2006.4.1(Sat)
今日の園芸
絶好の庭仕事日和。午前中、ホームセンターまで資材の買出し。
そして午後、ついでに買ってきたラベンダーの苗をバスケットに植え替え。先週に引き続き、みこりんとそのお友達が庭で遊んでいたのだが、興味津々で覗きにやってくる。じっと苗を見ていたお友達、「それって、この花とおんなじやつ?」と聞いてきた。
彼女が指差しているのは、庭の南西よりにどかっと植えてあるラベンダーだ。品種名は…、んー、たしか“なんたらサファイアブルー”だったか。今バスケットに植え込んでいるやつは、“ドームブルー”。ラベルによれば花色はちょっと違うっぽいが、まぁ似たようなものだ。
両手でかかえられないほどに育っているでっかい株と、片手にのっかる小さな苗とを比較して、「おなじ?」と思ったのはなかなか鋭い。
もう1品。赤いスイートピーの苗を、南に面した『完璧な防壁』寄りに植え込んで、と。今日は菜園1号&2号の復活にとりかかる。
買ってきた石灰の袋の口を、ハサミでじょきじょき〜。してくれたのは、みこりんのお友達。開封した石灰の袋を抱えて、ばさばさと土の上に振りかけていると、「どうしてそれをまくの?」と、さらに質問が。みこりんが以前教えてくれたことによれば、このお友達は植物などが好きらしい。でも自分ちの庭に、花壇があんまりないらしく、うちのように雑草やら花やら木やらが雑然と植わっているのが気に入ってるんだとか。たしかにそれは本当のようだ。
石灰をふりかけたあとは、クワでひたすら耕す。なかなか手ごたえがあった。もっとふかふかの土だったような気もするが、ここのところあんまりかまってなかったからなぁ…。
地中に張り巡らされたドクダミの根っこを、掘り起こしては捨て、掘り起こしては捨て、しつつ、徐々に耕し面積を増やしてゆく。久しぶりにクワを握ったせいか、異様に腕が重い。耕しフォームが悪いらしいと気付くまで、数分を要した。
クワを大きく振りかぶって、さくっと。あぁ、これなら疲れない。でも高々と頭上に振り上げたクワの先端から、ぱらぱらと土の粒が髪の毛に降ってくる。…あとで、シャワーだな。
そうやって耕している間中、みこりんとそのお友達は、菜園のそばに植えてあるプラムの木によじ登って、こちらを観察していた。プラムの開花は始まったばかり。来週には満開だろう。
そのうち二人は歌を歌い始めた。何かの替え歌らしいのだが、元歌を知らないので「1番と3番が替え歌!」と教えられても、そのすごさがいまひとつ掴めず。
さらに、今度は「こぎつねこんこん」を振り付きで見せてくれた。たしかこれは“卒業生を送る会”とかで披露すべく、学校で練習していたやつではなかったかな。やっぱりこういうのは女の子が絵になるねぇ、などと思いつつ。
耕し終了。減った土の分を、新たに買ってきた培養土で埋める。庭の片隅で、朽ち果てつつある古めかしい袋も、今日で一掃だ。袋の中に微妙に残った土とか、堆肥やら、肥料やら…。ざかざかと撒き。
10年ほどその存在を忘れていたバットグアノ(蝙蝠の糞で作られた肥料)の袋、発見。これも一緒に撒いて。セントポーリア用に買った肥料なので、袋はちっちゃい。でも微粒子だからいい感じに広がってくれる。この岩みたいに固まった鶏糞とはえらい違いだ。
さくさくさくっと土に混ぜて、今日の作業終了。
明日は、…なんと雨らしい。んー、残念。
2006.4.2(Sun)
雨音
天気予報どおり、雨。せっかく咲いた桜の花が、すべて散ってしまうのではないかと思われるほどの、激しい雨だ。
リビングにて、餅のようにとろけてくつろいでいると、何やら妙な音がしているのに気が付いた。普通の雨音とは違う、微妙に硬質な反射音だった。例えばトタン屋根に雨粒が落ちたら、そんなふうになるんじゃないかと思われるような。
音が聞こえてくる方向には、それに類するようなものは何もなかったはずだが…。不思議がっていると、Licに「見てきたらいいやん」と指摘されてしまった。たしかにそうだ。百聞は一見にしかず。
というわけで、サンルームに出て、東側を覗いてみると…。
な、なんじゃぁこりゃぁ!
どばどばと、まるで滝のように荒々しく、屋根の一点から雨水が落下していた。まさにバケツをひっくり返したみたいな感じ。ちょうどその真下にワーディアンケースを置いてあるため、ガラスに跳ね返った水音が、トタン屋根の反射音のように聞こえていたらしい。
しかしまた妙なところから水が落ちてるな、と思ったら、雨どいのパイプが外れているようだ。本来なら雨どいに溜まった雨水は、垂直に立てられたパイプを伝って、おごそかに排水溝へと導かれるものだが、パイプが外れてしまっているため、溜まった雨水が垂直落下しているのだった。
そういえば、ここのパイプはだいぶ前にも一度外れていたことがあって、直したような記憶がある。おそらく昨年の台風の時に、また外れてしまったのだろう。
原因は分かったが、これを今、直すのはちょっと…。びしょぬれになりそうな悪寒が、リアルに全身を冷たくさせる。
来週晴れることを期待しつつ、リビングに戻ったのであった。
2006.4.3(Mon)
定時勤務
ぱちっと目を開けたら、朝だった。目覚ましが起動するまで、あと3分もある。
今日からフレックス制じゃなくなるので、8時までに会社に行かねばならない。一気に時代を遡って15年前に戻った感じだ。
その是非はともかく、ただでさえ重厚長大でソフトウェア系のエンジニアが不足しているというのに、これではますます若くて優秀な人は入ってこないんじゃ?数年前までの就職氷河期ならば無理も通ったかもしれないけれど、今春の様子を見ている限り、まるで我々の世代、バブル期の再来みたいな感じだし。フレックス制の有無というのは、わりと重要な選択肢なんじゃないかな…
なんとなく先行き不安な今日この頃。
2006.4.4(Tue)
門番さん
会社の駐車場から、仕事場のある建物まで、徒歩約12分。正門が駐車場から離れた位置にあるため、わざわざぐるっと遠回りして通うことになっている。
しかし、仕事場のある建物は、駐車場からは直線距離にして300mほどしかない(目視可能)ので、「(駐車場をぐるっと取り囲んでいる)このフェンスをぶち抜いてくれれば、すごく近くなるのに…」と常々思っていたのだが、同様の意見はけっこうあったらしい。なんとこの春から、駐車場に新しい通用門が設置されたのである。
通用門を作るだけなら、たいしたことではない(と思う)のだけれど、工場では秘密兵器を作っていたりするので、社外との境界には、必ず門番さんが必要なのだった。その手当てがなかなかつかなかったのだと思われる。
しかしここが開いたおかげで、めちゃくちゃ近くなった。徒歩約4分くらい。1/3の短縮だ。これで雨の日でも足元がずぶぬれにならなくてすみそう。
なんて思っていたら、罠があった。門番さんが常駐ではなかったのである。つまり、門番さんが居ない時間帯には閉まっているのだ。
朝は、フレックスがなくなったせいでみんな8時出勤のため、門番さんは必ずいる。問題は帰りだった。
定時以降、門番さんがいるのは、午後5時〜7時まで。つまり、2時間残業して午後7時に帰る時には、すでに門番さんは去り、門は閉まっているのだ。あと15分、いやせめて午後7時10分までいてくれたら、とても快適な帰り道になるのに。
やはりこれは、「午後7時まで残業やってないで、とっとと帰りやがれ」という会社側の言外の圧力なのか。…んー、でもどっちかというと、そこまで考えてなかった、に1票、かな。
2006.4.5(Wed)
咳は夜、やってくる
みこりんの咳は止まらず。月曜日、病院で診てもらった結果、扁桃腺も腫れているとのこと。季節の変わり目は、大人でも結構きつい場合がある。今年のような、気温差がやたら激しい時には、なおさらだ。
明日から学校が始まるので、とりあえず風呂に入ってさっぱりとし。みこりんの体が冷めないうちに、とっとと寝る。
いつもより少し早めに布団に入ったためか、しばらくみこりんはもぞもぞとしていた。そういえば昨日「夜にめがさめて、おひるにねむくなる」なんてことを言ってたような。いつもは寝付きの良いみこりんなのだが、体調を崩して気分も不安定になっているのかもしれない。…というより、新年度を新しいクラスで迎えるので、緊張してるのかも?たぶん担任の先生も代わってしまうだろうし。
布団に入ってそろそろ20分経過。ようやくみこりんも夢の中へ。規則正しい寝息が聞こえてくる。
そぉっと布団からの脱出を計る私だったが、突然、みこりんの激しい咳で凍りついた。
咳込みはなかなか止まらなかった。不安になった私がみこりんの背中をさすり始めると、みこりんはむくっと起き上がり、何かに耐えているような感じ。
やがて咳は止まった。なんとなく、風邪の咳というより、アレルギー系な咳っぽい予感もするが…。大丈夫だろうか。
横になるみこりん。ほどなくして、すぅすぅと寝息が。さきほどの激しい咳込みが幻であったかのように。
さらに5分待ち、みこりんに新たな変化が起きそうにないことを確認して、改めて布団からの脱出を試みる。
と突然、げほげほげほと、立て続けに咳込むみこりん。今度もなかなか止まらない。起き上がったみこりんは、立ち上がり、部屋を抜け、階下へと。
洗面台で水を飲んだみこりんは、そのままリビングに向かう。
横になるから咳込むのでは?ということで、Licがリビングにて斜めに傾斜した寝床を作り上げた。布団の下に、クッションやら座布団やらを巧妙に詰めてあるようだ。
Lic特製の寝床に入り、目を閉じるみこりん。
うん、今度は大丈夫そうだ。でも傾斜しているので、なんだか体がずり落ちてきそう…
しばらく平穏な時間が流れ、安心していると、いつのまにか傾斜をずり落ち、平らな部分で寝ていたみこりんが、またしても激しい咳込み。うぁ、しまった。
元の位置に戻して、と。ふむふむ、やはりこの傾斜が重要っぽいな。
しかし斜めになったままでは、熟睡できないのではないかという心配もあり。咳によく効く薬、というか飲み物といえば…、思い出すものが1つある。大根と椎茸を“何か”に漬けて抽出した液体。私が子供の頃、同じように激しい咳で苦しんでいた時、その液体を飲んでラクになったような。んー、何に漬けてたんだろうか。肝心な部分を覚えていない。調べてみなくては。
2006.4.6(Thr)
西側の花壇の様子
まるで白く輝いているかのようだった満開のコブシの花は、先端から徐々に茶色く変わり、そろそろ花の季節も終焉を迎えつつある。
それと入れ替わるように、コブシの足元に群生するラッパ水仙は、いつのまにやら全開で咲き誇っていた。花数も例年になく多い。凛としたその姿に、しばし見とれる。
コブシの隣にモミジ、さらにその隣で育っている花桃の蕾は、まだやや固い。開花にはもう少しかかりそう。で、花桃の下に植えてあるはずの、青い花を咲かせるチオノドクサが、どうしたことか今年はその存在が確認できない。球根ごと消滅してしまったかのよう。…謎だ。その少し脇に植えたピンクの花を咲かせるチオノドクサの方は、無事のようだ。でも年々、花が小さくなってきているような気もする。こちらも青花のように、いずれは消滅したりして?
花桃とモミジの中間で咲いているのが、ピンク水仙“スプリング・プライド”。やはり何年待ってもピンクというより、サーモンピンクに近い色だ。だからどっちかというと、オレンジ色っぽい。買ったときには3つだったのだが、植えっぱなしの間にわずかに増殖したようで、今は4つの花を咲かせていた。
その隣でにょきにょきと黄緑色の芽を伸ばし始めているのは、シラン(紫蘭)の群れ。おそるべき増殖力で、年々そのテリトリーを拡大しつつある。そろそろ株を整理しないと、土の中はものすごいことになってるんじゃないかと思われる。それにしても、なんだか芽の先のほうが妙な感じだなと思ったら、薄く変色しているようだ。特定の株というよりは、すべてのシランの芽がそうなっていた。……、雪、の影響か。3月末に積もった季節はずれの雪。あれでやられたにちがいない。
1年単位で繰り返される、植物の生。まるで螺旋のように。
2006.4.7(Fri)
駐車場にて
金曜日ということもあり、定時で退社。この時間なら駐車場の通用門も開いているので、らくらくだ。通路脇に立ち並んでいる満開の桜の木々が、春爛漫のエネルギーをこれでもかといわんばかりに放射している。血沸き肉踊る季節の到来。
ところが、私の体内では異変が生じ始めていた。腹の奥に突然、異質な物体が入り込んできたかのような気持ちの悪さ。全身が熱く、茹るような熱気に、頭がぼぅっとし始める。やっとの思いでクルマにたどり着き、倒れこむようにシートに座った時には、頭の中にセミが住み着いたかのような、ひどい耳鳴りが始まっていた。
熱い、熱すぎる…。エンジンキーを回し、エアコンを全開に。でもエンジンの振動には耐えられず、アクセサリーモードへ。…これでは熱風しか来ないのだが、もはや冷静な思考能力は失われていた模様。
目を閉じ、耳鳴りの“音”の意味をひたすら考える。何かに意識を集中していなければ、腹の中に生じた気持ちの悪い物体が、いまにも喉を這い上がってきそうだったから。
…そういえば、胃薬がポケットに入っていたはず、ということをようやく思い出したのは、ずいぶん時間が経ってからのことだった。熱気ですっかりぬるくなった缶ジュースで、緑色の粉を飲みくだし、変化を探る。
胃の中が急速洗浄されてゆくような爽快感。ん、いけるかも。
やがて耳鳴りは去り、気分も落ち着いてきた感じ。
ふぅ、助かった。しかし、なんだったのだろう。目の奥に、じんじんと痛みが残っている。眼精疲労のひどいやつ、かな?
とりあえず、帰ろう。そう思い、エンジン始動…
ぎゅる。と、力なく1回転して止まるセルモータ。あ、あれ?
もう一度、始動。やはりだめだった。もしやバッテリーがやられたか。つけっぱなしだったエアコンを切り、ついでにCDの電源もオフに。5分くらい待ってみて、再度、始動。……、だめだ。復活しない。
今度は10分くらい待って、始動。さっきよりも少し回転が速くなったような気もしたが、1回転以上することなくモータは止まった。
バッテリーがあがってしまったことは間違いない。救援車が必要だった。
Licに電話してみると、電話に出られないとのメッセージが。
さてどうしよう。JAFを呼ぶしかないのだろうか。と思っていたら、Licから電話があった。みこりんを連れて病院にいるのだという。あぁそういえば、今日は病院の日だったなぁ。と思い出しつつ、用件を伝える。
あたりが夕闇に包まれた頃、Lic登場。トランクを開け、ブースターケーブルを引っ張り出す。マニュアルに書いてあった手順通りに、2台のクルマをケーブルで接続し、まずLicのクルマのエンジン始動。回転を上げてもらいつつ、私のクルマのエンジンを、かける。ぎゅ、ぎゅるるるる、と、重そうに回り始めたセルモータ。
かかった。エンジン始動。
はぁ、助かった、ようやく帰れる。
金曜日の夜は、こうして始まったのであった。
2006.4.8(Sat)
町に黄砂の雨が降る
花見の季節到来。地元の桜も満開になったことだし、来週には散ってしまいそうだったので、今日、最寄の公園まで花見に出かけることにした。
ところが…。ガレージからクルマを出したとたん、フロンガラスにぽつぽつと水滴が。しかもなんだか茶色っぽい、というか、黄土色というか、妙な具合になっている。
空は、これまでに見たことがないような不気味な灰色をしていた。一面に霧がかかったような、ぼんやりとした空間がどこまでも続いている。
黄砂、か。天気予報でそんなことを言っていたのを思い出す。
細かな砂を含んだ雨粒が、フロントガラスを叩き、視界を覆い隠してゆく。記憶にある限り、こんな色の雨が降ったのを見たのは初めてだった。
最近の中国といえば、汚染物質のことがすぐに頭に思い浮かぶ。何かとても悪い物質がこの砂にも含まれていそうで、気色悪い(我が家では、いくら安くても中国産の食べ物は買わないようにしている)。
天候は悪化しつつあり、みこりんも花見よりは公園にある博物館の方に興味がある様子だったので、予定変更。博物館は来週にでも道を確認してから行くとして、今日はお買い物コースにしよう。
みこりんの服のサイズは、そろそろ130cmが必要になってきていた。ということで、不足していたみこりん用の服を、買い、買い、買い、ひたすら買い。
この冬、ずぅっとしゃりしゃりズボンで過ごしてきたみこりんには、新しいスカートが必要だ。この淡いブルーのとか、そこのちょっと濃いブルーのとか。青はみこりんの好きな色なので、みこりんのOKもすぐに出る。
これで1週間は日替わりの服で過ごせるだろう。
ひさしぶりに、たんまりと買った。ちょうど春のセール中とかで、レシートの額に応じて、くじびきが出来るらしい。Licとみこりんが挑戦。
どどんと、当たり。そもそも空クジなし(末等でもポテチが3袋)らしい。なんて太っ腹な。
コーヒーのペットボトル6本、洗剤3箱、ポテチ6袋。春から景気のよいことである。
2006.4.9(Sun)
黄砂の降った跡
昨夜の雨が幻であったかのような、晴天の日曜日。でも、サンルームを見上げてみれば、黄砂を含んだ雨のせいで、案の定、透明パネルが視界不良になっていた。この分だと、屋根に取り付けてある太陽光発電装置にも、少なからず影響が出ていることだろう。光を遮る砂粒は、ソーラーパネルにとっては害虫のようなものだ。早いうちに、大雨が降ってくれることを希望しつつ…
庭で満開のプラム、五分咲きの枝垂れ染井吉野、同じく五分咲きの花桃を、順にデジカメで激写しておく。チューリップは、やっと蕾が覗き始めた頃合。来週くらいには咲きそうである。
今日は午後からLicが美容院に篭る日なので、早めにクルマをディーラーに持っていくことにした(例のバッテリーを点検してもらうために)。みこりんはお友達と遊んでる間ならば、留守番できると言っていたが、物騒な昨今、油断はできない。
ディーラーのピットは混んでいた。まぁこういうこともあろうかと、本を持参してきているので、問題ない。待ち時間の間、『栄光への飛翔―若き女船長カイの挑戦』(著 エリザベス・ムーン)を読みふける。
これが出版された当初は、洋モノSFの女船長というイメージが、なんとなくバタ臭いような気がして避けていたのだが…、どうやら食わず嫌いだったようだ。勢いで続巻『復讐への航路―若き女船長カイの挑戦』まで買ってしまっていたが、この分なら続きも大丈夫ではなかろうか。訳もうまいのかもしれないが、くどさがなく、さらりと入り込んでくる文体は、かなり心地よい。
さて、クルマは点検の結果、やはりバッテリー交換となった。ついでにオイル交換もしてもらい、エンジンをかけると心なしか軽やかな吹き上がりに感じた。
バッテリーもびんびんになったことだし、帰るか。と思ったが、途中でエイデンに寄り道。特売ワゴンを物色し、SDカードチェンジャー(車載可)なるものにちょっと惹かれる。SDカードを5枚まで装着できるMP3プレーヤーだ。う、結構いいかも。でも我慢我慢。
LCDコーナーにて、1280×1024解像度のが3万円とかになってるのを見て、ぐぐっと惹かれる。思わずLicにメールで知らせてみたりして。返ってきた返事は、「寄り道してないで、早くおうちに帰りましょう(意訳)」とのことで、ダッシュで店を後にしたのであった。いつのまにかLicの美容院タイムになっていたのだ。そうだった、今この時間、みこりんはお友達と遊んでいるとはいえ、子供だけなのだ。早く帰らねば。
みこりんは無事だった。ほっと安心。
天気がいいので洗車しようかと思ったが、明日の天気予報が雨になっていたことを思い出し、止め。庭に積んである剪定屑を、ひたすらゴミ袋に詰める作業を行うことにする。
コニファーの、でっかい枝とか、ローズマリーのうねうねした枝とか。コニファーの枝は、ふさふさと茂った葉っぱをじょきじょきと切り落とし、裸になった枝を小さく刻み。ローズマリーの枝も、うねうねと曲がりくねっているので、かなり小さく刻まねばならず。
そのうち、だんだん右手の親指の付け根に、痛みがはしるようになっていた。豆ができたっぽい。それだけではなく、なんだか頭の奥にズキズキと頭痛の種が生まれつつあるような…。4月だからと安心して、帽子を被らなかったのがまずかったかも。今日の陽射しは、かなりきつい。
ゴミ袋を軒下にまとめ、家の中に退避。頭痛薬を飲む。これでしのげたと思ったが甘かった。夜遅く、FFXIで激戦を制し(45分制限バトル、残り時間12秒で辛くも勝利)、パーティメンと高揚感に浸っていた頃、再び激しい頭痛に襲われたのであった。しかも、なんだか体中が熱く熱をもったような感じ。そして脳天がしびれるほどの耳鳴り。太陽に当たりすぎたか。んー、ちょっとこれはまずいかも、しれない。明日は6時半起き……、絶対無理。
2006.4.10(Mon)
月曜の朝
名前を呼ばれたような気がして、目を開けてみると、みこりんの顔が見えた。
…ん、朝か。しばし、ぼーっと。
やがて、はっとして枕元の目覚し時計を確認する。「午前8時6分前」だった。
リビングに入ると、Licが猛ダッシュでみこりんのお弁当を作っていた。みこりんは8時15分までに学校へ届ければ大丈夫だが、フレックスのなくなった私は、すでにアウトである。とりあえず午前中を休暇にする旨、上司に連絡。慌しく起きたので気付かなかったが、なにやら体が重い。昨夜の激しい頭痛と耳鳴りを思い出す。あれのせいで、なかなか眠れなかった。たしか、午前4時くらいまでの記憶はある。
で、午後も結局、休暇にした。じつに久しぶりの有給休暇。5ヶ月ぶりくらい。
しっかり休養して、明日はしゃきっと行きたいものである。
2006.4.11(Tue)
消えたスズメ
仕事を終え、ぽてぽてと駐車場までの道のりを歩く。昨日から降り続く雨によって、今が盛りの桜の花も、はらはらと打たれ散り、通路一面、ほんのり桜色に染まって見える。花びらは二重三重に積み重なっているので、踏みしめると、かすかに反発力を感じるほどだ。綺麗だけれど、あとの掃除が大変そう。
しかしこれだけ降れば、黄砂の名残もすべて洗い流されたことだろう。
北海道旭川市で昨年末から今月にかけ大量のスズメが死んでいるのが見つかり、北海道は10日までに調査を始めた。把握しているだけで約300羽に上るといい、死骸(しがい)を酪農学園大(江別市)に送り原因を調べている。同大学の浅川満彦助教授(寄生虫学)は「スズメの大量死は日本では聞いたことがない」としている。
共同通信 2006年04月10日の記事より
不気味な現象が起きている。あとになって、これが予兆だったんだな、と思うような事態にならなければよいが…。
鳥の大量死といえば、私が小学校高学年くらいのときに、地元の山でヒヨドリがばたばたと死んでいるのが見つかったという事件がある。なぜ、ヒヨドリは死んだのか。調査の結果、体内から釣り針が見つかったらしい。やがて犯人が捕まった。ミカン農家の人だったという。ヒヨドリにミカンを食い荒らされるのに腹を立て、ミカンの中に大量の釣り針を仕込んだのだそうだ(だから山で落ちてるミカンを拾っても食べちゃダメですよ、という話になっていた)。
今回のスズメ大量死が、人為的なものなのか、何らかの自然現象の結果なのかは、まだわからない。死んだのが本当にスズメだけなのか、というあたりがとても気になるところだが、なんだか嫌な予感が…
2006.4.12(Wed)
きゅっとなってる花
小学校も3年生になると、新しい授業科目が登場する。理科、社会、習字など。
はるか昔、私が小学校に入った当時は、いきなり国語算数理科社会図工体育というラインナップだったような気もするが、最近はいろいろと変わったのだろう。
明日は理科の日らしい。みこりんが庭の花壇からスイセンもしくは、「あおくて、こんな感じにさいてるの」を持っていくのだと言っている。「こんな感じ」とは、どんな感じかというと、人差し指と中指を2本、きゅっと上に反らしたような感じだ。「それってスミレ?」と聞いてみたが、違うらしい。青くて、きゅっとなってる花?なんだろう。
悩んでいると、みこりんが言った。「ウッドデッキ出たところにさいてるやつ!」
やっとわかった。ヒヤシンスだ。我が家のヒヤシンスは、濃い青の花が咲く。数年前に6球買ってきたものが、地植えにして殖えるがままにしておいたところ、30球くらいに増殖して今に至る。
植物の絵を描くために、持っていくそうだが、結局、みこりんはスイセンではなく、ヒヤシンスを持っていくことに決めたようだ。より複雑な形状をした方を選ぶとは、みこりんやる気満々だ。
青い花つながりで、ムスカリのことも話題に上ったのだが、何度教えても「かいむ…?」「…きくら?」と、ムスカリという名前を覚えられないみこりん。人の名前などはすぐに覚えてしまうみこりんだったが、ムスカリという語呂がいまいちなんだろうか。たしかになかなか言いにくい名前だけれど。ちなみに私はいまだにチオノドクサを言い間違えたりもする。慣れの問題というよりは、言葉の好み?みたいなものかもしれない。
2006.4.13(Thr)
スズムシ飼育ハウス
さて今月の『3年の科学 5月号』には、教材として“スズムシ飼育ハウス”が付いてきていた。さっそく飼育ケースを組み立てにかかるみこりん。透明な板を、折って、テープで留めて、箱の形にすると完成だ。天井部分が蓋になっているのだが、妙に隙間があり、いまひとつ密閉性に欠けるような?
スズムシの大きさならば、この隙間からわらわらと脱走してしまいそう。みこりんもその点が気になるらしく、何度も蓋を開け閉めしていたが、どうにもならず。ツルツルな素材で出来ているので、スズムシではよじ登れないようになってるんだろうか。
ま、脱走されたら他のプラケに移動させることにして、と。
次に土を投入。小粒の赤玉土みたいなのが、ケースの底から2cmくらいの厚さで敷き詰められる程度に入っていた。みこりんの手で、表面を軽くならし。
続いて、いよいよスズムシの登場だ。“スズムシ飼育ハウス”と言うくらいだから、ちゃんとスズムシも付いているのだ。数にして30〜40くらいはいそうな感じ。大量である。これが一斉に鳴き始めたら、睡眠不足は確実だ。ただし、今はまだ、卵だけれど。
少量の土と一緒にスズムシの卵が袋詰になっており、それを先ほど敷き詰めた土の表面に、ぱらぱらとばら撒けばOK。アリの卵を、ぎゅぎゅっと細くしたような具合の卵達。こんなものからスズムシは生まれてくるのだなぁと、ちょっと感動。
付属のスポイトで、慎重に土の表面を湿らせてゆくみこりん。この水分が加わることで、卵は目覚めるらしい。なんだか植物の種みたいな感じ。
置き場所は…、『あたたかく、直射日光の当たらないところ』というわけで、リビングに置かれることになった。ここならば、ちょっとした変化にもすぐに気がつくだろう。
みこりんはスズムシの一生が気になるのか、「秋になったらどうなるの?」と聞いてきた。
「秋になったらね、死ぬんだよ」
「!?」みこりんショックを受けているもよう。
でも、それならスズムシがいなくなるのでは?と、みこりんは思ったらしい。そう、その通り。そうならないように、ちゃんと秋になったら卵を産むから大丈夫。
これを聞いたみこりんは、すかさず「たまごっちといっしょなんやね」と納得していた。たしかにたまごっちも、世代交代を繰り返す。似たようなものではある。
もう1つ、みこりんが不思議に思っていること。それは、なぜ虫は脱皮して大きくなるのか?なかなか難問だ。「外骨格を持っているから、かな?」「がいこっかくって何?」「んー、虫には骨がなくってねぇ…」というような話をしていると、この「骨(人間みたいな内骨格)がない」というところに妙に反応するみこりん。
「ようちゅうにも、ほねがないの?」と、ちっこい指をくねくねさせて不思議がっている。いわゆる芋虫は、骨がないのにどうやってあんな風に動けるのか?と思ったらしい。
世界は謎に満ちている。知りたいことがいっぱいだ。
2006.4.14(Fri)
『瞳で殺せたら』
みこりんも寝静まった金曜日の夜は、明日の憂いなく思う存分夜更かしができる貴重な時間。といっても、激しく何かに没頭するというよりは、まったりと過ごすことの多い今日この頃。例えば、FFXIにログインして街角にたたずみ、行き交う人の群れを観察し、聞こえてくる会話にさりげなく耳を傾け、といった具合に。
ところが今夜は、いきなりFFXIへの接続が切れ、ログイン不能になってしまった。でも普通にネットサーフィンはできるので、FFXIのサーバ側に何らかのトラブルが起きているのかもしれない。
待っていれば、そのうち回復するだろう。その間に、オンライン書店bk1の新刊情報メールで見つけた、気になる1冊をチェック。『霊感少女・再来』(著 はざま もり)。
bk1の書籍情報のページで見た表紙絵に、なにやら激しく惹かれるものがあり、中の作画がどうなっているのか興味を持った。Lic情報によれば、いわゆる普通の少女漫画系なタッチらしいのだが。この表紙絵とLicの知ってる昔の作品とでは、かなり絵の印象が違うっぽい。
試しに同作者の既刊本をチェックしてみたところ、何冊かが電子書籍として販売されているのを見つけた。こちらの表紙絵の雰囲気は、最新刊のものとかなり似ているようだ。試し読みできれば私の知りたいことはすぐに解決するのに…。残念ながらデータは公開されていなかった。
オンライン古書店で在庫をチェック。……1冊もなし。
Amazonでチェック。新品はあまり在庫なし。在庫のあるものだと1冊630円ほどの値段。
さきほどの電子書籍版は、1冊315円でダウンロードできる(おそらく電子書籍版は、通常版を前後2巻に分けてあるのだろう)。データのコピーは可能。ただし印刷はできない。それと、データを読むことができるのは、1台のPCだけになるという制限がついていた。でもPCの変更は可能らしいので、将来的な不安はなさそうだ。
315円か。中の作画と作品内容が、不幸にも私の趣味に合わなかった場合のことを考えると…、まぁ許容範囲内な額、かな。これがもし500円を越えていたとしたら、今回の出会いはなかったことにするところだが…。
電子書籍として売り出されている8作品の中から、表紙絵で『瞳で殺せたら(1)』に決定。よし、買い。
専用のリーダーで開いてみる。標準のサイズでは台詞の文字がつぶれて判読不可能だったので、最大化させてみた。私の使ってるLCDの解像度1024×768で、ぎりぎり読めるが、それでもまだ文字がつぶれている個所がある。もう少し解像度を上げた環境ならば、快適に読めそうだ。
一読してみての感想。絵は私の趣味に合う感じ。特に女性キャラが、なかなか美しくてよい。心霊モノの怖さ度数は、あまり高くはないけれど、グロくなく、作品としてまとまっているので、それなりに安心して読める。このクオリティならば、最新刊買ってもよさそうだ。今回のチャレンジは正解だった。でも開けるまでどんな画風なのかわからないっていうのは、ちょっと…。ぜひ試し読み可にして欲しいものだ。その方が読者層広がりそうな気がするけど。
2006.4.15(Sat)
膨らむ卵
みこりん待望の、おやつの時間到来。今日は先日届いた『3年の科学』掲載の、卵を使った食べ物を自作してみるのだという。工作好きなみこりんらしい。
用意するものは、入れ物(レンジでチンに耐えられるもの)、卵1個、砂糖大さじ1杯、かき混ぜる用の箸。以上。
けっこう膨らむらしいので、ちょっと大きめの丼を入れ物に選び、その中に、みこりんが慎重に卵を1個、割って入れた。そしてそいつを箸で、がーっと混ぜて。
適当なところで、砂糖大さじ1杯を投入。さらに混ぜ。
よーく混ざったところで、レンジに入れる。これはまだみこりんの手が届かないので、私が代わりにやった。1分間、レンジでチン。
膨らむところを見ようと、みこりんが背伸びして見入っているが、丼が大きすぎて、中の様子は私の目線でも見えなかった。残念。
レンジが調理終了を告げ、扉オープン。さて、どんなふうになっているかな?
中の様子を覗き込むみこりん。そして私。
「おぉぉぉぉ!」
なんか出来てる。茶碗蒸を濃い黄色にしたみたいな?何か平べったいキノコの一種みたいな感じに、のっぺりと丼内部に広がっていた。ところどころ白い模様があるのは、卵の白身の部分だろう。混ぜ加減が少し足りなかったようだ。
でもまぁ、いちおう成功かな。いそいそとスプーンですくい、さっそく味見をしているみこりん。
「おいしい!」そう言って、私にも一口味見をさせてくれた。
食感は…、なんだろう、プリンみたい。味は…、甘い。甘く作った卵焼きそのものといった感じ。
みこりん的にはOKみたいだけど、卵と砂糖のみというのがなんとなく私の嗜好に合わないというか、…お菓子なんだけど、どこかおかず風なところが、ちょっと苦手かも。
このくらいの膨らみ具合なら、マグカップで作っても大丈夫だったかな。本の写真では、ぶわっとかなり大きく膨らんでるので、みこりんはそれを期待してたようだ。「明日はカップで作ってみたい」と、みこりんは言った。
やってみたまえ。みこりんの挑戦は続く。
2006.4.16(Sun)
『21世紀こども百科 しごと館』
庭の花桃が満開に。みこりんが「さくらー!」と駆け寄り、花びらを1枚ぷちっと摘んで、唇に当て、ぶぃぃぃーっと鳴らしている。「それ桜じゃなくて、桃だからね」と指摘しつつ、二人でクルマに乗り込んだ。はらはらと散った桃の花びらが、フロントガラスを鮮やかに彩っている。
発進。加速するにつれ、一枚、また一枚と花びらは剥がれ落ち、団地を抜けた時には、一枚も残ってはいなかった。昨日の雨とは打って変わって、ものすごい晴れ。太陽がまぶしい。
『ファインディング・ニモ』を読み終えたので、次なるみこりんの就寝前に読む本を買いに、地元の本屋さんまでお出かけ。途中、ホームセンターに寄り、にゃんちくんの猫砂等を購入。ガーデンコーナーにて、夏野菜の苗がわんさかと売られているのを見つけ、ついふらふらーっと吸い寄せられ…。気が付いたときには、4つの苗を買っていた。香川県産のナス、デルモンテのトマト、京都のキュウリ、普通の伏見甘長。種まきが失敗した時の保険用だ。少なくともこの4種があれば、夏の食卓も華やかになろう。
本屋さんにて、各自自由行動。みこりんは絵本コーナーへと消えてゆき、私は新刊コーナーを仔細にチェック。一番目立つ場所に、『F.S.S. XII』が山と積まれていた。久しぶりの新刊だからなぁ。私ももちろん買う予定だが、ここでじゃない。
ぐるっと棚をめぐっていると、ちょっと気になる表紙を発見。『乙女ウイルス (1)』(著 鈴菌 カリオ)。立ち読み防止のためビニールを被せられているので、どんな雰囲気(話)なのかぜんぜんわからないが…、あとでWebで調べてみよう(試し読みはコチラ)。
小説の新刊コーナーではめぼしい物はなし。みこりんがこもっているはずの絵本コーナーに向かう。
みこりんは買うものが決まったらしい。手に握られていたのは、『チキン・リトル』だった。最近みこりんはディズニー作品(それも比較的最近のやつ)がお好みのようだ。それとあわせて、図鑑。NEOの新刊『人間いのちの歴史』と、同じく小学館の21世紀こども百科『しごと館』の2冊を比べてどっちにするか決めると言っていたが、残念ながらNEOの新刊は売られていなかった。そこで、『しごと館』の方に決めたのだが…、値段を見てちょっとびっくり。3990円!。
みこりんが困ったような表情をしていたのは、このためか。予定では2000円くらいのはずだったから。
ちょっと高いが…、将来の夢を考え始めたみこりんには、この図鑑はちょうどいい。買おう。
家に着くなり、みこりんはさっそく図鑑を開いて熱心に読み始めた。私が菜園1号に買ってきた苗を植え込んで、リビングに戻った時にも、まだまだ読み続けていた。ものすごい集中力だ。
やがて、ぱたんと本を閉じ、みこりんは顔を上げた。読破したようだ。結構分厚い図鑑だったが、もしやみこりんにはLic得意の速読の術が受け継がれているのかもしれない。
何の職業が気に入ったのか、聞いてみたいような気もしたが、あとで本人からこっそり教えてもらうまで我慢我慢。
予想では…、音楽教室の先生もしくは宇宙飛行士、なのだが、謎多きみこりんなので、度肝を抜かれるようなのを考えているかもしれず。楽しんで待つとしよう。
2006.4.17(Mon)
カカオ99%
カカオ99%と、86%のチョコ2種を、Licが買ってきていた。ポリフェノールの含有率が高いとかで、カカオが話題になっていたのはかすかに覚えているが、応用商品を買ってきたのはこれが初めてのような。
パッケージに印刷してある『非常に苦いチョコレートです』というのが、なかなか興味をそそる。
99%のチョコは一枚の板チョコのように見えたので、まずは小分けになってる86%の方を、試してみることにした。
開封。外観は普通のチョコのように見えるが…、やや色が濃いような気もする。
じっくりその姿を堪能したあと、おもむろに口中へと導き、噛む。
…なるほど、たしかにカカオ86%だ。とても濃い〜感じ。食べられないほど苦くはないが、普通のチョコみたいに甘くもないな。もっと粉っぽいかと思っていたが、飲み物なしでもぜんぜん平気。
たくさん食べたいとは思わないが、一日一個くらいなら続けられそうな。しかし86%でこの濃厚さだとすると、99%ではどうなってしまうのか。早く試してみたい気持ちもあるが、いったん開封してしまうと、最後まで食べきらないといけないようなパッケージになってるのが、ちょっと気にかかる。
Licとみこりんと私で3分割して、チャレンジしてみようか。でもたぶん、みこりんは一口目でギブアップしそうな予感。それにしても、残り1%って、何が混ざってるんだろう…。そっちの方が気にかかる。
2006.4.18(Tue)
将来の夢
「ここ何かできとる」と、みこりんが足の裏を見せにやってきた。ほうほうふむふむ。…むむむ、親指近くの足裏に、なにやら皮がめくれているような部分を発見。こ、これはぁ…、もしかすると「豆?かな」
「まめ?」
「そう、豆」たぶん、きっと。
今日みこりんは、学校で遠足に行ってきたのだ。いつもより多く歩いたので、豆ができてしまったのだろう。
「ふーん」と言ったきり、みこりんは己の足裏にできたあやしげなモノに、集中していた。そろっと触ってみたりなんかして。
風呂に入るときも、みこりんは慎重だった。まずいったん豆のできた足を、湯で満たした洗面器につけてみて、どのくらいしみるかチェックしていた。
どうやら大丈夫っぽい。
二人して、湯船に肩までつかり。
ふと、みこりんが言った。「まめって、どうやったらできるの?」
んー…、「同じところを何度もこすってるとなるかな」
「てつぼうするとき、手にできるみたいな?」
「そうそう、それそれ」
足裏にできたものが、鉄棒のときに手にできるものと同じというのがわかって、みこりんは安心したらしい。以後、豆に言及することはなかった。
替わりに、みこりんが持ち出してきた話のネタは、将来の夢について、だった。日曜日に買ってきて、あっというまに読破した小学館の21世紀こども百科『しごと館』の成果が、早くも出始めたようである。
みこりんは「おいしゃさんとか、けいさつのひととか、しょうぼうしさんとか、きゅうきゅうのひととか、れすきゅーのひととか、みんなの役に立つ人になりたい」と言った。まぁ数多の職業は少なからず誰かの役に立っているものだが、みこりんの思い描いている職業は、より多くの人の役に立つ公共性の高いもの、といった位置付けにあるようだ。
その中でもみこりんのお気に入りは、お医者さんらしい。大きな病院でたくさんの人を治すのとか、逆に人のあまりいないような場所(たぶん僻地とか過疎地のこと)で、家を病院にしてみたいとか、いろいろ考えているようだ。
それにしても、みこりんが他人との関わりを重視してるらしいというのは、やや意外だった。結構、人見知りするタイプだったと思うが、単に恥ずかしがりやさんなだけなのかも。
2006.4.19(Wed)
菜の花にくっついているもの
この春から毎月第三水曜日は、定時の日となった。ゆえに、定時で帰宅。
クルマをガレージに入れる時、隣の空き地に赤い服の女の子が一瞬見えた。みこりんではない。たぶん、週末よく遊びに来ているお友達だろう。
ということは、みこりんもどこかにいるかな?と思いつつ、玄関前まで来たとき、中からがちゃりとドアが開いた。
みこりんだ。
「あそびに行って来る」、と、赤い服の女の子がいた隣の空き地に駆けてくみこりん。
空き地には、なぜか菜の花が群生している部分があり、みこりん達はその菜の花に埋もれるようにして、何かを探しているようだ。
何を探しているのかといえば、そう、あれだ。春になると、ひらひら舞い始める白い蝶。モンシロチョウの卵を探しているのだった。
理科の観察に使うというので、先週の日曜日、みこりんと二人で、隣の空き地の菜の花をさぐってみたところ、1つだけ見つけることはできていたのだが、どうやら思ったよりも難問だったらしく、クラスでも卵を持ってくることができたのは3人程だったとか。それで今、追加の卵を探しているということらしい。
まだ3日しか経ってないのに、新しい卵見つかるのかな?と、思っていると…
みこりんが元気よく戻ってきた。両手で大事そうに持って帰ってきたのは、菜の花の葉っぱ。10枚ほどあるだろうか。も、もしかしてそれ、全部卵ついてる?
なにやら勝ち誇ったようなみこりんの表情に、ついつられて葉っぱをじっくり見てみると、「おぉぉぉ!」小さな黄色い卵が、ぽつぽつと、そこここにくっついているではないか。たしかにそれはモンシロチョウの卵にちがいあるまい。
日曜日にはこんなになかったのに…。ここ2日ほどの間で一気に増えたらしい。気温もちょっと高めだったしなぁ。
さっそく卵を数え始めるみこりん。いち、にぃ、さん、しぃ、ごぉ、ろく…
全部で13個あった。これだけあったら、観察には十分だろう。というか、全部育ったら餌の葉っぱ探しが大変なことに…。まぁ、クラスみんなでキャベツの葉っぱ1枚ずつ持ち寄ったら大丈夫か。
国語よりも算数が好きなみこりん。そしてこの理科への入れ込みよう。もしかすると、みこりんは貴重な理系女子に育ったりするのかも?しれない。
2006.4.20(Thr)
国粋主義なのはどっちだ
あれはそう、私がまだ大学の2回生か3回生の頃。つまり今から19年くらい昔の話。
韓国はソウルで、オリンピックが開催された。
その日、私は、暇つぶしに下宿の隣人である友人の1人と共に、ソウルから送られてくるオリンピック中継をTVで見ていたのだが…。
ボクシングの試合で、その事態は起きた。決勝戦で韓国の選手が判定の末、破れたのだ。
特に判定に不正があったわけではない。いい試合だった。しかし、これに激怒した当の選手はもちろん、オリンピック会場を運営する韓国人スタッフまでもが一斉に、持ち場を放棄してしまったのだ。会場の照明は落とされ、閑散とするリング。実況中のアナウンサーが、途方にくれたように間をもたせようと苦労していたが、そのありえない光景に、私も、そして友人も、唖然としたものだ。
選手本人が激昂するのは、まぁ理解できる。当事者だし。だが、運営スタッフまでもが同調するというのは、あまりに異常。オリンピックの運営を行う側が、特定の国(この場合、自国)に配慮し、運営を停止するなどというのはあってはならないことだろう。世界中にその様子がありのまま伝えられているというのに、だ。
あれからずいぶん年月は過ぎたが、韓国のこうした国民性は、少しも変わってないように思える。
そんな韓国だから、国際法に反してでも己の主張を通さんがため、日本の調査船を拿捕する、なんてことはありえるかもしれない。ま、この国とはいくとこまでいかなきゃダメかもしれないなぁ。とはいえ、政権維持のために“反日”で大衆の憂さ晴らしを計ろうとするような人物がトップにいる間は、中国同様、何を言っても無駄かもしれんが。
2006.4.21(Fri)
『アトルガンの秘宝』
昨日からサービスが開始されたFFXIの拡張データディスク『アトルガンの秘宝』。うちにもようやく今日、Amazonからディスクが到着した。Amazonは発送が遅いと聞いていたが、1日遅れで済んだのは普通なのか、早いのか、遅いのか…?まぁ、なんにしても週末に間に合ってよかった。
さっそく私とLicのPCにインストール開始。DVDドライブが私のPCにしか付いていないため、いったんハードディスクにすべてコピーしておいてからインストールを実行した。DVD1枚構成だからなのか、特に不都合なく、あっけないほど簡単に終了。DVDを使っているとはいっても、中のデータは実質900MBほどしか入ってないようなので、こんなものか。
インストールが終われば、次はオンラインアップデートの実行。膨大な数のファイルが1つ1つチェックされるため、こちらの方が時間を食ってしまったような。
しかしアップデートが終了しても、まだ新サービスは使えない。最後の関門、レジストコードの登録作業が待っている。これを突破しなければ、インストールしたディスクが不正コピーされたものではないという証明がなされないので、もっとも重要なステップといえる。
ところがこいつが曲者だった。今回、北米、欧州、日本と、一斉にサービスが開始されたため、膨大な数のアクセスが登録サーバに集中し、通信エラーが続出。FFXIのオンラインコミュニティでは、「つながらない」という声が多数寄せられていた。
というわけで、あまり期待はせずに、レジストコードの登録、実行。
通信中………、はいエラー。
リトライ。通信中………、エラー。
リトライ。通信中………、エラー。リトライ……。以後この繰り返し。
やはりダメか。この作業だけのために貴重な金曜の夜を費やしてしまうのは、あまりにアレなので、登録作業は延期とする。
明日にはこの状況も少しは改善されているかも、しれない。
2006.4.22(Sat)
新天地へ
目が覚めると、みこりんに揺り起こされている真っ最中だった。休日の朝に強いのは、みこりんの仕様だが、今朝は少々状況が違った。
「起きないと、会社おくれるよ」と、みこりんは言っている。その言葉に一瞬どきっとしたが、すぐに今日が土曜日であることを思い出す。仕事は休みだ。でも、みこりんは授業参観のため、今日は登校日になっていた。
「今日土曜日、仕事お休みだよー」と、みこりんに言うと、「あ…、そうか」ようやく今日が土曜日だということを思い出してくれた。
でもまぁせっかくなので、起床。
お弁当持って、元気よく「いってきまーす」と玄関の向こう側にみこりんが消えると、ひととき静けさがリビングを包み込む。というわけで、PC起動。Licと私のPCが目覚めると、ファンの回転する無表情な音が、部屋に満ちてゆくのがわかる。ただのノイズだが、すでに生活の一部と化しているようないないような。
さっそくLicがFFXI『アトルガンの秘宝』レジストコードの登録作業に、とりかかっている。画面には“ただいま登録サーバが大変混雑しております”云々といったメッセージが表示されていた。まだダメなのか。なんて思っていたら、「あ!」登録画面に切り替わった。そのままさくさくっとIDとパスワードを入力し、さらに画面が切り替わる。続いてレジストコードの入力…、完了。Licがついに最後の関門を突破したのだ。
噂では、IPアドレスでアクセス制限をかけているなんてことも囁かれており(外国からのアクセスを優先、日本後回しとか)、私もさっそく登録画面を呼び出した。その説が正しいなら、うちの回線は現在登録可に設定されているはず。
さくっと一発、とはいかなかったが、20数回の試行の末、ついに私もレジストコードの登録に成功した。朝の7時台ということもあり、たまたま空いていただけかもしれないが、とにかくこれで、新天地への道が開かれたわけだ。今回の新ディスクでは、新たな大陸(というか地域)が追加されており、未知なるものへの好奇心は否が応でも刺激される。
ネット上では早々と解析情報が出回り、クエストに必要なアイテムは高騰していた。素材から自力で合成した方が安上がりなので、Licと分担してしばし合成タイム。ついでに通常の倍にまで価格の上昇した薬品類も、一気に合成。未知なる冒険には必須の薬品だ。倉庫にしまっておいた素材を惜しみなく投入して、がんがん合成。自分の分を残して、あとは全部競売にかけておく。
港へと移動し、船を待つ。うらぶれた田舎の港町が、ものすごい人数で埋め尽くされていた。みんな冒険に飢えていたのだと思われる。
やがて海面を滑るように接近してくる1隻の船。外観は既存の船と同じか。乗り込み。そして出航。ぎゅうぎゅう詰めの船室。うおぉぉ、汗臭い。というわけで、甲板に移動。
遠くに見える島々が、慣れ親しんだ景色とは微妙に違うことに気付く。すでにここは新エリアなのだ。
入港。耳新しいBGM。異質な街並み。新天地、アトルガンに、今、降り立つ。
*
夕方、方向音痴な私でも、クエストのため街中を駆け回っているうちに、だんだん街の構造が把握できるようになっていた。広すぎず、狭すぎず、なかなかいい案配だ。
そして必要にして十分な設備(1つの街に全ギルドが揃っているのは、ここだけ)。遠隔地へのテレポサービス。地域独自貨幣の導入(戦績と交換、もしくはクエストで入手)。少人数で行える急襲作戦、ソロでも可能なわかりやすいミッションetc...、と、これまでのFFXIが何だったのかと思わせるような新機能の数々。今回の新ディスクは、もしかすると期待できるかも、しれない(ある程度高レベルに育ったジョブを1つは持ってることが必須っぽいが)。
2006.4.23(Sun)
民族主義の暗黒面
日本における朝日新聞の立ち位置は、今更繰り返すまでもなく、周知のことと思う。その朝日新聞の社説にして、このように書かざるを得ない状況というのは、よほどのことだと韓国人は思い知るべきだ。
今回の騒ぎで遺憾なことがあった。
「侵略戦争で確保した占領地について権利を主張する人たちがいる」。盧武鉉大統領は、そんな表現を使って日本を非難している。
領有権を主張しているのは事実だが、これでは国家指導者が先頭に立って民族感情をあおっているようではないか。問題の解決には何の役にも立たない。
人や経済、文化の交流がこんなに広がっている隣国同士なのに、「拿捕」とか「侵略」とかいう過激な言葉が飛び交うのはなんとも情けない。
そもそも領有権の主張は簡単に折り合えるはずもない。容易に決着しないからこそ、緊張を避ける現実的な知恵が必要だろう。
それぞれの立場は立場として、領有権はとりあえず棚上げし、今回のような科学調査が無用な緊張を生まずにすむルールを編み出してほしい。
朝日新聞 2006年04月23日 朝刊社説より
2006.4.24(Mon)
トゲ
起きた瞬間からイヤな偏頭痛に襲われていたため、休暇にした。近頃こうした偏頭痛が多い。Licは花粉症だからではないかと言うのだが、少し気になる今日この頃。
土曜日が参観日だったみこりんは、今日が振替休日なので、家で過ごすことになった。
そのみこりんが、私の方につつつっと寄って来ると、「なんかささっとる」と指を見せてくれた。ふむふむ?
右手の薬指の先っちょに、たしかに何か黒っぽい点があるのが見えた。でもそれが何なのかは、よくわからず。トゲにしては、妙に小さいが…。まるでカーボンファイバーの極細繊維が刺さっているような感じ。
トゲは、まだ完全に皮膚に潜っていないようなので、抜くなら今のうちだ。トゲ抜き、トゲ抜き、どこにいったかな?心当たりを探ってみたが、見つからず。仕方がないので、縫い針を使うことにしたのだが、みこりんは針にはめっぽう弱かった。
針を見るなり後ずさりするので、まず指でトゲ周辺の肉を圧迫して、なんとかしぼり出せないか試みる。ぎゅぅ、ぎゅぅ、ぎゅぅぅぅ。
10分くらい試してみたが、変化なし。
やはり針でつつくしかないか。針の先端を指先に近づけると、みこりんは「先のとがってるの、こわい」と言った。もしや先端恐怖症なのだろうか。でも今はちょっと我慢してもらわないと…
針をトゲに当ててみると、たしかに異物感がある。何物かが刺さっているのは間違いあるまい。でも、ちょっと周囲の皮を掘ろうとすると、みこりんが泣く。痛いから泣くというより、その状況が怖いので泣いているような感じ。うーん、困った。
と、ここまで書いてきて思った。記憶にある時間軸が妙にズレているような?
みこりんの指にトゲが刺さっていたのは、日曜日のことではなかったか。
日曜日、みこりんは音楽教室のグレード試験を受けた。その時、トゲの刺さった指で鍵盤を強く弾くことができないとか言ってたような気もする。しかし、そのあと、買い物にも行ったのだ。そこでトゲ抜きを買うこともできたはず。でもそうしていないのは、何故だ。
考えれば考えるほど、記憶は白い霧の向こうに沈み込んでいってしまう。
……頭痛のせい、かな?
2006.4.25(Tue)
消えたアオムシ
例のモンシロチョウの卵だが、無事、アオムシに育っていたらしい。ところが不思議なことに、その数日後、忽然と姿を消した…、らしい。残ったのはみこりんの班で飼ってるアオムシだけとのこと。
消えてしまったアオムシ達は、いずれも密閉容器に入っていたそうな。逆に、消えなかったみこりんのアオムシは、天井の開放されたオープンスペースにいたのだという。奇怪な。
これになんとなく不安を抱いたみこりんは、ちゃんとした飼育ケースで飼わなくちゃと思ったのだろう。アオムシをケース(イチゴパック)ごと持ち帰ってきて、いそいそと自前の虫かごに移し始めたのだった。…、でも消えたアオムシが密閉容器に入っていたということは、天井があるケースの方が危険だったりはしないだろうか?そうみこりんに聞いてみたところ、「外に出て行かないから」ということで大丈夫らしい。たしかに普通は天井がついてて外に出られない方が安全なはずなんだけど…
アオムシ失踪の真の原因は何か。とても気になる今日この頃。
2006.4.26(Wed)
地底人
みこりんは入浴タイムになっても、しきりに「ちていじんって、本当にいるの?」と私に何度も確認を求めてきた。夕方TVで見た“地底人”の出てくるドラマが、よほど印象に残っているのだろう。
ドラマの中の地底人は、みこりんも一発で見抜けるほど偽者っぽかった。だから「あのちていじんは、ほんものじゃないよねぇ」と、みこりんは言う。でも、偽者がいるからには、それのモデルとなる本物がいるにちがいないと、みこりんは思っているのだ。
地底人。私がはるか昔に読んだ古典SF等にも、少なからず登場していたような…。もはや記憶も曖昧だが。それらの中にあって、今でも不思議と覚えているのは、ウルトラセブンに登場した地底人(というか地底ロボットというべきか)、ユートムである。黙々と地底のプラント内を巡回していた、量産タイプのメタリックなロボット達。セブンの光線1発で倒される弱い敵なのだが、倒され方に特徴があって、まずひざ関節をがっくりと折り、そして上体をばたんと前のめりに倒れ込む。いかにもロボットらしい、静かな倒され方であった。
みこりんの記憶にも、今日の地底人は克明に記録されたかもしれない。もう1つのキーワード、“おにぎり”によって。
地底人の元気の源、万病の薬、“おにぎり”。人間界からころがり落ちてくるおにぎりによって、地底人の女の子は一命を取りとめる。
おにぎり、ころころ、穴の中…。みこりんはもう1つ別の作品も思い出したらしい。そう、昔話に語られる、あのねずみとおにぎりのお話だ。
おにぎりを穴の中に転がすと、まず、ねずみの家にたどりつくんじゃないのか。なぜ、地底人の方に転がっていったのか。これがみこりんのさらなる謎となっているようだ。
「地底人の方が深いところに住んでるからじゃない?」という私の言葉が、よりいっそうみこりんの謎をかき混ぜているような気もしたが、じつはみこりんにはもっと根源的な謎が残っていたのだった。それは…
「ちていじんって、何?」
漢字で書けば一目瞭然だが、読みだけだとたしかに謎かも。
2006.4.27(Thr)
市街戦
FFXI『アトルガンの秘宝』では、今回、市街戦が導入された。敵拠点の兵力が蓄積され、100%に達すると、街を目指して進軍してくるのだ。
先週の発売日から、ちょうど一週間、日々上昇していた敵兵力メーターが、ついに96%に達したのを見て、多くの人がぞくぞくと街に集結しつつある。
しかしここからが長かった。1時間以上かけて97%に、さらに待ち、やっと98%。ところがこのあと、いったん97%に逆戻り。待ちきれなくなった人が、敵拠点に攻め込んだのだろうか。あともうちょっとなのに。
午前0時、再度98%へ。あぁ今日が金曜であったなら、いくらでも待ち続けることができるのに。でも今夜2時からサーバメンテナンスがある。ものすごい微妙な時間だ。
0時半まで待ってみたが、進捗がなかったので、私はログアウトすることにした。Licはもう少しがんばるらしい。あとでどんなだったか聞いてみなくては。
2006.4.28(Fri)
計画
私とLicは明日から9連休となるが、みこりんはカレンダー通りに学校がある。だからどこかに出かけるとしても、平日を狙うわけにもいかず、悩ましいところだ。土日、しかもゴールデンウイーク初日となれば、きっと混んでいるにちがいない。…が、あえてその初日を我々は選択した。
学校から戻ったみこりんに、さっそくその計画を話して聞かせると、「本当!?」と表情が変わった。そして、いつもなら絶対にやらないシューズ洗いを率先して実施し、あっというまに宿題を終え、月曜日の学校の準備をして、おもむろにリュックを用意しはじめた。
明日、東京ディズニーリゾートに行く。しかも泊まりで。この計画は、みこりんを豹変させるに十分魅力的なものだったようだ。
小さなリュックに、着替えとDSを詰め込んだみこりんは、夕食後、ちゃきちゃきと風呂に入り、ダッシュで歯を磨いて、寝た。明日は早い。Licはあわよくば始発で、と意気込んでいるが、5時半の電車に乗るためには、少なくとも4時半には起きていないと間に合わない。相当な困難が予想されるが、一応目覚まし時計3つとも、午前4時半にセットしてみた。それでもなんだか物足りないような気がして、ケータイのタイマーも設定して枕元に置いた。これだけあれば…
でも結局、布団に入ったのは午前1時を回った頃。果たして始発には間に合うのだろうか。なんとなく無理っぽい予感を抱えつつ、眠りの中へ…
2006.4.29(Sat)
東京ディズニーシーの一日
午前9時半、舞浜着。起床から約3時間半。空はほどよく晴れ渡り、絶好のコンディション、なのだが、天気予報では午後から激しい雨しかも雷付き、らしい。自分の折りたたみ傘を忘れてきたのが、少々気にかかる。
Licが各種チケット類を抜かりなくゲットし、モノレール乗車。みこりんの希望により、今日はシー、明日がランドという設定だ。
シー前、着。入り口では、手荷物検査が行われていた。といってもごく簡単な調べのみなので、本気で物騒なモノを持ち込もうと考えるヤツの抑止力になってるかというと、ちょっと疑問なところもあるのだけれど、何もしないよりは多少はましなのかも。それにしても…、人の数は想像していたほど多くはない、ような?なんとなく閑散とした雰囲気の中、入場。
Licがファストパスを取りに行ってる間、みこりんと埠頭で行われている出し物を遠くから見る。すでに人垣が出来上がってしまったあとだったので、その隙間から時折覗く、部分的な着ぐるみの姿しか目に入らず、しかも脇役キャラばかりでややみこりんのテンションダウン気味。最後の方になって、ようやくミッキーが人垣の背後に回り込んで来たのだが…、みこりんは相変わらず静かだった。もしかすると、みこりんは着ぐるみにはあまり興味がないのかもしれない。
ファストパスを入手したLicと合流し、指定時刻までしばし散策。
途中、“ストームライダー、15分待ち”とあったので、並んでみることにした。情報誌によれば、体感シミュレータのようだが…。
ほどなく行列は建物の中に吸い込まれ、ブリーフィングへ。単にシミュレータに乗せるだけでなく、ブリーフィングを通した雰囲気作りから入るあたりが、他の娯楽施設と一線を画する要因となってそうな感じ。
いよいよシミュレータに導かれ、着席。かなりでかい。100人は入ってるんじゃなかろうか。前方のシールドが開放され、スクリーンに投影されるグラフィック。結構リアルだ。なんて思ってる間もなく、発進。がっくんがっくん揺れる機体。おぉぉぉ。
風と水しぶきが容赦なく顔面を直撃する。ん、たしかにリアル。隣でみこりんも狂喜乱舞しているもよう。おそらく(過去の経験上)水がかかるというのがみこりんのツボにはまったのではないかと思われる。
着水して、終了。建物から出たところに設置されているマンボウ型の潜水艇(?)のデザインが、なかなか秀逸。
さて、辺りを見回すと、気付くことがある。頭に“耳”をつけた女子が妙に多い、ということに(ごくまれに野郎の頭部にも見られる)。定番のミッキー耳ミニー耳を筆頭に、青いスティッチ耳、トラ耳、バンビ耳、リス耳、etc...カチューシャタイプの付け耳だけでなく、パッチン留めに耳を付けたニュータイプも多く見かけた。そちらの方が、頭と一体化しているため、なんだかリアル。
というわけで、みこりんとLicに耳ワゴンから好きな耳を1つ選んでもらったところ、熟考に熟考を重ねたみこりんは、カチューシャタイプのリス耳、Licはパッチン留めタイプのバンビ耳となった。はい、それぞれ装着して。
うんうん、似合う似合う。
昼食を済ませたところで、ファストパスを取っておいた“インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮”に挑戦。ここは身長制限117cmなのだが、みこりんはこの春、めでたく119cmに到達したので問題なし。
クルマに乗り込み、発進。…って、なんだか予想に反してものすごい機動をするので、驚く。しかも真っ暗闇だし。身長制限は伊達じゃなかった。でもみこりんは、暗いのは怖かったらしいのだが、激しい動きの方はわりと平気だったようだ。なかなか将来有望である。
同じくファストパスで“海底2万マイル”に挑戦。前回来たときにもやったので、どんなのかだいたいわかっている、つもりだったのだが…、ちょっと内容変わったような?気のせいかな。こちらは激しい動きなどはなくて、海底の暗さ冷たさ不気味さ、といったものを味わう趣向。自分的にツボだったのは、海底に沈んだ白骨。なんだか妙に生々しくて、ずしんと魂が冷えた感じ。こういう死に方はしたくないな、などとしみじみ思ってしまった。作り物なのに…
海底から地上に戻ってみると、土砂降りだった。ついにきたか。
Licの小さな折り畳み傘に3人で入って、移動。とにかく傘をもう1本、と思ったのだが、わずかな距離を移動しただけで、半身がすぶ濡れになってしまった。私の靴も、みこりんの靴も、中までぐしょぐしょ。Licの靴は、布製ではなかったため浸水は免れた模様。
一時徹底。ホテルのチェックインが可能になるまで、イクスピアリにてしばらく雨宿り。ついでに二人分の靴を新調した。
ホテルの部屋で、濡れた服をドライヤーで乾かし、一息入れる。みこりんは自分用のパジャマが、備え付けのタンスの中に用意されていることを確認すると、心底ほっとしたような表情をみせた。よほど気になっていたのだろう。
窓から外を確認すると、傘をさしていない人がちらほら見られるようになった。どうやら雨は止んだようだ。
再度入場。手の甲に押された見えない印が、鍵らしい。どんな鍵が刻印されているのかみこりんも気になったようだが、マーメイドラグーンに入ってみると謎は解けた。電飾に使われているブラックライトに照らされて、浮き上がってきた青白い模様。アルファベットの“K”のように見えるが…、なぜに“K”?
謎が余計深まったような気もしつつ。Licとみこりんが待ち時間ゼロなジェットコースター(身長制限なし)などを乗り倒している。夕闇に包まれてゆく、人工の世界。風が強くなってきた。
美しい歌声に、はっとして振り返る。暗闇に溶けるように、人魚姫の像がたたずんでいた。人工物なのだが、歌声との相乗効果でまるで命が宿っているのではないかと思ってしまうほどに、美しく感じた。
花火中止のアナウンスが流れる。パレードそのものは行われるようだが、そろそろ疲れてきたみこりんのために、撤収。
でも風呂に入ったら元気が回復したらしく、Licと二人、ホテル備え付けの遊具コーナーに遊びに行ったらしい。おそるべき底なしのパワー。
満足しきった顔で、みこりんとLicが戻ってきたのが午後11時過ぎのこと。あとは寝るだけだ。明日のために。あっというまに眠りに落ちてゆくのであった。
2006.4.30(Sun)
東京ディズニーランドの一日
寝ている間にベッドから落ちるのではないかと心配していたみこりんだったが(過去に落ちた実績アリ)、無事に朝を迎えることができたようだ。
さて、今日はランドの方へ。天気はほどよく晴れ。雨は降りそうになかったので、昨日買った傘は、他の荷物と一緒にコインロッカーにしまい込む。
なんだか人の数が昨日より多いような気がする。待ち時間ボードも、いきなり100分待ちが並んでるし。みこりんは“プーさんのハニーハント”が狙いらしいのだが、こちらも長蛇の列で、1時間以上待たねばダメっぽい。というわけで、比較的空いているものからチャレンジ。
ランドの方は比較的小さいお友達向けに造られているようなので、アトラクションも、まぁそれなりに。中には“パラダイス”と紙一重みたいな感じのもあったりするのだが、金のかけ方と広大さで圧倒している。“パラダイス”には越えられない高い壁だ。
だから、ちょっと油断していた。みこりんの身長制限もクリアになったので、“スペースマウンテン”に3人で乗り込んだのだが…。
真っ暗闇の空間を、ゆるやかに上昇。前方から照射される赤い光が、イマジネーションを刺激する。そして、加速。猛烈な横Gに、首がぎゅうっと押さえつけられて動かない。な、なんじゃぁこりゃぁ!
果てしなく続くかと思わせる激しい機動。上下左右に振り回され、しかも周囲は漆黒の闇とあって、次第に重力感覚を失ってゆく。くぉぉぉぉ。…そ、そうだ、みこりん。大丈夫なのか。そっと腕を伸ばしてみた。いや、伸ばしたというより、体を固定しているバーに沿って、じわっとスライドさせたという感じ。
隣に座っているはずのみこりんまでの距離が、とても遠くに感じられた。…、やっと触れた。なんだか妙に冷たいみこりんの腕。そのまま疾走は続き、そしてようやく減速。停止。
うーん、足元がふらふらする。みこりんは、半泣き状態になっていた。終始暗闇だったのが、まずかったかな。
ちょっと気分を変えて、トム・ソーヤ島へ。つり橋とか、洞窟とか、アスレチックみたいなのとか。みこりんもご機嫌だ。
夕暮れ。ファストパスを取ったものの、指定時刻が18:30になってたやつを、Licとみこりんがチャレンジし、撤収。みこりん期待のハニーハントは、次回に持ち越し。ひとまず我々のGW前半はこれにて終了。