2009.1.2(Fri)
平成21年
干支がぐるっと一巡して、再び丑年。みこりん、年女である。
はやいものよのぅ…。
ちなみに今のみこりんは、おせち料理が苦手らしく明日も明後日もというのは無理っぽいので、今日の昼には食べ尽くす勢いでお重を空にした。さらにお雑煮も苦手で、餅抜きの雑煮なら可(それってただの味噌汁じゃん)という不思議な食べ方になっているのため、今朝は雑煮ではなく醤油餅にしてみた。これなら餅も食べられるらしい。
午後、初詣に出かけた。
午前中は境内で日本刀の打ち初め式が行われ、100人を超える人出だったらしいのだが、今はもう、人影もまばらで御神木が枝葉を静かに揺らしているのみ。
参拝のあと、例によって御神籤を引く。みこりんは3年連続で“吉”を引き当て、がっかりしていたようだが、それはそれで確率的に高度な技のような気もする。と言ってみたところ、「愛生ちゃんと同じ大吉がよかった」とのことだった。豊崎愛生ちゃん熱は健在のようである。
私は“大吉”。一昨年からの推移は、“凶”→“吉”→“大吉”と、なかなか変動が大きい。この傾向が続くとすると、来年あたりは折り返して“吉”、そして再来年には“凶”もしくは“大凶”といったところだろうか。
明日の事もわからないのに、こんな予想が当たるとも思えないけれど。ごろごろ寝正月な今日この頃。
2009.1.3(Sat)
『屍姫 赫』
みこりんも寝静まった夜のこと。
バンダイチャンネルに登録されている作品リストを眺めていると、『屍姫 赫』が今月末まで第1話〜第10話を無料配信しているのに気付き、見てみることにした。
原作コミックは表紙しか知らず、話の概要すらわからない。ただ、アニメ版のヒロインのキャラクターデザインにはちょっと惹かれていたので、無料配信中に中身の方も確認しておこうという魂胆である。“屍”という文字から、あっち系の話なんだろうというのは想像できるので、自分には合っている可能性が高い。。
見始めて思ったのは、主人公二人の声がなんか下手だな、ということだった。本職の声優を使ってない例のパターンかなと思いつつも、作画やらストーリーやら音楽やらはまったく問題ないレベル、むしろ上手い部類だったので、引き続き2話、3話、4話、5話……
オープニングとエンディングを歌っているのが angela だというのはすぐにわかったが、特にオープニングの出来は音も映像も秀逸なんじゃなかろうか。哀しくも美しく、はじまりの赤い空がはまりすぎ。
作画の方で、あの伝説のアニメーター、金田伊功(いまも現役なので伝説というと語弊があるかな)を思わせる箇所があって、とてもとても懐かしく感じた。今時の人なら“作画崩壊”と言ってしまうのかもしれないけれど、こうした特徴的な動きを描けるアニメーターは貴重だ。
久しぶりに金田飛び(っぽいやつ)を見られただけでも、今回の挑戦は成功といえよう。
ただ、主人公の少年の声が素人すぎる件については、10話を見終わった時点でも、気になった。同じく本職の声優ではないと思われる屍姫のマキナの声は、徐々に慣れてきた感じ。でも…、最初から声優使ってればよかったのにと思わずにはいられない。もったいなさすぎる。
10話まで見終わったあと、原作はどうなんだろうなぁとWikiやらAmazonやらで情報収集。どうやら原作の方の屍は、より人の形態のままになっててグロさにおいてはアニメ版の比ではないらしい。でも自分的にはどっちかというと、あんまりグロいのを動画で見るのも飽きた頃なので、現在のアニメ版程度のモンスター形態で十分かなと思ったりもし。
ともあれ、原作も一度読んでおきたいところだ。
2009.1.4(Sun)
富くじ
最寄のスーパーで、子供会員限定の富くじが行われるという情報を得てからというもの、みこりんは今日この日が来るのを指折り数えて待っていた。
1回1000円、先着1000名様。11時からの開催だが、先着1000名の枠内に入るには、11時到着ではたぶん無理。そんなわけで、今朝はいつになく早起きで現場へ向かった。
午前10時過ぎ、スーパーの駐車場着。この時間帯、いつもならがらがらな駐車スペースが、すでに満杯だった。他の駐車場を求めて移動している間に先着枠が埋まってしまうかもしれない。
みこりんだけ先に降ろして並ばせておく事にする。たたたっと店内へと消えてゆくみこりんを確認すると、私は北側の広大な駐車場目指してクルマを進めた。
約10分後、私が抽選会場に到着した時には、待ち行列の最後尾が2階の催事場から遠く離れた位置まで伸びていた。見ている間にも、続々と親子連れが集まってきていて、みるみる列は伸びてゆく。
はたしてみこりんはどのあたりにいるのか。最後尾から順に先頭方向へと歩いてゆくも、さっぱりその姿が確認できない。
およそ300人分ほどの列をチェックしたところで、みこりんからケータイにメールが入った。途中で見落としたのかとメールを開いてみると、「すごい行列だよ」と書いてあった。いやいや、そんなことより今どこ?ケータイに電話をかけてみたところ、行列にはまだ並んでいない事が判明。急いでみこりんがいる場所まで回収に向かい、行列の最後尾に並ぶ。
この間にさらに200人以上が列に加わった模様。手渡された整理番号によれば、750番目くらいのようだ。
先にクルマを降りたはずのみこりんが、なぜ列に加わってなかったのか。私の意図がうまく伝わってなかったんだろうか。あるいは、人数の多さに圧倒されて、一人で並んで待ってるのが怖かったのか。
本人に聞いてみてもはっきりとした答えはないっぽいので、その両方の理由+αといった感じだろうか。ともかく、先着1000名様に入れたので、よしとしよう。
*
開始時刻の11時になったが、列は微動だにせず。30分ほど待つと、ようやく少しずつではあったが徐々に前進開始。
1時間が過ぎた時点で、まだ半分以上残ってるらしいという情報が、漏れ聞こえてくる。先はまだまだありそうだった。
2時間経過。ようやく抽選会場が目視で捉えることができるまでになった。それにしても、亀の歩みのごとき遅さ。ずっと立ってるので、腰が痛む…。みこりんは、辛抱強く待っていた。持参してきているDSで遊ぶ事もなく。
そしていよいよ抽選。景品の棚は、だいぶ空きが生じていたものの、1等を筆頭に、上位景品はすべて残っている。確率的に当たる可能性は増した。みこりんの瞳がきらりと光る。ちなみに1等はPS3、2等がDSiという品揃えだったかと思う。
下のほうに並べられた、いわゆるハズレ商品は、どうみても玩具売り場で売れ残ったと思しき品々である。もらっても即、ゴミになりそうな感じの。
どうかゴミが当たりませんように…
二人の祈りは通じるのか。
みこりんが抽選箱から抜き出した紙を、牛の着ぐるみを身にまとった店員さんが開封。緊張の一瞬である。
コールされた番号は、二桁。嫌な予感。
景品棚から運ばれてきたのは…、猿が運転する自動車の玩具。外国製の、いかにも安っぽい作りが哀れを誘う。見れば、この商品はまだまだ大量に余ってる模様。在庫処分なんだろうなぁ……。1個1000円の価値はない。
店側の術中にまんまとはまった気もしないではないが、あまりみこりんが残念そうでないのは………。
しまった、次からはみこりんのお小遣いから出させないといかんな…orz...
2009.1.6(Tue)
かっこんかっこん
PCを起動させると、ハードディスクの付近から“かっこんかっこん”と音がする。みこりんのPCがそんな症状になったのは、昨夜のこと。
かっこんかっこんは30秒くらい続いていた。その間、ログインもままならず、いよいよハードディスクが逝ってしまったかと覚悟したのだが、しばらくすると、何事もなかったかのようにおさまった。
みこりんのPCが、我が家のファイルサーバ的位置付けのため、必要なデータは常に別のPCにバックアップしてある。そういう意味ではこのハードディスクが壊れたとしても、さほど心配はないのだけれど…
ハードディスク買い替えの手間はかかるし、OSや各種アプリケーションの再インストールやら、いろいろと面倒な作業が待っていることには違いない。
ともかく、各ドライブのチェックディスクを行わねば。というわけで、昨夜から延々とチェックディスクを実行中。4本のディスクで総容量2.6TBほどあるため、やや時間を食ったようだ。しかも途中で自動的に何回か同じディスクのチェックディスクを繰り返していたようなので、よけい時間がかかったらしい。
結果をイベントビュワーで確認すると、やはりOSをインストールしてあるシステムディスクにエラーがあったようだ。今のところ修復しているみたいだけれど、あまり長くはもたなそう。このディスクは夏の雷による停電でもダメージを受けているから、無理は禁物だ。
一番容量の小さいディスクのため、買い替えとなっても懐の痛み具合がさほどでもないのは幸いかもしれない。……と思ってネットショップの商品一覧をいろいろと眺めてみたら、パラレルATA接続タイプの品揃えがとても少なくなっていて困った。選択肢ほとんどないし、価格の方も、ちょっと微妙な感じだし。
旧式の定めかのぅ…
2009.1.8(Thr)
着火マン怖い
我が家のリビングには、暖房器具が2種類ある。1つは灯油ストーブ。もう1つは電気ストーブだ。これまで主力の座を占めていた灯油ファンヒーター様は、昨年あたりからフィルタの目詰まりエラーが多発するようになって、何度クリーニングしても症状が改善しないため、今季は眠らせたままにしてある。
灯油ストーブが1つあれば十分に暖はとれるのだけれど、なぜここに電気ストーブが混ざっているかと言えば、みこりんが灯油ストーブの着火を自力で行うことができないから。
電熱線による着火機構が故障しているため、着火マンを用いなければならないのだが、みこりんはこれが怖い。ゆえに、スイッチ1つで温風の出てくる電気ストーブが欠かせないのであった。
火が怖いといっても、ガスコンロの着火は、みこりんも出来るようになった。家庭科で習うようになったので、慣れたのだろう。もうちょい小さかった頃には、ガスコンロの火も怖くて自力では点火できなかった事を思えば、格段の進歩を遂げたみこりんだったが、着火マンの炎はまだまだ怖いらしい。たしか夏ごろに聞いた話だと、手持ち花火も怖いと言っていたので、それに酷似した形状の着火マンが苦手なのは、無理からぬことかもしれない。
ただ、電気ストーブは消費電力がでかい割りに、リビングのような空間全体を暖めるには、ちょっと不向き。それに、電気ストーブを使うと、PCにつないである無停電電源装置の低電圧警告が比較的出やすいような気もするので、早めに灯油ファンヒーター様には復帰していただこうと思う今日この頃。
2009.1.12(Mon)
白の世界
目覚めると、奇妙に静かなのが気になった。空気が凛と凍り付いているような…
カーテンの向こうが異様に明るい。
そっと窓の外を覗いてみれば、白に覆われた世界が広がっていたのだった。
庭のゴールドクレストに降り積もった雪だけ見ていると、そのもこもこ具合からかなり降った感じに思えたのだが、地表では積雪2cm〜3cmといったところのようだ。たいした量ではない。けれども、積もった雪ということでは、今季初。どうりで昨夜から底冷えがすると思った。
みこりんは雪と聞いてダッシュで窓際まで駆けて来たが、雪だるまを作れるほどには積もっていないことに気付くと、庭に出るのは止めたようだ。少しの雪でも喜んで庭駆け回っていた頃の事を、ふっと思い出して、ちょっとしみじみ。
午後には雪も降り止み、夕方頃には跡形もなく消滅していた。儚い…、じつに儚い。
2009.1.14(Wed)
かっこんかっこん再び
「そういえば…」と、みこりんが言った。「かっこんかっこんって、直ったの?」
みこりんのPCのハードディスクは、先週かっこんかっこんと不調になったが、チェックディスクでエラーの修復を行い、とりあえず動くようにはなっていた。その事をみこりんに言いつつ、問題のPCを何気なく起動してみたところ…
かっこんかっこんかっこんかっこんかっこん…
再発してるし orz...
あまり長くはもたないと思ってはいたが、これは早急に対策(買い替え)せねばなるまい。私的には、ハードディスクもさることながら、CPUクーラーの異音の方が気になっていたので、SocketA対応のCPUクーラーを先週のうちにいくつかピックアップ済みだった。どうせなら一緒に注文してしまおう。CPUクーラー単品だと、安価すぎてどうしてもオンラインショップでは送料がかかってしまうし。
いろいろオンラインショップを見て回ったが、SocketA対応のCPUクーラーは、比較的古いタイプが多いので、駆動音が結構する。36dBとか、38dBとか。そんな中、際立って低い駆動音のやつがオウルテックの“CFA01B2-J”だった。25dB。これなら格段に静かになるはず。
これと合わせてパラレルATA接続のハードディスクの、適当なサイズのもの。できればそんなに高くなく(5千円くらい)、品質的にも問題ないやつ。これら両方の在庫を満たしたショップは…
結局、ソフマップに注文することにした。ポイントもそこそこたまってるし、送料も無料になるし。
じつはツクモにも同様の商品はあったのだけれど…、ヤマダ電機がどうたらこうたらと紆余曲折ありそうなので、パス。注文したはいいけど、届かなかったりしたら困るし。
ぽちっと注文ボタンを押し、みこりんPCの方は再度チェックディスクをかけておく。故障しつつあるディスクの特定は済んでいるので、今回のチェックはさほど時間もかからず終了した。とはいってもエラーを修復するために、自動で何度か同じドライブをチェックし直していたので、容量(120MB)の割には時間を食ったが、なんとか“かっこんかっこん”は直ったようだ。
もうしばらく、あと数日…、逝ってしまいませんように。
『屍姫 赫』“第12話 夜明け”
アニメ版は、“赤(あか)”と“玄(くろ)”の2パートに分けて製作されるようなので(すでに玄の放送は始まってるが)、この第12話は“赤”パートのクライマックスとなる回。
いつものようにバンダイチャンネルにて視聴。全画面表示にして、ヘッドフォン装着してと(眠りに付くみこりんが怖がって起きないように)。
屍姫は、自分の契約僧が死ぬと、運命を共にする。もしもそうならなかった場合には、ただの屍と化し、別の屍姫によって処分されることになる。
そういう前振りを踏まえたうえで、今回、マキナの契約僧である田神景世が絶命する。景世がどういった役回りの人物かといえば…、たとえば『マクロス』で言うところの一条光とロイ・フォッカーの関係における、フォッカーみたいな(例えが古っ)。一条光に相当する方が、例のしゃべりが残念な主人公君だ。
でも今回、主人公君はどっちかというとあんまり重要ではない。注目すべきは、絶命しかかった景世が、マキナの笑顔を見たいというこの世の執着により屍化するのではないかというい状況で、屍化すれば景世は生きていられると思う気持ちと、屍にしてはいけないという気持ちと、相反する両方の葛藤に苛まれるマキナの心情であろう。
結局、後者を選んだマキナだったが、その時の表情と、それを見て安らかに息を引き取る景世の表情が、あまりに美しくも哀しくて、画面に釘付け状態だった。
演出も上手かった。台詞で語らせるのではなく、あえて音声をカットして、表情、動きだけで魅せ、見る側に想像させる作戦であった。素晴らしい。
音楽もよかった。まさに音楽と動画という、アニメーションの特長を最大限駆使した演出だった。
原作モノのアニメ化は、往々にして失敗作になることの方が多いものだが、これについては主人公君の声優が残念な点以外は、及第点をつけてもよいんじゃなかろうか。
そろそろ原作買わねばなるまい。
2009.1.15(Thr)
キンキンの路面
冷え込みの続く朝、連日のように雪がうっすらと積もっている。今朝は、薄くスプレーで噴いた感じの淡い積雪だったので安心していたら、路面が思いっきり凍結していて気分もどよーんだ。
私は凍った道路が苦手だった。
昔、凍結路面でクルマをクラッシュさせてしまった痛い記憶が、今でも体が覚えているのだと思う。だから、凍った道路を運転する時には、必要以上に緊張してしまう。あれ以来、凍った道路ではスタッドレスタイヤを履いているといえども巡航速度20km/hとか、超スロー運転を心がけるようにしているので、みこりんを学校に送っていくだけでもいつもの3倍以上時間を食ってしまった。
日当たりの良い場所で、氷がなくなっていると、心底ほっとする。
暖かな春が待ち遠しい今日この頃である…
2009.1.17(Sat)
回らないお寿司屋さん
みこりんがまだ小学校低学年くらいの頃には、「回るお寿司と、回らないお寿司、どっちがいい?」と聞けば、必ず「回るおすしっ!」と答えていたものだ。私的には、たまには回らない寿司を食べてみたいなーと思ったことはあったものの、そんなこんなで地元の回らないお寿司屋さんに、みこりん連れで入ったことはなかったのであった。
そんなみこりんに転機が訪れたのは、豊崎愛生ちゃん(みこりんがはまっている声優さん)のブログで、新年会にスタッフ一同で回らないお寿司を食べに行った事が書かれているのを、みこりんが読んでからだった。
以来、回らないお寿司屋さんの虜になったみこりんだったが、最近、私が1つ歳を重ねたこともあり、それを口実に今日、地元の回らないお寿司屋さんに家族揃って出かける事になったのである。
当初予定していたお寿司屋さんが、団体予約客でいっぱいという情報をLicが得たため、急遽、本屋の情報誌でLicが探し出したお寿司屋さんに変更。
その店は、表通りからはちょっと外れた細い道に面したマンションの1階にあり、ぱっと見、それが寿司屋とは見えない外観をしていたのだが(一見、画廊風?)、引き戸の前に置かれたお品書きを確認すると、確かにそこが目的の店だとわかる。値段もほどよくリーズナブルで、諭吉さんが何枚も飛んでいくことはなさそうだ。
がらっと引き戸を開け、暖簾をくぐると威勢の良い「へいらっしゃい」に迎えられる。あぁ…、寿司屋だなぁとしみじみ感動。
みこりんの希望により座敷席にて、おすすめセットが出来上がるのを待つ。コース料理になってるので、茶碗蒸しとか味噌汁とかが運ばれてきたあと、いよいよメインの寿司である。
どんな順序で食べるのがいいかなと、ちょっと迷う。味の薄いものから、徐々に濃いものというのをどこかで読んだような気もするので、まず平目から。ハマチやトロを順に制覇したあと、青魚。間に卵焼きを挟んだ後、何種類か食べて、最後に穴子で〆。
この穴子がまた絶品で、口の中でふわっととろける柔らかさ。さ、さすがである。回るお寿司の冷えた穴子とは、ぜんぜん別物。…比べるのも失礼か。
穴子には、タレの他に塩で味付けしたのもあるとのことで、穴子に目がないLicが追加でそれを注文していた。私はこのとき既にお腹いっぱいだったのだけれど、出てきた塩穴子があまりに美味そうだったので、1つもらい。
白い穴子の上に緑の山葵が見た目にも新鮮だった。
穴子の新しい世界を垣間見た瞬間。穴子おそるべし。
みこりんは、回らないお寿司を十分堪能した様子だった。特に、ご飯の部分が、きっちり握られているのに固くないところが気に入ったようだ。回るお寿司の場合、よくここが真っ二つになってしまって醤油の海にどぼん、なんてことがままあるから。あるいは固すぎてもさもさしてたり。
ところで回らないお寿司屋さんには、みこりんが保育園な頃に、Licの実家で何回か連れて行ってもらったことはあるはずなんだけれど、その頃の記憶はすっかり忘却してしまっている模様。でもこうしてまた新しい記憶が積み重なり、いずれ忘れ難い記憶となってゆくのだろう。
そうなって欲しいなと思った今宵、道端にはまだ雪の塊が残ってたりする冷え込んだ一日だった。
2009.1.20(Tue)
“400-MA015”
帰宅すると、宅急便の箱が1つ、届いていた。菓子折りを分厚くしたような感じの段ボール箱の表面には、びーっと幅広なテープが貼ってあって、そのテープ表面にでかでかと書かれた“サンワサプライ”の文字から、内容物を知る。
これはあれだ。マウスが届いたのだ。
箱を開けると、そのおよそ90%が詰め物だった。右隅に、ちょこんとおさまった小さい箱が、ブツの入った箱。その箱の中から出てきたものを見て、みこりんがしゅばっと寄ってくる。珍しいものには、食いつきがとてもとても早い。
マウスといっても、これは普通のマウスではない。サンワダイレクト限定直販の新型エルゴノミクスマウス“400-MA015”である。
手首を不自然に捻らなくてもマウス操作できるというのが一番の売りなので、形状がまず特異。マウス全体が、でっかい山の山頂のように盛り上がっており、その右側の斜面にマウスボタンが付いている。左側斜面は、親指のグリップ感を高めるべく、ぐわっと抉り取られていた。
実物を前にすると、結構大きな印象を受ける。でも底面積は普通のマウスとさほど違わないので、やはり肉厚なのがぱっと見の印象を“でかい”と感じさせるのだろう。
さっそくみこりんがマウスの試用を始めてくれた(PCに接続したのはLic。特別なドライバ不要のため、USBポートに挿すだけでOK)。みこりんの第一声は、「ここ光るよ!」、だった。見てみると、右の斜面についているホイール部分が、青白く発光しているのだ。みこりんは光り物にも、とても弱い。光るというだけで、もうこのマウスの虜になってしまったようである。
使い勝手も、上々らしい。ただ、みこりんの手には、若干マウスが大きいようで、ボタン操作などにコツはいるようだ(左斜面に位置する親指でしっかりとホールドできるようになれば問題ないと思われる)。
私も操作してみたが、最初にちょっとした違和感はあった(普通のマウスと操作角度が違うので)ものの、すぐに慣れた。たしかに手首には、かなり優しい設計かもしれない。通常、長時間マウスを握っていると、腕の筋肉がへんに緊張してつりそうになってくるものだが、このマウスの角度ならば、手首は常に自然な傾きを維持していられるので、大丈夫そうな予感。その副産物として、マウスダコもできにくそうだ。
会社でも買ってもらうとしよう。
2009.1.21(Wed)
『メイン☆ストリート』
帰宅すると、ネット本屋のBoopleから宅急便が届いていた。中に入っているのは、May'nのニューアルバム『メイン☆ストリート 』と、本が2冊のはず。というわけで、さっそく開封。
CDが到着した時にはまずPCに吸い上げるのが我が家のデフォルトなので、『メイン☆ストリート』もすぐさまデジタルデータとしてハードディスクに格納された。
全7曲。7曲目が、“ライオン(May'n Ver.)”だったので、これを最初に聞いてみることにする。
曲が再生され始めたとたん、みこりんが「これ聞いたことがある!……マクロスの曲?」と言った。正解。オリジナルは中島愛とのデュエットだが、これはMay'nがすべてを歌ってるバージョン。
ところで何故みこりんが『マクロスF』を知ってるかというと(私がバンダイチャンネルで本編を見てた時には、ほとんど興味を示してなかったのに)、最近どうしたわけかクラン・クランに興味が湧いたらしく、いろいろ調べているうちに、自然と『マクロスF』の事もある程度、わかるようになっていたという次第。……やはり声優がらみだろうか。クラン・クランの声を誰がやってたか、私は特に気にしてなかったのだが、みこりんはまず声優が誰かを一番にチェックするタイプらしい。
聞きなれた“ライオン”のあとは、1曲目から順に、歌詞カードを目で追いつつ聞いてゆく。1曲目は菅野よう子作だが、2曲目から6曲目までは、シライシ紗トリの手によるもので、May'n本人が作詞作曲したものもある。
シェリル・ノームの歌唱担当といっても、キャラソンではなく、地声だったと思われるので、声そのものはなじみのあるもの。独特の裏声の使い方とか、滑舌が良いところとか、佐野元春系な日本語のテンポ良い歌い方とか(例えが古くて若い人には伝わらないか… orz)、泣くように歌い上げるところとか、やはり上手いと思う。
曲調が、どことなく懐かしい感じがして、ついつい森高千里なんかを思い浮かべたり。いや、ちょっと歌詞の雰囲気が“コンサートの夜”に似てるのがあったから。
それにしても…、これほどの宝石をこれまで埋没させていた事が不思議。事務所の売り方がド下手だったのかどうかはわからないが、もしも『マクロスF』で知名度上がってなかったら…。想像するだに恐ろしい。
そういう意味では、リアル“リン・ミンメイ”みたいなものなのかも。
2009.1.23(Fri)
『火閻魔人』
『火閻魔人』(作:奥瀬サキ)、読了。
20年くらい昔に出版された『火閻魔人』(作者の名前もまだ、奥瀬早紀だった時代)なので、最初はただの再刊モノかと思ったのだけれど、作者のサイトにて、昔の『火閻魔人』と『支配者の黄昏』の同時収録であり、台詞も大幅に見直してあり、新規書き下ろしもちょっとだけ入っているとのことだったので、即行で買ったもの(出版部数が少ないという話もあることだし)。両作品とも、20年前のやつを持っている身としては、外せないところだ。
1980年代後半に出版された伝奇モノの常として、これも夢枕獏と菊池秀行の影響を色濃く受けている。でも奥瀬サキ独特の、“エロほとんどなし”&“ピュアな愛”、あるいは青臭い愛情表現とも言える部分は、このちょっとあとにでた『低俗霊狩り』も含めて、現在、『低俗霊DAYDREAM』へと至るまで不変だと思っている。で、私は奥瀬サキの描くそういうところが好きだったりする。もちろん、静かなる超常の怖さみたいなのは堪能できるので、伝奇アクションものとしても十分面白いと思う。
そんなわけで、単行本2冊分が詰め込まれているため、本書はけっこう分厚い。収録順としては、『火閻魔人』系→『支配者の黄昏』系だ。新規書き下ろしは一番後ろに収録されている(数ページ分だけど)。
20年ぶりに読んでみて、だいぶ記憶が抜け落ちていた部分もあり、どこの台詞が変わったのか比較してはいないけれど、なんだかずいぶん読みやすくなったような印象を受ける。もしかしてかなり手が入ってるんだろうか。
『支配者の黄昏』後半部分は、自分の記憶の抜け落ち具合も絶好調だったため、完全新作を読んでいるような雰囲気だった。これはこれでうれしい誤算。あとで本棚の奥から、オリジナルを引っ張り出して比べてみよう。
それにしても…、なぜいま『火閻魔人』なのかが気になる。20年というのは、伊達ではない。なぜ今なんだろう。当時、これの続きが出る事を切望していたのだが…、ひょっとして。
考えすぎかな。
それはともかくとして、『火閻魔人』と『支配者の黄昏』も復活したことだし、ぜひ『低俗霊狩り』で単行本に収録されなかった例のヤツをぜひ出して欲しいなぁ…、というのはたぶん全国の奥瀬サキファンな人なら思っているに違いない。出たら買います。
2009.1.25(Sun)
写っていたもの
朝、というよりは昼に限りなく近い時間に起きてきた私に、みこりんが是非見せたいものがあると言う。ほうほうどれどれ。
みこりんが手にしたケータイの画面を覗き込むと、そこには“何か”が写っていた。
季節外れの心霊写真かとちょっと期待したが、怖がりなみこりんがわざわざそんなものを撮るはずはない。というか、きっと撮れない。だが、そこに写っているのは、どうやら窓枠のようである。刷りガラスになってるのと、端っこに観葉植物の葉っぱがちらと写り込んでいたので、トイレの窓だと気が付いた。
はたしてこの写真のどこに異変があるのだろう。
「ここ」と、みこりんが指差しているのは、下側のサッシの部分。ガラス戸のレールの所に、なにやらうっすらと白くてぼやけたものが………。
こ、これは…!?
「氷〜」と、みこりんがなんだかうれしそうに言った。
サッシ下側のレール部分に、氷がこんもりと成長していたのだった。逆ツララ現象。霜柱…、みたいなものだろうか。
屋外に面した部屋とはいえ、よもや室内で氷が発生するとは。
すでに氷の実物の方は消えてしまったようだが、道理で明け方冷え込んだはずである。布団の中にいても足先が冷たくて、悪夢にうなされていたような気もしてきた…。
おそるべき冬の威力。
2009.1.27(Tue)
朝の当番
通学路の旗持ち当番のため、朝、指定の信号のない交差点に向かう。すると、そこにはすでに旗を持った人の姿があった。
地域の交通パトロールボランティアで、ほぼ毎日くらいこの交差点で旗持ちをしてくださっている女性である。私よりもけっこう年上なのだが、元気パワーでは圧倒されている予感。
横断歩道の両端で、それぞれに黄色い横断旗を手に、登校班を待つ。この交差点は、近くに工業団地があるため、田舎町にしては出勤のクルマが多く、かなり危険。子供達が横断する時には、道路の真ん中付近まで出て旗を広げ、クルマを停めねばならない。それでもこの時間帯は定時まで比較的余裕があるので、こうやってクルマの流れを遮断しても、ドライバーとさほど険悪な雰囲気になることもない。
何組目かの登校班が通過する時、「いま40分だよー」とボランティアの女性が声をかけていたので、ふと腕時計を確認してみると、たしかに7時40分である。ボランティアの女性は、そんな私の様子を見ていたのか「40やったでしょ?」と聞いてきた。どうやらこの女性、自分の体内時計と、登校班の進行具合で、時計を見ることなく時刻を言い当てているらしい。
日々の積み重ねというものは、たいしたものである。
そしてさらに何組かの登校班が横断歩道を渡っていったあと、ボランティアの女性が「いまので最後です」と宣言した。すごい。登校班の顔と数のすべてを把握しているのだろう。
私は旗を丸め、帽子をとって、クルマに乗り込み、交差点を去る。女性は、そのまま徒歩で団地の方に帰っていった。およそ1キロくらいはあるだろうか。毎朝これをやってるのかと思うと、頭が下がる。
今日も一日、事故もなく、平穏に始まったことを感謝しようと思う。
2009.1.31(Sat)
消滅と復活
夜もとっぷりと更けた頃、先ほどから熱心にPCに向かって何かを入力していたはずのみこりんが、真っ白に燃え尽きていた。
いったい何があったのか。
聞けば、突然、入力中のアプリ(今回の場合は、インターネットブラウザ)が、終了してしまったらしい。
つまり、せっせと入力した内容が、あっというまに時空の彼方へ消え去ってしまったと。およそ1時間以上かけた労作だったようだ。
なるほど…。
たしかにそれは、かなり痛いな。
今回のは、オンラインで作業する必要がどうしてもあったらしく、ローカルで編集しつつこまめに保存という技も使えなかったらしい。オンラインアプリが、もう少し成熟すればこういう事故もだいぶ減るのだろうけど。
しばし放心状態だったみこりんだが、再びPCに向かい直し、作業を始めていた。消えた中身を覚えているうちに、復活させようというのだろう。若さゆえ、立ち直りも早いのだろうか。
*
約一時間後、復旧作業は終わったようだ。みこりんによれば、消えたものよりもさらに磨きをかけて、ずっといいやつにしたとのこと。倒れても、ただでは起きないしたたかさ。
ところでみこりんがここまで気合を入れているものとは何か?その答えは、みこりんのブログに書かれてあった。どうやら自分のブログのテンプレートをいじっていたらしい。プロフィール画像の新たな作成やら、スタイルシートの変更とか書いてある。……CSSをみこりんが知っている、というかその意味するところを把握しており、それを自分で修正できてしまえることにやや衝撃を覚える。
い、いつのまに…。
子供の成長の早さを実感するのであった。