楽に待っていられたのは幸いだ。
ほどなくしてエントリーした子供達が中央に集められた。皆、気合の入った衣装に身を包んでいる。午前中は団体戦のため、グループごとに衣装を揃えてあるので、派手な中にもほどよい統一感があった。ちなみにみこりん達のグループは、春に引き続き『どんぱん節』をやるので、同じデザインのハッピを模した上着を装着している。唯一の和装かもしれない。
まず子供達がホールへと消え、しばらく後に、我々も入場。ほぼ中央に席を確保した。
脚立を伸ばし、ビデオカメラをセットして舞台の見え加減を確かめてみる。光学ズームとデジタルズームの切り替え地点よりも、やや手前、光学ズームの領域でちょうどエレクトーン1台が収まる感じだ。
用意してきたminiDVテープは2本で、2時間分。みこりんがプログラムに“撮っておいてほしい曲”と“できれば撮っておいてほしい曲”を、それぞれ星マークと丸印で示してくれているのだが、ざっと見た感じ、ぎりぎりいけそうな雰囲気。みこりんは曲名で選んだと言っていたが、『サンダーバードのテーマ』とか『スターウォーズのテーマ』とかがしっかり入っているのを見て、よしよしと安心してみたり。近頃みこりんは『サンダーバード』のことを「へんな人形の出てくるやつ」と表現していたので、少々心配していたのだ。
開演。10時間に及ぶ発表会の始まりだ。
プログラムに従って、演奏が続いてゆく。今回、照明の色とか模様が曲にあわせて動的に変化するという技がところどころあり、もしかしてこの仕掛けのために会場をここにしたのではと思ってみたり…。
やがて、みこりん達のグループの番が回ってきた。『どんぱん節』は春にも発表会で演奏しているため、練習は十分のはず。だからわりと気楽に構えていたのだが、演奏が進むにつれて、なんかこれ、ちょっと迫力あるんじゃない?と思わせる雰囲気がびしびしと伝わってくる。エレクトーン6台分の音が、絶妙に調和している感じ。前回よりも格段の進歩を遂げているような。
余韻を残して、『どんぱん節』演奏終了。ん、いい出来だったかも。
ほっとしている間もなく、次の演奏が始まり、撮るべき曲を忘れずに撮り…。粛粛とプログラムは進行し、遅延なく団体戦の演目はすべて終わり、いよいよ審査発表である。
入賞者の番号と曲名が、順番に読み上げられてゆく。そしてついに優秀賞の発表へ。ここまで、まだみこりん達のグループは出てきていないが…、も、もしかして、もしかするのか。頭のてっぺんあたりが妙にざわつくのだが、この前兆は…。
「優秀賞、『どんぱん節』」
…、嘘!?
本当だった。みこりん達のグループは、優秀賞に選ばれていた。
司会者のアナウンスが続く。「優秀賞のみなさんは、8月に行われる地区大会にエントリーされます」…って、そうだった、ここで終わりじゃなかったんだ。次はこの近県から選出された剛の者が集う、地区大会が待っているのだ。
だ、だいじょうぶかな…。急に心配(?)になってきたり。
表彰式が終わり、しばし休憩タイム。賞状を手に、みこりんが駈けて来る。まだ実感がわいてないような表情だったが、私も地区大会がどんなのか知らないので、よくわからない。まぁでもよかったんじゃない?というわけで、軽くドーナツをつまみ、午後の部に備える。
*
午後の部、開始。ここからは個人戦だ。
年齢の低い順番に演奏するので、みこりんが呼ばれるのは真中あたりになる。
小学生は低学年と高学年の2つで分けてあるので、来年からはみこりん“高学年”か。なんだかものすごく月日の流れを早く感じる。ちょっとまえまで、保育園だったような気がしてるのに…。光陰矢のごとし。
個人戦の衣装は、団体戦以上にみんな気合が入っていた。それぞれ曲のイメージに合わせて、アラビアンな衣装だったり、天使の羽がついていたり、なんとなくコスプレ会場のような雰囲気もあり。
みこりんの衣装も普段着にするには派手なのだが、この中にあっては普通に見える。
さて、みこりんの演奏曲は『天国と地獄』だ(以前の日記で『ツァラトゥストラはかく語りき』と書いたのだが、あれは新しいレッスン用の曲だった)。運動会などで割と耳にする機会の多い曲ということもあり、ミスると目立ちそう。でも、普段の練習具合から心配していたような失敗(指がついていかないとか)は見られず、無難に終わった。あいかわらず本番に強いみこりんである。
出場者のほとんどは女の子で、男の子は2人ほど。小学生が半分以上を占め、続いて中学生、高校生と少なくなってゆく。やはり継続するのは大変なのだろうか。中学生以上の大きい子はそれなりに難しい曲を選んでくるのだが、途中で指がとまってしまうシーンが目立った。時間は有限、その中にエレクトーンの練習時間を割り当てるのは、徐々に難しくなってゆくようだ。
午後7時、個人戦終了。審査の間、デモンストレイターによる演奏が披露され、場をつなぐ。ラストの曲の途中で、ビデオテープを使いきり。あと30秒ほどだったのだが、惜しかった。
そして、審査発表。
努力賞、オーディエンス賞、銀賞…。銀賞が4人いてちょっとびっくり。
つづいて金賞のコール。一人、二人、三人、…、いったい何人いるんだ。五人、六人…。ろ、六人か。銀賞より金賞の方が多いのは、有りのようだ。
金賞の6人は地区大会へ進出。地区大会の個人戦は、いったい総勢何名で行われるのだろう。ものすごく多そうな予感。
午後7時半、発表会は終わった。
およそ10時間。長かった…、しかし椅子が高性能だったのか不思議と腰は痛くなかった。
8月の地区大会まで、あと1ヶ月と半分。みこりん達の集中力が途切れませんように。
2006.7.1(Sat)
発表会前日
明日はみこりんのエレクトーン発表会がある。団体戦と個人戦の2つにエントリーしているのだが、団体戦の衣装は先週Lic達お母さん連合で自作済み。残るは個人戦の衣装のみ。
Licによればスカートは前回のを使いまわせるので、ブラウスだけ買えばよいらしい。というわけで、最寄のスーパーへ買い物に。ついでにちょっと爆発気味なみこりんの髪を少々カットしてもらうべく、テナントとして入っている美容院に予約状況など確認してみると、午後6時半からなら大丈夫とのこと。ちなみに今は午後3時ちょい。
とりあえず予約入れて、さくっと衣装選びにGO。
スカートが黒だから、上は白か黒?と思っているうちに、ちゃっちゃとLicが1枚白いのを選び出し、みこりんに確認中。………、OKのようだ。あっさりと決まってしまった。これで今日の目標のほぼ半分は達成したような。すぐさま次のターゲットである家電量販店に移動するかと思いきや、Licとみこりんのウインドゥショッピングは、しばらく続いたのであった(彷徨っている間に、みこりんはちゃっかり蝶の形のブローチをゲットしていた)。
ようやく移動。家電量販店にて、明日の暇つぶし用(発表会はおよそ10時間ある)に、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』等をLicが購入。私はDVD収納BOX(1箱80枚収納可)を、何ヶ月ぶりくらいでようやく見つけることが出来たので、2箱ほど買った。じつは手持ちの収納BOXが一杯になっており、近頃ではDVD-Rに焼くこともままならず、ハードディスクがぱつんぱつん状態で、かなり困っていたのだ。いっそ、PCと連動して目的のディスクを電動で取り出せるというブツでも通販で買うか、とまで思っていたのだが、900円ほどで買えるフツーのBOXが手に入ったため、あと2年は無駄遣いせずにすみそうだ。あるいは2年もしてるうちに、数テラバイトのハードディスクが1万円くらいになってるんじゃないかという気も激しくするのだが…、まぁその時はそのときで、全部ハードディスクに保存という方向で。
店を出たのが午後5時くらい。途中、早めの晩御飯を食べてみたりして時間を調節しつつ、再び最寄のスーパーへ。
みこりんが髪をカットしてもらってる間に、私は2階の本屋さんで偶然の出会いを求め、少々散策を試みる。…が、あまりめぼしいものは発見できず。
みこりんの髪は、夏らしく軽やかに変貌を遂げていた。とても涼しそうだ。
さらに今夜は、先々週に引き続き、義妹夫婦+義妹(末っ子)が到着。Licの血筋はみな方向感覚が並外れて良いらしく、何百キロも彼方から夜道でもちゃんとたどり着くところが素晴らしい。地図があっても迷ってしまう私には、とてもできない芸当だ。
みこりんはさぞや狂喜するだろうと思われたのだが、やや不発気味。ひょっとして明日の発表会のことで緊張していたのだろうか。エレクトーンを習い始めてかれこれ5年?(もしかして6年?)、発表会では常にマイペースを維持していたように見えるみこりんだが、大きくなるにつれ、より繊細になってきたのかもしれない。少なくとも私はものすごく緊張するタイプなので、みこりんがそうなったとしても不思議ではない。
とりあえず、明日のために、早寝早寝。
2006.6.5(Mon)
えすえふ
来月のエレクトーン発表会で、みこりんの演奏する曲が決まったらしい。LicがWebを漁って曲データを発見、さっそく再生してくれているのだが…。
超ウルトライントロクイズに出題されても即答できるほど、私にとっては耳なじみな旋律がスピーカーから流れ出てきていて驚く。うそ、みこりん、これやるの?
その曲の名は、『ツァラトゥストラはかく語りき』だ。みこりんが持ってる楽譜では『ツァラトゥストラはこう言った』になってたが、まぁとにかく、あれだ、映画『2001年宇宙の旅』に使われていたあの有名な曲である。
この曲なら私のPCの中にも入っていたな、と思い出し、再生してみる。学生時代(今から20年くらい昔)に、たまたま街のレコード屋で“映画音楽に使われてるクラシック集”というCDを見つけたので買っておいたやつだ。
がしかし、やはり液晶モニタ内蔵のスピーカーは、しょぼかった。低音と高音がすぱっと抜けて、中間のしおしおな音しか出てこない。なんというか、あの昔懐かしい終戦を告げる玉音放送みたいな雰囲気がぷんぷんしている。
みこりんも先生による模範演奏でメロディは覚えていたらしく、口真似してくれているのだが、以前に比べるとだいぶ音程がしっかりしてきた感じ。
この曲が映画『2001年宇宙の旅』でも使われた曲なんだよと教えてみたところ、みこりんが「それってどんな映画?」と聞くので「…、えすえふ、かな」と非常に大雑把な説明を試みてみた。案の定みこりんには謎の言葉だったようで、「えすえふって?」とさらに追及の手が伸びる。
「んー、……『スターウォーズ』みたいなやつ、かな」「…、ふーん」
一応、伝わったらしい。なんとなくものすごく間違った説明のような気がしないではないのだが、…いつか実物の映画を見せてみようか。開始5分で、みこりん寝そうな予感はするけど。
ちなみにみこりんは『ツァラトゥストラはかく語りき』よりも、映画『スターウォーズ』の曲の方が好きだそうである。そういうことならば、やはり買っておかねばなるまい。エピソードIIIのサントラを。
2006.3.18(Sat)
『どんぱん節』
みこりんがエレクトーンで日々(?)練習を重ねてきた『どんぱん節』の発表会が、午前中、行われる。『どんぱん節』は、やはりあの「どーんどーんぱーんぱーんどんぱーんぱん」の『どんぱん節』であった。しかし、エレクトーン用にかなりアレンジされているようで、みこりんのパートを聞いただけでも、なかなか格好良くさまになっている感じを受けた。アンサンブルを聴くのが楽しみだ。
天気は晴れ。風強し。花粉もたぶん飛びまくりで、目が痒い。
大ホールの前寄り、中央付近に席を確保し、三脚をセット。9年もののハンディカムは、今となってはサイズも大きく、解像度もしれたものだが、まだまだ現役で稼動中。たまにズームが調子悪くなったりもするが、幸い今日はそのような不具合も発生せず順調だ。
昨日みこりんから「とっておいてね」とお願いされている、お友達の演奏を忘れないようにカメラに収め。でも10人以上でアンサンブルしているため、どれが目的の子かわからない。どの子であっても大丈夫なように、光学ズームいっぱいで一人ずつ順番になめてゆく。
そしていよいよみこりん達の登場だ。やや少人数の6人構成。ファインダー越しでは、表情の細部までは読み取れないが、さほど緊張している様子はない、ような。このアンサンブル発表会も4回目くらいだし、ソロじゃない安心感もあったりして。
演奏開始。
ゆったりと始まった『どんぱん節』は、やがてノリノリの激しい曲調へと変化し、盛り上がってゆく。こ、これが『どんぱん節』かと、驚くような変貌ぶりである。エレクトーンが6台もあれば、様々な音色が出せる。目を閉じればステージ上にオーケストラがいそうな錯覚を覚えるほどに。
終了。専門コースだけあって、みんな上手。みこりんも週末とレッスンの日くらいにしか練習してないというのに、なんかさらっと弾いてた感じ。先生の教え方がうまいのだろう。
発表会の最後は、その先生達による演奏&合唱で〆。『Amazing grace』だった。つい、本田美奈子を思い出したりしつつ。心にしみいる歌だ。
ホールを出ると、空がなにやら重苦しい。
午後、柔らかな雨。
2005.12.18(Sun)
くるか“エンたま”
発表会のプログラムによれば、みこりんが登場するのは14人目らしい。年齢の低い順に並んでいるので、年々みこりんの出番が遅くなっている。過ぎ行く歳月をリアルに実感できる瞬間だ。
Licが最前列に席を確保してくれたので、ビデオ係としてはじつに撮り易く、それぞれの演奏に集中することができた。でもときどき意識がふっと消えているのは、昨夜の夜更かしのせいだろうか。みこりんの順番を逃さないように、気をつけなくちゃ…、と思いつつも、時折襲いくる猛烈な睡魔に抗うのは至難の業であった。
いよいよみこりんの出番が近づいてくると、幸いなことに睡魔はゆるやかに去っていった。舞台左にカメラを向け、ファインダーを覗く。待機しているみこりんの姿が見えた。やはり普通に見える。緊張した雰囲気はない。今回はあまり練習できてなかったような気がするので、やや心配なのだが。
前の子の演奏が終わり、みこりん登場。舞台中央で礼、舞台やや右よりのエレクトーン席に着席。私のほぼ目の前である。
メモリカードを挿し、スイッチを操作して準備完了っぽい。私はビデオカメラの液晶ビューを開き、片目で映り具合を確認しつつ、久しぶりにファインダー越しではなく目で直接、みこりんの演奏を観察することができた。最前列を確保できたのは幸運といえた。
みこりんはわりとさらさらと演奏しているように思えた。効果音として先生が創ってくれた砂漠の風のびょうびょうという音も、なかなかいい感じにはまっている。ふむふむ〜、ん?みこりんの動きがちょっと怪しかったが…。
惜しくもミスってしまったようだ。でもその後の立て直しはうまくいって、あまり目立たなかった、ように思える。
終了。あとでみこりんに聞いたところによれば、他にも何箇所か間違ったらしいのだが、私は気が付いてなかったようだ。みこりんは結構冷静らしい。
*
発表会後、昨日応募した“エンたま”の当選発表を見に行った。
“にこたま”は、外れ。8個ほどの入荷だったらしい。これは倍率高かったようだ。
“エンたま”の方は、40個ほど入荷があったようで、当選番号も賑やかだ。
まず1枚目、…惜しい、1つ前のが当選。2枚目、外れ。続いて3枚目、…おぉぉ、こいつも1つ違いで外れ。4枚目、5枚目外れ。いよいよラスト、6枚目、……当選!
「やったー」と万歳するみこりん。やはりみこりんは運がいいらしい。
こうして我が家に“エンたま”がやってきたのであった。帰宅後、さっそくPCで通信させて遊んでいるみこりん。“エンたま”がログイン番号を生成して、それをPCで入力することにより、分身が“エンたま”のサイトにコピーされるようだ。固有の識別番号を1つ1つの“エンたま”が持ってるということかな。
PC内でゲットしたアイテム類をどうやって持ち帰るかというと、ログアウト番号をPC側で生成するので、こんどはそいつを“エンたま”に入力してやればいいらしい。でも2回に1回くらいはログアウトに失敗するようだ。まだまだ不安定っぽい?でもみこりんはものすごく楽しそうだ。
これでサンタさんに持ってきてもらうプレゼントはDSに決定したので、かなり気が楽になったような。それにしても、もうちょい“エンたま”入手しやすくならないんだろうか。クリスマス前だというのに…。外れた子の親は、きりきりと胃の痛い日々を送ってるんじゃなかろうか。
2005.12.17(Sat)
エンたま抽選
明日は、みこりんのエレクトーン発表会の日。でも着ていく衣装がない。成長著しいみこりんゆえ、前回の発表会用に買った衣装はすでにサイズが合わなくなってしまっているのだ(季節も合わないし)。
というわけで、最寄のスーパーまでお出かけ。
入り口の自動ドアを抜けようとして、その張り紙に気がついた。曰く『たまごっち抽選受付 P.M.5:00まで』
そうだった。今日は“エンたま”の新デザイン発売の日。地元店でも抽選やってたのか。前回が早いもの勝ちだったらしいので、はなから諦めていたのだが、さっそくここでも申し込んでおこう。と、腕時計を確認してみれば…、P.M.5:10!
10分過ぎてる。
だがそのくらいで動じるLicではなかった。ちゃきちゃきとオモチャ売り場コーナーへと向かい、抽選用紙ゲット。しかも家族分+α。ほぼラストの抽選用紙だった。ぎりぎり間に合ったようだ。
それぞれの紙に家族と親戚の名前を書き記し、いよいよ抽選箱に投入である。“エンたま”用と“にこたま”用の2つの箱が設置されていたのだが、“エンたま”用の箱の方が、1.5倍くらい大きかった。ということは“エンたま”単体の入荷量の方が多いということか。ためしに中を覗いてみると、どちらも同じくらいの抽選券が入っていた。むむむ。
迷っていてもしょうがないので、ここはみこりんにすべてを任せることにする。
みこりんは、さして躊躇うことなく、それぞれ半分ずつを“エンたま”と“にこたま”の抽選箱に投入した。エンたまは、従来型のたまごっちとは結婚できないため、みこりんはあわよくば2個、と以前から狙っていたのだ。
当選発表は明日。みこりんの運命や如何に。
*
洋服コーナーにて。
今回の発表会は、それぞれが自作の曲を演奏することになっている。みこりんの曲は、愛・地球博のヨルダン館で見たというサンドアートにインスパイアされて出来た、砂漠の曲。しかもどことなく夜の砂漠のイメージがある。
となれば、やはり黒を基調とした衣装だろうか。Licと二人して各々イメージする服を探してみる。みこりんは、服のことより無料で配布されている飴の方が気になるらしく、ふらふらーとそのへんを彷徨っていた。
迷った末に、裾が蝙蝠の羽っぽく切れ込んでいる黒のワンピースに、同じく黒いブラウスを合わせたものに決定。みこりんも特に不満はなさそうだが、アクセントとして胸につけるシルバーのアクセサリーを所望した。飴のことしか考えていないと見せかけて、じつはちゃっかりしているみこりんであった。
2005.11.21(Mon)
曲の名は
今度のエレクトーン発表会で、みこりん達のグループが演奏する曲は、「どんぱん節」なのだという。…どんぱん節?どんぱん節というと、あれかな、「どーんどーんぱーんぱーんどんぱーんぱん」っていうやつ?とみこりんに聞いてみたが、歌詞は知らないということで、どんな曲なのかはよくわからないらしい。
でも、すでにパート分けも終わっていて、みこりんは第2パートをやると言っていた。鼻歌でちょっとだけ歌ってくれたメロディによれば、どうも「どーんどーんぱーんぱーん」とは違ってそうな気もするが…。
というか、エレクトーンで「どんぱん節」って、ありなんだろうか。私の知ってる「どんぱん節」なのだとしたら、かなり風変わりな演奏会になりそうな予感がするのだが…。いやいや、この業界ではそういうのも当たり前のようにアリなのかもしれない。実際、エレクトーンで弾いてみると、めちゃカッコイイ曲になるのかも。
それに私が「どんぱん節」だと思ってる曲が、じつはぜんぜん違う曲だという可能性もある。なにしろ先生がわざわざ選曲してくれたのだから、それなりのエレクトーン向きな曲にちがいない。いったいどんな「どんぱん節」を披露してくれるのか、今からとても楽しみである。
2005.11.6(Sun)
西へ
降りしきる雨の中、クルマを走らせていた。国道をひたすら西へ。
みこりんが通う音楽教室の担当の先生が、今日、結婚式を挙げるというので、向かっているのであった。招待されたというのではなく、どっちかというと“押し掛け”みたいな感じ、らしい。同じ教室の母子達が集うというのだが、私の役目は、Licとみこりんを結婚式場まで運ぶことなので詳細はよく知らない。
Licの的確なナビで、迷わず式場到着。駐車場にクルマを停めると、二人はさっそく雨の中へと消えていった。待ち合わせ時間まであと3分。ぎりぎりで間に合ったらしい。
クルマで待っている間、Licの携帯プレーヤーのトランスミッターをONにして、カーステレオに音楽を流す。シートを深く倒して、大きく伸びをしつつ、目を閉じた。ボディを叩く雨の音が、なにげなく心地よかった。
…コツコツという音で目を覚ます。いつのまにか眠っていたようだ。音のする方を見やると、Licとみこりんがいた。時計を見ると、あれから1時間くらい経過していただろうか。式の前に、ちょっと会ってお話するだけと言っていたが、やはり流れ的にそのまま結婚式にも参列してきたのだろう。ドアを開ける。
来た道を逆順にたどって、東へと。家に着くなり、猛烈な睡魔に襲われ、そのままリビングに倒れ伏す。その間、外はいよいよ雨風が激しくなり、時には雷も混じるようになっていたらしい。秋の嵐が荒れ狂った日曜日…
2005.9.4(Sun)
発表会
今年に入って何度目かの、みこりんのエレクトーン発表会の日。先月初旬までは、どうなることやらと冷や冷やさせられたものだが、2週間ほどでノーミスとなり、さらに残る日数をかけて全体の仕上げが終わった。みこりんはあまり積極的に練習をしないので、週2回あるレッスンが頼りなのだが、今回もなかなかいい具合に先生は整えてくれたようだ。
午後からの開演に間に合うように会場に向かい、いつものように生徒席、一般席に分かれて座る。ビデオカメラを三脚にセットして準備完了。しばし待つ。
やがて開演を告げるアナウンスがあり、プログラムに従って一番目の生徒から演奏が始まった。いつもの発表会であれば、まず本日の司会者から挨拶があったりするものだが、今回は司会者はなく、声の案内のみ。こういうのもシンプルで良い。
3番手としてみこりん登場。とりたてて緊張している風でもなく、なんだか慣れた感じにエレクトーンの前で構え。スイッチを操作して、自分の曲データをスタートさせる(エレクトーンの演奏では、ベースとなるリズムを再生しつつ、それに合わせて上下鍵盤やら足ペダルを駆使して演奏を行う)。
今回の曲目は『人生のメリーゴーランド』。いい感じに演奏は始まった。見ている私の方が緊張しているかもしれない。みこりんは淡々といつものように弾いていた。本当はもう少しノリノリに体を揺らした方がいいのだけれど、みこりんはぴしっと背筋を伸ばして弾いている。これも個性なのかな、とか思いつつ。
たぶんノーミスで演奏終了。うん、これまでの3人の中では一番上手だったな。上出来。
みこりんの出番が終われば、あとは気楽なものである。同じ教室の子の演奏をビデオに収め、同じ教室ではないけれど、ちょっと注目な子の演奏もビデオに収め。
ところで今回の演奏会では、ピアノによる発表が多かった。みこりんより大きい子は、そのほとんどがピアノだったような。しかもなぜか途中で詰まる子多し。夏休みとあって、遊びに夢中になっていたのかも。とはいえさすがに取りをつとめた子は、巧みな指さばきでうまかった(もちろんノーミス)。体全体で弾いているのがじつに自然っぽくてよい。さすがである。
あと5〜6年もすれば、みこりんもこんな感じに弾くようになるのかな、と妄想しつつ発表会終了。
2004.6.14(Mon)
というわけでJupiter
みこりんの発表会用楽曲“Jupiter”が、オリジナルの“木星”ではなく、平原綾香の歌った“Jupiter”の方だというわけで、LicがレンタルCD屋で借りてきたものを聞いてみる。ふむふむ、なるほど、たしかに楽譜の通りだ。みこりんも安心して、聞いている。
しかし改めて聞いてみるに、あの“木星”にこういった歌詞が着くというのも、なにやら新鮮な。というわけで、PCの方でデータ吸い上げ。ハードディスクにWAVE形式でそのまま保存。近頃はMP3に変換するのも面倒なので、容量に余裕があるのをいいことに、無圧縮で保存するようになった。無圧縮でも62MBしかないので、動画を保存するのに比べると、ぜんぜん余裕。5〜6年前には、62MBなんていうと、メインメモリの容量よりでかいわけで、それから考えたら、なんか、こう、もうどうでもいいや、みたいな。
2004.6.8(Tue)
Jupiter
火曜日は、みこりんのエレクトーン個人レッスンの日。というわけで、音楽教室までみこりんを送っていったあと、レッスンが終わるまでの30分間、私は駐車場にて待っているわけなのだが(個人レッスンに親は同席しない)、これがまた昨今の気温上昇のせいか、猛烈に暑い(もろに直射日光が当たるところしか駐車スペースがなかったのだ)。
もちろんエアコンを効かせれば快適な車内を維持できるが、30分間もアイドリング状態で駐車場に停めておくのは、はなはだ周囲の迷惑になるであろう。ここはじっとガマンである。シートを最奥まで移動し、窮屈な足元に余裕をもたせたうえで、持参してきた本を開く。以前、買ったきりでまったく読む時間のなかった『新宿鮫VIII 風化水脈』(大沢在昌 著)だ。
新宿付近の地図でも持参して読むのが正しい読み方なのかもしれないな、と思いつつ、ぎっしり詰まった活字を追う。額から眉毛にかけて、つつっと垂れてくる汗が、少々うっとうしい。
それにしても暑い。このままここにいては、脳が干上がるのではないかと、不安になるほどに、車内の気温はぐんぐんと上昇してゆく(ような気がする)。……、ふと気が付いて、ドアをちょっと開けてみた。「す、涼しい!」思わず声に出して言ってしまうほどに爽やかな風が、その隙間から車内を満たす。この駐車場は隣が畑になっていて、青々と茂った農作物がすぐ近くまで来ていた。そのおかげか、コンクリートに熱せられた外気を押しやってしまうほど涼しい風が流れていたのだ。
涼風のおかげで、なんとか30分間を耐えきることが出来た。でも、本を読むのが遅い私は、はじまりから27ページしか進んでいなかった。総ページ数484のこの本を読み切るには、いったい何回、みこりんをここに送ってこなくてはならないだろう…(いや、本はどこでも読めるんだが、ついそんなことを考えてしまう)。
さて、レッスンを終えて戻ってきたみこりんは、夏頃に予定されている発表会の曲が決まったことを報告してくれた。「じゅぴたー」だと、みこりんは言った。ほほぅ、ジュピターというと、あれかな、ホルスト作曲の『惑星』に入ってる“木星”か。たしか今年の春の発表会では、高校生のグループが弾いてたが、あんな長いのを、みこりんが弾けるのだろうか?と思いつつ、手渡された楽譜に目を落とす。
全部で5ページあった。作曲 G.Holst と書いてあるので、間違いなく『惑星』の“木星”なのだろう。エレクトーン用に編曲(というか抜粋?)されているらしい。これくらいならみこりんでも大丈夫なのかも。でも一度、本物を聞かせておいた方がいいかなーと思いつつ、家に到着。幸い、ホルストのCDは持っていた。私がまだ中学生の頃、『惑星』をFMラジオで初めて聞いたときの、不思議な感動は今でもよく覚えている。当時、クラシック音楽にはほとんど興味がなかったのだが、この『惑星』だけは、妙にSFチックで私の心を揺さぶったものだ。
CDをプレーヤーにセットし、“木星”のトラックを選択、再生。「これが、ほんものの“もくせい”だよ、みこりん」と言う私に、みこりんは「リズムがぜんぜんちがぅ!」と驚いていた。どうやら、今日、先生に模範演奏をしてもらったらしい。「そんなに違う?」いぶかしむ私。なんか妙な…
あとでLicが教えてくれたことには、木星は木星でも、“Jupiter”名で平原綾香が歌った方の“木星”なのだった。な、なるほど。
2004.5.22(Sat)
STAGEA ELS-01
この5月から、みこりんの音楽教室のグレードが上がった。通常なら2年かけて習う範囲を、1年でやってしまうクラスに入ったのだ。果たしてみこりんはついていけるだろうか。ちょっと不安もあるが、先生の推薦でそう決まったのだから、きっと大丈夫なのだろう。実際、最近のみこりんは複雑な伴奏付きの楽曲でも、わりとさらさらと弾けているようだ。
というわけで、我が家のエレクトーンも、グレードアップすることになった。これまで使っていたものを下取りに出しての特別価格。それでもかなり懐には痛いが、それだけ長く使えるので、よしとする。
朝、トラックで運び込まれてきたのは、STAGEA ELS-01(ヤマハ製)、シルバーの外観もスマートな本格派。この機種は、直接インターネットに接続できてしまうという特長も併せ持っており、このへん、私やLicの感性をかなり刺激したもよう。
さっそく試し弾きしているLic。鍵盤をぐっと押すことで、音色(音量?)が変化する機能が、特にお気に入りらしい。
続いてみこりん。スイッチを入れると、中央のカラーLCDにヤマハのロゴが現れ、トップメニューが表示される。何気なくそこにみこりんの指が触れた途端、次のページへジャンプする。そう、これはタッチパネルになっているのだ。みこりんもそれに気付いたか、いろいろと押してみて遊んでいる。インターネットに接続した時には、ここがブラウザになるようだ。なかなか面白い。みこりんも面白がっている。
みこりんの試し弾き。みこりん的には、5月から始まった足鍵盤の操作が楽しいらしい。まだ背が届かないので、椅子に座らず、立ったままぐぃっぐぃっとベース音を響かせていた。
4月まで教えてくれていた先生が、結婚のため教室を離れてしまうということもあり、みこりんがかなり動揺するのでは、と心配もしていたのだが、いざ新しい先生になってみると、けっこうすんなり馴染んでくれたようで、ほっとしているところだ。3歳の頃から同じ教室に通っているお友達も、一緒にグレードアップしたというのも大きく影響してそうだが、みこりんは「こうこうせいくらいになったら、せんせいにあいにいく」と意気込んでいるので、内心ではかなり残念がっているのかもしれない。まぁ、高校生といわず、メールでならいつでも先生とお話できるので、そのうちアドレスを教えてやってもいいかな、とか思っているのであった。
2004.1.24(Sat)
Amazonで注文
みこりんの通っている音楽教室では、小学生になったら2つのコースに分かれることになる。普通のクラスと、より専門性の高いクラスだ。はたしてみこりんをいずれに通わせるのがよいか、悩んでいる真っ最中。そのクラス分けの説明会に、Licとみこりんが出かけている間、私は本屋さん巡り。
『蹴りたい背中』があるかなと、ちょっと期待していったのだが、軒並み完売状態だった。さすがに話題性ある本である
仕方がないので、オンライン書店 Amazonで注文することにした。1500円から送料無料なので、ついでにLic用のコミック加えてしめて1600円。発送まで4〜6週間となっていたが、さて、いつ頃手に入るかな。
2004.1.14(Wed)
楽譜と音階
エレクトーンでみこりんが何かの曲を弾くとき、まだ楽譜を読むというよりは、耳で聞いた音階を再現しているような感じだ。楽譜を読みこなすのは、まだまだ難しいらしい。音楽教室でも、まず耳で聞いてからというのを重視しているようなので、今の段階ではこれでも十分なのだろう。やがてその音階が、楽譜の記号と対応付けられるようになってくれば、しめたものなのかも。
今年の発表会では、初めてエレクトーンの演奏に挑戦することになるみこりん。楽譜も配布されているのだが、みこりんはもっぱらディスクで提供された模範演奏を耳で聞きながらの練習に余念がない。とはいえ、まだまだ毎日練習するほどには情熱的じゃないので、ちょっと心配ではあるのだが。音楽は好きっぽいので、とりあえず静観である。
2004.1.13(Tue)
復活のウクレレ
みこりんが2歳の時の誕生プレゼントに買ってやったオモチャのウクレレは、買った当初こそいろいろ遊びに使われていたものの、最近ではすっかりその存在を忘れ去られていた。が、今夜はみこりん、急にウクレレに目覚めたらしい。みこりんの目の前で、弾き方を教えてやったのが、開眼の発端となったようだ。
普段エレクトーンで弾いている曲を、見よう見まねでウクレレでぼろんぼろんと弾き始めるみこりん。オモチャなので正確な音階になっていないところが、いかにもチープなのだが、一生懸命惹いているところが微笑ましい。こんなことなら、やはりあのとき本物のウクレレ買ってやっておけばよかったかな、なんて思ったりもし。
ひとしきり弾き終えたあと、みこりんは言った。「しょうがっこうにいくようになったら、ぎたーやばいおりんもならってみたい」
そ、そうきたか。ギターはともかく、バイオリンはちょっと難しそうだが、大丈夫かな。一度実物に触れさせてみたいものだが、さすがにバイオリンはほいほいと触れるもんじゃなし、難しいところだ。
2003.11.9(Sun)
高下駄
案の定、雨。雨降りの中、航空祭に出かけてもあまり面白くなかろうということで、家でくつろぐことにする。みこりんも、昨日までは航空祭に出かけるのを楽しみにしていたのだが、雨の現実を直視したようで、ほとんどぐずることもなく私の言葉に従ってくれた。
しばらくしてみこりんは、自分のすべきことを思いついたらしい。空き缶にスチロールトレイで作った足底をくっつけて、高下駄を作り始めたのである。
その様子をそっとのぞき見ていたのだが、厚紙製の鼻緒までついた、かなり本格的なもののよう。どうやらみこりんは、この高下駄を使ってエレクトーンの足鍵盤を操作しようとしているらしかった。ときおりエレクトーンの椅子に座っては、高さを調整し、なにごとか考え込んでいる。
足鍵盤を十分に操作するには、空き缶の高さがちょっと足りなかったようだ。かなり無理して椅子に浅く腰掛ければ、どうにか高下駄の先端が足鍵盤にぎりぎり届く、といった状況である。それでも、諦めることなく高下駄に改良を加えているみこりん。いったいどうするつもりなのだろうと、さらに様子を窺っていると…
今度は椅子に腰掛けることなく、高下駄を履いて歩いてみている。足鍵盤の操作という当初の目的よりも、もっと面白い遊びを見いだしたようだ。みこりんは、高下駄が“ぽっくり”の代わりになるということに気づいたのだった。“ぽっくり”と違うところは両手で持つ紐がないことくらいだったが、空き缶でかっぽりかっぽり歩くのが、わりと楽しいらしい。わざわざ私の目の前まで歩いてきて、出来映えを披露してくれたほどだ。
しかしながら、みこりんも赤ん坊の頃よりは随分と大きく重くなった。紙の鼻緒は、みこりんの体重を支えるには強度が十分ではなかったのだ。“ぶちっ”と切れる、紙の鼻緒。ばたっと倒れ伏すみこりん。テープで補強してなおも遊ぼうと試みるみこりんだったが、やがてそのテープも使い切ってしまい、途方に暮れる。そのテープは、きらきらの紙が表側についていて、みこりんがとても気に入っていた物だった。
しょぼーんとした表情が、あまりにも落胆を表していたので、新しいテープを買ってやることを約束した。徐々にみこりんの顔からくらーぃ色彩が晴れてくる。テープは、工作好きのみこりんにとってなくてはならない必須アイテム。このくらいの出費でみこりんの創作意欲が復活するなら安いモノだ。新しいテープでみこりんが何を作ってくれるのか、楽しみである。
2003.10.11(Sat)
マラソン・コンサート
明日の運動会に備えて、双方の実家から、ばぁばがそれぞれ我が家へとやってきた。みこりん、大はしゃぎである。
午後、地場産業のお祭りの一環で、みこりんの通う系列の音楽教室が主催するマラソンコンサートが行われるので、出かけた。今年は、みこりんもこれにエントリーしているのだ。みこりん初のソロである。
マラソンコンサートとは、その名の通り、生徒達が途切れることなく一人ずつ順番にエレクトーンを弾いていくという催しである。総勢150名近くがエントリーしており、みこりんは20番手付近で待機だ。待ち行列の中に、みこりんを送り出し、私はステージ脇でシャッターチャンスを逃さないように、待った。
ステージ上には3台のエレクトーンが並んでおり、常時3人が座り、そのうちの一人が演奏するという趣向になっていた。一人の演奏が終われば、新たな一人が追加されるという仕組みである。徐々に待ち行列中のみこりんの位置が、先頭に近づいてきた。そっとみこりんの表情を眺めてみたが、平然と構えているように見える。みこりんが緊張したときに見せる、あの妙なカタチの口にはなっていなかった。
いよいよみこりんが、一台のエレクトーンの前へとやってきた。やはり、みこりんの表情は穏やかなものである。なんだかとっても余裕ありそうな感じ。たしかにここ数週間というもの、みこりんは選んだ曲の練習に余念がなかった。最初はつまづいたり、妙な音階になったり、リズムが狂ったりもしていたが、昨夜聞いた段階では、すらすらと楽譜なしで弾きこなしていたように思える。
ついに、みこりんの名前が先生によってコールされた。緊張の一瞬である。ステージ脇の私と、みこりんの目があった。ところがみこりん、なかなか弾き始めない。どうしたみこりん。練習の成果を、思う存分発揮するがよい。……さらに2秒の空白。私は、みこりんに向かって大きく頷いてやった。
こちらからだとみこりんの指の動きは見えなかったが、音を聞く限り、練習の成果は存分に発揮されていたように思える。弾き終えたみこりんは、少し笑顔を見せてステージから降りていった。さすがに少しは緊張していたのかもしれない。
春頃には、まだまだ譜面通りに弾くことさへままならなかったというのに、わずか半年で目を見張る成長である。この時期の子供の吸収力というのは、恐るべきものがあるようだ。
2003.3.29(Sat)
音楽発表会
会場前で、みこりんをAE−1にて激写する。古の一眼レフ、手動ピント合せに手動ズーム、手動フィルム巻き上げ、手動シャッター速度合せ。自動の部分の方が圧倒的に少ないカメラで、みこりんを撮った。昨年はデジカメ、今年はアナログフィルム。こうしてさまざまな媒体でみこりんを記録すると、あとでどうやって整理するかが最大の課題となってしまうので、いずれフィルムスキャナを買わねばなるまいと思っている。
さて、会場内では真ん中左寄りに席を確保した。みこりんは、生徒席なので別々だ。バッグにAE−1を戻し、代りにビデオカメラを取り出した。ここからは動画で保存だ。
三脚を忘れたため、手持ち保持。呼吸をゆるくしても、周期的に画面が上下にゆるやかにぶれる。粗いファインダーのLCD越しに、みこりんの登場を待った。
1つ前の出演者が演奏を終了し、舞台の前で司会の人からインタビューを受けている時、闇にまぎれてみこりん達が舞台袖からちょろちょろと登場してきた。幼児科の演目はダンスである。まだ楽器を用いた演奏は行わない。
やがて配置完了したらしい。片膝を付いて、仮面ライダーの変身ポーズのように左手を斜め上に伸ばして待機している。その様子を倍率を上げて確認した。みこりんの表情は、暗がりでいまひとつはっきりしないが、あまり緊張してはいないように思えた。行きのクルマの中ではちょっと緊張したっぽい仕種が見られたが、今はそんなことよりも振り付けを思い出すことに気が向いているのかもしれなかった。
照明が生き返り、みこりん達の姿が浮かび上がった。舞台に並んでいるのはおよそ20人ほどのお子様達である。イントロと同時に、それぞれ覚えてきた振り付けを再生し始めた。でも、ファインダーで捉えているのはみこりんとその両隣の友達だけだ。あとの子供達は別の教室に属しているので、録ってもあまり意味がない。
家ではほとんど練習してなかったような気がするのに、それほど間違えたりはしていないようだった。みこりんの最大の弱点だったテンポがちょっとずれるというのも、今回はそれほど目立ってはいない。
そろそろフィニッシュ。決めポーズ一歩手前でミスったのが目立ったけれど、順調な仕上がり具合だったといえるだろう。いつのまに振り付けを覚えたのやら。やはり記憶力はいいのかもしれない(ちなみに昨年の発表会の様子はこんな感じだった)。
ところで演目が進むにつれて、会場内にざわざわとした私語の波が膨れ上がりつつあった。発生源は、生徒席方面だ。自分の番が終わると、緊張感から解き放たれるのだろう。席を立ったり、後ろを向いたり、かなりの無法地帯ぶり。幼児から小学校低学年までの子供が圧倒的に多いので、無理からぬことかもしれないが、昨年は途中で講師が注意したりして収めていたように思う。今年はなぜかそういう気配が見られない。いったいどうしてしまったのか。
最後のミュージカルの時だけは、子供達はそれぞれの親元へと戻って行ったようで、ざわめきは消えた。みこりんも私の膝の上に乗っかっているが、ストーリーが幼児にはちょっと難解だったようで、すっかり飽きて伸びていた(台詞も小さくて聞き辛かったし…)。
それでもどうにか膝の上で一時間を耐え、記念品を手にしたみこりんは、どことなく晴れ晴れとした表情をしていたように思う。みこりんなりに達成感はあったのだろう。明後日は終園式。みこりんの年中組さんも、ほどなく終る。
帰宅してみると、花桃が2つ3つ開花しているのを発見した。我が家の庭にも、本格的に春がやって来たようである。
2002.12.13(Fri)
初クリスマス・コンサート
Licが前売り券を買った当時は、まだ席は余りまくっていたという地元のクリスマス・コンサートに出かけた。もしやほぼ貸し切り状態なのではという不安は、会場を目前にするまであったのだが、満杯の駐車場を見て妙に安心したりして。おかげでクルマを止めるのに手間取り、開始時間まであとわずかとなってしまった。みこりんの手を引き、早足でホールに急ぐ。
人で埋まったホール内に、空席は残りわずか。指定席にしておいて正解だった。みこりんを真ん中にして着席、ステージにほど近い場所で、目線も高からず低からずちょうどよい。ピアノが中央にででんと置かれているのを見つけたみこりんが、さっそく興味を引かれているようす。“コンサート”と“ピアノ”が結びつき、昨年度、自らも出場した音楽教室の発表会を思い出したようである。
待つことしばし、やがて楽団の面々が入場してきた。手に手に様々な楽器を持っているところも、みこりんの好奇心を刺激しているようだ。
演奏が始まった。オーケストラの生演奏は、みこりんにとって初めての経験である。しかし、曲目がみこりんの知らないクラシック系なもので始まったのが災いしたのか、徐々に飽き始めてきたらしい。じつは私も途中の記憶が1分ほど途切れた箇所はあったのだけれど、これは秘密だ。
それにしてもピアノ奏者の手の動きは、よくもまぁこんがらがって絡まないものだと感心してしまうほどに、なめらかに動いていた。みこりんには少し高度過ぎただろうか。思ったほどにはピアノに注目していないようだ。
みこりんの反応も気になるところだが、私にはもっと気になることができていた。それはステージ左側奥に3人ほど並んだおじさん達である。彼等も楽器を担当しているのだが、バイオリンやフルートなどと違って、固有の楽器をやってるわけではないらしい。大太鼓だったり、シンバルだったり、トライアングルだったり(これはみこりんも興味を示してくれた)、タンバリンだったり(これもみこりんは興味を示してくれた)、鉄琴だったり、木琴だったり、名前もわからないような打楽器だったり、様々だ。なんでも屋さんなんだろうか。
ようやくクリスマスっぽい楽曲が演奏され始めた時、私は彼等の技に驚嘆することになる。トウモロコシのように鈴がびっしりと取り付けられた楽器を使っていたのだが、両手で捧げ持ち、全身をバネと化してリズミカルに振るっているのだ。激しく、激しく、時にはソフトに…。やや頭部が薄くなりつつあるおじさんが、必死に鈴を振るう姿には、そこはかとなく哀愁漂うものがあったが、疲れをみじんも感じさせないその演奏に、私は感動していた。おそらく想像以上に激しい運動量のはず。人知れず、黙々とトレーニングに励んでいるに違いあるまい。
みこりんもこの曲だけは知っていたらしく、ちょっとだけ目の輝きが違って見えた。すべての演奏が終わって、会場を出てから気づいたのだが、なんと2時間も経っていたらしい。みこりんの集中力を持続させるには、ちょっと長過ぎたか。
こうしてみこりんの初コンサート体験は終了した。はたしてどんな感想を持ってくれたのか気になるところだが、この日、詳しい話をみこりんの口からは、結局、聞くことはできなかったのであった。ちょっと心配。もうコンサートはこりごりとか言い出さなければよいのだが。
2002.11.26(Tue)
みこりんのサンタさん
みこりんがサンタさんにお願いしていたのは“色ペンセット”だったはずなのだが、いつのまにかエレクトーンが代りに我が家に到着した。みこりんによれば、エレクトーンは重いので、サンタさんが事前に組立てて送ってくれたのだという。そのように電話して依頼したのだそうな。そういえば日曜日、みこりん用のケータイ(模造品)で、サンタさんに電話していたような気もする。
一ヶ月早いクリスマスプレゼントで、みこりんはさっそく大好きな曲を弾いて感触を確かめている。部屋の片隅にはクリスマスツリー。ツリーを飾っていないとサンタさんはやってこないというので、急遽セッティングされたものだ。
こうしてみこりんのサンタさんはやってきた。“色ペンセット”は、別のサンタさんが用意してくれることになっているらしい。みこりんのサンタさんは数多い。じつにうらやましい限りである。
2002.9.20(Fri)
音感
これまでみこりんは、楽譜か、音階を文字で示したものがなければピアノ(我が家にあるのはキーボードだが)を弾いてはくれなかったのだが、今夜は何かが違っていた。「これであってる?」と言いつつみこりんが奏でているのは、たしか“ねずみーらんど”に関係した音楽だったような…。なかなか題名を思い出せない私に、みこりんが「みっきーさん」とヒントをくれた。そうそう、それそれ“ミッキーマウスマーチ”だ。
もちろん楽譜も何もない状態で、みこりんは弾いている。弾いているとはいっても、1音1音確かめるように、慎重な指使いだ。耳で聞いて覚えた曲を、ピアノで再現しようとしているらしい。これまでのみこりんには見られなかった行動である。
でも、最初の2小節付近でどうしても先に進めないようで、何度も同じところを繰り返していた。今度は私がヒントを与える番だ。続きを弾いてやると、みこりんは音階を紙に書いて欲しいと言う。いずれ五線譜で書いてやらねばと思いつつ、今回も文字による伝達である。それを見ながら、みこりんは続きを弾き始めた。
と、そこへLic登場。「今のミッキーマウスマーチ?」と言いつつ、歌の本をぱらぱらとめくっている。そうか、その本には楽譜が載っていたな。どれどれ…、と覗き込んでみる。む、なんか音程が違っているような。みこりんが再現した音階と、楽譜とでは、4音ほど楽譜の方が低い。しかし全然違和感がなかった。私の記憶もかなりいい加減らしい。
みこりんが絶対音感を会得するのは、いつの日か。
2002.3.10(Sun)
初舞台
おそらく三千人は軽く収容できると思われる、田舎にしてはできすぎの多目的ホールが、みこりんの初舞台であった。秋から始めた音楽教室の、合同発表会が今日この場所で行われるのである。
この日みこりんは白のブラウスに黒のスカート、レース模様の入った白い靴下に黒のローファーと、思いっきり決めていた。でかいホールというプレッシャーも、さほど感じられない。それどころかこの雰囲気を楽しんでいるような気さえする。じつは意外に肝が太いのかもしれん。
最前列の生徒席にLicと並んで座るみこりんの様子を、ず〜っと離れた遥か上の方の席に陣取った私は、ビデオカメラのズームを最大にして見つめるのだった。
みこりん達のクラスは、まだ特定の楽器をやるわけではないので、音楽会というよりは“お遊戯”の発表といった感じになる。しかも保護者同伴だ。3歳児クラスなので、まぁ致し方あるまい(みこりんは4歳だけど)。
やがてみこりん達の順番が巡ってきた。ファインダーと裸眼と、半々くらいの割合でみこりんを観る。時々手拍子のタイミングが3テンポくらい外れていたが、そんなことでへこたれるみこりんではなかった。元気があってよし。Licも含めて舞台に上がっているお母さん達が、みな自分の子供の方に視線を集中させて踊っているのが、なにやら微笑ましい。
演技を終えたみこりんは、生徒席から私のいる場所まで移動してきていた。ハイテンションが持続しているのか、なかなか落ち着いて座っている事のできないみこりん。そんなみこりんが、はたと瞳を奪われたのは、受け持ちの先生によるエレクトーンのソロ演奏のときだった。
ねずみーランド……もとい、ディズニーランドのとあるパレードの曲を弾いてくれていたのだが、これぞエレクトーンの真骨頂とばかりにのりのりに音符を重ね、多彩な音色でじつに軽やかに楽しげに、腕が、脚が、頭が、両肩がうねる。きゅっと引き結ばれた口元に、なんだか小悪魔的な微笑を感じた。や、やるなぁ先生(当たり前か、先生なんだから)。
すっかりみこりんは先生の虜であった。先生の演奏がいかに素晴らしかったかを、知っている単語をほぼすべて駆使して私に教えてくれるのである。たしかにその興奮は私にもよく伝わってきた。私も先生の演奏にすっかりやられてしまったらしい。はるか昔、中学生の頃、それまでピアノを弾くそぶりも見せなかった女の子が、いきなり伴奏で登場して流れるような演奏を披露してくれた時の記憶がオーバーラップする。
最後にミュージカルクラスの演技。女神様の「よろしい。たいへんよろしい」という台詞の言い回しが、妙にツボにはまる。中性的な雰囲気がよかったらしい。遠距離からではあまりわからなかったが、演技を終えてエントランスで仲間達と戯れていた彼女達の舞台化粧はすさまじく気合の入ったものだった。まさに晴れ舞台だったんだろうなぁと、何故か懐かしい気分に浸りつつ、会場を去る私であった。
2001.3.31(Sat)
かんごくさんする
夜、薄いピンク色のカーディガンを羽織ったみこりんが、「かんごくさんする」と訴えている。“かんごくさん”というのが“看護婦さん”というのはすぐに分かったのだが、“看護婦さん”を“する”とはこれ如何に?しばらく悩んだところで、ようやく意味が判明した。名札をカーディガンに付けてくれと、こういうことらしい。昼間、音楽教室の体験コースでもらってきた“名札”を使いたくてしょうがないようである。
その“名札”には首から下げる紐がついていたのだが、それは外してくれとの要望だったので、そのようにしてやったところ、すっかりみこりんは“看護婦さん”になりきって“手当”を始めてくれた。でも腕の怪我に絆創膏を貼り終えると、看護婦さんごっこは唐突に終了し、今度は先ほど外した紐を輪っかにしてくれと言う。“あやとり”したくなったらしい。最近みこりんは“あやとり”にハマっているのだ(保育園で教えてもらったとのこと)。しかしながらこれは私の守備範囲外のため、いまいち盛りに欠けてしまう。小さい頃、“ほうき”とか“橋”とかを作ったような記憶はあるものの、すっかりやり方を忘れているのだった。
みこりんは“かがみ”がお気に入りのようで、何度も作っては見せてくれる。あやとりの教則本(っていうのがあるのかどうかさえ知らないのだが)を手に入れねばならないようだ。