2007.11.2(Fri)

爆走

 帰宅すると、義妹が姪っ子(0歳8ヶ月)を連れて来ていた。むずがっていた姪っ子だったが、私の姿を見つけるやいなや、目をまん丸に見開いて、思いっきり凝視し始める。それはもう、2つの瞳から冷凍光線か何かが出そうなくらいに、激しく見つめられてしまった。
 普段、お父さんくらいしか男のヒトと接しないため、他の男のヒトは怖いらしいと義妹が言う。ふむふむ、それで油断なく見られているのだね。

 それでもしばらく経つと、危険性は低いと判断したのか、はいはいで爆走し始めてくれた。ちょっと前まで、ほにゃほにゃで寝転がるしかできなかった赤子が、もうはいはいはするし、つかまり立ちもするという。もう少ししたら、よちよちと二足歩行も始めるのであろう。この頃の子供のできることは、日々進化してゆくので、普段接していない分、たまに会うと、ものすごく驚かされることになる。

 帰る時間になる頃には、私がそぉっと指先でそのぷにぷにのほっぺに触っても大丈夫なほどになっていた。うーん、まさにマシュマロのような柔らかさ。
 クルマのチャイルドシートに固定されると、姪っ子は激しく泣き始めた。チャイルドシートは苦手なんだろうか。クルマのドアを閉めても、かすかに外に泣き声が漏れ聞こえてくる。でもこの時間なら、走り始めるとうつらうつらと寝始めるかもしれないな。
 そんなことを思いつつ、みこりんと二人、「またね」と手を振った。

 今夜は夜が深い。暗がりの中、溶けるように白いクルマは去っていったのであった。
 丈夫に育ちますように。


2007.11.3(Sat)

赤い種、赤い花

パイナップルセージの花 「赤いトウガラシみたいなのあったよ」と、みこりんが庭の菜園方面から戻ってきた。その手に乗せられていたのは、濡れたようにべったりと赤が濃厚な何かの塊り。…そ、それは。一瞬、みこりんにそいつの正体を明かすかどうか迷ったが、ここはやはり正確に教えておかねばなるまい。その赤いトウガラシみたいなやつはね、みこりん…
 「ん?」といった感じに聞き入るみこりん。
 「ゴーヤの種なんだよ」

 食べ頃の緑色の時期を過ぎたゴーヤの実は、黄色く熟れたあと、爆裂する。その内部に詰め込まれているのが、その赤い種なのだった。何度見ても慣れない。というか食べるゴーヤのイメージが強いだけに、違和感ありまくり。
 みこりんは「えー!」と、驚いていたようだが、私が爆裂した実の残骸を示してやると、納得したようだ。これも加わってゴーヤのこぼれ種は、菜園に無数にばら撒かれたことだろう。来年夏がおそろしいことになりそうな予感。

 菜園の向かいの東の壁際に、10年くらい前から植えっぱなしになっているパイナップルセージが、今年も盛大に鮮やかな赤い花を咲かせ始めていた。
 この花の蜜を吸うのが小さい頃から大好きだったみこりんは、さっそくぷちぷちと花を摘み、ちゅっちゅと吸ってみている。今年の蜜もほんのり甘いらしい。
 それにしてもパイナップルセージは、じつに頑強だ。真冬、地上部は完全に枯れ、どうみても枯死したようにしか見えないと言うのに、春になると、新しい芽が眠っていた地下の根や、株元の古い枝の残りの部分から生え始める。
 なんという、おそるべき生命力。おそらくこの花は、みこりんがこの家を巣立つ頃にも、毎年秋になると、こうやって赤い花を咲かせるのだろう。その時、私は…

 冬は、もう目前に迫っていた。


2007.11.4(Sun)

芽吹きと、イチゴ苗

ブルビネラ・オレンジ(Bulbinella floribunda Dur.et Schinz)の芽 先月末に花壇に植えたブルビネラ・オレンジ(Bulbinella floribunda Dur.et Schinz)の芽が、もうにょきっと顔を出していたので驚く。たしかこの植物は、凍結したら枯死するとか書いてあったような…。雪が降ったらおしまいじゃん。
 早春になってから芽を出すものと思っていたので、こいつはかなり予想外。雪除け、霜除け対策を、何か考えておかねばなるまい。それにしても…、芽だけ見ているとヒヤシンスのような印象も受ける。これがでっかく育つのだね。期待して来春を待つとしよう。

 今日はホームセンターで、みこりんが選んだイチゴ苗を3つほど買ってきた。我が家に10年以上前から繁殖していたイチゴは、野良イチゴと化して庭のあちらこちらに転移していたのだが、最近はさすがに株の勢いがなくなってきていて、今年はあまり実をつけなくなってしまっていたので、改めて新しい“血”の導入というわけである。
 ウッドデッキの西側で、一番お日様の当たるところに作ってある花壇が、本来のイチゴが植わっていた場所だ。でも、ここ数年、満足に耕してないし、肥料などもぜんぜん足してなかったので、土がかっちかちである。花壇にした当時は、かなり土壌改良を行ったものだから、イチゴの勢いにもすごいものがあったけれど、この土ではちょっとそれは無理っぽい。
 というわけで、新しい土も足し、耕し耕し。そこにポットからイチゴ苗を移し、株元を適度に押さえておく。ピンクの花が咲くやつとか、桃の香りのするやつとか、ちょっと変わったのばかり。2階のベランダから、勉強中のみこりんが、時折、顔を覗かせて私の作業を見入っている。このイチゴが実をつける来春、みこりんは小学5年生になる。まだよちよち歩きだったみこりんと、一緒にイチゴ摘みしたのはつい最近のことのような気がするのに、逆算するとかれこれ8年くらいは過ぎ去っている計算か…。
 月日の経つのは、あっという間だ。しみじみと思う。


2007.11.5(Mon)

違和感の原因

 昨日、イチゴ苗を買いに行ったついでに、玄関に置いてある60cm水槽用としてヤマトヌマエビ(水草の苔取り用&水底の掃除用)を5匹と、レモンテトラ(60cm水槽に金魚1匹では寂しかったので)を3匹ほど買ってきていた。いずれもその当日に水あわせを済ませ、水槽には投入済みだったのだが、何か違和感を感じていた。

 今朝になり、レモンテトラにフレークを細かく砕いてやったときも、「なんか変だ」という思いはあった。でも、それが何なのかよくわからないまま、会社に出かけ。
 仕事中も、ときおり、ふっと妙な胸騒ぎみたいなのを感じていた。

 *

 夜、帰宅。
 ヤマトヌマエビ達が元気か、水槽チェック。
 エビは隠れるのが上手なので、ミクロソリウムのジャングルと化している水槽から発見するのは容易ではなかった。
 レモンテトラの方は、3匹寄り集まって、じっとしている。
 うーん、なんか静か過ぎやしないか。

 その時になって、ようやく違和感の正体がわかった。
 昨日水換えした時に、濾過槽のモーターを止めたのだが…、その抜いた電源コードを挿し忘れていたのだった。ダメダメである orz...

 コンセントにプラグを挿し、モーターがくぐもった音を立てながら生き返る。
 やがて濾過槽に水が回り、落水パイプから水流が発生。止まっていた水槽の中の水が、一気に動き始めた。レモンテトラも、気のせいか、動きが活発になったような気がする。
 この季節、まだヒーターがフル作動してなかっただけ幸いだった。これが真冬だったらと思うと、ぞっとする。
 近頃、こんなポカミスがちょっと多いので、慎重に慎重に。


2007.11.7(Wed)

月夜

月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による世界初の月面撮影

 ついに『かぐや(SELENE)』から、月の動画が届いた。

 【「かぐや」ハイビジョンカメラによる映像を見る

 個人的には後半の“北極付近”の映像が、かなりツボ。荒涼とした月面に、無数にできた大小様々なクレーター。そしてその影。やがて月の境界線が、漆黒の宇宙へ消えてゆく様は、見ていて背筋がぞくぞくした。宇宙はこんなにも闇が濃いのだということを、まざまざと見せ付けてくれた。
 本物が持つ絶対的な迫力に満ちている。今も月を『かぐや』が周回しているかと思うと、肉眼では見えないとわかってはいても夜空を見上げてしまいたくなる。

 次は、いよいよ“月面からの地球の出”かな。子供の頃、図鑑で見た一枚の写真。あれが鮮やかな動画となって届く時代になろうとは…。

 感無量である。

月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による世界初の月面撮影の成功について

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)および日本放送協会(NHK)は、平成19年10月18日(日本時間、以下同様)に高度約100kmの月周回観測軌道に投入した月周回衛星「かぐや(SELENE)」から、世界初のハイビジョンによる月面撮影に成功しました。

 撮影は「かぐや(SELENE)」に搭載されたNHK開発の宇宙仕様のハイビジョンカメラ(HDTV)によって行われたもので、上空約100kmからの月面のハイビジョン撮影は世界で初めてのことです。

JAXAプレスリリースより(2007年11月7日)


2007.11.8(Thr)

芋掘り

 火曜日、天候不順のため延期されていた芋掘りが、今日、無事行われたようだ。4年生と、保育園の子と、合同の芋掘り。ネコ車に山盛り3杯分くらい掘れたというので、おそらく100本以上は掘り起こすことができたらしい。

 掘った芋は、後日、学校で鬼まんじゅうに加工されて食されることになっていると、みこりんは言ったが、みこりん的には生のまま各自お持ち帰りにしたかったようだ。じつはみこりん、さつま芋は、かなり好きらしい。
 鬼まんじゅう作ってもなお余っていれば、各自に配布されるのではないかとみこりんは期待している。4年生全員で約80人いるから、鬼慢1個につき芋1/4を使ったとして、鬼慢だけで約20本の芋が必要。芋が山盛り3杯の100本以上収穫できているのだとすると、たぶん余る。そんな計算を、みこりんにも話して聞かせると、自分でもだいたい暗算してみてイメージできたのか、ちょっと安心したようだ。

 ところで収穫時に、畑で何かの生物に足を噛まれたらしい。みこりんは、その生物を“アリ”だと言ったが、まるでブヨにでも刺されたかのように赤く腫れた傷口を見ると、本当にただのアリだったのだろうかと思う。他の子も、同じように噛まれて腫れてるらしいので、何らかの毒虫が畑に複数いたことは間違いなさそうだが、いったい何の虫がいたのか、気になるところだ。


2007.11.9(Fri)

音楽集会

 合奏曲ではマーチングキーボードに決まり、合唱曲では惜しくもピアノ選考から漏れたものの、来週開催の音楽会まであとわずか。みこりんも日々練習に余念がない。
 私もどんな音楽会になるのか興味はあるのだが、残念ながら当日は保護者の参観は不可なのであった。その代わり、今日の全校朝会で練習成果を発表する機会が用意されており、こちらには自由に聞きに行ってもよいとのこと。朝8時半くらいまであるため、出社時間が遅くなってしまうが、音楽会は4年生にしか出場権がないので、まさにこれを逃すと一生聞き逃すことになってしまう。というわけで、朝、みこりんを学校に送っていったついで、そのまま駐車場で時間まで待つことにした。

 午前8時を過ぎ、そろそろ朝会の準備も始まってきたかなという頃、他の子供達の親もぽつぽつと到着し始める。開始5分前には、私も体育館に入ってみたところ、4年生の児童の1/3くらいの親がすでに集まっていた。ステージには、みこりん達の姿があり、楽器に埋もれるようにしてすたんばっている。
 どうやら音楽会は、4年生2クラス合同で行われるようだ。私の子供時代は、各クラス対抗だったので、漠然とみこりんのもそうなのだろうと思っていたので、やや驚き。

 やがて他の学年の子供達も揃ったところで、合唱曲から始まった。
 曲そのものは、みこりんが家でよく練習していたので聞きなじんでいたのだけれど、80人からの合唱はやはり迫力がある。男子の声も、まだ野太くなる前なので、比較的澄んだ感じに揃っているところがよい。これのピアノ伴奏は、かなりやり甲斐ありそうだ。今弾いてる子は、幼少の頃よりピアノを習っているということもあり、みこりんに負けず劣らず(←親バカ)さすがに上手かった。

 次に合奏曲。各自、楽器の前に移動する。みこりんはマーチングキーボードを肩から掛けていたが、みこりんが言うほど大きすぎる印象はあまり感じなかった。むしろ、ちょうどいいかもしれない。
 このとき私はもちろんビデオカメラで撮っていたわけなのだが、始まったなーっと思ったら、なんだかあっというまに演奏が終わった気がした。合唱の長さに比べると、やけに早かったような。でも特に間違いで終了してしまったわけではなく、これが正常な演奏時間っぽい。おそらく楽器の準備にかかった時間は、これも10倍以上は確実にあるのではなかろうか。
 なんだかもったいないような気もしつつ、学校から職場まで直行したのであった。


2007.11.10(Sat)

続・激しい剪定

 玄関脇に植えてある月桂樹の剪定をしたのは、いつのことだったろうか。記憶を呼び覚まそうとしても、なかなか思い出せなかったのでこの日記の過去分まとめて検索をかけてみたら、直近のもので2001年2月3日の日記“激しい剪定”に見つけることができた。もう6年以上前のことになるのか…。道理でこんなに枝が伸びているはずである。

 朝方、みこりんが月桂樹の枝に変なムシがいると報告してくれていたのだが、その時はまだ眠りの中にいた私は、夢の中でその言葉を聞いていたような気がする。その虫の特徴をいくつか尋ね、「カイガラムシじゃないかな?」と、みこりんに言ったところで私はまた深い眠りに落ちていってしまったのだった。

 完全に目を覚ましたお昼前、月桂樹はすでにLicの手によって下のほうの枝はきれいさっぱりと剪定されていた。残る上の方の枝は、1階と2階の境界にある軒をぐるっとよけるように途中で幹を湾曲させ、さらに上の天を向いて伸びていたため、Licとみこりんは高枝切りハサミでどうにかしようと試みていたが、幹が太すぎてどうにもならず。刃が食い込んで抜けなくなってしまいそうだったので、そこは私が脚立に乗って、直接ノコギリで切断することにした。
 幹の直径約7cmくらい。大きく育ったものよ。たしか一度先端を切り詰めたはずなので、これは脇芽が育ってしまったものだろう。

 ばっさりと幹と枝を剪定した月桂樹は、とてもすっきりとして見えた。紅茶色したカイガラムシが無数にくっついていたのは、主に幹の上の方だったので、今回の剪定でほぼ一網打尽である。
 剪定した枝をゴミ袋に詰めやすいよう、ちょきちょきとハサミで刻んでいると、一枚の葉っぱにフタモンアシナガバチが1匹いた。逃がしてやろうとしたのだが、どうにも動きが鈍い。近頃の寒さですっかり体力を消耗しきっているようだ。自力では動けなさそうなので、葉っぱから門柱の塀へと私の手で移動させてやった。
 よたよたと塀に取り付いた蜂は、じっと動かない。果たしてこのまま冬を迎えることは出来るのだろうか。そんな心配をしつつ、Licと共に剪定屑を袋詰め。都合、3袋の出来上がりである。

 あとは…、菜園で立ち枯れ状態になってしまったゴーヤ等の夏野菜を撤去するだけ。土壌改良用に、新たな土もすでに買い込み、クルマのトランクに仕舞い込んである。早くこれを使いたいのはやまやまだが、休日は他にもいろいろとやることが多くて次回に延期。


2007.11.11(Sun)

リズム感

 「付録についてきたカードでも売れるかなぁ?」と、みこりんが言った。その手には、雑誌『小学4年生』限定で付録として入っていた“きらりん”やら“ムシキング”のカードが握られている。
 付録とはいっても、これらは本物として使えるので、もしかすると売れるかもしれない。とはいえ、売れたとしても“たまカップ”の前例からすると、雑誌限定とはいってもレアな雑誌じゃないし、一枚5円とかそんなものだろうとは思うのだけれど。
 それでも売ってみたいらしいので、例の中古屋に出撃。私も、食玩の外れフィギュア(『宇宙空母ギャラクティカ』シリーズから“サイロン兵”)を1つ、もって行ってみることにする。果たしていくらになるのだろう。

 広大な駐車場にクルマを停めると、隣に停めてあったBMWを目敏く見つけたみこりんが、「ハンドルが反対側についてるよ!」と驚いていた。思い起こせば私もみこりんくらいの頃に、スーパーカーブームで左ハンドル車というものの存在を強烈に意識し始めたのだったなぁ…、などとちょっと懐かしい気分に浸ってみたりもしつつ。
 店内へ。
 あいかわらず人が多い。買取カウンターの前には、大量に仕入れたと思われる品々がダンボール箱に入れられて積まれている。それを忙しげに整理していた店員さんに、持参してきたみこりんのカードと、私のフィギュア1点を手渡し、査定待ち。店員さんの言うことには、「30分から1時間ほど時間がかかる」ということだったが、結果は比較的早く、10分ほどで店内アナウンスで番号札に書かれた番号がコールされたのだった。

 みこりんのカード5〜6枚と、私のサイロン兵1体は、結局、60円ということで買い取られることになった。受取書には、その内訳までは書かれてないので、みこりんのカードが1枚5円よりも高かったのかどうかは不明だ。でもまぁ意外に高値がついたような気もする。予想では全部で10円とか20円とかも有りだと思っていたから。

 無事売れたことに、みこりんもほっとしつつ、DSのゲームカートリッジ・コーナーへと吸い込まれてゆく。みこりんには何かお目当てのゲームがあるらしい。
 熱心に棚の1つ1つをチェックしている。
 およそ20分くらいそこに滞在していただろうか。ようやくみこりんが探し物を発見したようだ。そのゲームの名は『燃える!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』という。
 いわゆる音ゲーというか、リズムに合わせて適切な応援をすることで勝敗を決するゲームである。いつぞや義妹の所に遊びに行った時、たまたまこれで遊ぶ機会があり、それ以来ずっとみこりんはこのゲームを欲しがっていたのだった。

 中古店ゆえ、新品のおよそ半額でゲットすることができた。
 さっそく家に帰って、みこりんと対戦してみることにする(通信プレイで最大4人まで対戦可能な仕様になっている)。

 結果は、みこりんの圧勝。
 ミスがほとんどないみこりんに対して、私はその正反対の結果である。シビアなタイミングを要求されるため、優れた反射神経とリズム感が欠かせないと思われるのだが、今現在の私には、その両方が備わっていないようだ。
 ちょっとショックだったので、久しぶりに脳トレをやってみたところ、脳年齢24歳というハイスコアをマークしてしまい、さきほどの惨敗との対比に驚く。
 つまり、反射神経というよりは、どっちかというとリズム感の圧倒的な差、なのかもしれない。

 雨の日曜日。物憂げな午後のことであった。


2007.11.12(Mon)

マスクの季節

 すっかり朝晩は冷え込むようになり、職場でもあちらこちらで咳き込む声が聞こえてくるようになった。100人以上が詰め込まれた大部屋なので、相対的に咳をする人の数も多い。それゆえに、夕方近くにもなると、自分の喉もなんだかバイキンに汚染されてしまっているかのような違和感を覚える今日この頃。

 帰宅後、すぐに手洗い&うがいは欠かしていないが、この調子だといつか移されそうな予感がする。だいたいにおいて、ひどい咳をしている人に限ってマスクをしていないことが多い。平気でげほげほと咳をして、バイキンを撒き散らす。この点についてはみこりんも同意見らしく、教室でも、咳をする子は、ほとんどマスクをしていないのだそうな。しかも、マスクをしていたとしても、咳をする瞬間になると、わざわざマスクを外すのだという。
 な、なんじゃそれ。

 というわけで、今日から自衛のために自分がマスクをしていくことにした。
 一日マスクで過ごしてみた結果、帰宅後の喉の調子がぜんぜん違うことに気がついた。喉の違和感がほとんどないのだ。マスクで適度な湿度が保たれていたというのも影響しているだろうけれど、やはり体感できるほどに効果はあるらしい。
 明日からも継続してマスクの日々になりそうである。


2007.11.13(Tue)

約38万km

かぐや搭載のハイビジョンカメラによる「地球の出」の撮影結果

 月の周回軌道に乗ったら、やはりこの映像は逃せない。というわけで、『かぐや(SELENE)』から送られてきた“地球の出と入り”の映像。さっそく動画を見てみようとしたのだけれど、重すぎて接続すらできず orz...

 【地球の出(Earth-rise)」ハイビジョンカメラによる映像

 【地球の入り(Earth-set)」ハイビジョンカメラによる映像

 1968年、アポロ8号のビル・アンダーズ飛行士によって撮影された“地球の出”から、およそ40年が過ぎ去った今、ようやく次の新しい“地球の出/入り”が届けられた。近くて遠かった天体、月が、これから観測ラッシュを迎える。そう遠くない将来、月資源を巡って『MOONLIGHT MILE』のような事態になる可能性もなきにしもあらず。願わくば、月にクレーターが新たに作られたりしませんように。

月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による「地球の出」撮影の成功について

 月面越しに地球が昇っていく「地球の出」は、アポロ計画で初めて撮影されました。暗黒の宇宙空間にただひとつ浮かぶ青い地球が印象的なこの画像のハイビジョン撮影に、今回、「かぐや(SELENE)」が世界で初めて成功しました。
 また、この画像は約38万km隔てた遠い宇宙から地球をハイビジョン撮影したもので、これも世界で初めてです。

JAXA プレスリリースより(2007年11月13日)


2007.11.14(Wed)

音楽会

 みこりんの音楽会当日。マリンバや大太鼓といった大物楽器は昨日のうちに開催場所となる文化会館まで運ばれていったらしいのだが、みこりん担当のマーチングキーボードは、当日の朝、つまり今日、児童と一緒に会場まで運搬されることになっていた。だから、昨日からずっと、みこりんは不安だった。

 みこりんがマーチングキーボードの担当に決まったあと、学校に新たにもう1つ、マーチングキーボードが届いたのだという。おそらく3音ずれたままではまずいから、という事情だと思われるのだが、ずっと3音ずれたやつで練習していたみこりんにとっては、その完璧に調律されたものより、使い慣れたやつの方がいい。音楽会では、新しいのじゃなくて、3音ずれた方で臨みたい。そう、みこりんは思っていた。
 運搬担当の先生が、そのことに気づかず、新しいのを運んでいったりしたらどうしよう。あるいは、そもそも忙しい朝のこと、先生が音楽室から運び出すのを忘れていたらどうしよう…。みこりんは、そう心配していた。

 それゆえに、朝、出発の前に、一度音楽室をチェックするのだと、みこりんは言っていた。そしてみこりんはそれを実行した。

 音楽室でマーチングキーボードをチェックしたみこりんは、そこに残されていたのが使い慣れた3音ずれたやつだということに、すぐに気付いた。みこりんの危惧は現実のものとなっていたのだ。
 さっそく運搬担当の先生に言って、取り替えてもらうことができたのだという。まさに危機一髪。

 音楽会は、近隣の小学校から児童達が集まってくる、かなり本格的なもの。そして会場は、みこりんがエレクトーン発表会でよく使っているおなじみの場所。
 歌と演奏は、練習どおり、できたらしい。担任の先生が言うことには、みこりん達の声が一番美しく聞こえたそうだ。そしてみこりんには、他の学校の子供達が演奏した「ちゃっちゃっらっちゃっちゃっちゃー」っていう曲が、気に入ったそうな。口ずさんだメロディーは、まさに、ドラクエの曲。そのことを教えてやると、「有名な曲を、その“ドラクエ”っていうゲームでも使ってたの?」と言うので、いやいやそうではなく、ドラクエ専用に作られた曲なのだと言ったら、たいそう驚いていた。

 その他に1つ、気になることがあったと言う。
 それは、エレクトーン発表会の時には、ライトに照らされて、影がたくさんできるのに、今日は影ができなかったこと。…なるほど、たしかに個人を照らすスポットライトのエレクトーン発表会と、大人数でステージ全体を照らす今日の音楽会では、照明の種類が違っていたとしても不思議ではない。
 ステージ上でも冷静に状況を観察できていたことに、ちょっと感心した。数日前、「ステージでは緊張する?」と聞いた私に、「エレクトーン発表会で慣れているからぜんぜん平気だと思う」と答えたみこりんの言葉は、本当だったようだ。

 運動会に音楽会。これで2学期に開催される3大行事のうち2つが終わった。残る1つ、文化祭(のようなもの)は今月末に実施される予定。なかなかみこりん達も忙しい。


2007.11.15(Thr)

べっこう飴

 4年生から授業に組み込まれるクラブ活動は、1年間を前期と後期に分けて、その所属を変更することができる。
 前期、はからずも希望していなかった“俳句クラブ”になってしまったみこりんだったが、俳句ノートを買いに行くのとか、自治体の俳句教室に参加したりとか、それなりに楽しんでいたようだ。でもやっぱり、第一希望の“科学クラブ”への思いは絶大であり、本来クラブ活動で行う“べっこう飴作り”にも独自に挑戦したものだった。

 そして後期、ついにみこりんは念願かなって“科学クラブ”に入ることが出来た。今日はその活動の実質始動日。内容は、“べっこう飴作り”である。

 すでに自作したことがあるので、どんな風にできるのか知っているみこりんだったが、数日前から材料の準備を行うほどに、気合が入りまくっていた。
 家で作ったのとちょっとだけ違うのは、普通の白砂糖ではなく、グラニュー糖を使うところである。この違いが、みこりんにとってはかなり重要らしく、白砂糖で作った時と比べて、どのような変化があるのか試してみたいという思いに結びついているようだった。

 グラニュー糖を、そこそこの大きさのタッパに2/3ほど詰めて学校に出かけたみこりんは、無事、べっこう飴を作ることに成功したらしい。夜、帰宅した私がテーブルの上で見たものは、わずかに残されたべっこう飴の黄金色した欠片であった。その表面にはグラニュー糖が少々まぶされており、よりおいしそうに装飾されていた。やはりクラブ活動で作ったものは、芸が細かいようだ。

 みこりんに試食を促されたので、さっそく一片を口に放り込んでみる。
 舌の上で溶けると同時に、強烈な甘さが口中に広がってゆく。
 ねっとりと濃厚な甘さであった。
 グラニュー糖のつぶつぶが、食感のほどよいアクセントとなっている。

 最後の一片を、みこりん自ら口に入れ、もぎゅもぎゅと味わい、「甘いね」と、言った。その表情がじつに晴れやかで、本当に科学クラブに入れてうれしかったのだなと実感できた。
 次回はスライムを作るらしい。これまた、いろんな場所ですでに作ったことのあるものだが、クラブで作ると、さらに一味違うものになるのかもしれない。


2007.11.16(Fri)

呻き声

ものすごい勢いで眠るにゃんちくん 夜中、突如として呻き声のようなものを間近に聞き、どきりとする。方向からいって座敷方面。
 暗闇の向こうに座敷はあったが、今は襖が閉められているので直接は見えない。いったい何の音だったのか。冷静に音源を探っているうち、再び先ほどの声に似たものが…

 にぅ〜………

 にゅー〜……、に、にぅー……

 ちょうど座敷と私との間にある和室に、にゃんちくんが自分のソファで眠っていたのだが、どうやら声は“そこ”から発せられているようだった。
 じっとにゃんちくんの寝姿を覗き込んでみる。
 すごい勢いで眠っているようだ。前脚で顔をちょっと隠すようにしつつ、満足げな寝顔。そして、むにゃむにゃと口元を動かし、「にぅ〜」と鳴いた。

 音の正体は、にゃんちくんの寝言だった。
 なんの夢を見ているのだろう。至福の表情をしているので、よほど気持ちよい夢なんだろうな、とは想像がつくのだけれど、夢をモニターしてみたい衝動に駆られる。

 にゃんちくん、現在、推定10歳。平均的なネコの寿命の2/3を既に生きた。
 時は、今も刻々と進み続ける。願わくば、もう少し時間を…


2007.11.17(Sat)

蟷螂と蝶

 近所に住む“カナヘビを飼っている”みこりんのお友達は、カマキリも飼っているらしい。今日はそのカマキリのために、みこりんはお友達と一緒に、空き地にて餌を捕っていたのだという。
 カナヘビにカマキリ、いずれも肉食な生物を飼うというのは、なかなかすごい。肉食の生物は、たいてい生きた獲物でなければ食べてくれないことが多い。だから生餌を調達することになるわけだが、これが結構大変なのだった。

 そのお友達には、ある種のこだわりがあるようで、カマキリの餌は蝶でなければならないらしい。バッタ等ではダメなのだそうな。でもこの冷え込み著しいこの季節、蝶の個体数が減ってきているので捕まえるのもなかなか難しくなってきており、かなり苦労しているようだ。
 それでもどうにか蝶の捕獲に成功し、食べさせてやってきたらしい。

 ちなみに、みこりんは虫全般が結構苦手だ。特にバッタ系は今でも怖いらしい。蝶は、それに比べるとまだましなんだそうだが、生きた蝶をもりもりと食べるカマキリの図というのは、なかなかグロかったそうである。…まぁ、たしかにあまり気持ちのいいものではないけれど、食いっぷりが豪快なので私などは「へー」なんて感心しつつ見ていた子供時代のことを思い出したりなんかして。

 虫は苦手なみこりんだったが、植物を育てるのはわりと好き。今も、リビングのテーブルの上には、ミネラルウォーターのおまけとして付いてきたミニ野菜の苗(ニンジンとカブ)が、直径1cmくらいのミニ鉢で育っている。ただし、この場所は窓辺からちょっと離れているため、みんなカイワレ大根みたいにひょろひょろになってるのが、不安といえば不安なところ。そろそろ菜園の方に移植したいらしいのだが、急に太陽の直射に浴びせても大丈夫なのか、そのへんがちょっと心配。


2007.11.18(Sun)

『光とともに…』

 学校の図書室で借りてきたという『光とともに…(1巻)』(作:戸部けいこ)が、ことのほか気にいったらしいみこりんは、さっそくサーチエンジンでこのタイトルを検索し、ドラマ化されていることを知った。
 「見てみたい!」というみこりんのために、今日は午前中から最寄のレンタルビデオ屋にお出かけ。外は天気雨。晴れているのに、冷たい雨がぱらぱらと降る、奇妙な空模様である。

 レンタルビデオ屋に近づくと、店の周囲にずらっと立てられている幟旗に、『本日DVD旧作70円』の文字が!
 みこりんの目が、きらりんと光った。通常価格260円なので、これは安い。大量に借りるには、もってこいのシチュエーション。

 だがしかし、現実はそう甘くはなかった。みこりんの借りたい『光とともに…』のドラマDVDは、膨大な棚の中に、どこにも見当たらなかったのである。やはりこのような田舎のショップには、置いてないのかもしれない。でもまぁ、ないものは仕方がない。みこりんはちょっと名残惜しそうだったが、DVDコーナーを離れ、古本コーナーへと移動。今日は古本も、なぜか100円均一の日だったのだ。

 みこりんには以前この店に来たとき、気になる本が1冊あった。それは、チョコボの登場するコミックで、タイトルを『チョコボのふしぎものがたり』(作:かとうひろし)という。ただし古本ゆえに、人気作ならともかく、売れてしまったら再入荷の見込みはほとんどない。そう言い聞かせつつ、棚をチェックしていたところ…、奇跡的に残っていたのだ。ただし、それは前回見つけた1巻ではなく、5巻だった。全6巻構成らしいので、ほとんど終盤。それでも、みこりんにとっては十分らしい。というわけで、買い。1巻〜4巻までのお話は、“これまでのあらすじ”でフォローするつもりのようだ。なんとも豪胆な。

 続いて『光とともに…(2巻)』も発見。この本は図書室でも人気があるらしく、よく借りられているっぽいので、これも買ってみたいらしい。私が掘り出し物を探している間に、半分ほど立ち読みしてしまっていたので、余計離れがたくなってしまったのかもしれないが、100円均一の日なので買い。

 以上、2点を収穫とし、帰還。
 午後も、雨が降ったり止んだり。物憂い晩秋の日曜日のことであった。


2007.11.19(Mon)

降りていたもの

 みこりんを学校に送っていくのと、出勤のため、玄関を出ると、耳の先がしびれるほどの冷気にぶったまげる。たしかに部屋の中も、今朝は格別に冷え込んでいて、石油ファンヒーターが朝から心地よかったけれど、まさかここまでとは。

 隣の空き地に生えた背の低い草の上が、びっしりと白いもので覆われているのに目が留まった。
 みこりんもそのことに気付いたらしく、大きな声でこう言った。

 「霜がおりとるよ、おとーさん!」

 今期、初霜の朝。今年の冬は、いつになく厳しいのかもしれない。


2007.11.20(Tue)

分数

 算数の授業で、初めて分数を習ってきたと、みこりんが言った。ほぅほぅ、「では1/2が、1÷2=0.5なのは教えてもらった?」と聞くと、そういうのはやってないんだそうな。小数はすでに習っているのだが、答えが小数になる割り算は、習ってないとのこと。なんだかもったいないような…。一緒に習えば理解も早そうに思うのだが。

 ちなみに、みこりんは分数の概念そのものはだいたい把握できていたらしい。私などが会話の中で普通に「3分の1」とか使っているのを聞いて、直感的に「そんな感じのもの」というのはわかっていたようだ。

 じゃぁ「1÷3は?」と、聞くと、「0.3余り0.1?」と、ちょっと自信なさそうにみこりんが答える。習ってないとはいうものの、やはり感覚的に理解はできているらしい。
 「そう。で、余りを使わずに書くと、0.3333333333333333…、って永遠に続く」
 でも、「分数で表すと 1/3 」と言う私の言葉に、みこりんも大きく頷き「分数ってすごいね」と言った。

 そんなみこりんだったが、算数は授業の中でもそれほど好きな部類ではないらしい。でも、算数がらみのパズルは好き。たぶん…、算数の授業内容と、みこりんの数に対する興味の対象が、微妙にずれてるんだろうなと思う。
 授業はともかく、数字への探究心は失わないでいてくれたらなと希望する。


2007.11.21(Wed)

見えない敵

 近頃みこりんがはまっているネットワークRPGは、“野菜村”と“チョコットランド”なわけだが、今日はその“チョコットランド”の方で奇怪な現象が起きていた。

 通常、RPGにおいて、“町”というのは安全地帯であり、危険なモンスターは入ってこられないフィールドとなっていることが多い。“チョコットランド”の町も、そういう安全地帯な設定だ。
 だからこそ、ゆったりと休息もできるし、買い物にも集中できるというもの。ところが、今宵の“町”は、変だった。

 みこりんのキャラが町に戻ってきた瞬間、なぜか戦闘不能になってしまったのだ。逆のパターンなら、特に不思議でもなんでもない事だが、安全なはずの町に戻ってきて戦闘不能とはこれいかに。
 戦闘不能になったら、誰かに蘇生してもらうか、ホームポイントに戻るしかない。みこりんは“戻る”を選んだ。ホームポイントは、さっき戻ってきたばかりの町に設定してあったので、場所的には移動しないのだが、これで普通なら復活をとげるはず。でも、HPはゼロのまま戻らず。おまけに自キャラも表示されない。
 同様な現象に遭っている人は、他にもけっこういるようで、流れるログを見ていると、誰かが入室してきたとたんに戦闘不能になってしまっている。そして、同様にそのキャラは消えたまま見えず。でも中には普通に町に戻ってこれて、ちゃんとキャラが表示されている人もいる。

 そのうち誰かに無事蘇生してもらえたのはよかったのだが、今度は町の中で見えない敵に襲われ、再度、戦闘不能になってしまっていた。がしがしと殴られるエフェクトは見えたが、たしかに敵の姿はどこにもない。HPだけが減っていき、死んだ。
 こ、怖っ。透明な敵が町の中にいる?透明な敵は他にもたくさんいて、それで町に入った瞬間、強烈な攻撃で瞬殺されているのかも。

 何かのイベントが発生しているのでは?とも思ったが、みこりんが“チョコットランド”のサイトを確認した限り、そういう風変わりなイベントが開催されているわけでもなさそう。
 うーん、見えない敵。しかも町の中に敵。恐るべき現象だ。

 この現象が他の町にも起きているのか、みこりんは検証してみている様子。こういうところは、なかなか理系的なセンスを感じる部分だ。
 その結果、見えない敵が存在しているのは、この町だけらしいことがわかった。そして、何度目かにみこりんがその見えない敵のいる町に戻ってきたとき、それは起こった。
 町の中にいたのは、凶悪な“ベヒーモス”。こんな所にいるはずのないモンスターだ。透明な敵の正体は、こいつだったのかもしれない。

 仮想世界における、プログラムの異常によって引き起こされる災害。
 SF等ではネタにされることも多いが、実際、こんなにわかりやすく現実のネットワークゲームの世界で起きるとは…。しかも、もっともあってはならないタイプの異常現象。誰かが意図的に行ったのでないとすれば、“チョコットランド”のプログラムには人智の及ばない何かが作用しているのかも、しれない…。


2007.11.23(Fri)

『アルタナの神兵』

 さて、FINAL FANTASY XI の拡張ディスクとしては4作目となる今回の『アルタナの神兵』は、発売日だった昨日のうちにパッケージをセブンイレブンにてゲットし、インストールも無事済ませ、さらにオンラインアップデートもすっかり終わっている状態だったが、一夜明けた朝になっても肝心のレジストコードの登録ができていなかった。
 前作の『アトルガンの秘法』の時にも、このレジストコードの登録サーバがアクセス集中のため機能不全を起こして、サービス開始から数日経過してもなかなか登録作業が完了しなかった人続出だったのだが、今回も同じ過ちを繰り返してしまうとは。サービス提供会社としては、かなりまずい失態であろう。

 昨夜遅く、登録サーバは完全に落ちてしまっていた。私は真夜中ずっと起きて、サーバが復旧するのを待っていたのだが、結局、サーバが生き返ったのは丑三つ時を過ぎたあたり。けれども相変わらずアクセスが殺到していて、登録作業は行えず。まさに“リトライ祭り”である。

 数え切れないほどリトライを繰り返し…、ようやくレジストコードの登録に成功したのは、すっかり日も高く上った午前11時過ぎのことであった。
 猛烈に眠い。だが、なにはともあれ今作の舞台となる過去世界を一目でも見ないことには、眠るに眠れない。この時点で、すでに攻略サイトにはかなりの情報が上がってきており、だいたいの手順は把握してしまっていた。

 過去への扉となる“禁断の口”。禍々しくもグロテスクな物体である。生物なのか、装置なのか、それすらも定かではない。
 この口に入ると、はるか時空を遡り、過去世界へと辿り着く。
 20年前の戦争真っ只中の世界だ。

禁断の口

 見慣れた景色でありながら、微妙に大気の色というか、雰囲気というか、五感で感じる(仮想世界の事なので、本当の意味での五感ではないのだけれど)部分に、不思議な違和感を覚える。現代では朽ち果てた要塞が、重厚な造りの完全なる軍事要塞として機能していたり、平原に残骸をさらしていた城砦が、完全な形を取り戻していたり。
 そしてなによりも違っていたのは、妖精の存在だった。

妖精さん

 どこからどうみても敵ではなさそう。しかし、闘おうと思えば戦闘可能な相手として存在している可憐な妖精。
 戦場をふわりふわりと飛び回り、いったいその瞳で何を見ようとしているのか。とても興味を惹かれてしまう。中には、この妖精に戦いを挑んでいた冒険者もいたが、なんだかよくない事が起きそうな気がして自分は手を出さずにおいた。

 やがて時間が経つにつれ、じつはこの妖精、瀕死の冒険者に回復魔法をかけてくれたり、戦闘不能になってしまった冒険者に蘇生魔法をかけてくれる、ありがたい存在であることが判明してくる。噂では、倒すとMPが全回復するとか、倒して妖精族の恨みを溜めてしまうと、今度からはその冒険者には回復魔法ではなく、一撃必殺の瞬殺魔法が放たれるとか、etc...

 謎多き、過去世界。まだ冒険は始まったばかりである。


2007.11.24(Sat)

狩り

 RPGにおいて新しい拡張ディスクが出たということは、それに伴って新規に追加されるクエスト等もあるというわけで、クエストに必要なアイテムは例によって高騰し、ゲーム内の競売所でも高値で取引されるようになる。例えば、持ち歩けるアイテム所持数の上限が増えるクエストに必要な“金鉱”の場合、通常5000ギルが相場であったが、今では4万ギルに跳ね上がっていた。しかしこの相場もやがては落ち着き、通常価格へと収束する。こうした一時的な拡張ディスク特需にうまく乗れれば、臨時収入でがっぽがぽ。
 というわけで、クエストアイテムの1つである新エリアの獣の皮を狙って、狩りに行こうと誘われたので同行することにした。といっても金目当てというよりは、お祭り騒ぎに参加して“楽しむ”というのが趣旨なのは言うまでもない。

 持って行くものの準備等していると、みこりんも一緒に行きたいと言う。狩場は、新ディスクで導入された“過去エリア”のため、みこりんキャラもそこに行けるよう、急いで“禁断の口”を通り抜け、過去への扉を開くのであった。
 みこりんは、過去エリアにのみ棲息する、例の妖精さんを自分のキャラの目で見たかったらしい。

 準備が終わったので、狩場へと出発。白魔21歳のみこりんキャラから見ると、“とてもとても強そうな”敵がうじゃうじゃといるため、視覚感知や聴覚感知のアクティブモンスターを避ける手順等、教えつつ、どうにか無事、たどり着くことに成功した。ちょっと前のみこりんなら途中で敵に絡まれて即死なパターンがままあったことを考えると、ものすごい進歩である。さすが若い脳は、適応力が半端ではないようだ。

 みこりんキャラ含めて3人で、狩り。獲物は私のキャラからみて“練習相手になりません”なので、さくさくと狩れる。一度、範囲攻撃を食らったみこりんキャラが瞬殺されてしまうというアクシデントはあったものの、以降は安全な距離をとることで巻き込まれもなくなり、みこりんキャラの回復魔法やら麻痺を治す魔法等、そこそこ役に立ってくれた。
 ただ、倒しても倒しても、目的のブツは出ず。徐々に、みこりん本体が眠りの世界へと旅立ちそうになってきたので、みこりんには寝てもらい。この時、みこりんキャラも安全なホームポイントに戻しておいたのだが、これが裏目に出てしまった。

 この狩場には、レベルの異なる同種族の獲物がいて、私たちが狩っていたのは弱い方。しかし、あまりにブツが出ないため、強い方に手を出してみることにしたのだが、こいつの放ってくる麻痺攻撃が半端ではなかった。
 みこりんキャラがいた時には、麻痺を治す魔法を唱えていてくれていたので特に問題はなかったのだけれど、今はその麻痺を治す魔法を誰も使うことができず、ひたすら麻痺って、攻撃も、寝かし魔法すら唱える隙もなく、あえなく全滅。同じ狩場で強い方をソロで狩っている人もいたのだが、そちらはバリバリの前衛職のため、敵の攻撃を回避しまくりで、麻痺っていても大丈夫らしい。
 私のキャラは魔法を唱えてなんぼの赤魔道士ゆえ、その魔法詠唱を止められてしまう麻痺は、死に直結する。そこで、いったんホームポイントに戻り、麻痺を治す魔法を唱えられるよう、サポートジョブを白魔道士に替えて、再戦。

 あいかわらず麻痺攻撃はきつく、麻痺を治す魔法詠唱も途中で中断させられてしまうことしばし。とはいえ、一度でも麻痺を治せれば、敵を寝かせてその間に体力を回復することができる。
 寝る敵であれば、これを延々と続けることで最終的には勝てる。時間はかかるけれど、これが魔道士の戦闘スタイルである。

 *

 ひたすら狩り。かれこれ3〜4時間は経っただろうか。
 もはやこの獲物で何匹目かすら覚えられないくらい、果てしなく倒したような気もするが、目的の皮は一枚も出ていなかった。たまーに肉をぽろっと落とすくらいで、それすらも片手で数えられるほど。ドロップが渋すぎる。
 途中、友人がさらに一人加わり、1匹あたりの戦闘時間はぐっと速くなったものの、それでも皮は一枚も出ず。
 丑三つ時を過ぎようかという頃、最初に誘ってくれた友人が睡魔の誘惑に抗し切れなくなったらしいので、本日はこれにて解散。

 ちなみにこの皮、競売価格、現在のところ一枚5万ギルほどだった。これほど狩って一枚も出ないにしては、妙に値段が安い。出るところでは、しっかり出ているのかもしれない。何にしても、拡張ディスクが出てから日が浅く情報が少ない現状では、こういうのも仕方あるまい。
 今のうちだけの、手探り状態ならではの楽しみともいえる。

 ヴァナ・ディールの地よりログアウトし、PCの電源を落とす。
 こうしている間も、あの過去世界では妖精さんが今も傷ついた冒険者を癒しているのだろう。そんなことを思いつつ、寝た。


2007.11.25(Sun)

冬支度

 みこりんの冬用ジャケットがきつくなったというので、新しいのを買いに出かけた。
 今が旬の冬用衣類ゆえ、子供用服売り場でも、かなりの面積をジャケット類が占めている。しかし、みこりんはシンプルなのが好みらしい。襟にぽわぽわの毛が生えたやつとか、派手な模様の入ったもの等は眼中にないようだ。

 ぐるりと売り場を回って、ようやくみこりんが足を止めた。
 そこには、パステル調の淡い色彩をしたパーカー類がちょこっとだけハンガーにかかっている。みこりんの好きな色は、水色、黄色、薄い緑、薄いオレンジ。まさにみこりんのために存在するかのような空間であった。
 物色開始。

 ハンガーに140の数字がついているものを、次々に合わせてみる。
 もしかすると来年は150とかのサイズが、丁度よくなっているのかもしれない。日々大きくなってゆくみこりんであった。

 結局、みこりんが選んだのは、白いパーカー。じつにシンプルだ。これで雪山に彷徨い込んだら、保護色となって発見も容易ではないだろうと思われるほどの。
 ついでに手袋も買い(これも白)。指先がミトンにもなる可変タイプは、近頃の流行らしい。

 買って帰って、さっそく手袋をはめてみているみこりん。
 だが、ちょっときつかったようだ。サイズはフリーとなっているので、他に選びようはなかったのだけれど、もしかすると大人用のでも大丈夫だったのかもしれない。
 みこりんが私にその手袋をつけてみるように言っている。どうやら私の手にはめてみることで、生地が伸び、ちょうどよくなるかもと期待しているようだ。ふむふむ。

 私がみこりんの手袋を装着して、手をにぎにぎと開閉すること5分くらい。
 再度みこりんの手に、手袋がはめられてゆく。
 伸び具合はいかがであろうか。

 じっと毛糸の指先を見つめていたみこりんだったが、やがてにこっと笑顔になった。
 いい感じらしい。でも、時間が経ったら、元に戻ってしまうような気もするが…、まぁ、そのうち本当に生地が伸びてくるかと思うので、きっと大丈夫だろう。
 こうして、みこりんの冬支度は完了した。


2007.11.26(Mon)

ブーツ

 近所のお友達が、ちょっと早めのクリスマスプレゼントとしてブーツを買ってもらっていたのが、みこりんには気になっていたらしい。ただ、その子とは身長差が10cmほどあるので、みこりんにブーツはまだちょっと早いんじゃないかなぁと思っていたのだが…

 今夜、音楽教室からLicとともに帰ってきたみこりんが手にしていた大きな箱には、ブーツが入っていた。おぉ、買ってもらったのか。
 さっそく開封し、履いて見せてくれた。ほぅほぅ、思ったより自然だな。子供用ブーツとはいっても、普通に玄関に置いてあったらどこのお嬢さんが来訪しているのかと思ってしまうような本格派タイプ。色調は黒で、後ろに銀色の鎖が付いている。

 そしてブーツと共に、それに合うダークな色調のスカートも買ってきていた。みこりんは普段スカートは滅多に着ないし、買いに行っても「いらない」と言うので、てっきりスカートは嫌いなんだと思っていたが、ブーツに合わせて着てみている表情から察するに、ただの食わず嫌いだったんじゃないかと思われる。

 ブーツにスカート、それに昨日買ってきた白いパーカーを合わせてみると…。おー、なんかめっちゃお姉さんっぽく見えるな。
 女の子、おそるべし。


2007.11.27(Tue)

予防接種

 毎年、勤務先の会社では、この季節になるとインフルエンザの予防接種の予約を募り、希望者に破格値でワクチンを打ってくれるので、今年も申し込んでおいた。
 ワクチンを打ったからといって絶対インフルエンザにならないというわけではないけれど、罹った場合の治りが早いとか、症状が打たない場合に比べて酷くならないという話もあるので、打っておくにこしたことはない。しかも1回1000円だし。これは安い。

 というわけで今日がその接種日。午後イチに打ってもらった。産業医による問診時、常用している(他人の咳から自衛するための)マスクを装着していたのだが、それについては特に言及はなかった。何か言われるかなと思っていたので、やや拍子抜け。
 左腕に打ってもらって、仕事を再開。
 ところが、15時頃から突如として襲い来る猛烈な悪寒。まるで体内に氷塊でも突き刺さったみたいな冷気が、体から熱を奪ってゆく。

 愛用しているひざ掛けをぎゅっと巻きつけ、出勤時にいつも着ているフリースを着込み、もこもこになりながら仕事を続ける。なんとなく頭痛と、喉の奥に違和感が生じているような気もする。風邪の諸症状というやつに似ているような気もするが…、これとインフルエンザのワクチン接種との因果関係はよくわかならい。
 幸い、それ以上酷い状態にはならず、常備薬として持ち歩いている痛み止め(おもに頭痛用)を服用したら、かなりましになった。

 今年のインフルエンザは何十年ぶりかで、Aソ連型とか。ソ連といっても、それが何の略称なのか通用しない世代のほうが多くなってきたんじゃないかと思われる今日この頃。妙に懐かしい響きだ。
 今年はみこりんにもワクチン打っておいたほうがいいかもしれない。でも、みこりん近頃ちょっと風邪っぽいので、コンディション的にはかなり微妙。


2007.11.28(Wed)

今年のクリスマスプレゼントは

 靴底にローラーのついた、ローラーシューズをみこりんは持っているけれど、日々成長してゆくみこりんゆえ、すでに足のサイズが合わなくなってしまっていた。
 だからちょっと前まで、今年のクリスマスプレゼントには「新しいローラーシューズがいいなぁ」なんて言っていたみこりんだったが、最近、お友達が履いていたローラースケートを見て、自分もそっちの方がよくなったらしく、今日はしきりと「ローラースケートがいいなぁ」と言っている。

 ローラースケートとは、また懐かしい響きだなと思ったので、「それって車輪が靴の底に一列に並んでいるやつ?」と、聞いてみたところ、まさにそれだという。ふむふむ、いわゆる“インラインスケート”というやつだね。

 新しい言葉が出てくると、みこりんはWebのサーチエンジンで調べる癖がある。今回もさっそく検索してみていた。使っている検索エンジンが、Amazonというあたりがじつにみこりんらしい。おもちゃ関係の検索だから、条件を絞り込むのにAmazonの検索は都合がよいことをすでに知っているのだ。

 “インラインスケート”もしくは、“ローラーブレード”という検索ワードでずらずらっと表示される商品写真を見て、みこりんは「うん、こういうのだった」と納得している模様。
 ローラーシューズよりも使いこなすのは難しそうな気もするが、みこりん的にはぜんぜん平気らしい。なかなかチャレンジャーである。

 ところで、みこりん達の間では、サンタクロースが実際に家の中に入ってくるのではなく、親がサンタさんからプレンゼントを受け取って、枕元に置いているのだという説も出てき始めているらしい。サンタさんの謎が解き明かされるのも、時間の問題なのだろうか。


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